F1の小部屋 NEO

F1のリザルトについてあれやこれや好き勝手にコメントしてみようと思います。レース終了後1週間以内に更新(目標)。

2020 ROUND 17 ABU DHABI GP

2020年12月20日 05時37分23秒 | Weblog
1位 M.フェルスタッペン レッドブル・ホンダ
2位 V.ボッタス メルセデスAMG
3位 L.ハミルトン メルセデスAMG
4位 A.アルボン レッドブル・ホンダ
5位 L.ノリス マクラーレン・ルノー
6位 C.サインツ マクラーレン・ルノー
7位 D.リチャルド ルノー
8位 P.ガスリー アルファタウリ・ホンダ
9位 E.オコン ルノー
10位 L.ストロール レーシングポイント・メルセデス

 アブダビGPです。最終戦です。当初、新型コロナの影響でカレンダーには入っていませんでしたが、なんだかんだで無事に復活。最終戦の顔としてのステータスを確保しました。スターティンググリッドですが、ポールはフェルスタッペン。以下ボッタス、ハミルトン、ノリス、アルボン、サインツと続きます。フェルスタッペンがメルセデスの2台を抑えてポールを獲得、6番グリッドまでをレッドブル、メルセデス、マクラーレンで占めているという状況です。スタートはフェルスタッペンが無難にダッシュを決めてホールショット。後続も大きな混乱は無くマシンが次々と通過していきます。ここ最近では珍しい、穏やかなオープニングラップではないでしょうか。10周目、ペレスのマシンがストップ。前回サヒールGPの勝者、ペレスですがこのレース最初の、というか唯一のリタイアとなってしまいました。さて、ペレスのマシンがストップしたことによりバーチャルセーフティーカーの導入です。各車一斉にピットイン、タイヤ交換を行います。リチャルドとベッテル、ルクレールがステイアウト。タイヤ交換のタイミングを遅らせて順位を稼ぐ作戦でしょうか。レースの方はフェルスタッペンがリード、それにメルセデスのボッタスとハミルトンが続くといった状況です。以下、リチャルド、ノリス、そして、ステイアウトを選んだフェラーリのベッテル、ルクレールと続きます。14周目、ターン8でサインツがルクレールのインに入ってオーバーテイク。立ち上がりの緩いRのついたストレートでルクレールが追いすがりますが、ターン11でサインツがイン側に入りブロック。サインツ、フェラーリの2台に割って入ります。ステイアウトを選んだフェラーリ勢ですがイマイチペースが上がらない様ですね。そして、レースの方はフェルスタッペンがブッチギリのトップチェッカー。メルセデス勢を全く寄せ付けませんでした。今シーズン2勝目、有終の美を飾り、いい気分でシーズンオフを過ごすことができるんじゃないでしょうか。それにしてもホンダ、これだけの速さを持ちながら撤退とは何とも勿体無いですね。2位はボッタス。チームメイトでライバルでもあるハミルトンの前でチェッカーを受けることができました。3位はハミルトン。コロナの病み上がりということもありそれが影響したのか、イマイチパッとしないレース展開となりました。”GOT ONE MORE DANCE... FINAL DANCE.”(リチャルド担当のメカニック)最終戦ということもあり、チームを去ることになる面々がスタッフと別れの思いを言葉に託すなど、最終戦毎シーズンのことですが、今回もさながらお別れ会の様相を呈していました。ベッテルなんかは、フェラーリへの感謝をイタリア語の替え歌で披露する等、語学が堪能なことを見せつけていましたね。ドイツ語、英語、イタリア語が話せるのですから少なくともトライリンガルではある訳です。昨シーズンはルクレールとの確執が取り沙汰されてましたが、ルクレールはチームを去るベッテルに感謝の言葉を述べる等、いつの間にか良好な関係に戻っていた様です。めでたく円満退社(局アナですか?笑)となり、来シーズンはアストンマーチン(現在のレーシングポイント)に移籍する訳ですが、新天地での活躍を期待するとしましょう。さて、今シーズンの総括といきますか。今シーズンを表現するならば、フェラーリの不振とニューヒーローの誕生、といったところでしょうか。先ずはフェラーリの不振ですが、優勝どころか表彰台が2人合わせて3回という惨憺たる成績です。空力とパワーユニットに問題があるということですが、シーズン後半には来シーズンのマシンに開発に注力していたという状況でした。その様な中、ベッテルがトルコGPでポディウムに立てたのは特筆すべきことじゃあないでしょうか。そして、ニューヒーローの誕生。開幕戦のオーストリアGPではノリスが自身キャリア初のポディウム。イタリアGPではガスリーが初優勝。サインツも優勝争いを繰り広げて自己最高位の2位でフィニッシュしています。サヒールGPではペレスも初優勝。2位には初ポディウムのオコンが入りました。そして、このレースでは代打屋のラッセルという伏兵がレースを支配することに。予選では、あわやポールポジションの2番グリッド。決勝レースでも臆することなく正ドライバーのボッタスにバトルを仕掛け、首位を快走。ポテンシャルの高さを見せつけました。このレースで高い評価を得たラッセルは、今後の自身のキャリアに弾みをつけることになったのは間違いないでしょう。今シーズン、コロナの感染拡大が懸念される中、オーストラリアGPが開幕しましたが、マクラーレンのスタッフが感染したことにより急遽中止に追い込まれました。そして、約4か月後に欧州のオーストリアGPが開幕戦としてシーズンがスタート。当初年間22戦だったものが8戦にまで減らされたカレンダーが発表されることに。しかしその後、同じサーッキットで2連戦、過去にレースが行われていたサーキットでの開催を復活させるなど主催者側の努力でレース数が増加、最終的に17戦まで増えることとなりました。まあ、今シーズンはコロナに振り回された1年といえるでしょう。サーキットでの風景も大きく変化しました。無観客での開催。ロシアGPあたりから入場者数を限定して開催されましたが、やはりスタンドがガラガラだと寂しいですね。とくに、フェラーリの聖地であるモンツァでティフォジ達がいなかったというのは何とも寂しい感じがしたものです。無観客でのポディウムも、やはり寂しい感じが拭えませんでしたね。本来ならば、ポディウムの前には大勢のスタッフや観客が居並ぶ中でのシャンパンファイトとなる訳ですが。そして、皆がマスクを着用。チームカラーに統一されたマスクはオシャレというか、クールな感じがして自分的には好感触でしたが。それもこれも、コロナ感染拡大防止の為、命を守る為ですから仕方がありません。来シーズンのカレンダーが発表されましたが、オセアニア、アジア地域も含まれています。もし、コロナの感染拡大で渡航制限等が採られた場合、中止、延期を余儀なくされる可能性も否定できません。モータースポーツの世界に限ったことではありませんが、来年も新型コロナとの戦いは続くでしょう。日常生活でも色々制限を受けるでしょうが、最低限のマナーは守り賢明な生活を心掛けたいものです。

2020 ROUND 16 SAKHIR GP

2020年12月13日 04時57分35秒 | Weblog
1位 S.ペレス レーシングポイント・メルセデス
2位 E.オコン ルノー
3位 L.ストロール レーシングポイント・メルセデス
4位 C.サインツ マクラーレン・ルノー
5位 D.リチャルド ルノー
6位 A.アルボン レッドブル・ホンダ
7位 D.クビアト アルファタウリ・ホンダ
8位 V.ボッタス メルセデスAMG
9位 G.ラッセル メルセデスAMG
10位 L.ノリス マクラーレン・ルノー

 サヒールGPです。サヒールとはサーキットのある地名です。今シーズンのトレンドというか、今回もローカルな地名が冠グランプリ名に採用された訳です。まあ、自治体としては本来無名だった地名が、国際的に報じられるのでいいことなのではないでしょうか。余談になりますが、1998年サッカーW杯フランス大会で日本対アルゼンチンの試合が行われたのですが、その開催地となったのがトゥールーズです。これまで、日本人に全く馴染みのなかった地方都市が、一躍全国レベルで知れ渡る様になりました。その国の人からすると、「何でそんな地名知ってるの?」という様なことがあったりしますが、トゥールーズはまさにこのケースに当てはまるんじゃないでしょうか。これまで、エミリア・ロマーニャとかトスカーナ、アイフェル等の地名が冠グランプリ名に採用されましたが、正直どれもが初めて聞く地名でした。実際に観光の収入アップなどにつながるかはともかく、ワールドワイドで地名が報じられたことは、多少なりとも自治体にとってはメリットはあったんじゃないでしょうか。ちなみに、ドイツ人の元F1ドライバー、ニック・ハイドフェルドの出身地はメンヒェングラートバッハです。この地名、何かカッコいいのでどこかのグランプリで採用したらどうですかね?と、無茶な注文をしてみました(汗)。さて、スターティンググリッドですが、ポールはボッタス、以下ラッセル、フェルスタッペン、ルクレール、ペレス、クビアトと続きます………。何だってー?何とラッセルが2番手ですよ!実はラッセル、今回はメルセデスからの出走です。ハミルトンが新型コロナに感染した為、出走停止を余儀なくされました。その代役として、メルセデスの育成ドライバーであるラッセルが起用されたという訳ですヨ。フリー走行ではトップタイムを叩き出すなど遺憾なく実力を発揮。この勢いでポールポジション獲得か?と期待されましたが、正ドライバーのボッタスが何とか意地を見せて、からくも0.026秒差でポールポジションを獲得しました。先輩チームメイトが壁となって立ちはだかった、といったところでしょうか。ところで前から気になってたんですけど、このラッセルのプロフィールで使われてる画像、おかっぱみたいな変な髪形何とかなりませんかね?って余計なお世話ですか(汗)。スタートは、2番グリッド、イン側のラッセルの伸びが良く、ボッタスのインに入ってホールショット。新参者にホールショットを奪われて焦ったのかボッタス、ターン2の立ち上がりで軽くテールスライドを起こします。これで加速が鈍りターン4手前のストレートでフェルスタッペンとペレスに並びかけられます。が、イン側にマシンを寄せ後続の猛攻を何とかしのぎ切りました。と、思いきや、大外にいたペレスとイン側のルクレールが接触。ペレスはスピンしてコースアウト。ルクレールは左フロントサスペンション破損でリタイア。フェルスタッペンはこの2台に進路を塞がれコースアウト。ウォールに突っ込んでリタイアです。スピンしたペレスは自走可能でピットイン、ミディアムタイヤに交換して最後尾にポジションダウンです。7周目、メインストレートで3番手のサインツがボッタスの射程距離内に入ります。イン側にマシンを寄せるボッタス。しかし、サインツは構わず、大外からターン1でボッタスの前に出ます。ターン2も何事もなくクリアしますが立ち上がりで苦しくなったのか、ターン3でイン側のグラベルに乗り上げます。これで立ち上がりの加速が鈍ったサインツ、ボッタスに逆転を許してしまいます。56周目、ターン4手前のストレートでペレスがストロールの様子を窺います。ペレスの動きを意識し過ぎたのかストロール、ブレーキをロックさせてオーバーラン。ペレスの先行を許します。オープニングラップで最後尾まで落ちたペレス、何と現在4番手を走行しています。57周目、ターン3でオコンのアウト側から立ち上がったペレス。そのままターン4でオーバーテイク、何と3番手まで浮上してきました。残るはメルセデスの2台を残すのみ。まあ、さすがにこれ以上は厳しいでしょうねえ。62周目、エイトケンが最終コーナーでクラッシュ。このアクシデントによりセーフティーカーの導入です。メルセデスはダブルピットインを敢行。先ずはラッセルがピットイン。クルー達は卒無くタイヤ交換をこなしてラッセルを送り出します。続いてボッタスがピットイン。タイヤ交換を終えますが、クルーが何かに気が付いたのか、身振り手振りで何かをアピールし、先程装着したタイヤを外して元の古いコンパウンドのタイヤに着け直しました。どうやら、ラッセルとボッタスのタイヤを間違えて着けてしまった模様。ボッタスのタイヤを履いているラッセルは再びピットイン、タイヤを着け直します。これで、メルセデス陣営、大幅なタイムロスとなってしまいました。69周目、レース再開です。首位は何とペレス!最後尾からここまで這い上がってきました。70周目ラッセルがボッタスをオーバーテイク。72周目、ターン2でストロールをオーバーテイク。73周目、ターン4でオコンをオーバーテイク。ラッセル遂に2番手まで上がってきました。一方、ボッタスは使い古しのタイヤを履かされた為、ズルズルと順位を落としていき、最終的に8位でフィニッシュすることに。79周目、2番手を走るラッセルですが、左リアタイヤがパンクしてしまいピットインを強いられます。これで順位を落としたラッセルは14番手まで後退。最終的に9位でのフィニッシュとなりました。そして、レースの方は”YES CHECO! P1!”ペレスがトップチェッカー。何と最後尾からの追い上げでの優勝ですよ!正直、オープニングラップでルクレールにぶつけられてコースアウトした時には終わった感が漂っていましたが、その後驚異の追い上げをみせ首位にまで登り詰めました。メルセデスのドタバタ劇に助けられたとはいえこれはスゴいですね。最後尾からの追い上げはかなりのペースだったし、終盤、ラッセルの猛追も寄せ付けなかったことをみても、優勝するだけの速さは持っていたといっていいでしょう。参戦190戦目にして自身キャリア初の優勝を飾ったペレス、素直におめでとうと言いたいですね。2位は”SUPERB ESTEBAN,BRAVO!”オコンです。復帰後初、というかキャリア初のポディウムです。ルノー移籍後、結果らしい結果をやっと出すことができました。序盤から好位置に着け安定した走りをみせました。ひとつ、幸いたったのはポディウムにフェルスタッペンがいなかったことでしょう。2018年ブラジルGPでのフェルスタッペンとのいきさつ(※)をみる限り、どうみても「共演NG」ですからね(汗)。3位はストロール。久々のポディウムとはいえ、チームメイトに完敗しているので、素直には喜べないといったところでしょうか。気が付くと、ポディウムの面々は全員レーシングポイントゆかりのドライバーですね。今回、ペレスがまさかの初優勝を果たしましたが、残念ながら主役はハミルトンの代役としてメルセデスをドライブしたラッセルでしょう。予選ではあわやのポールポジション、レース中も首位を快走、ファステストラップを獲るなど、正ドライバーのボッタスを凌ぐ走りをみせていました。このレースでラッセルの評価は急上昇。初優勝を逃したのは残念でしたが、自身のキャリアのターニングポイントとなったことは間違いないでしょう。ラッセルとは対照的に評価を落としたのはボッタス。スタートに失敗し、代役のドライバーにレースを支配されました。タイヤ交換のドタバタ劇で古いタイヤを履かされた後、急激に順位を落としていきましたが事情を知らない人がみたら、ボッタスが代役ドライバーに先行され焦ってペースを乱した、可哀そうな先輩ドライバーとしか映らなかったことでしょう。正面にはハミルトンという壁が立ちはだかり、後ろからはラッセルという若手に小突かれているボッタス。周囲からの批判にも晒され、正に四面楚歌とでもいうべき状況です。ハミルトンの出場停止でチャンスかと思いきや、一転ピンチに追い込まれてしまいました。ここが踏ん張り所じゃないでしょうか。”A LOT CAN HAPPEN IN THIS RACE AS WE SAID BEFORE.”レーシングポイントのスタッフがオープニングラップで、ペレスがコースアウトした時に言っていた様に色々なことが起こりました。やはり、外周路を使用した初のレースということもあり各チームデータを持ち合わせていなかったということも多少なりとも影響していたのかも知れません。前回のバーレーンGPもそうでしたが、サーキット全体が衝動的な何かに突き動かされていた様な気がします。何とも記憶に残るレースでした。

※周回遅れのオコンが首位を走るフェルスタッペンにオーバーテイクを試み接触、コースアウト。レースを台無しにされ激昂したフェルスタッペンはレース後、オコンに詰め寄り小突くといった場面がみられた。

2020 ROUND 15 BAHRAIN GP

2020年12月06日 04時35分04秒 | Weblog
1位 L.ハミルトン メルセデスAMG
2位 M.フェルスタッペン レッドブル・ホンダ
3位 A.アルボン レッドブル・ホンダ
4位 L.ノリス マクラーレン・ルノー
5位 C.サインツ マクラーレン・ルノー
6位 P.ガスリー アルファタウリ・ホンダ
7位 D.リチャルド ルノー
8位 V.ボッタス メルセデスAMG
9位 E.オコン ルノー
10位 C.ルクレール フェラーリ

 バーレーンGPです。前回のトルコGPに続き中東での開催です。このコロナ禍の中開催にこぎ着けるとは、やはりオイルマネーの力なのでしょうか(汗)。さて、スターティンググリッドですが、ポールはハミルトン。以下、ボッタス、フェルスタッペン、アルボン、ペレス、リチャルド、オコン、ガスリーと続きます。ちなみに、フェラーリ勢はベッテルが11番グリッド、ルクレールが12番グリッドと苦戦を強いられています。スタートはポールのハミルトンの伸びが良くがホールショット。2番グリッドのボッタスは出遅れ、次々と他のマシンが先行していきます。結果、6番手まで後退することに。後方では、他のマシンと接触したのか、ノリスがフロントウイングから火花を散らしながらストレートを通過していきます。ターン2でストロールはベッテルに押し出されてコースアウト。ショートカットする形でターン3の内側から復帰します。その後方ではサインツとベッテルが絡む様な形で並走。これを避けようと、おそらくライコネンがターン3のアウト側にコースアウト。この一連の混乱を避けようとしたのかグロジャン、コースの左側から右側に急激に方向転換。クビアトの前を横切ります。その際に接触しクビアトもコースアウト。一気に方向転換したグロジャンは深い角度でガードレールに激突。その瞬間大きな火柱がマシンから上がりました。マシンは前後に真っ二つになり、ガードレールを突き破ったコクピット部分から大きな炎が吹き出しています。そして、コクピットからはグロジャンが自力で脱出し、ガードレールを乗り越えて炎から逃れてきました。グロジャンの怪我は両手の火傷で済んだとのこと。クラッシュの衝撃で気絶をしなかったのは幸いでしたね。もし、気絶していたら、もっと深刻な事態に陥っていたことでしょう。現代F1の安全性の高さを図らずも証明することになりました。再スタートは、セーフティーカー先導でマシンがコースイン。1周減算で3周目からということでスタートです。グリッドは事故発生前のSCライン2通過時点の順となります。グリッドはポールがハミルトン、以下フェルスタッペン、ペレス、ボッタス、アルボン、リチャルドのオーダー。再スタートもハミルトンがホールショット。以下、大きな混乱も無くマシンが通過していきます。後方のターン8では、クビアトがストロールのインにマシンを寄せますがタイミングが遅かった為、クビアトの左フロントタイヤにストロールの右リアタイヤが乗り上げる格好に。結果、ストロールのマシンは大きく浮き上がり横転。逆さまになった状態でコース脇にストップしました。このアクシデントの原因をつくったとの過度により、クビアトに10秒加算のペナルティです。グロジャンに続きストロールに接触した上にペナルティとは、クビアトもツイていないですね。このアクシデントによりセーフティーカーの導入です。9周目、綺麗に一列に整った隊列からレースは再開。再々スタートでは上位陣は大きな変動は無く、中盤ではルクレールがオコンのインに並びかけます。しかしオコンは譲らずサイドバイサイドのままターン1を立ち上がります。その後も。ルクレールはターン4手前のストレートでアウトから並びかけますが、オコンはこれを抑えきりました。12周目、トリッキーな動きでブロックをするルクレールをサインツがインに潜り込みブレーキングを遅らせて、ターン1でオーバーテイク。7番手に浮上です。定石通りのオーバーテイクで見事ポジションアップです。27周目、イン側でブロックラインを採るオコンをサインツがターン1でアウト側からオーバーテイク。好調なサインツ、着々と順位を上げていきます。54周目、3番手を走行中のペレスのマシンの後方から炎が噴き出します。ポディウム圏内を走行中のペレス、これは悔しいリタイアとなりましたね。これでセーフティーカー導入となり、スロー走行のままチェッカーが振られることに。序盤のグロジャンのクラッシュ、炎上。再スタート後に起こったストロールの横転と波乱含みのレースを象徴する様な終わり方を迎えました。これでハミルトンがトップチェッカー。”TOUGH”なレースで見事優勝を収めました。2位はフェルスタッペン。今シーズン6回目の2位です。今回もハミルトンはかないませんでしたが、ファステストラップを獲ったのがせめてもの救いでしょうか。3位はアルボン。自身キャリア2回目のポディウムですが、ペレスのリタイアで得た、タナボタのポディウムなので本人としても微妙なところかも知れません。とはいえ、ここのところ不振が続きシート喪失の危機を伝えられていたことを考えれば、このポディウムは自身にとっても大きない救いになることでしょう。さて、今回の一番の大きな出来事はやはりグロジャンのクラッシュでしょう。夜ということもあり、マシンから上がった火柱は煌々と燃え盛り、グロジャンの姿は窺い知ることは出来ず、只々無事を祈るだけでした。真っ二つに割れたマシンだけを見るならば、とても軽症で済んだとは思えない状態です。このアクシデントを見て、1989年サンマリノGPでのゲルハルト・ベルガーのクラッシュを思い出した人もいるのではないでしょうか。左の高速コーナーであるタンブレロでサスペンションが破損し、コースを逸れて右に向かって進んで行くマシンは大破して炎上。気を失っているのか、炎上するマシンからベルガーが出てくる気配はありません。ベルガーが乗ったままのマシンが炎に包まれている様はとても恐ろしい光景でした。程なくしてマーシャルカーが到着。迅速な消火活動のおかげでベルガーは肋骨の骨折と火傷だけで済んだのです。グロジャンのアクシデントにも言えることですが、マシンの安全性と迅速なマーシャルの消火活動が彼らを炎から救いました。特にグロジャンの場合は、ガードレールの突き破ったのに無傷だったのですから、頭部を守るハロがものをいったのは間違いないでしょう。”MASSIVE ACCIDENT”ではありましたが”FATAL ACCIDENT”にならずに本当に良かったと思います。