実は、アカデミック的には、
「新規事業のビジネスモデルを作り出す方法」は、
ソフトウェア工学の範囲ではない。
デザイン思考を使って行ない、
それをシステムに落としていくことになる
(なのでデザインXシステム思考ということになるが、この両方を
教えるのは慶応SDMくらい・・・という感じ)
では、どういう風にはじめるか、
具体例として、アサヒビール
「
すべてはお客さまの「うまい!」のために。」
を例にして、考えてみる。
■方法
(1)誰をターゲットにするか決める→ペルソナ作成
「お客様」は分かっているが、そのお客様は、だれかを決める。
コレを決めないと、以下の段階でぶれる。
ぶれることを示す為、わざと、ここでターゲットを2つ挙げる。
どちらも、アサヒビールでターゲットにしていなさそうなもの
・5歳児の男女
・65歳定年の男性
(2)ターゲットが、
実現しようとすることを、おこす「とき」/おこる「もの」
(感じるとき/感じる「もの」)を挙げる
→ブレインストーミングから親和図へ
例でいうと、
5歳児の男女が「うまい!」と感じるときはいつか
65歳定年の男性が「うまい!」と感じるときはいつか
ブレインストーミングで挙げていく。
感じるとき、感じるものをまずは、どんどん挙げていく。
そして、有る程度でてきたら、グループわけをする(親和図)
(3)挙がったもの1つ、あるいは複数を使って、ストーリーを作る
→ストーリーテリング(シナリオ)
「5歳児の男の子が「うまい」と感じるもの」が、「うまい棒」だったら、
「65歳の男性がうまいと感じるもの」が「○○のワイン」だったら、
そういうストーリーで、話を作ってみる。
そのとき、(1)のペルソナと合っているか?
ペルソナとあっていなければ、ペルソナを直すか、このストーリーを直すか、
そもそも、このアイデアは成立しえないのか・・・
まよったら、「フィールドワーク」して、実際に確かめる。
→なにを見たいのか、着眼点を明確にする。でないと、ぼ~とみてしまう。
(4)上述(3)のストーリーを成立させる為には、周りの人は、
何を、どうしなければいけないのか、
どういう制約があるのか、を挙げる
これは、CVCA(顧客価値連鎖分析)/WCA(欲求連鎖分析)を作って考える
→要するに、バリューチェーンです。
この仮定で、ステークホルダーが出てきます。
これをやると、
5歳児の男の子がうまいと感じても、購入に至るには、その保護者の同意が
ないといけないことに気づく。
むしろ、5歳児が同感じるかは、どうでもよくて、
買い与える、お父さん、お母さんのご機嫌をとることが大事となる。
65歳の場合は、自分が購入することもあるけど、
贈り物として子供が、仲間が、奥さんが贈ることもありえる!
と気づく。その気づきを元に、(2)、(3)に戻って考えるか、
この先続行するか決める
→なら、はじめから、CVCAやWCAをやればいいと思うかもしれないが、
抽象的に考えて関係者を出すより、具体的に考えて、関係者を出すほうが
考えやすい。うそおんと思ったら、やってみるべし。
(5)上記(3)、(4)で出てきた、ストーリーや制約などを満たす
サービスなり製品なりを、具体的に考える→プロトタイプ作成
意識あわせや、実現可能性を見るものなので、高田純次れべるの
テキトーさでよい。
(6)ここまでの話をまとめるため、その製品のエレベーターピッチを
さくせいする。
(7)エレベーターピッチを関係者にプレゼンし、
さらに、プロトタイプをみてもらって、
どうするか決める
先に進めるか?
それとも、(2)、(3)などに戻るか・・・
この先、プロトタイプとペルソナ、エレベーターピッチ、シナリオを元に
システム工学的に、新規プロジェクトを分析していくことになる
以下、「ソフトウェア工学におけるアカデミックと現場の違い その2」
に続くけど、ここで言いたかったことは、
技術者である前に、人間としてどうか・・・を先に見るかな、中小企業で人を採用する場合
http://blog.goo.ne.jp/xmldtp/e/5225d5151fed82f77138be31dc89426e
で書いた、楽天さんの質問の話
一流大学を出でも優秀なITエンジニアにはならないし、ビジネス変革を生み出せるわけではない。大学教育をアテにするほうがおかしい
について、ビジネス変革という新しいビジネスモデルを出す方法は、
上記のとおりであり、IT関係ない。付箋紙と模造紙とマジックで出来る。
なので、一流大学もITエンジニアも、大学のIT教育も関係ない
話なのでした・・・
P.S 極論いうと、だれでもできるんだよ、上記の手順で・・