◎末松太平事務所(二・二六事件異聞)◎ 

末松太平(1905~1993)。
陸軍士官学校(39期)卒。陸軍大尉。二・二六事件に連座。禁錮4年&免官。

二・二六事件についての新刊(渋川)

2012年03月12日 | 渋川明雄
 2月28日に、河出書房新社から「禁断 二・二六事件」が出版された。
著者は、鬼頭春樹氏。著者は、昭和46年にNHKにディレクターとして入局し、平成19年に定年退職している。
在職中の平成12年に「プロジェクトX」「NHKアーカイブス」等の創設を編成局で担当した。
本の帯には次のように書かれている。

       蜃気楼のごとく浮かび上がる事件の新たなる相貌
        「プロジェクトX」を生んだ元NHKプロデューサーが
         蹶起の知られざる「禁断の空白」を精査追及―。   
       
       昭和11年2月26日、雪の朝、宮城を舞台に何が企てられたのか。物語は
       ふたりの人物に行き着く。当時34歳の大元帥陛下。そして28歳の近衛師
       団陸軍中尉。両者には雪の早暁に企てられた宮城作戦のトゲが突き刺さって
       いる。このトゲを抜けば二・二六事件が内包する膨大な膿が流れ出て来るに
       違いない。語られることがない禁断の領域がそこに露呈するのだ。
      
       ―松本清張「昭和史発掘」でスクープされてから40年、膨大な史料の森に
       分け入り、時刻を克明に辿り、隠蔽封印された宮城での作戦の全貌を抉り出す!

ということである。28歳の近衛師団陸軍中尉とは、中橋基明中尉のことである。
また、本の「あとがき」には次のように書かれている。

    「この物語は徹頭徹尾、だれにでも公開された情報で成立している。独自にスクープした
     史料はほとんどない。自慢出来るとすれば、無数の断片をピンセットで丁寧に拾い上げ
     て、根気よく独自の新しい物語を紡ごうとした点であろうか。基礎史料として独自に作
     成した事件に纏わる時系列記録のファイルは、B4で八四ページにわたった。これだけ
     で一年間かかる。いずれインターネットで公開したい。」

と。本の内容は、フィクションとノンフィクションの混合で構成されている。著者は言う。「そうした作品手法が真実に迫る上で成功しているかどうか、読者のご批判ご判断を得たい」ということである。
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