F1の小部屋 NEO

F1のリザルトについてあれやこれや好き勝手にコメントしてみようと思います。レース終了後1週間以内に更新(目標)。

2018 ROUND 5 SPANISH GP

2018年05月19日 05時43分33秒 | Weblog
1位 L.ハミルトン メルセデスAMG
2位 V.ボッタス メルセデスAMG
3位 M.フェルスタッペン レッドブル・タグホイヤー
4位 S.ベッテル フェラーリ
5位 D.リチャルド レッドブル・タグホイヤー
6位 K.マグヌッセン ハース・フェラーリ
7位 C.サインツ ルノー
8位 F.アロンソ マクラーレン・ルノー
9位 S.ペレス フォースインディア・メルセデス
10位 C.ルクレール ザウバー・フェラーリ

 スペインGPです。スターティンググリッドはポールがハミルトン、以下ボッタス、ベッテル、ライコネン、フェルスタッペン、リチャルドのオーダー。前列からメルセデス、フェラーリ、レッドブルの順に綺麗に並んでおります。スタートはハミルトンがホールショット。続いてベッテルの加速が良く、ボッタスをアウト側から被せて1コーナーでオーバーテイク。先頭のハミルトン、後続を引き離しにかかろうかというところですがターン3でアクシデントが発生。グロジャンがスピンした模様です。前を走っていたマグヌッセンに接触しそうになったグロジャン。慌てたのかコントロールを失いアウト側に膨らんでいきます。カウンターを当てますが態勢を立て直すことは出来ずにイン側に戻ってきました。ズバリこの動きが混乱の元ですね。後方を走っていたアロンソは縁石の外側にラインを取ることでアクシデントを回避。イン側に逃げたヒュルケンベルグですが僅かにタイミングが遅れて左リアタイヤが接触。左リアを軸に回転する様にアウト側に飛ばされてリタイアです。ガスリーもアロンソを避ける流れでヒュルケンベルグの後ろの位置でイン側に入ってしまい、左フロントタイヤが接触。サスペンションアームを破損してこちらもリタイアです。”I cannot believe”。スタート直後のリタイアに困惑の表情を隠せません。ちなみにガスリー、前回のアゼルバイジャンの予選では320km/hで走行中にパンクでスロー走行しているハートレーとニアミス、そして決勝ではマグヌッセンに320km/hで走行中に幅寄せをされて接触するという、あわやの場面に連続して遭遇しています。災難続きですが、気を取り直して次は好成績を残せるといいですね(汗)。さて、好調なのとは裏腹にハース勢、ここのところすこぶる評判が悪いです。特にマグヌッセンのアグレッシブなドライビングに批判の声が高まっています。前述しましたが、アゼルバイジャンでは320km/hで走行中にガスリーにマシンをぶつけ、ウォールに追い込むという様なことをしていました。かつて、シューマッハも、かなりダーティーなドライビングをしていました。2010年ハンガリーGPでのバリチェロに対する幅寄せは特に酷かったですね。ですが、ぶつけてない分だけマグヌッセンよりはまだマシだと思ってしまいましたよ。とはいえ、リプレイを観る限りシューマッハはぶつける気満々でしたけどね(汗)。バリチェロの逃げた先が、丁度ウォールのエンドになっていましたから。今回、スタート直後の混乱の元となったグロジャンのスピンは単なるレーシングアクシデントですが、マグヌッセンには最低限のバトルの流儀だけは守って欲しいものです。尚、グロジャンはスタート直後の混乱を招いた過度により、次戦モナコGPで3グリッド降格のペナルティです。さて、7周目にレース再開です。まずは先頭からハミルトン、ベッテル、ボッタス、ライコネン、フェルスタッペン、リチャルドのオーダーとなりました。リスタート直後の3コーナーでアロンソがオコンをアウト側から豪快にオーバーテイク。立ち上がった後4コーナーの入り口でイン側をブロックしてキッチリまとめます。アロンソ10番手にジャンプアップ。”What a lovely move!”。国際映像の実況アナウンサーが叫んでいましたが、見事なオーバーテイクでしたね。さて、ここで解説です。”lovely”という単語が出てきますが、ここでの使い方は日本人が一般的に連想する様な意味ではありません。「素晴らしい」という様な意味になります。ドライバーが好成績を出した時に、スタッフがこの”lovely”という単語を使って、ねぎらいの言葉を掛けることもあります。自分は最初に聞いた時に、どういうつもりで言っているのかサッパリ判らなかったので混乱してしまいましたよ(汗)。英語って本当に難しいですね!さて、先頭のハミルトンですが、ペースを上げて2番手ベッテルとのギャップを拡げて独走態勢を築きつつあります。17周目、ベッテルがピットイン。続いて目下のライバルであるボッタスは20周目にピットイン。コースイン時に後方からベッテルがストレートを立ち上がってきました。そして、前方のマグヌッセンをパスするのと同時にコースインしてくるボッタスの前に出るという妙技を披露。ボッタスのアンダーカットを阻止し、ポジションキープに成功しました。25周目、2番手を走行していたライコネンが最終コーナー手前で突如スローダウン。フェルスタッペンとリチャルドがかわしていきます。マシンを止める様ピットから促されるライコネン。エンジントラブルでリタイアです。26周目、先頭のハミルトンがピットイン。この時点では戦略を決めておらず、2回ストップも視野に入れていましたが、後にメルセデス勢は1回ストップを選択することになります。40周目にオコンがエンジントラブルでコースサイドにマシンを止めました。これによりバーチャルセーフティカーが出動。ベッテルはここで2回目のピットインを行います。結果的にこのピットインの選択が、ベッテルとメルセデス勢の明暗を分けることになります。42周目、フェルスタッペンはウイリアムズと接触。ウイリアムズのマシンは急にスピードを落とした様にも見え、そこにフェルスタッペンが避け切れずに接触。フロントウイングを破損してしまいました。フェルスタッペンは「彼が急にブレーキを踏んだ」と無線で訴えていましたが、まさにその様な不自然な挙動をみせていました。フェルスタッペンが最終コーナーを立ち上がる時に、フロントウイングの破片が飛び散ります。ベッテルは素早く避けましたが、ペレスは思いっきり踏んでしまいました。とはいえ、9位入賞で完走しているのでマシンに対するダメージは無かったと思われます。さて、先頭を行くハミルトン。ボッタスに20秒もの大差をつけフィニッシュ。前回のアゼルバイジャンのタナボタとは違い、自力で掴んだ勝利なので本当に嬉しそうですね。2位にはボッタスが入り、メルセデス久々のワンツーフィニッシュです。フィニッシュ後にニキ・ラウダをはさんでトト・ヴォルフとディーター・ツェッチェ(ダイムラー会長)が喜びを分かち合っておりました。ヴォルフとしてもお偉いさんの前で、最高の結果を出せたのでホッとしたことでしょう(ヤな言い方)。余談になりますが、2006年のアメリカGP。当時マクラーレン・メルセデスのドライバーだったモントーヤがチームメイトのライコネンにスタート直後に接触、リタイアするというアクシデントが起こりました。その直後、シーズン途中でモントーヤはチームを離脱してしまったのです。どうやらこれは、アメリカGPを観戦していたメルセデス首脳の前で、同士討ちという失態を犯した責任を取らされたと言われています。メルセデスの政治力、恐るべしですね(汗)。そして、3位はフェルスタッペンが入りました。追いすがるベッテルを振り切っての入賞です。今シーズン初のポディウム。接触のダメージが予想外に小さかったのはラッキーでしたね。続いて、4位はベッテル。1回ストップのメルセデス勢に対して2回ストップのベッテルは完全に後れをとってしまいました。これは明らかにチームの戦略ミス。適切な戦略をとっていれば、絶好調のハミルトンを捉えるのは無理だったとしても、ワンツーフィニッシュを阻止することは出来たでしょうから。ベッテルが焦って空回りしている間に、ハミルトンが復活してきました。この流れだとハミルトンがタイトルをさらっていくということになりそうですが………。ベッテル復活なるのか?今後にこうご期待です(汗)。

2018 ROUND 4 AZERBAIJAN GP

2018年05月04日 21時27分16秒 | Weblog
1位 L.ハミルトン メルセデスAMG
2位 K.ライコネン フェラーリ
3位 S.ペレス フォースインディア・メルセデス
4位 S.ベッテル フェラーリ
5位 C.サインツ ルノー
6位 C.ルクレール ザウバー・フェラーリ
7位 F.アロンソ マクラーレン・ルノー
8位 L.ストロール ウイリアムズ・メルセデス
9位 S.バンドーン マクラーレン・ルノー
10位 B.ハートレー トロロッソ・ホンダ

 アゼルバイジャンGPです。ポールはベッテル。以下ハミルトン、ボッタス、リチャルド、フェルスタッペン、ライコネン、オコン、ペレスと続きます。6番グリッドまではトップ3が占めており、その次にフォースインディアの面々が続くという布陣。最近はハースやトロロッソの活躍で影の薄かったフォースインディアですが、久々に彼らよりも前のグリッドです。今回も、このグリッドを象徴する様なレースが展開されることになります。スタートはベッテルのダッシュが良くポールショット。以下大きな混乱は無く各マシン1コーナーを通過していきます。ターン2ではシロトキンがペレスに接触、そのあおりでペレスがオコンに追突してフロントウイングを破損。破片が大きく吹き飛びました。ターン3手前ではアロンソとシロトキン、サインツの3台が横に並びます。真ん中にいたシロトキン、ヤバいと思ったのか少し下がりますが既に時遅し。右側のサインツと接触。そのあおりで左側のアロンソとも接触。シロトキンは左フロントがイカれてリタイア。アロンソも右フロントがイカれますが、ど根性でピットまで戻りウイングとタイヤを交換してレースに復帰です。尚、シロトキンは2度の接触の過度を問われて、次戦スペインGPで3グリッド降格のペナルティとなっております。最初の接触はともかく、2回目の接触は不可抗力という状況だったので少し気の毒な感じもしますが。さて、続く3コーナーではインに潜り込もうとしたライコネンとオコンが接触。派手に破片が飛び散り弾き飛ばされたオコンはウォールに張り付きリタイア。一方のライコネンはそのまま走行を続けます。ここでセーフティーカーの導入です。6周目にレース再開。先頭からベッテル、ハミルトン、ボッタス、リチャルド、フェルスタッペン、サインツのオーダーとなります。再開直後、フェルスタッペンがリチャルドのインを突いてオーバーテイク。そのあおりで加速が鈍ったリチャルドはサインツにもオーバーテイクされポジションを2つ落とします。このバトルは、更なるレッドブルのチームメイト同士の死闘へと続く予兆にしか過ぎないことを、2人は想像もしていなかったでしょう。12周目、リチャルドがターン1でタイヤスモークを上げつつフェルスタッペンのインに潜り込みます。その際にイン側のウォールに軽くヒットしたのか、挙動が不安定になり立ち上がりでフェルスタッペンとタイヤ同士を接触させています。接触したタイヤから派手に煙を出していました。そしてこの2台、次のストレートでもサイドバイサイドで走行を続け、次のターン2でようやくオーバーテイクしています。観ていてヒヤヒヤしますね(汗)。27周目、リチャルドが再びフェルスタッペンに仕掛けます。ターン1でアウト側から大外捲りしたリチャルド。立ち上がりでイン側をブロックしつつ立ち上がりますが、フェルスタッペンは譲らず。イン側に寄ってくるリチャルドをものともせずマシンをねじ込みターン2に侵入、ポジションは変わりません。35周目、またもリチャルドはターン1でアウト側から仕掛けます。イン側のブロックラインを守るフェルスタッペンをアウト側から豪快にオーバーテイク。タイヤスモークを上げたものの、今回は綺麗に決まりそのままフェルスタッペンを引き離していきます。38周目、リチャルドはタイヤ交換の為ピットイン。順位が変わり、再びフェルスタッペンが先行します。そして運命の40周目。リチャルドは1コーナーでまたも(もう何回目?)フェルスタッペンにアタック。DRSを使い一気に背後に迫るリチャルド。この勢いで飛び込むのはリチャルドの得意のパターン。アウト側にラインを移動しますが、フェルスタッペンが同じくアウト側にラインを移動させる素振りを見せたためイン側に移動します。そして、リチャルドの動きを察知したのか、フェルスタッペンが再びイン側にラインを移動させました。DRSで加速していたこともあり、これに反応しきれなかったリチャルド、挙動を乱してフェルスタッペンのリアに追突です。滑りながらランオフエリアに飛び込んでくる2台のマシン。熱いチームメイトバトルは、同士討ちという最悪の結果で幕を閉じました。この様子を一部始終モニターで観ていたエイドリアン・ニューウェイ(技術部門の責任者)はそそくさと立ち去ってしまい、クリスチャン・ホーナー(チーム代表)は渋い表情のまま身動きひとつしません。これはどうみても、フェルスタッペンの方に過失がありますね。ラインを2回移動させてますから。まるで、サッカーのフェイントの様なもので、DRSで一気に加速しているリチャルドが反応しきれなかったのも無理からぬことでしょう。相手はチームメイトなのですから、ここは意地を張って無理なブロックをすべきではありませんでしたね。さて、このクラッシュでセーフティーカーの導入です。このタイミングでピットインしたボッタスがベッテルの前でコースに復帰し首位をキープ。さて、6番手を走行していたグロジャン。スロー走行中に蛇行してタイヤを温めようとしていたのですが、コントロールを失って壁に激突!”NOOO!”と叫ぶグロジャン。凡ミスを犯した自分の不甲斐無さに怒りを感じたのか、ピットに戻った後、グローブを思いっきり床に叩きつけていました。近くにいたスタッフが少しビビッています(汗)。さて、再スタート後の48周目のターン1、ベッテルが首位を奪還すべく、タイヤスモークを上げながらボッタスのインに飛び込みます。しかし、明らかにオーバースピードで大きくアウト側に膨らんでしまいました。その隙にハミルトンとライコネンに先行され4位にポジションダウン。こんなことならアタックしなかった方が良かったんじゃね?と普通の人は思うところでしょうが、自分はそうは思いません。このベッテルの動きはむしろ称賛すべきですね。隙があれば、というかイケそうだったら獲りに行く。この攻撃性ですよ。逆に、この攻撃性が無いんだったらレーシングドライバーなんか辞めて、TVのレポーターでもやってる方がいいですね、マジで。その意味で、このベッテルのアタックは素晴らしいものだったと思います。場も盛り上がりましたしね(そこか!)。49周目、メインストレート上で先頭を走っていたボッタスのリアタイヤが突如バースト。みるみるスピードダウンしていきます。その直前にデブリを拾う様子をカメラが捉えていました。場所も悪かったですね。ピットのから入口から最も遠い場所でバーストしています。これでは戻れたとしても大幅にタイムロス。この様子をみていたトト・ヴォルフが頭を抱え込んでしまいました。久々のメルセデスのワンツーフィニッシュが目前だっただけに、無理からぬことでしょう。結果、2番手を走行していたハミルトンがトップチェッカー。久々の勝利でランキングトップに返り咲きです。とはいえ、完全復活という感じではないので、本人としても微妙なところでしょう。2位はライコネン。オープニングラップの接触で派手にパーツを撒き散らしていましたが、それをものともせずポディウムゲットです。そして、3位は”チェコ”(ペレスのニックネーム)が入りました。ペレスも序盤の接触でパーツを吹き飛ばしています。久々のポディウムに無線で喜びを爆発させるペレス。”信じられないよ、みんな!もう一度結果を残すことができた!これは偶然なんかじゃない!ありがとう、みんな!”(かなり自信の無い訳)。昨シーズンはポディウムが無く、今シーズンに入ってからはハースやトロロッソ、ルノーに圧され気味だったので喜びもひとしおでしょう。”ONCE AGAIN”と何度もシャウトしていたことからも、そのことが伺えますね。さて、最初から最後まで波乱続きの”CRAZY”な、本当に”CRAZY”なレースが終わりました。序盤に起こった複数の接触事故、長時間に亘るレッドブルのチームメイトバトル、終盤、先頭を走っていたボッタスの突如のリタイア、そしてポディウムに上がった3人のうち、ハミルトンだけが無傷だったというのがそれを象徴していますね。ハミルトンがランキングトップに返り咲き、これから各チーム共、マシンのアップデートも進むでしょうから、ここがシーズンの新たなスタートといってよいでしょう。ますます混迷の度を深めてきた今シーズン、今後の展開に要注目です。