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ウィリアムのいたずらが、街歩き、食べ物、音楽等の個人的見解を主に書くブログです(たま~にコンピューター関係も)

オブジェクト指向だと、ユーザー自身が業務をわかってない新規事業だと、大変だねという話

2005-07-28 18:21:39 | 開発ネタ

 そうそう、2日間の説明は、以前書いたブログ

なぜ、業務の標準化や、新規ビジネスを創出できないように、業界が進んでいるといえるのか?」と、思われるであろう。



90年代前半で、システムをビジネスパターンに分けることによって、枯れたプログラムをつなぎ合わせる手法が、SEという存在が業界から省略されることによって、なくなってきた

の説明のためなんですけど、その説明、しておきますね!




 オブジェクト指向による分析は、昨日、その前にも書いたように、スタートラインが、ユーザーの業務説明から始まるのが普通。

 この場合、ユーザーが、自分で業務がわからない(新規業務などは、やったことがないから、自分自身もわからないことがある)と、開発側では、なにをつくっていいかわからないということで、開発できない。仕様待ちになってしまう。
 こういうケースだと、よくユーザーさんのほうから、「あとで仕様をまとめます」とか言われる場合があるけど、真に受けてはいけない。たいてい、仕様はでてこない。

 っていうことで、新規事業、新規業務で、業務がまったくわかんないのには、オブジェクト指向は使いにくい。

 それと、もうひとつ。
 オブジェクト指向の場合、業務の標準化というと、標準化したモデルないしは、クラスの再利用ということになる。この場合、業務手順である、クラスの中のメソッドもふくむ。
 ところが、実際に業務手順までをモデル化しようとすると、なかなか決まらない。
 フォームや、コード体系なら、結構簡単に決まるけど、手順も一緒に決めてしまうという場合、なかなか、きまんない。

 なので、オブジェクト指向だけしか教えないと、標準化するのは大変だし、新規事業(業務)からシステムを組むのも困難。
 でも、最近の学校って(稚北大も、佐賀大も)オブジェクト指向中心のカリキュラムなのね!ということ。で、この業界自体が、オブジェクト指向中心の方向に進んでいるように見える。

 これが、はじめの文の説明。




 で、あとの文の話題。

 じゃあ、昔、新規業務のときは、どーしてたのか?というと、業務における通論というのが、存在していた。
 モデルまでの形にはなっていないけど、フォームなどはきまっていたわけっす。

 たとえば、
   小売で伝票なら、統一伝票だし、
   受発注のオンラインプロトコルといえば、EDIでEDIFACTとか。
 で、それらを使うとなると、だいたい業務パターンは決まってしまい、さらに、それらはプログラム可能なレベルにまで落としてあったわけ。

 なんで、その通論をもとに、考えればよかった。新規業務との差分をとれば、いいのね。

 このへんの通論の基準が、流通システム開発センターが、毎年、その成果を出している本にのっていて、その本を持っていると、どのへんが通論になっているかが、おさえられたわけ。

 90年代は、こんなかたちで、通論っていうのがあって、その通論はビジネスパターンとよべる、こまかな部分の組み合わせにできて(っていうか、ライブラリがあったのよ)で、新規ビジネスでも、それの適用や、差異をとればよかった。

 でも、最近のシステム開発では、まず、そういう通論をクラス化したようなのも、見ないし、学校でも、おしえていないようだ。
(「情報処理」の佐賀大の記事にも、教える内容に、標準業務:集金業務なんていうのは、なさそうに見えた)。

 昔のSEさんは、そういうのを習ってきたんだけど(ウィリアムのいたずらも、さんざん勉強させられましたよ!ウィリアムのいたずらの専門はDTPなのに。ちなみにDTPでも、そういう通論的なシステムっていうのがあるのよね)、

 オブジェクト指向が中心になって、昔のSEさんみたいな、通論なんていうのを学ぶ人も機会もなくなってきましたね(通論がデザインパターンに変わってしまった。でもデザインパターンは、カネを生み出すシステムを教えてくれるわけではない)。




 だからたとえば、下記のシステムを開発する場合、昔のSEなら、一発で答えられるのに、今のシステム開発の人だと(オブジェクト指向で分析すると)、ユーザーが答えてくれるまでまってしまう。ユーザーは、知っている可能性は低いので、そーすると、システム開発が宙にういちゃうのよね。

(記)

 会員制のフィットネスクラブで、クレジットカードで、自動的に落とすことを考える。会員は、何年間も継続して契約している。

 なにが、むずかしいか、わからない?

 何年間も継続して契約しているって言うことは、クレジットカードだと、有効期間が切れてしまうって言うことなんですよ。
 なんで、有効期間を、切れるごとに、お客さんにきかないといけない。でも、いっぱいお客さんがいたら、それ聞くのも大変。どうしよう!!

 業務分析して、ヒアリングからだと、たぶん、このフィットネスクラブの人がクレジットカードをやっていなかったら、そう思うよね。

 これは、集金の通論を知ってる人なら、答えはわかると思うけど、「洗い替え」を行う集金代行業者にたのめばOK。そうすると、有効期間が切れても、勝手に処理してくれる!!ゼウスなどが、対応してるよ!


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