最近、プライベートクラウドに関して非難する意見が多い。
(こことか)
ただ、それを言ってるのが、研究者の人たちなどで、具体的にシステムを考えると???の場合があるので、
もうちょっとシステム的に具体的な話にしてみる。頭の体操。
で、その上で、論点をまとめてみよう。
■プライベートクラウドを使う具体的ケース
A社は、全国に多数の販売店を持つ小売業である。
移動販売等も行っているため、専用線を引くことはできない。
各店舗において、数個のレジ(POS端末)があり、各レジとも、1分間に数件の清算処理をする
(ってことは、スーパーか ^^;)
A社ではこのたび、リアルタイムの売上管理、物流管理を行いたいとする。
販売数量に応じて、本社バイヤーが一括的に発注、各物流センターから配送を行う。
また本社では、BIツールを使って、売上分析を行う。
A社は、成長中の企業であり(そんな企業はあるのか ^^?-ここ、重要な論点!)
規模において、柔軟性が必要だとする。
その場合、どのようなソリューションが考えられるか?
■要件のまとめ
<<トランザクション>>
売上関係
1分間のトランザクション=1分間数件の売上データXPOS数X店舗数
→小さいデータが頻繁に発生する。ただし、アップロード
分析
大量データ。ただし、急がない。不定期
バイヤーの発注データ?
システム分けるべき?
<<接続>>
移動販売アリ
専用線引けない
通信で接続する必要アリ
<<レスポンス>>
一定のレスポンスは必要
<<その他>>
会社拡張のため、クラウド必要
※小売業に限らず、データ観測するようなものや、製造業で全国に広がる機械の状況を判断するには、
このようなケースがおおい
■ソリューション
移動販売については、専用線は引けないので、方法は2とおり
・インターネット回線を使う
・KDDIのDODのようなサービス
インターネット回線の場合、パブリッククラウドを使うという手も考えられるが、レスポンスタイムが保障できるか分からないので、KDDIのDODサービスを使い、auデータ通信などでアクセスサーバー→社内サーバーに送ることとする。
(移動店舗以外の)他店舗は、DODサービスを利用してもいいけど、インターネットを利用してもいい。
そして、拡張性を出すために、社内サーバーをクラウドにする=プライベートクラウドになる。
■論点
結局、プライベートクラウドになった理由は、以下の1点
・インターネット回線+パブリッククラウドで、レスポンスが保障できるのか?
プライベートクラウドのほうが、レスポンスがよくないか?
このほかに・・・
・電力的に考えると・・・
電気はすでに、東京電力によって、クラウド化されている
(どこの発電所で発電したか分からない形で供給される)
それを直接利用したほうが、Amazonなどパブリッククラウドで消費する電力量を、Amazonに払う利用料という形で負担するより、安くないか?
パブリッククラウドの電力は、平均化された金額になる。
プライベートクラウドなら、東京電力から供給される夜間電力をためておいて利用し、
さらに足りない部分を、自社発電(工場・店舗の廃熱等を利用)したものを利用したほうが安くないか?
・仮想化の技術者をやとったり、合併したら、技術者の問題は解決できないのか?
パブリッククラウドを利用するのは大手企業、大手企業なら、技術のある会社を買収しちゃえばいい。
そこまで行かなくても、技術提携を結んだり、24時間サポートは可能だろう・・・
・費用的にどっちが安いのか?
本当にパブリッククラウドのほうが安い?
そしてそもそも、さっきも書いたけど・・・
・この不況下、規模拡大ってあるのか?
なければ、スケールする意味がない。
(追加:15:40)
あ、後この論点もあった。忘れないようにメモメモ
・PaaSの場合、プラットフォームをアップデートされる危険はないか?
パブリッククラウドでPaaSの場合、もし、プラットフォームをアップデートされて
動かなくなったら、対応しないといけない
→急にアップデートされるリスクがある。どこが変わったのかも分からない。
機能が良くなるわけではない場合、この対応は、コストになる
ざっとこんなところかしら、具体的に考えると・・・
別の機会に、会員制クラウド?の具体的なシステムと論点について考えてみたいと思います。