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ユーザーの矛盾した要求を可視化し、最終的にUMLの形に落としこむ手法を、「世界的には」教えている

2015-11-08 15:05:14 | 開発ネタ

・・・日本は教えていないみたいだけど・・・


要求仕様書は(UML等を使ったり、文書だったりの違いはあるモノの)、一般に、

 ・データフロー(業務フロー)がどうなっているか
 ・データ構造がどうなっているか

を示している。たとえばUMLだと前者はユースケース図→アクティビティ図、
後者はクラス図となる。そして、これらの図の間にコンフリクトや矛盾がないことが
よいものとされている。

しかし、実際のユーザーの要望は、ユーザー間で矛盾していたり、
コンフリクトがあって、それを調整する必要がある。
 そして、その結果が上記UMLに書かれる。




このようなユーザーの要望、意図を記述し、その間の矛盾、トレードオフを
可視化する手法がKAOSで、Lamsweerdeさんは、そのKAOSを使って、
UMLのユースケース図、クラス図等に落とし込み、要求を出す手法を、

Requirements Engineering: From System Goals to UML Models to Software Specifications

で説明している。全体図は、こんなかんじ。

8章、9章がKAOS、
10章がクラス図(を本文中では説明している)
11章がエージェントモデルで、その中でi*を説明している
12章がユースケース図
13章がシーケンス図とステートチャート図
に展開している(これ以降の章で、形式手法に展開している)

世界的にみると、要求工学を教える場合、この本が使われているみたい・・・

なので、ユーザーの要求(をゴールという形で表現するゴール指向分析;KAOSはその一派)
から、UMLに落とし込んで、要求仕様を作るという手法は、世界的にみると
当たり前なことなのかもしれない。





最近、ある要求工学の授業内容をみる機会があった。
で、その資料をみたら、上図(全体図)を説明すべきところに
別な図が入っていて・・・UMLとの連携は書かれていなかった。

たぶん、説明もしていないのだろう・・・

ってことは、日本では、ユーザー要求を、どう処理すると、UML
に落ちて、システム化できるかは、説明されていないということだ・・・
(その授業で説明されないなら、たぶん、日本のどこの要求工学の
 授業でも説明されないであろうと思われる授業なので・・)

・・・世界的には、説明されているのに・・・

だから


顧客分析力がこんなに求められちゃうんだよね。
ソフトウェア工学の割には・・・

う~ん、日本は遅れているかもしれない・・・


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