F1の小部屋 NEO

F1のリザルトについてあれやこれや好き勝手にコメントしてみようと思います。レース終了後1週間以内に更新(目標)。

ROUND 7 CANADIAN GP

2011年06月17日 21時39分31秒 | Weblog
1位 J.バトン マクラーレン・メルセデス
2位 S.ベッテル レッドブル・ルノー
3位 M.ウェーバー レッドブル・ルノー
4位 M.シューマッハ メルセデスGP
5位 V.ペトロフ ロータス・ルノーGP
6位 F.マッサ フェラーリ
7位 小林可夢偉 ザウバー・フェラーリ
8位 J.アルゲルスアリ トロロッソ・フェラーリ
9位 R.バリチェロ ウイリアムズ・コスワース
10位 S.ブエミ トロロッソ・フェラーリ

 私はガン専門医。今、検診しているクランケは末期ガンのご婦人だ。腫瘍を切除した後も、抗がん剤、放射線治療等あらゆる治療を施したが、残念なことにガンが再発してしまい手の施し様が無い状態に陥っている。しかし、私は医師である。常に患者の気持ちに立って行動しなければならない。彼女は抗がん剤の副作用による脱毛、放射線治療による吐き気や目まいにも歯を食いしばって耐えてきた。今行うべきはこのご婦人に励ましの声を掛けることだ。自分にそう言い聞かせると、私はこのご婦人に「頑張ってくださいね」と声を掛けた。しかし、このご婦人の様子がおかしい。じっとして動かないでいるのだ。そして、ポツリとこう言った。「私、今日まで頑張ってきましたけど、もうこれ以上頑張れません…」と。正直言って私は狼狽した。励ますつもりがかえってこのご婦人の心にとどめを刺すことになってしまったからだ。そして、患者の立場に立っていると思っていたが全くそうでなかったことを理解した。彼女の心も体も限界に達していたということを…。これは、あるお医者さんが実際に体験したお話です。さて、東日本大震災以来、「がんばろう」という言葉をよく耳にする様になりました。「がんばろう」という言葉、この言葉自体は素晴らしい、いい言葉だと思います。しかし、被災者の方の状況は千差万別。通り一遍に「がんばろう」の一言の励ましで済むものではない、と臨床心理士の専門家が指摘しています。確かに、家や家族を失って自暴自棄になっている人に「がんばろう」と言っても心に響くとは到底思えません。人によっては「あ?俺は頑張っていない風に見えんのか?」と反発するかも知れません。特に、被害が甚大な地域での被災者の方は、罪悪感や後悔の念を抱いていることが少なくありません。それは、家族が死んだのに自分だけが生き残ってしまったという罪悪感。あの時、もう少し気を利かせていれば友達を助けられたかも知れないという後悔の念、です。こうした被災者の方の複雑な心情を知ってしまうと、気軽に「がんばろう」何て言える筈がありません。さて、我がF1界でも「がんばろう、日本」キャンペーンが展開されたことは記憶に新しいところです。フェラーリのノーズには日本語で「ガンバレ!日本」ですって。スゴイですよね、これだけのスペースでも、広告出すとしたら億単位の金がかかりますよ。こんなキャンペーンが行われたのは2001年に起こった9.11テロ以来のことじゃないでしょうか。もはや世界共通語になった感のある「がんばろう」ですが、純粋に応援してくれている世界中の人達の為にも、この言葉は正しく使われるべきじゃないかと思うのです。さて、カナダGPです。終盤までベッテルが先頭をひた走ります。このままいけばベッテル4連勝か~?と思いきや、何とファイナルラップで濡れた路面を踏んでしまいマシンがアウト側に大きくスライド。後ろに張り付いていたバトンがこのチャンスを見逃す訳が無く、すかさずオーバーテイク!バトン、見事に逆転勝利を収めました。大喜びのバトンと渋い表情のベッテルが非常に対照的でしたね。まあ、決まりかけていた勝利が最後の最後でベッテルの手からすり抜けていってしまったのですから、渋い表情になるのも納得ですが(汗)。さて、可夢偉です。タイヤを交換せずに粘りまくった結果、赤旗中断時には暫定2位!このまま何もなければ表彰台ですね?てなもんですよ。しかし、現実は甘くなく可夢偉はズルズルと後退してしまい7位でフィニッシュです。残念なことに表彰台には届きませんでしたが、事実上の開幕からの全戦入賞。脅威の安定感ですね。暫定とはいえ2位にまで上がったことでその存在感を大きくアピールしたに違いありません。もう、いい加減トップチームが接触してきてもいいと思うのですが、どうでしょうかね?

ROUND 6 MONACO GP

2011年06月04日 01時08分48秒 | Weblog
1位 S.ベッテル レッドブル・ルノー
2位 F.アロンソ フェラーリ
3位 J.バトン マクラーレン・メルセデス
4位 M.ウェーバー レッドブル・ルノー
5位 小林可夢偉 ザウバー・フェラーリ
6位 L.ハミルトン マクラーレン・メルセデス
7位 A.スーティル フォースインディア・メルセデス
8位 N.ハイドフェルド ロータス・ルノーGP
9位 R.バリチェロ ウイリアムズ・コスワース
10位 S.ブエミ トロロッソ・フェラーリ

 さて、モナコGPです。優勝はまたもベッテル、これで今季5勝目です。自身のキャリア初となるモナコを制したことでチャンピオンに大きく駒を進めることになりました。さて、過去にシーズン中、連勝を重ねているドライバーというのは、マシンのポテンシャルのアドバンテージのおかげで圧倒的にリードして優勝する、というパターンが殆どでした。しかし、ベッテルの場合、多くの勝利が接戦を制した上で成されているというのが特徴です。前回のスペインGPでは、終盤、ハミルトンとのバトルが記憶に新しいところですね。今回のモナコでもアロンソとのギリギリのバトルが繰り広げられました。そして、3位のバトンがそれに続くといった展開。もっともバトンの作戦は、2人のバトルを後ろから「いいぞ、もっとやれ!」といった感じで傍観し、あわよくば漁夫の利を得ようというものでしたが(汗)。そして、今回も最後まで冷静さを失わなかったベッテルがトップでチェッカーを受けたという訳です。冷静さを失わなかったという点ではアロンソも同様で、さすが実力者だけあって勝利への飽くなき欲求と、ポイントを確実に重ねることの重要さを天秤にかけたギリギリのバランス感覚が際立っていました。それと、対照的なのがルイス・暴れん坊・ハミルトンです(爆)。オーバーテイクを果敢に敢行したルイス・仕掛け人・ハミルトン(ミドルネームが変わってる。時代劇っぽいミドルネームはきっと偶然です)はマッサとマルドナドと接触。特にマルドナドとの接触は審議対象となり、レース後に20秒加算のペナルティを受けています。最悪なのが、これを不服に思ったハミルトンが放った暴言。「僕が審議対象になることが多いのは黒人だからかも。」というもの。以前、アロンソの母国であるスペインGPで、ライバルであるハミルトンが黒人であることを揶揄した侮蔑行為が問題になったことがありました。こいった人種差別的行為は実に恥ずべきことであり、主催者側はこの問題行動を取った観客を入場禁止の処分にしています。ハミルトンが今回放った暴言は、まさに以前自分自身が受けた筈であろう観客の侮蔑行為と同レベルの恥ずべきものといえるでしょう。冷静に考えれば、非がどこにあるのかは明らかですから。さすがにこれはまずいと思ったのかハミルトン、後にこの発言を撤回していますが、これはちょっといただけない「ブラック」な内容のものでしたね。さて、今週のサザエさん………、じゃなくて今週の可夢偉さんです(何故かさん付け)。何と可夢偉、モナコでの日本人最高位の記録を上回る5位入賞です(それまでは中嶋一貴の7位が最高)。惜しむらくは終盤のリスタートですね。ペトロフやアルゲルスアリらが絡んだ多重クラッシュでレースが中断。それまで4位を走行していた可夢偉ですが、これにより後続とのアドバンテージが帳消しになってしまいました。リスタート後、ウェーバーの攻めに耐え切れずにオーバーテイクを許してしまいます。続いて、ルイス・仕掛け人・ハミルトン(しつこい)もこれに続こうと襲いかかりますが、こちらは何とかブロック。そして、このまま逃げ切り5位でフィニッシュしました。この難しいモナコで、表彰台射程距離圏内の4位を走行していたというのは賞賛に値しますね。しかも、レッドブルやマクラーレンを向こうに回しての結果だからなお更です。失格になった開幕戦を入れると事実上の6戦連続入賞。周囲に対しても十分過ぎるぐらい実力をアピールしています。それを裏付けるかのごとく、トップチームが獲得に乗り出したなんていう噂も上がってくる程です。さあ、いよいよ夢の実現に向かって一歩近づいてきました。その夢というのは当然「ワールド・チャンピオン」です。トップチームに入れば、その可能性は俄然大きくなります。この世界に来て、それを夢見ない者はいないでしょう。そして、それは可夢偉だけではなく、我々日本人ファンの夢でもあるのではないでしょうか。