◎末松太平事務所(二・二六事件異聞)◎ 

末松太平(1905~1993)。
陸軍士官学校(39期)卒。陸軍大尉。二・二六事件に連座。禁錮4年&免官。

4.事件関係者の息子が実際に接した「二・二六事件の人たち」 水上源一さんのこと(その3)

2016年12月30日 | 今泉章利
4.事件関係者の息子が実際に接した「二・二六事件の人たち」
水上源一さんのこと(その3)
私が爆睡している今朝、末松さんがウォーキングの途中、慰霊像にお参り頂いたようで、美しい写真に感動いたしました。うれしい!
さて、、裁判記録の話に戻りますが、、
この膨大な資料のどこに水上さんの資料があるのか。全体を見て、しっかりと計画しなければなりません。資料の中には、自分の興味のあるものが、宝箱の中の宝石のようにたくさんあるので、気が散ってしまわないように、限られた時間の中で集中することが必要です。とは言っても、私の場合でも、初めてみる父の予審や公判の記述に、たまたまページが開いたりすると、目が釘付けになって読み込んでしまいましたが、、、

水上さんのものは以下にあります。記憶が定かでないのですが、表紙に書いてあったように思います。

訴訟記録(行動隊二十九冊ノ内第十八號)    注:(號という字もいかめしいですね、、)(地検のファイル番号では、46、で、これは(東京地検の46は、三分冊になっています)
東京陸軍軍法會議               注:(會という字もいかめしい。けれど、あとでご説明しますけど、これらの字が、草書体でくずされているので、本書に書かれている字をいい加減に読み飛ばさないことも肝要です。)

行動隊第二十九冊ノ内第十八號(湯河原班)
行動記録 昭和十一年 記 一號
件名  反亂(湯河原関係)全部        注:(亂という字も難しい。 ここでは反亂 反は 簡単な「反」になっていますが、書記官によって「叛」の字を用いることもあります。ニュアンスも変わりますが、そのまま移すことが大切です。)

主任 検察 向坂法務官
   豫審 高橋(外二)法務官
      宮内(外二)法務官
   公判 伊藤法務官
      鈴木録事
裁判 言渡 昭和十一年七月五日
   確定 昭和十一年七月五日
拘留  昭和十一年三月三日
保釈責付  なし
被告人 航空歩兵大尉 河野壽     注:ひさし
    歩兵軍曹   宇治野時参   注:ときぞう
    歩兵一等兵  黒澤鶴一
    常人     中島清治
    常人     宮田晃
    常人     綿引正三
    常人     黒田昶     注:きよし
    常人     水上源一    注:みずかみ
次のところから「文書ノ標目」、つまり目次として、以下117点が、ページ数(「丁数」と書かれている)とともに示されています。なお、記録には、「ひらがな」で出なくてカタカナが使われています。 私のメモも、カタカナで書いているはずです。(疲れて間違って書き写した部分もあるかもしれませんが、、)一番気になるのは、河野大尉のことですが、もう一度このブログで思い出したいと思います。ここでは拘引状、皆川巡査検案書、牧野峰子証人他、押収品、送致書、被告人尋問調書、勾留状、事件調書、水上はつね(源一さんの奥様)などのほか、被告人尋問調書、上申書(黒田)、手記(綿引正三)、第一回公判(5月5日)、第二回公判(5月6日)、第3回公判(5月9日)、第4回公判(5月10日)および判決の出た第5回公判(7月5日)が、921ページにわたって綴られています。

で、標目ですが、件数があまりに多いので、エクセルで表を作ってみ隊と思いましたが、このブログでは見られないのですよね。、、それでは、内容がわかるために三回くらいに分けて書きましょう。()内の数値は丁数です。但し、実際にチェックしてみると少し違っているところがあります。数字の番号は、私が便宜上つけたものです。少し解説をつけましたが、これをかくと時間がかかります。すこし端折りますので、ご寛恕。ブログは書きっぱなし、読まれっぱなし、反応はないので、どうかコメントを送っていただけるとありがたいと思います。なお、この記録は、私のノートからのもので、記録間違いなどあるかもしれません。精査はしておりません。また、このブログに書きこんでいるうちにインプットミスもあるかもしれません。そのようなことから、引用は必ずわたくし(今泉章利)の許可を得てからにしてください。この今泉の書きましたブログの著作権は私にありますので、無許可の引用は、お断りします。
いずれ、国立公文書館から公開がなされると思います。どうかそれをご参照ください。健康なうちに一刻も早く、私も、改めて、読んでみたいと強く願っています。

1.送致書(宮田晃) (昭和十一年三月二日横須賀憲兵分隊カラ第一師団軍法会議)(丁数一)
 注-1:宮田さんは、明治四一年一〇月九日生まれ、元戦車第二聯隊第二中隊、予備役陸軍歩兵曹長、茨城県猿島(さしま)郡古河町出身
 注-2:光風荘の中で、皆川巡査より、河野大尉とともに銃で撃たれ、出血多く、近くの松野病院にて治療を受けていたが、水上さんが顔を出した後、詳細はわからぬが、混乱のうちに水上さんたちは、車で出発。横須賀憲兵隊が宮田さんを拘束。横須賀の衛戍病院に搬送。
 注-3:横須賀憲兵分隊より「第一師団軍法会議」へ送るとあり、そこから「東京陸軍軍法会議」(特設的性格を帯びている)へ送致されたものと思われる。
2.  書類目録             (丁数三)
3.  拘引状(宮田晃)         (丁数四)
4.  報告書              (丁数五) 
5   被告人宮田晃横須賀憲兵尋問調書  (丁数七)
6   検證調書(憲兵)         (丁数二三)
7.  皆川義孝ノ検案書         (丁数三七)
8.  xx引渡證            (丁数四二)
9.  xx受領証            (丁数四三)
10. 証人森すゞ江憲兵尋問調書     (丁数四七)
11. 同 松野鐡之助憲兵尋問調書    (丁数四九)
12. 同 牧野峯子憲兵尋問調書     (丁数五二)
13. 証人 高橋正雄憲兵尋問調書    (丁数五八)
14. 証人 西田久野憲兵尋問調書    (丁数六二)
15. 証人 村松梅子憲兵尋問調書    (丁数六六)
16. 証人 岩本亀三憲兵尋問調書    (丁数七〇)
17. 証人 生駒林二憲兵尋問調書    (丁数七四)
18. 証人 堀部粂次郎憲兵尋問調書   (丁数七八)
19. 証人 伊藤昶清憲兵尋問調書    (丁数八二)
20. 証人 伊藤亀吉憲兵尋問調書    (丁数八八)
21. 診断書 森鈴江          (丁数九四)
22. 診断書 岩本亀三         (丁数九五)
23. 診断書 宮田晃          (丁数九六)
24. 押収調書(於伊藤屋別荘)     (丁数九七)            
25. 押収目録(ブローニング、発射弾) (丁数九八)
26. 押収調書(於回春病院)      (丁数九九)
27. 押収目録(二十六年式拳銃)    (丁数一〇〇)
28. 証拠品目録            (丁数一〇一)
29. 送致書(河野壽、宇治野時参、黒澤、中島、黒田、水上、綿引)  (丁数一〇三)  (注:宮田は抜けている。別途横須賀憲兵分隊より送致)
30. 書類目録(尋問調書、前科及び身上、素行調書、拘引状  宇治野、黒澤、中島、黒田、水上、綿引)(丁数一一〇)

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