福島第一原発の事故が起こってから、
既に、二週間が経過しました。
その間、茨城県や栃木県の農産物から、
基準値を超える放射線量が検出されました。
それに対して、昨日、
茨城県の橋本知事は、
政府に対して、基準値を緩和する要請をしました。
以下は、「産経ニュース」の記事です。
『農産物の暫定基準値、緩和要請 茨城知事が厚労相に』
2011.3.25 21:26
「暫定基準値を超える放射性物質が検出された農産品に対する出荷制限について、
茨城県の橋本昌知事は25日、
細川律夫厚生労働相に、
基準値を緩和するよう求める要望書を提出した。
野菜の暫定基準値は放射性ヨウ素で1キログラム当たり2000ベクレル。
茨城県産のホウレンソウやパセリなどが出荷制限の対象となっている。
要望書では「2千ベクレルの野菜30品目を20グラムずつ1年間食べ続けた場合、
CTスキャン1回分(6・9ミリシーベルト)の放射線量にも満たない」
として基準値の改訂を求めているほか、
基準値を下回った場合の迅速な指定解除を要望している。
橋本氏は鹿野道彦農林水産相とも会談し、
「県産品が売れず、価格が大きく下落するなど風評被害が大変厳しい」と訴えるとともに、
出荷制限が県単位で実施されていることには
「福島第1原発から65キロ離れた圏内の地域も
195キロの地域も同じ規制となるのは大ざっぱすぎる」と見直しを求めた。」
記事は此処までです。
先ず、茨城県の橋本知事は、
「茨城県の橋本昌知事は25日、
細川律夫厚生労働相に、
基準値を緩和するよう求める要望書を提出した。」
という所ですが、
これとよく似た報道を、
昨年から、見掛けるようになりました。
このブログでは
『この報道は卑怯です』の中でも取り上げましたが、
中国からの観光客を呼び込むため、
企業のトップらが観光庁長官に
観光ビザの規制緩和などを求める要望書を提出した時の報道です。
報道は、一見、観光庁長官が企業の要望書を受けて、
中国人観光客の年収制限を引き下げようとしているという内容ですが、
よく見ると、要望書の提出とは別に、
政府は以前から、規制緩和を考えていた、
と報道されていました。
要するに、表面的には企業の働きかけ、
と装いながら、
実は、政府側の要望があり、
企業が一芝居を打って、
政府に都合の良いように情報操作をするという、
民主党政権になってから、
よく見掛けるパターンです。
さて、
原発事故が起こって、放射能が漏れ出し、
農作物から放射線量が発見されると、
報道は、頻りに「暫定基準」と言い出しました。
枝野官房長官などは、
今の基準値を「保守的な基準に従って」とまで言っていました。
枝野長官が「保守的」と言うのは、
褒めて言っているわけはありません。
「暫定基準」と言うからには、
そのうち「決定的基準」を打ち出すつもりだったのでしょう。
政府が、何故、「基準値」を緩和したいのかは分かりません。
責任を有耶無耶にするためか、
或いは、保証を低額に抑えるためか、
いづれにしても、
「基準」が緩和されたところで、
放射線量が無くなるわけではありませんし、
信用が取り戻せるわけでもありません。
ついでに、国内に、緩和された野菜が出回って、
それを日本人が食べたとしても、
今度は、輸出に困り、輸入については、入り放題。
あまり良い結果が得られるとは、思われません。
茨城空港、春秋航空の時と同じように、
茨城県の農家は、
またも、スケープゴートにされてしまうのでしょうか?
だいたい、記事に因れば、
「「2千ベクレルの野菜30品目を20グラムずつ1年間食べ続けた場合、
CTスキャン1回分(6・9ミリシーベルト)の放射線量にも満たない」
として基準値の改訂を求めている」
と書かれていますが、
例えば、
「2千ベクレルの野菜30品目を20グラムずつ1年間食べ続けた場合」
ですが、
一日の野菜摂取量は350グラムです。
その他に、ご飯も食べれば水も飲みます、
呼吸もします、
病院に行けばCTスキャンもします。
一年経過すれば、
必ず、CTスキャン一回分を遙かに超える数値になるはずです。
この計算には、
日本人の生活が含まれていません。
それに、重要なことなのですが、
私は、少し楽観的に、
原発が収まれば、
じき畑も清浄になるだろうと考えていましたが、
もう無理なのでしょうか?
先ずは、そこから橋本知事というより、
基準値を緩和したいと考えている政府に
聞いてみたいのですが?
一消費者が、一年続く事を考慮して、
放射線の野菜を避ける気持ちは分かります。
しかし、行政側が、
一年続く事を考慮して基準値を緩和すると言うことは、
原発は、日本は、そんなに絶望的なのでしょうか?
それから、
「基準値を下回った場合の迅速な指定解除を要望している。」
これは当然です。
今の基準に照らし合わせて、
数値が低い場合には、
「迅速な指定解除」は当然です。
「橋本氏は鹿野道彦農林水産相とも会談し…
出荷制限が県単位で実施されていることには
「福島第1原発から65キロ離れた圏内の地域も
195キロの地域も同じ規制となるのは大ざっぱすぎる」と見直しを求めた。」
橋本知事、初めて知事らしい事を言いました!
そもそも、国が、
「原発から65キロ離れた圏内の地域も
195キロの地域も同じ規制」にした時点で、
茨城県のために、文句を言うべきです。
橋本知事が、弱腰だから、
「原発から65キロ離れた圏内の地域も
195キロの地域も同じ規制」
ななんて事がまかり通るのです。
以下の表をご覧下さい。
これは、私が計算した物で、
栃木県内の、三箇所の放射線量の、
15日から24日、0:00時~23:00時までの、
毎日の放射線総量です。
単位は、マイクロシーベルト
( )の中は、一時間当たりの平均照射量。
宇都宮、モニタリングポスト《地上から20m》
15日 8.784 (0.366)
16日 6.17 (0.26)
17日 4.678 (0.195)
18日 4.117 (0.172)
19日 3.682 (0.153)
20日 3.49 (0.145)
21日 3.409(0.142)
22日 3.571(0.149)
23日 3.458(0.144)
24日 3.2 (0.133)
十日間の合計 44.559マイクロシーベルト
この地域の、事故前の平均値は0.03/h
0.03×24=0.72
十日間で7.2/h
なので、通常より6.19倍の放射線が降り注いだことになります。
那須町、サーベイメーター《四階建て屋上》
15日 15.96(0.665)
16日 35.03(1.46)
17日 30.57(1.274)
18日 25.36(1.057)
19日 21.92(0.913)
20日 18.64(0.777)
21日 15.52(0.647)
22日 13.64(0.568)
23日 12.23(0.51)
24日 11.4 (0.475)
十日間の合計 200.27マイクロシーベルト
この地域の、事故前の平均値は0.03/h
0.03×24=0.72
十日間で7.2/h
なので、通常より27.82倍の放射線が降り注いだことになります。
小山市、サーベイメーター《四階建て屋上》
18日 2.84(0.118)
19日 2.63(0.1096)
20日 2.57(0.107)
21日 3.05(0.127)
22日 3.67(0.153)
23日 3.89(0.162)
24日 3.55(0.148)
七日間の合計22.2マイクロシーベルト
この地域の、事故前の平均値は0.03/h
0.03×24=0.72
七日間で5.04/h
なので、通常より4.4倍の放射線が降り注いだことになります。
茨城県内のモニタリングポストの放射線量は、
毎時と言いながら、
実は十分毎なので、複雑で、まだ計算していませんが、
上記の表から、
同じ栃木県内でも、
県北の那須町と、県南の小山市で差がありますし、
同じ県北でも、宇都宮市と那須町で、
ずいぶん差があることが分かります。
茨城県が先ずやるべき事は、
政府の口車に乗って、
基準値を改悪することではなく、
橋本知事が先頭に立って、
真っ先に、
県内各地に降り注いだ放射線量・
野菜の放射線量等を調査し、
安心な野菜である事を、
県が、各地の市場に対して証明することだと思います。
政府が基準を緩和して「安心」と言ったところで、
業者は既に、計測機器を購入しています。
数値が下がらなければ、
結局は買って貰えないと思います。
「風評被害」と言っていますが、
口に入る物ですから、
消費者の立場からすれば、
神経質になるのは当たり前です。
政府に頼る前に、
県が先頭に立って、
県の野菜が安全である事を証明するしかないと思います。
政府の責任回避のお先棒を担ぐより、
農業試験場や、放射線の専門家に相談する方が先でしょう?
学園都市や茨大は、
こういう時のためにあるのでしょう?
まがいなりにも知事でしょう?
茨城を民主に差し出すの、やめて貰えませんか?
【ブラームス】交響曲第4番 第1楽章
既に、二週間が経過しました。
その間、茨城県や栃木県の農産物から、
基準値を超える放射線量が検出されました。
それに対して、昨日、
茨城県の橋本知事は、
政府に対して、基準値を緩和する要請をしました。
以下は、「産経ニュース」の記事です。
『農産物の暫定基準値、緩和要請 茨城知事が厚労相に』
2011.3.25 21:26
「暫定基準値を超える放射性物質が検出された農産品に対する出荷制限について、
茨城県の橋本昌知事は25日、
細川律夫厚生労働相に、
基準値を緩和するよう求める要望書を提出した。
野菜の暫定基準値は放射性ヨウ素で1キログラム当たり2000ベクレル。
茨城県産のホウレンソウやパセリなどが出荷制限の対象となっている。
要望書では「2千ベクレルの野菜30品目を20グラムずつ1年間食べ続けた場合、
CTスキャン1回分(6・9ミリシーベルト)の放射線量にも満たない」
として基準値の改訂を求めているほか、
基準値を下回った場合の迅速な指定解除を要望している。
橋本氏は鹿野道彦農林水産相とも会談し、
「県産品が売れず、価格が大きく下落するなど風評被害が大変厳しい」と訴えるとともに、
出荷制限が県単位で実施されていることには
「福島第1原発から65キロ離れた圏内の地域も
195キロの地域も同じ規制となるのは大ざっぱすぎる」と見直しを求めた。」
記事は此処までです。
先ず、茨城県の橋本知事は、
「茨城県の橋本昌知事は25日、
細川律夫厚生労働相に、
基準値を緩和するよう求める要望書を提出した。」
という所ですが、
これとよく似た報道を、
昨年から、見掛けるようになりました。
このブログでは
『この報道は卑怯です』の中でも取り上げましたが、
中国からの観光客を呼び込むため、
企業のトップらが観光庁長官に
観光ビザの規制緩和などを求める要望書を提出した時の報道です。
報道は、一見、観光庁長官が企業の要望書を受けて、
中国人観光客の年収制限を引き下げようとしているという内容ですが、
よく見ると、要望書の提出とは別に、
政府は以前から、規制緩和を考えていた、
と報道されていました。
要するに、表面的には企業の働きかけ、
と装いながら、
実は、政府側の要望があり、
企業が一芝居を打って、
政府に都合の良いように情報操作をするという、
民主党政権になってから、
よく見掛けるパターンです。
さて、
原発事故が起こって、放射能が漏れ出し、
農作物から放射線量が発見されると、
報道は、頻りに「暫定基準」と言い出しました。
枝野官房長官などは、
今の基準値を「保守的な基準に従って」とまで言っていました。
枝野長官が「保守的」と言うのは、
褒めて言っているわけはありません。
「暫定基準」と言うからには、
そのうち「決定的基準」を打ち出すつもりだったのでしょう。
政府が、何故、「基準値」を緩和したいのかは分かりません。
責任を有耶無耶にするためか、
或いは、保証を低額に抑えるためか、
いづれにしても、
「基準」が緩和されたところで、
放射線量が無くなるわけではありませんし、
信用が取り戻せるわけでもありません。
ついでに、国内に、緩和された野菜が出回って、
それを日本人が食べたとしても、
今度は、輸出に困り、輸入については、入り放題。
あまり良い結果が得られるとは、思われません。
茨城空港、春秋航空の時と同じように、
茨城県の農家は、
またも、スケープゴートにされてしまうのでしょうか?
だいたい、記事に因れば、
「「2千ベクレルの野菜30品目を20グラムずつ1年間食べ続けた場合、
CTスキャン1回分(6・9ミリシーベルト)の放射線量にも満たない」
として基準値の改訂を求めている」
と書かれていますが、
例えば、
「2千ベクレルの野菜30品目を20グラムずつ1年間食べ続けた場合」
ですが、
一日の野菜摂取量は350グラムです。
その他に、ご飯も食べれば水も飲みます、
呼吸もします、
病院に行けばCTスキャンもします。
一年経過すれば、
必ず、CTスキャン一回分を遙かに超える数値になるはずです。
この計算には、
日本人の生活が含まれていません。
それに、重要なことなのですが、
私は、少し楽観的に、
原発が収まれば、
じき畑も清浄になるだろうと考えていましたが、
もう無理なのでしょうか?
先ずは、そこから橋本知事というより、
基準値を緩和したいと考えている政府に
聞いてみたいのですが?
一消費者が、一年続く事を考慮して、
放射線の野菜を避ける気持ちは分かります。
しかし、行政側が、
一年続く事を考慮して基準値を緩和すると言うことは、
原発は、日本は、そんなに絶望的なのでしょうか?
それから、
「基準値を下回った場合の迅速な指定解除を要望している。」
これは当然です。
今の基準に照らし合わせて、
数値が低い場合には、
「迅速な指定解除」は当然です。
「橋本氏は鹿野道彦農林水産相とも会談し…
出荷制限が県単位で実施されていることには
「福島第1原発から65キロ離れた圏内の地域も
195キロの地域も同じ規制となるのは大ざっぱすぎる」と見直しを求めた。」
橋本知事、初めて知事らしい事を言いました!
そもそも、国が、
「原発から65キロ離れた圏内の地域も
195キロの地域も同じ規制」にした時点で、
茨城県のために、文句を言うべきです。
橋本知事が、弱腰だから、
「原発から65キロ離れた圏内の地域も
195キロの地域も同じ規制」
ななんて事がまかり通るのです。
以下の表をご覧下さい。
これは、私が計算した物で、
栃木県内の、三箇所の放射線量の、
15日から24日、0:00時~23:00時までの、
毎日の放射線総量です。
単位は、マイクロシーベルト
( )の中は、一時間当たりの平均照射量。
宇都宮、モニタリングポスト《地上から20m》
15日 8.784 (0.366)
16日 6.17 (0.26)
17日 4.678 (0.195)
18日 4.117 (0.172)
19日 3.682 (0.153)
20日 3.49 (0.145)
21日 3.409(0.142)
22日 3.571(0.149)
23日 3.458(0.144)
24日 3.2 (0.133)
十日間の合計 44.559マイクロシーベルト
この地域の、事故前の平均値は0.03/h
0.03×24=0.72
十日間で7.2/h
なので、通常より6.19倍の放射線が降り注いだことになります。
那須町、サーベイメーター《四階建て屋上》
15日 15.96(0.665)
16日 35.03(1.46)
17日 30.57(1.274)
18日 25.36(1.057)
19日 21.92(0.913)
20日 18.64(0.777)
21日 15.52(0.647)
22日 13.64(0.568)
23日 12.23(0.51)
24日 11.4 (0.475)
十日間の合計 200.27マイクロシーベルト
この地域の、事故前の平均値は0.03/h
0.03×24=0.72
十日間で7.2/h
なので、通常より27.82倍の放射線が降り注いだことになります。
小山市、サーベイメーター《四階建て屋上》
18日 2.84(0.118)
19日 2.63(0.1096)
20日 2.57(0.107)
21日 3.05(0.127)
22日 3.67(0.153)
23日 3.89(0.162)
24日 3.55(0.148)
七日間の合計22.2マイクロシーベルト
この地域の、事故前の平均値は0.03/h
0.03×24=0.72
七日間で5.04/h
なので、通常より4.4倍の放射線が降り注いだことになります。
茨城県内のモニタリングポストの放射線量は、
毎時と言いながら、
実は十分毎なので、複雑で、まだ計算していませんが、
上記の表から、
同じ栃木県内でも、
県北の那須町と、県南の小山市で差がありますし、
同じ県北でも、宇都宮市と那須町で、
ずいぶん差があることが分かります。
茨城県が先ずやるべき事は、
政府の口車に乗って、
基準値を改悪することではなく、
橋本知事が先頭に立って、
真っ先に、
県内各地に降り注いだ放射線量・
野菜の放射線量等を調査し、
安心な野菜である事を、
県が、各地の市場に対して証明することだと思います。
政府が基準を緩和して「安心」と言ったところで、
業者は既に、計測機器を購入しています。
数値が下がらなければ、
結局は買って貰えないと思います。
「風評被害」と言っていますが、
口に入る物ですから、
消費者の立場からすれば、
神経質になるのは当たり前です。
政府に頼る前に、
県が先頭に立って、
県の野菜が安全である事を証明するしかないと思います。
政府の責任回避のお先棒を担ぐより、
農業試験場や、放射線の専門家に相談する方が先でしょう?
学園都市や茨大は、
こういう時のためにあるのでしょう?
まがいなりにも知事でしょう?
茨城を民主に差し出すの、やめて貰えませんか?
【ブラームス】交響曲第4番 第1楽章