『蜻蛉洲大和の国のサンライズタイム』ー外国人参政権反対、移民政策反対、背乗り工作反対!盗聴・盗撮は日本では犯罪です!ー

キラキラネームは日本の漢字文化を破壊するための、カルトの工作活動です!公務員の国籍条項と外国人土地法の復活求む!

漢字の話(キラキラネームの秘密、完)

2017年12月01日 04時18分23秒 | 日記
・結び

幕末以降に提案された漢字の廃止論や制限論と言った物は、およそ二つの特徴を備えていました。一つは、幕末にせよ太平洋戦争の終結後にせよ、欧米の先進文明に圧倒され、漢字を廃止しようと言う物。もう一つは、欧米に追いつくために、青少年の文字を学習する負担を軽減し、そのぶん西洋文明を学ばせたいと言う物でした。

例えば、ローマ字国字論を唱えた南部義籌(なんぶよしかず)は、「修國語論」の中で、

「皇国ヨリ之ヲ見レバ、漢ト洋ト同ジク是レ他邦ナリ。何ゾソレ擇バン。」、と述べています。

我が国から見れば、漢字もローマ字も外国の製品であり、漢字よりも優秀な外国製品があった場合には切り替えよう、という物です。

確かに漢字は中国から伝来しましたし、ローマ字は西洋の物ですが、ローマ字が漢字よりも優れているとは証明されていません。それに、少なくとも千五百年以上の歴史のある漢字は、日本語の中に溶け込んで、既に外国の製品とは言えない状況になっています。例えば、

「吾れ日に三たび吾が身を省みる。人の為に謀りて忠ならざるか、朋友と交わりて信ならざるか、習わざるを伝うるか(私は日に何度も反省する。人の為に忠心から考えてあげたろうか、友人と交際して誠実であったろうか、よく知りもしないことを教えたのではなかろうか)」
「歳寒くして、然る後に松柏の彫(しぼ)むに後(おく)るることを知る(寒くなって、はじめて松柏が散らずに残ることがわかる、人も危険な時に始めて真価が分かる)」
「巧言令色、鮮(すくな)し仁(言葉巧みに、愛想を振りまきへつらう人物は、少ないものだよ、仁の徳は)」

これらは『論語』の訓読ですが、日本語としてこなれており、また、有益でもあります。

但し、制限論にせよ廃止論にせよ、誤解から生じた極端な意見ではありますが、根底にあるのは、青少年の学習の負担を考え、日本の将来を真剣に考えた、善意に立脚した意見でした。

ところが、平成に入って始まった「キラキラネーム」は、これまでの漢字廃止論・制限論のように、「世界」を念頭に置いて「世界に羽ばたく」「世界に通じる」という訳の分からない事を目的にしている物の、一つ一つ調べてみると日本人には読めない、或いは、愚弄するような、根底には悪意のあるような物でした。悪意という点で、これまでの制限論や廃止論とは全く違うものであると言えます。

子供の名前に、故意に読めない名、或いは、奇妙な名を付けさせようとするのは悪質ですが、奇妙な名は、何も市井だけで行われている訳ではありませんでした。

平成に入って、特に平成十六年に「人名用漢字表」に追加された文字には、子供の名として相応しくない漢字が大量に含まれているばかりでなく、「戸籍法」には「子の名には、常用平易な文字を用いなければならない。」と書かれているにも関わらず、旧字体が205文字も復活しています。

私は、別に旧字体の復活に反対はしませんが、「人名用漢字表」で復活させる事に疑問を感じています。それに、平成二十二年には、「常用漢字表」と「人名用漢字表」の文字を交換していますが、これでは文部省に「常用漢字表」を、法務省に「人名用漢字表」を分けて設置する理由が希薄になっていると思います。


さて、情報機器の発達で、昔とは違って旧漢字も自由に使えるようになりました。しかし、一般からの要請に応えることは重要ですが、漢字の文字数、標準とか目安、更に、新字体・旧字体の使用は文化審議会で決定されるべき物であると思います。また、一文字の音訓もきちんと決めるべきであると思います。

これは提案ですが、平成十六年度に増加した1+1+3+488+205=698を削除するか、或いは、昭和五十六年の状態に戻し、法務省に置かれている「人名用漢字」を文部省に戻して、「常用漢字表」と共に文化審議会(国語審議会)で審議するようにして、音訓をきちんと決定して後、「人名用漢字表」を法務省に送るべきであると思います。世に通行する「名付け本」については、文部科学省で検閲をすべきです。

そうして、漢字は漢字文化圏では、その国の音で読まれるという原則のもと、私達の先祖が培ってきた漢字文化を、できるだけ良い形で、次の世代に伝える事ができるならば、それは同時に、日本の各方面の伝統文化を縁の下で支える事にも繫がると思うのです。(終わり)

暦の上ではディセンバー / アメ横女学園ᴴᴰ


何かもろもろ纏まっていないので、清書しながら直します。12月は楽しい楽しい御清書じゃ!

漢字の話(キラキラネームの秘密、結び)

2017年11月28日 23時30分36秒 | 日記
一、漢字は増やしてはならない

問題の所在は、「呉中華(仮名)」という人物が来日したとして、この人物の中国語名を日本人全員が覚えなければならないのか、それとも、この人物が自分の日本語音を覚えるべきなのかという点にもあります。

大陸にせよ、台湾にせよ、私達が中華圏に行く場合、特に留学や仕事で中長期に滞在する場合には、必ず、自分の名の中国語音(=中国語)を調べるはずです。それは、仕事が上手く行くためでもあり、現地の人々との友好関係を結ぶためでもあり、また、自分の名を中国語で発音するときに、一種の異国情緒を感じるからでもあります。

同じ事は、中国人にも言えます。中長期に滞在する人々は、必ず日本語を勉強します。個人的な差はありますが、最初に自分の名の日本語音(=日本語)を学ぶはずです。それに、日本人には、義務教育で常用漢字を学習する義務はありますが、中国語や朝鮮語を覚えなければならない、という決まりはありません。


・日本、台湾、大陸での学習すべき文字数

ところで、現在、日本人が学習すべき漢字はどれほどあるのでしょう?

常用漢字が2136文字あります。それに人名用漢字が863字で、計2999文字です。では、この文字数は、日本人が覚えるべき数として、ふさわしいと言えるのでしょうか?

昭和21年に制定された「当用漢字」は1850字、昭和26年に制定された「人名用漢字」は92字でしたので、常用漢字は286文字、「人名用漢字」に至っては771文字も増えた事になります。実は、これは異常な事です。

そもそも、土岐善麿(ときぜんまろ)の『國語と國字問題』によれば、文字数に関する代表的な意見としては、明治六年に福沢諭吉が『文字之敎』という著書で、「ムツカシキ漢字サヘ用ヒザレバ漢字の數ハ二千カ三千ニテ澤山ナルベシ」と述べた事に始まり、明治十八年に、矢野文雄が「日本文體文字新論」の中で、一語に平均二字を要するものとして、動詞・形容詞・副詞・前置詞・間投詞・接続詞等に一千六百余字、名詞に一千四百字と仮定して、常用の字数を三千以下で充分であろうと述べたと言う、この二つを根拠に、文字数の上限はだいたい三千文字なのですが、これまで、実際に三千文字が規定された事はありません。

常用漢字が始めて定められたのは、大正十二年六月の事です。1962文字・略字154文字が臨時国語調査会から発表されました。これは新聞社・出版業者も実行に移す事を了承していたものの、関東大震災が起きて、活字も工場もメチャメチャになり中止になりました。

昭和六年五月には1962文字を1858文字に修正して発表されましたが、顧みられなかったようです。

その後、漢字は無制限に使用され、社会生活上少なからず不便が出て来ました。そこで、昭和十七年に「標準漢字表」が二度、刊行されました。

一度目は六月十七日で、国語審議会が文部大臣に答申した物は、常用漢字(使用頻度が高い1134文字)、準常用漢字(常用漢字に比べて使用頻度低い1320文字)、特別漢字(皇室典範・帝国憲法・歴代天皇の追号の文字74文字)の三種の計2528文字と、簡易字体(本体78文字)、簡易字体(許容64文字)が発表されました。

その後十二月には、この漢字表を修正した標準漢字表が文部省から発表されました。それは、三種類の区別を廃し2669文字とした物で、これは義務教育で修得させる標準漢字として制定されました。

要するに、戦時中の昭和十七年に定められた2669文字が最多で、昭和二十一年が1850文字。昭和五十六年十月一日に定められた漢字は、常用漢字1945文字、人名用漢字166文字で、合計2111文字です。

常用漢字の総数が、二千文字前後で推移しているのには理由があります。

終戦直後、国語審議会の委員が最初にまとめた「当用漢字案」は1295文字でした。これを、昭和二十一年五月八日の総会にかけたところ「実行にあたってはなほ検討の余地あり。」という事になりました。昭和二十年七月時点で、国民学校第一学年から六学年までの国語教科書に出てくる漢字の総数は1647文字であったこともあり、また、当時、新たに憲法が制定されましたが、1295文字の範囲ではおさまらず、当用漢字が読めるだけでは憲法が読めない、という問題も生じました。そこで、諸事情を勘案して、1295文字に564文字を加え、更に9字を削除して1850文字を決定しました。

「当用」の意味については「日常生活上さしあたって必要なもの」(文部大臣談)、「当座の用のもの」(当局談)と説明されています。俗に、当用漢字は、将来的に漢字を全廃することを目的として、当面の間使用する事を目的に選ばれた、という説がありますが、幕末から明治にかけて、或いは、終戦後に、漢字を廃止してローマ字表記にしようと言う意見があった事は事実ですが、当時の文部大臣が、漢字廃止論者であったかどうかは疑問です。

ところで、我が国と同様に漢字を使う台湾・香港や中国にも、常用漢字と同様に、通常使用する文字が決められています。

中国大陸では、1988年に出版された《現代漢語常用字表》には、常用字2500文字と次常用字1000文字の計3500文字が収められていました。その後、中華人民共和国教育部と国家語言文字工作委員会との連合組織によって、《通用規範漢字表》が、2013年6月5日に正式に発布されました。この表は三つの部分に分かれており、一級字表(常用字表)には3500文字、二級字表には3000文字、三級字表には1605文字の合計8105文字が収められています。一級・二級の字表は、主に出版印刷・辞書編纂と情報処理等の一般の需要に応ずる物です。三級字表は、姓氏人名・地名・科学技術用語と学校の教材でしばしば使われる文言文から構成されています。

台湾では、中華民国教育部が、国字の標準化政策を推進する目的で、1973年から国字の整理を始めました。その後、常用字と字体の標準4808文字を定め、1979年には《常用国字標準字体表(簡称:甲表)》を出版し、続く1982年12月には《次常用国字標準字体表(簡称:乙表)》で次常用字と字体の標準6341文字を、1983年10月には《罕用国字標準字体表(簡称:丙表)》で罕用字(まれに使用する文字)と字体の標準18388文字を定めています。

香港では1984年7月から、当時の香港教育署語文教育学院中文系の李学銘教授等によって、資料の収集と分析が始まり、1985年9月に《常用字字形表》を完成させ、1986年9月に出版しました。この《字形表》は、1990年・1997年・2000年及び2007年に修訂され、4762文字を収めています。

国立台湾師範大学の『教育心理学報』に掲載された『一到九年級學生國字識字量發展』によれば、小学校一学年から中学校三年までの平均識字量(読む事の出来る文字数)はそれぞれ以下のようになります。

一年:700文字、二年:1200文字、三年:2100文字、四年:2600文字、五年:3100文字、六年:3300文字、国民中学一年・二年:3500文字、中学三年:3700文字、

因みに、国民中学一年から三年までの教育目標は、3000~4500字に設定されています。1994年の黄富順の研究によれば、台湾で一般的な成人が日常に使用する基本的語彙の文字数は2328文字。その中で、1680字程度読む事ができ、並びに、日常生活に必要な簡単な文字を書く事ができれば文盲ではない、と言われています。すると、小学校三年生の水準で、基本的な日常生活に必要な識字量に達する事になります。大学生になると、5150文字前後、読む事ができるようです。

さて、大陸では3500文字、台湾は4808文字、香港は4762文字が標準的に使われる文字として掲げられています。それに対して、日本の2136文字は、随分少ないように思えますが、そうではありません。この2136文字には、2352の音と2036の訓、計4388の音訓があり、その他、熟字訓(熟語に訓を当てたもので、漢字を分解しても一字一字に訓の要素は現れない)や当て字等が存在しているのです。

例えば、「上」という文字は、漢音ショウ・呉音ジョウの他に
・うえ(うわ)・かみ・あげる・あがる・のぼる・のぼす・ほとり・たてまつる等の訓があります。

「下」という文字にも、漢音カ・呉音ゲの他に
・した・しも・もと・さげる・さがる・くだる・くだす・くださる・おろす・おりる等の訓があります。

例えば、「生」という文字には、
・生(い)きる・生(う)まれる・生(お)い立ちの他にも、・芝生(しばふ)・生兵法(なまびょうほう)・芽生え(めばえ)・弥生(やよい)・生方(うぶかた)・生憎(あいにく/あやにく)・相生(あいおい)・生粋(きっすい)・往生(おうじょう)・生業(なりわい)・鈴生(な)り・生田(いくた)・壬生(みぶ)・桐生(きりゅう)・埴生(はにゅう)・早生(わせ)・晩生(おくて)・福生(ふっさ)・平生(へいぜい)等々の読み方があります。

日本での常用漢字が、2000文字前後で推移している理由は、一つには、通常の生活に必要な文字数を確保する必要から。もう一つは、中国語に比べて、音訓がはるかに複雑で、無闇に増やす事ができないからです。

常用漢字の学習目標は、2136文字のうち1006文字を小学校で学び、中学校卒業までに使いこなせるように、高校卒業までに2136文字を全て読む事ができ、1006文字以外の主な漢字も書く事ができるようにする事です。子供達がそれ程の負担無く修得し、社会で円滑に使用されるという事を考えると、現在の2136文字というのは、多いと言わざるを得ません。

人名用漢字の863文字というのは更に異常です。

・多すぎる人名用漢字

そもそも、昭和二十六年五月に発表された「人名用漢字別表」には92字、昭和五十一年七月に発表された「人名用漢字追加表」には28字で、合計120文字。昭和五十六年に法務省から出された「戸籍法施行規則」第六○条の別表第二「人名用漢字別表」には166字が掲げられていました。その後、平成二年に118字、平成九年に1字追加された後、平成十六年二月に1字(曽)、六月に1字(獅)、七月に3字(瀧,駕,毘)追加され、この段階で人名用漢字の総数は290文字です。

これだけでも充分であると思えますが、平成十六年二月に1字、六月に1字、七月に3字、九月に488文字を追加し、更に195字の常用漢字の旧字体(廳(庁)・顯(顕)等)、及び10字の人名用漢字の旧字体(彌(弥)・祿(禄)等)を追加したので、この時点での人名用漢字の総数は983文字です。

その後、平成二十一年に2字追加し、平成二十二年に129字を常用漢字表に、更に(勺・錘・銑・脹・匁)の5字を常用漢字表から人名用漢字表に移動させ、平成二十七年に「巫」、本年二十九年九月に「渾」を追加して計863文字になりました。これは多すぎます。

・問題の所在

「標準漢字表」「当用漢字表」「常用漢字表」のような、国家の定める目安、或いは、標準と言う物が、時代の要請に応じて変化をするのは当然の事です。しかしながら、車の両輪のように、一方で学校で修得し、一方で社会で正確に使われなければ、車に乗せた言葉や文化を順調に運んで行く事はできませんし、この場合、車輪の枢軸となる物が、「常用漢字表」であり「人名漢字表」であると思います。

現在、コンピューターを始めとする情報機器には、日本語の処理のために日本工業規格(JIS)で定めた漢字表が搭載されています。このJIS漢字には、第1水準2965字、第2水準3390字、第3水準1259字、第4水準2436字の計10050字が収められています。これらの機器を使うことで、多くの漢字を容易に使えるようになりました。

しかしながら、漢字が正確に使われているか否かという事になれば、一方ではキラキラネームの様な読めない名前が生まれ、一方では外国人の在留カードの表記がデタラメになり、明らかに漢字は正確に使われなくなっています。

この問題に対する責任の一端は、「人名漢字表」にあると思っています。

平成十六年に増加した488文字の中には、人名として明らかにおかしな文字が含まれています。例えば、「口偏」の文字だけを挙げてみても、

呑、慣用音ドン、のむ、まるのみにする、とりこむ、滅ぼす、軽んじる
吻、慣用音フン、漢音ブン、きちさき、くちびる、ことばつき
哨、音ショウ、口をすぼめる、口をすぼめて口笛を吹く、すぼまる、みはり、ものみ、かまびすしい、やかましい
哩、音リ、マイル(英国の距離の単位)
喧、漢音ケン、かまびすしい、やかましい、あきらか、痛む
「喧嘩」は、やかましく言い騒ぐ、いさかい、殴り合い
嘩、漢音カ、呉音ケ、かまびすしい、やかましい、やかましくさわぎたてる
「嘩」は「譁」の俗字。
喰、国字なので音がありません。くう、くらう、物を食べる
喋、漢音チョウ、漢音トウ、しゃべる、ふむ、ついばむ
「喋血(ちょうけつ)」血をふむ。戦争で血が一面に流れ、それをふんで足が血でべとべとになる事
嘗、漢音ショウ、呉音ジョウ、なめる、こころみる、ためしに、かつて、秋の祭り(新しくとれた穀物を噛みに供えるまつり)
噌、漢音ソウ、かまびすしい、やかましい
噂、音ソン、かたる、うわさ、うわさをする

我が家で飼っている鶏にさえ、憚られるような物ばかりです。これらの文字を、本気で我が国の子供達に付けさせようと言うのでしょうか。

また「女偏」の文字でも、

妖、音ヨウ、なまめく、あでやか、うつくしい、こびわらう、しなをつくる、あやしい、奇怪、ばけもの、もののけ、わざわい
姪、漢音テツ、漢音チツ、めい、おい、つきそい、そばめ
姥、漢音ボ、呉音モ、うば、めのと、ばば、老婆、しゅうとめ、妻
娩、漢音ベン、生む、出産する、しなをつくる、うつくしい

これらも同様に、人名に用いられる文字とは思われません。

この他、「娃」という文字に至っては、中国語と中国人の人名に使われる文字です。

娃、慣用音ア、漢音アイ、美しい、みめよい、美人
・娃娃 wawa 小さな子供
・娃娃生 wawasheng 子役
・娃娃親 wawaqin 子供のうちに親同士が決めた縁談
・小娃娃 xiaowawa 動物の子供
・鶏娃 jiwa ひよこ
・狗娃 gouwa 犬の子…。

どうして、この様な漢字が、取り上げられているのだろうと思います。

また、平成二十二年に常用漢字表と人名用漢字表の、両表の文字を交換していますが、これは、人名用漢字表の文字が熟考されずに選ばれているので、移動が可能であったのだと思われます。更に、いきなり旧字体を205文字も復活させていますが、何故、旧字体を復活させたのか、何故、205文字だったのかの説明はあるのでしょうか?

長くなりましたので、一旦切ります。次回結論です。

漢字の話(キラキラネームの秘密、結び四)

2017年11月21日 22時04分51秒 | 日記
・犯罪を幇助する在留カード

「シージンピン」「シーチンピン」、「パク・クンヘ」「パククネ」と言うのは、表記の問題です。表記が統一されていないので、報道各社、或いは、雑誌等々でまちまちなのです。では、そもそも外国人の法制度上の表記は、どうなっているのでしょう?表記の乱れは、社会にどの様な影響を及ぼすでしょう?

私は検察庁や警察署で仕事をするときに、中国人の名前について、取調官からこんな事を聞かれることがあります。
取調官「先生、これは何と読むのでしょう。」
私「はい、ごちゅうか(呉中華、仮名)だと思います。」
取調官「いや、そうじゃなくて中国語の発音です。」
この様な時には、その場で何度か「wu zhong hua」と発音して、
私「どう聞こえますか?」、と聞く事にしています。
取調官「ウージョンファ?ウーチョンファーかな?」
私「発音記号は、こう書きます。」
と言って「wu zhong hua」とメモ用紙に書いて渡すと、多くの場合、
取調官「ああ、そこまでしなくていいです。ウージョンファーにしておきましょう。」

通訳として呼ばれているので、漢字の使用方法について説明をする事はありません。しかし、例えば、「呉中華(wu zhong hua)」の発音を片仮名に直そうとすると、「ウジョンファ」「ウーチョンファ」「ウーチョンファ」等々、発音をする人物によっても、それを聞く人物によっても違ってきます。

それに、日本人が「ウジョンファ」と発音したところで、日本人にも中国人にも漢字は思い浮かびません。しかし、常用漢字の音であれば、電話で「呉服の呉」「中華そばの中華」と言えば、日本全国誰が聞いても「呉中華」を思い浮かべます。つまり、常用漢字の方が、名前をしっかりと把握できるのです。

この様な事が、日本中の警察や検察庁・裁判所で日常的に行われているのですが、伝統的な日本の漢字文化からは逸脱した、不確実で使えない、デタラメな漢字の用法であると思っています。


外国人が正規に上陸し、我が国に90日以上滞在する場合には、「在留カード」という物が交付されます。これは、法務大臣が、中長期間(決められた在留期間)に適法に在留する者である事を証明した「証明書」です。また、入国管理局で行う各種申請手続,市区町村で行う住居地届出手続等にも必要な、「許可証」としての性格も有している物です。旅券(パスポート)同様、携帯の義務があります。入国管理局のホームページがら抜粋して説明を加えると、次の様になります。


在留カードの表面


在留カードの裏面


在留カードには、16歳以上は顔写真が表示され、氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地、在留資格、在留期間、就労の可否などが記載されています。記載事項に変更が生じた場合には、変更を届出なければならず、常に最新の情報が反映される仕組みになっています。

我が国に在留する外国人は、在留の合法性、資格外活動の可否、上陸・在留の許可に付された条件に違反していないかを証明するために、旅券又は在留カード、各種許可書を携帯し、権限のある官憲からの要求に応じて提示しなければなりません。この規定に違反した場合は、刑事罰の対象となります。

成田空港、羽田空港、中部空港及び関西空港では、旅券に上陸許可印を押した後、中長期在留者に在留カードが交付されます。それ以外の出入国港では、旅券に上陸許可印を押して入国を許可し、中長期在留者が市区町村の窓口に住居地の届出をした後に,在留カードが地方入国管理官署から郵送されて来ます。

旅券と在留カードは、日本に滞在する上で共に重要な物ですが、旅券は本国が発行するのに対して、在留カードは日本国が発行します。


ところで、最近、私は、十人ほどの中国人の在留カードを見る機会がありましたが、驚いた事に、名前の表記が全て間違っているというか、デタラメでした。それは、例えば、中国語音を付けているとか、その表記が違っているという次元の話しではありませんでした。

中華人民共和国の発行する旅券には、当然ですが、本人の名が漢字で書かれています。それを基本に在留カードを作っているはずですが、在留カードに、漢字の名前が書かれておらず、中国語の音のような物だけが書かれている人がいました。或いは、漢字に中国語音がついているのですが、三文字の漢字に対して、音が二文字ぶんしかない人。明らかに旅券とは違う漢字が書かれている人、漢字に付けられた音が日本語音と中国語音が交互に書かれている人等々、めちゃめちゃでした。

中国人にとっての在留カードは、日本人にとっての車の免許証に似ています。無論、在留カードを持っているだけでは車の運転はできませんが、警察官から提示を求められれば応じなければなりませんし、学校や仕事の手続き、スマホの契約、銀行や郵便局の口座を開く時にも使われます。すると、パスポートを見て在留カードを作り、その在留カードをもとに郵便局で通帳を作る場合、在留カードの表記が誤っていると、下手な伝言ゲームのように、通帳の名義とパスポートの名義が違ってしまう事になります。

あるとき、警察署内で中国人の所持品を調べている時に、銀行や郵便局のカード、ホームセンター・量販店等々のカードの名義が、全てパスポートと違っていて、取調中に問題になった事がありました。そこで持ち主に聞いて調べてみると、正規の在留カードをもとに、きちんと銀行・郵便局その他で作られた物でした。本人の話では、入国管理局の担当官が「中国の「榮」という文字は、日本では「営」と書くんだよ。」と教えてくれたので、以来その様に書いてきた、と言うのですが、「榮」は「栄」の異体字です。「栄」と「営」は、全く違う文字です。

漢字の表記がおかしい上に、よくわからないままに、適当に中国語音をくっつけるので、人名の音は、更にいいかげんです。

在留カードに片仮名で「リージン(仮名)」とルビの振ってある人がいました。どう見ても二文字ぶんの音ですが、カードには「李一径(仮名)」と書かれています。李一径の発音は「li yi jing(リーイージン)」です。発音を聞き落とす事は誰にでもありますが、勉強したことがある人ならば、漢字の表記があるのですから、容易に間違いに気づくはずです。恐らく、中国語に馴染みの薄い職員が、発音を聞いて在留カードを作成したのでしょう。入国管理局の職員が、自身も分からないまま作成した在留カードを、他の誰が分かるというのでしょう?常用漢字の音を使えば、李一径(りいっけい)とルビを振り、「一」を落とすような事はなかったはずです。

また、調書を取る警察官から、「パスポートは漢字で書かれていて、在留カードには漢字が無いのですが、これはどっちが正しいのでしょう?」と聞かれた事もあります。これには少し驚きました。一つの事件について、警察や検察庁・裁判所で山のように作られる調書には、全て被疑者の署名・指紋押捺が必要になります。そこで、「パスポートの漢字は調書に残す必要があります。この人は、署名の時にも漢字を書くはずです。」と答え、ついでに日本語音とピンインの説明もしました。

せっかくの在留カードも、人名表記がデタラメでは何の役にも立たないばかりか、却って社会を危険にさらしてしまいます。漢字が正しく使われていないばかりに、法務省が中国人の犯罪を助長させているのです。これは、皮肉なことと言わざるを得ません。


・誤った表記の根底にある誤った思想

誤った表記の根底にあるのは、誤った思想です。そもそも、日本で使われる物は、日本人の使いやすさを第一に考える事が重要な筈です。提示を要求する警察官・銀行や郵便局員、ホームセンター・量販店の職員が見て分かりやすい事が肝要です。その為の、日本国政府が発行する在留カードです。

入国管理局の職員を始め、警察官、一般の人々は、中国語もピンインも簡体字も繁体字にも馴染みはありませんし、殊更、学ぶ必要もありません。学ぶ必要があるのは、常用漢字です。

外国人の名前についても、日本国内では、常用漢字の字体と音訓に従うべきです。常用漢字に無い文字については、繁体字に従います。何故なら、簡体字と繁体字では、繁体字が正字であるのに対して、簡体字は従来、俗字・略字と言われたものだからです。上海辞書出版社の『辞海』では、大陸の簡体字は全て異体字であると称しています。常用漢字を基本にして、足りない所を漢和辞典で補えば、正確な情報を日本全国で共有する事ができます。

もう少し具体的に、例えば「毛沢東」を使って、日本・大陸・台湾の表記の違いを説明すると、次の様になります。

日本 毛沢東
台湾 毛澤東
大陸 毛泽东

「毛」は同じですが、「沢」は日本・台湾・大陸とも違っています。台湾で使われている「澤」が正字で、当用漢字ができるまでは、我が国でもこの文字が使われていました。常用漢字の「沢」は、もとは「澤」の俗字です。簡体字の「泽」も「澤」の異体字ですから、「沢」「澤」「泽」は、字体がちがうだけの同一の文字です。「東」と「东」の関係は、更に分かりやすいと思います。「东」はもともと「東」という文字の草書体でした。「東」をくずして書いた物が「东」です。ですので、どちらも同じ「東」です。

要するに、日本の常用漢字と大陸の簡体字は、台湾の繁体字から見れば略字・異体字の類です。しかしながら、日本は常用漢字を、大陸は簡体字を正式な文字として使っています。その使用方法は尊重されるべきです。

・正確な在留カードを目指して

問題の所在が分かれば、改善する事は容易です。常用漢字に中国語音を付けることは間違っていますし、簡体字や繁体字を使う必要はありません。また、同じ日本国内の事ですから、法務省でも文部省の決めた常用漢字を使うべきであると思います。

これは一つの提案ですが、日本の常用漢字・台湾の繁体字・大陸の簡体字の対照表を作り、一律、常用漢字(「漢和辞典」)の音を(希な姓の場合に限って繁体字を)付すようにすればよいのではないかと思います。

例えば、現在の中共最高指導部は以下の七人です。表記も中共の発表通り示しましたが、読み方も分かりませんし、このままでは日本人には使えません。

・习近平・李克强・栗战书・汪洋・王沪宁・赵乐际・韩正

そこで、簡体字を常用漢字になおして、常用漢字の音を付します。常用漢字に無い文字は、漢和辞典を引き、旧字体しかない場合は旧字体をのせて音を付します。すると次の様になります。

・習近平(しゅうきんぺい)・李克強(りこっきょう)・栗戦書(りつせんしょ)・汪洋(おうよう)・王滬寧(おうこねい)・趙楽際(ちょうらくさい)・韓正(かんせい)

これは何も特別な事ではなく、現在、新聞や雑誌でも、この様に使われています。こうしてみると、「汪」や「滬」は含まれていませんが、案外多くの文字が常用漢字で間に合うことが分かります。常用漢字であれば、ルビを振る必要性も少なくなり、日本全体で情報を共有する事が容易になります。

対照表については、作成することはそれ程難しくはありませんし、一度作ってソフトを配れば、入国管理局での作業時間の短縮にもなると思います。何より、在留カードが正確な物となります。めぐりめぐって中国人犯罪の抑止にも繫がると思うのです。


・漢字は増やしてはならない

最後に、漢字の文字数の話しです。あと一回。

万引き娘

2017年11月21日 02時00分17秒 | 日記
「うちの娘が、万引きをしまして。」と馬鹿が言う。


恩師の自宅(高島平にある別宅)で開かれる読書会には、

恩師と二松学舎大の元学長、

慶応や早稲田大学からも学生や、助手が集まってくる。


読書会というのは、漢文の原文を訓読する会で、例えば、

「子曰」なら、「しいわく」と発表するという具合だ。


読書会で読んでいたのは、

『四庫全書総目提要』(しこぜんしょそうもくていよう)と言う目録書で、

経・史・子・集(四庫)に収録された漢籍の、説明目録書。


恩師は、私の大学の先生であるし、

場所も大学に近い。

しかし、うちの大学から参加しているのは、

私と、私の後輩数人で、

大多数は、早稲田や慶応。


後輩は、何人連れてきても、

二、三回参加すると、もう来なくなるのに、

早稲田や慶応は、毎回参加だ。


最後の砦は私だ、

と言い聞かせて、

慶応や早稲田に埋没しないように、

毎回、発表をする。

恩師の開く読書会だ。

当然、会を仕切るのも私。


そうして、死ぬほど難しいテキストと格闘していると、

馬鹿が、「うちの娘が万引きをしまして」と言う。

「万引き」は身近な事らしく、

平気で大発表する。

親子で奇行がある、と思う。


読書会に毎回参加していて、

私は、馬鹿の発表を聞いたことがない。

かと言って、黙っているわけでもない。


とにかく、家族の話をぺらぺらぺらぺらぺらぺら…。


テキストは難しい、

後輩は、そのうち来なくなる、

馬鹿は、万引き娘の発表をする。


とても口には出せないが、

「黙れ!」と思う。

きっと、顔に出ていたに違いない。

The Cars - You Might Think (OFFICIAL MUSIC VIDEO)


実際、万引き互助カルトのいるところは万引きが多い。

この集団の悪質なところは、

自分達の万引きの罪を

日本人になすりつけるところ。


例えば、万引きの被害が出ている書店・スーパー等に行って、

万引き防止の監視カメラを売り込み、

カメラの認証システムの中に、

万引き犯とは別の人間の写真を入力しておく。

これ自体、人権問題に抵触するのでどうかと思うが、

ここからが万引きカルトの本領発揮。


その人物が来店すると、

当然、店内の注意は、その人物に注がれる。

カメラは、その人物を追う。

でも、幾ら追った所で万引きは起こらない。

実は、その隙にカルトが万引きをしまくっている。


或いは、巧みに経営者に取り入り、

仲間を潜入させる。

こうなるともう盗まれ放題。

しかも、怪しまれないように、班員をでっち挙げるので、

万引き被害は増えるのに、

客はどんどん減少して行く。


基本的に日本人は敵なので、

仲間には好きなだけ万引きをさせて日本人の店を潰し、

潰した店の後に、

仲間の経営する系列の店を出すのが真の目的。

日本乗っ取りを目論む、

万引き互助カルト。

トランプ習近平会談(その三)

2017年11月13日 20時20分37秒 | 日記
それにしても、何故、習近平主席はトランプ大統領を歓待したのでしょう?それは、以下の様な理由があるのかも知れません。

・2025年の世界一を目指して

現在、中国が米国から得る利益は、一年でおよそ3470億米ドル。米中は、互いに密接な関係にあると言えます。しかし、対中貿易赤字に苦しむ米国からすれば、何とか是正したいと思っているに違いありません。

今年4月にフロリダで行われた米中首脳会談でも、貿易黒字を是正する話に対して、習近平氏はトランプ氏に対して改善の約束をした物の、半年経っても何も変わらない為に、トランプ大統領は、非常に不満に思っていると言われています。

トランプ大統領が、今回、訪中に当たって多くの関係者を連れてきたのは、貿易についての話しを詰める為です。当然、習近平氏も準備を整えて会見に臨んだはずです。

8日の午後、国務院総理 汪洋の出席のもと、人民大会堂で、米国の関係部門と90億ドルの契約を交わし、翌9日には、2535億ドルの契約をまとめまたと言われています。

但し、この90億ドル・2535億ドルが、どの様な計算によるものか疑問に思っています。何故なら、この中には、2015年9月24日に、習近平氏がボーイング社を訪れた時の、ボーイング機300機の購入価格、計約380億ドル(約4兆5663億円)や、2017年6月20日に、米自動車大手フォード・モーター(F.N)の幹部が、次世代コンパクトカー「フォーカス」を2019年から中国で生産し、北米に輸出する計画を発表した事等が含まれているからです。

どの様な計算で、何年間で2600億の数字が出て来たのかは分かりません。中国のこの様な、どんぶり勘定の相当盛っているような数字は鵜呑みにすることができません。


しかしながら、習近平氏は90億ドル・2535億ドル、総額約2600億ドルも出していったい何を買ったのでしょう?或いは、何を買おうとしているのでしょう。その目的は何なのでしょう?


今回の契約の中には、当然、米国の牛肉・大豆・トウモロコシ、小麦等々の農産物も含まれていますが、中華圏の報道に依れば、習近平氏は「時間」「技術」「トランプ大統領の歓心」を買ったのだ、と報じています。


時間とは何か、中国は2025年まで米国と衝突をする気は無いようです。買った時間とは、2025年までの8年間の時間です。その他に、エネルギー・市場・技術を買い求めました。


・エネルギーは、アラスカの天然ガスと輸送管。

・「クアルコム(企業)」と共に半導体の「ウェハ」を購入

・ボーイングから300機の飛行機、
ボーイングの場合は、工場の中国誘致が条件に含まれているようです。中国でボーイングを製造することで、その機密事項を手に入れ、その技術を習得し、ゆくゆくは世界市場に打って出る事を目標にしていると思われます。

・中国の自動車の企業がフォード・モーターと契約し、新たな自動車会社を設立するようです。恐らく電気自動車を作るのではないか、と言われています。中国は電気自動車を欲しており、互いの技術は役に立つはず。

・ゴールドマンサックスとも協議しています。

・天然ガス。
アラスカ州知事を連れてきており、今回、アラスカから天然ガスと石油の輸送管を中国に引くという計画に従って、石油と天然ガスの輸送管をどこに通すかについて細かく検討したようです。計画は、アラスカから1200Kmの石油と天然ガスの輸送管を引き、中国大陸の北部から東北へ、そこから大陸全土へ送るという物。

現在、中国が最も必要としているのはクリーンエネルギーです。天然ガスが必要ですが、大陸は天然ガスの産出量がごく僅か。オーストラリアからの輸入に頼っていますが、船での輸送はコストがかかりすぎます。

中国は毎年2700万トンの天然ガスを消費しており、もし、米国から輸送管を引く事が出来れば、液化の必要もありません。コストも低く抑えられます。しかも、シェールガスは販売先を探しておりトランプ大統領の要求にもそう物です。アラスカの民衆も販売先ができますし、輸送管の設置で雇用も生み出せます。


要するに、2600億ドルを使って、トランプの歓心を買い、多くの米国の中枢にある企業と契約を結び、中国に企業を誘致し、技術を学ぶ機会を得ようとしているのです。これは、中国の未来を考えての事です。


・不思議な中国のGDP

ところで、何故、2025年が重要なのかと言えば次の理由に因ります。

台湾の報道によれば、現在、米国のGDPは18.6兆ドル。中国のGDPは12.1兆ドル。2025年には、米国は20.2兆ドル、中国は20.4兆ドルで、米中のGDPは逆転すると言われています。乾隆帝以来、再び中国が世界一の座に返り咲くと言う物です。

少し古い資料ですが、2014年の頃には次の様な事が言われていました。

「2014年12月8日、OECD(経済協力開発機構)、IMF(国際通貨基金)など各種国際機関の中期予測によると、世界全体のGDP(国内総生産)に占める中国の割合は2014年の13%から24年には20%に拡大、「米国を抜き世界一の経済大国になる」という。米調査会社HISもこのほど、中国のGDPが2024年に、米国を追い越すとの見通しをまとめた…。」(「Record China」『中国のGDP、2024年に米国を追い抜く=20年に日本の3倍規模に、超円安も拍車―OECD、IMF予測』配信日時:2014年12月9日(火) 5時32分)

また、今年9月にも、

「国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事が7月下旬にIMF本部をワシントンから北京に移す可能性に言及、波紋を投げかけたが、この発言を基に、濱本良一国際教養大教授が「中国は名目GDPでも2029年に米国抜き、名実ともに世界一の経済大国になる」との論考を月刊誌『東亜』9月号(霞山会)に寄稿した。

このIMFトップによる衝撃的な発言は、米ワシントンのシンクタンク「グローバル発展センター」で行われた対談で飛び出したもの。「中国や他の新興国市場の成長が今後も続くのなら、それはIMF加盟各国の議決権にも反映されることになる。われわれが十年後にこうした会話をする際には、ワシントンでなく北京がIMF本部になっているかもしれない。IMFの規則では、本部は経済規模が最大のメンバー国に設置する仕組みになっている」と明言した。

濱本教授は論考の中で「ラガルド専務理事の頭の中には10年後の2027年前後に中国の名目GDP(国内総生産)が、米国を追い抜き、世界1位になっている可能性がある。IMFの最高責任者が迫り来る近未来の変化を明確に語り始めたことを意味しよう」と指摘した。

中国のGDPは2014年に、実態に近い購買力平価(PPP)で米国を追い抜き、世界一位になった。続く15、16年も中国は首位の座を維持している…。」(「Record China」『中国、名目GDPでも2029年に米国抜く=名実ともに世界一の経済大国に―濱本国際教養大教授が試算』配信日時:2017年9月15日(金) 5時20分)

 
また、アメリカ合衆国中央情報局 (CIA) の年次刊行物「The World Factbook」の「GDP (purchasing power parity)」には、2016年の購買力平価(PPP)についてランク付けをしています。上位10位までを掲載すると次の様になります。


RANK COUNTRY GDP (PURCHASING POWER PARITY) DATE OF INFORMATION

1 CHINA $21,290,000,000,000 2016 EST.

2 EUROPEAN UNION $19,970,000,000,000 2016 EST.

3 UNITED STATES $18,570,000,000,000 2016 EST.

4 INDIA $8,662,000,000,000 2016 EST.

5 JAPAN $5,238,000,000,000 2016 EST.

6 GERMANY $3,980,000,000,000 2016 EST.

7 RUSSIA $3,751,000,000,000 2016 EST.

8 BRAZIL $3,141,000,000,000 2016 EST.

9 INDONESIA $3,032,000,000,000 2016 EST.

10 UNITED KINGDOM $2,786,000,000,000 2016 EST.

中国は1位、日本は5位で、日本は中国の四分の一です。

因みに、「The World Factbook」の「GDP - per capita」の項目では、GDPを人口で割った、一人当たりのGDPについて、


RANK COUNTRY GDP - PER CAPITA (PPP) DATE OF INFORMATION

1 LIECHTENSTEIN $139,100 2009 EST.

2 QATAR $127,700 2016 EST.

3 MONACO $115,700 2015 EST.
         :
20 UNITED STATES $57,400 2016 EST.
         :
42 JAPAN $41,300     2016 EST.
         :
106 CHINA $15,400     2016 EST.

上位三位までは、1位リヒテンシュタイン(09年)・2位カタール(2016年)・3位モナコ(2015年)で、その他、20位米国、42位日本、106位中国の順となっています。中国は日本の三分の一です。


「Record China」「The World Factbook」共に、中国の経済は順調であるとしています。ならば、何故、15年にボーイング社と契約した300機の話しが、今頃、再び出て来たのでしょう?計算方法も分からない、何年計画かも分からない2600億ドルという巨大な金額を、何故、大騒ぎで公表しなければならないのでしょう?それ程裕福であるのに、何故、自国内の言論統制を厳しくしているのでしょう。何故、腐敗汚職を厳しく取り締まる必要があるのでしょう?

中国経済は、順調そうに見えても、不明な点が多いと言わざるを得ません。特に、2600億のように大風呂敷を広げ、日本国内の媒体がこぞって礼賛しているときには、却って危ういと思っています。


・「中国製造2025(2025年インダストリー4.0)」

話しが逸れてしまいましたが、「中国製造2025」の話しでした。
中国製造2025とは、2015年に発表された製造業の強化計画で、ドイツのインダストリー4.0を基に、中国の製造業の水準を大幅に向上させる事を目標としています。

計画は3段階に分かれており、第1段階は2025年までに日米のような製造強国に仲間入りする。第2段階は2035年までに世界の製造強国の中級のレベルに達する。第3段階は新中国建国100周年である2049年までに、トップクラスの製造先進国になる、と言う物です。

2013年、ドイツが情報通信技術と製造業の融合というインダストリー4.0を公表して以来、世界各国も、工業強化政策を打ち出しています。中国製造2025は中国版インダストリー4.0です。

中国製造2025は、「製造のスマート化」を重視しており、最先端の情報通信技術と製造技術を利用して、自主的に社会の生産需要に適応し、製造システムの一体化を目指しています。

現在、新たな製造手段と情報通信技術の発展と共に、ウェアラブルデバイス、スマートロジスティクス、スマートホーム、スマート医療、スマートサービスなどの分野で、スマート化が広がっている。さらに、人工知能、ビッグデータ、IoT及びクラウドコンピューティングなどが含まれた、多くの方向へ拡張しています。そして最終的には、別々に管理されていた生産プロセスは、今後全てが繋がるエコシステムに発展し、生産多様性と効率化の実現を目指しています。(「IoTNEWS」『中国版インダストリー4.0 「中国製造2025」とは [海外動向]』2016.11.16 06:00)

要するに、今回、中国政府が2600億ドル(?)を出して米国から購入した物の一部は、この「中国製造2025」の計画にそっている、と言えます。


・危うい金融市場

GDPが世界一になろうとも、、OECD(経済協力開発機構)・IMF(国際通貨基金)など各種国際機関が太鼓判を押そうとも、中国経済は危ういのではないか、と思っています。

理由の一つが、「アリババ」です。

2014年10月、支付宝(アリペイ)の親会社である浙江阿里巴巴(アリババ)電子商務有限公司が、「螞蟻(ばぎ)金融服務集団」を正式に成立させました。「螞蟻」は中国語で「蟻(あり)」「集団」はグループの意です。これは、インターネットの金融商品を取り扱うグループで、スマートホンで「アリペイ」のアプリを開くと、次の様なサービスプレートがついてきます。使用するか否かは、スマホのユーザー次第です。

「螞蟻金融服務集団」

・支付宝(アリペイ)、お財布ケータイのような支払い機能で、支払いをアリババが担保します。

・余額宝、米国のMMFに相当するオンライン・マネー・マーケット・ファンド。銀行よりも高額の利回りの資産運用商品。

・招財宝、投資家は定期預金の利息を保持したまま、いつでも引き出しが可能となる。個人投資家はローン期間が終了する前に引き出しのリクエストをすることができ、このシステムは旧債権者名の元に自動で新たなローン契約を結び、それを新たな投資家と紐付けし、余額宝アカウント内で旧債権者が即座に資金を受け取る仕組み。

プラットフォームに接続した余額宝ユーザは、期待金利、ローン期間、金融商品のタイプを予め設定できる。30日以内にリスト化された条件に見合う金融商品が出たときに、このシステムは自動で注文処理をしてくれる。招財宝のユーザは最低100元(16.25米ドル)から1,000元の資金を投資できる。

・螞蟻聚宝(Ant Fortune)モバイルマネーの公式サイト

・網商銀行(浙江網商銀行)民営銀行の一つ。インターネットを利用して、中小企業に対する融資問題や、農村金融等の問題を解決し、実体経済の発展を促進する。Inclusive financial system。

・螞蟻花唄、仮想クレジットカード。タオパオ・Tモールで買い物をし、商品到着後、翌月払いのオンライン・ショッピング・サービス。

・芝麻信用、支付宝のサービスの一つ。多くのデータから、個人の信用度を数字で算出するサービス。

・螞蟻金融雲、企業の為のITシステムを構築するクラウドコンピューティングサービス。

等々です。

これらの金融商品が、アリペイを使用する人々のスマホには必ず入っています。2015年6月の株バブルが引き金となった株価の大暴落もそうですが、中国の市場が暴走すると共産党幹部でもどうする事もできません。金融市場が不安定になっていて、それで2600億ドルと言いだしたのでなければよいがと、少し思っています。


次回は、「漢字の話、最終話」に戻ります。

トランプ習近平会談(その二)

2017年11月11日 23時58分58秒 | 日記
今回のトランプ・習近平会談は、私には、どちらかと言えばぎくしゃくした関係を示す物であったと思えます。

トランプ大統領は、今回、就任後始めて中国を訪問しました。しかし、ニクソンのように中国に直接行ったわけではありません。トランプ大統領は、先ず東京に行き、次に韓国、 中国へ、その後ベトナム・フィリピンへ。中国訪問は、五ヵ国の一つでしかありません。しかも、日本・韓国・フィリピン・ベトナムは、全て中国に対して問題を抱えています。「二つの大国関係」という訪問のしかたではありません。

一説に、習近平氏は、トランプ大統領に十九大の前に中国に来て欲しかった。しかし、トランプ氏の方は、APECのついでに北京に寄ったのだ、とも言われています。

どちらかと言えば、トランプ大統領は中国に対して冷淡な態度を取っているように見えます。それに対して、習近平氏は、米大統領を厚遇した事には違いありませんが、巷間言われているように、破格のもてなしと言う程の事なのかについては、少し異論があります。


例えば、トランプ大統領を迎える為に、宿泊場所である「セントレジス 北京(瑞吉飯店)」の前の道路を全面封鎖し、トランプの滞在期間中、この道路は大統領とその関係車輌が通行する以外、通行は禁止されました。

金曜日には、メラニア夫人が参観するので、北京動物園のパンダ館を閉館。

トランプ大統領が故宮を訪れた時にも、故宮は一日閉館。

その他、万里の長城(慕田峪、ぼでんよく)に行ったときにも対外開放を臨時停止しました。

以上の事から、米中首脳の会見の場所に「紫禁城」が選ばれた理由の一つには、警備の問題があったのではないかと思います。


さて、中共はトランプ大統領の来華直前、北朝鮮への圧力に力を入れ始めました。

北朝鮮が6度目の核実験を強行した事もあり、それに対する国連安全保障理事会の制裁決議に基づき、中国商務省は9月28日、中国国内の北朝鮮企業に対して閉鎖をするよう通達し、また、海外で北朝鮮と共に設立した企業に対しても、2018年1月9日を期限として閉鎖を命じました。

10月初旬には、金銭的な流れを止め、石油を禁輸にし、北朝鮮への旅行ツアーも全面的に禁止しました。


11月8日、トランプ大統領夫妻が来華し、紫禁城での会食となりましたが、破格の待遇と言えるのかどうかは疑問です。

私は、トランプ大統領を皇帝のように接待したのではなく、寧ろ、十九大を終え、独裁に拍車のかかった習近平主席が、皇帝が国賓をもてなすように振る舞ったのではないかと思っています。紫禁城を選んだ第二の理由は、皇帝として振る舞うためです。


8日、大統領専用機が北京に到着すると、トランプ大統領はそのまま紫禁城に通され、宝蘊楼の前で、習近平夫妻に迎えられました。彼等は、先ず宝蘊楼(ほううんろう)を参観して、そこで茶話会を開き、晩には建福宮内で夕食をとり、三希堂で茶話会を開いたと伝えられました。

この三つの建物については、以下の注をご覧下さい。

・宝蘊楼


宝蘊楼


宝蘊楼

宝蘊楼は、1913年、瀋陽故宮(遼寧省瀋陽に残る清朝の宮殿、清朝の初代皇帝ヌルハチと二代皇帝ホンタイジにって建立された)、及び、河北承徳の避暑山荘に所蔵されていた文物を収蔵する目的で建造された、国民党時代の洋風建築。1914年に着工、1915年に竣工。故宮に現存する唯一の洋風建築。嘗ては23万件の文物が収蔵されていた。現在は対外開放されているらしく、2017年4月23日、「故宮食品」がアリババ傘下のTモールに出品する事を記念して、“老字号·新消费(老舗で、新たな消費を!)”というテーマで、イベントが開かれています。11月8日午後、習近平国家主席と彭麗媛夫人は、故宮博物院でトランプ米大統領とメラニア夫人を迎えました。両国首脳とその夫人は、宝蘊楼で茶話会を開きました。


宝蘊楼


宝蘊楼


・建福宮


建福宮


建福宮


建福宮


建福宮



建福宮

建福宮は、清の乾隆帝の花園で、乾隆年間(在位1736年~1795年)に建築されました。乾隆帝は建福宮を非常に気に入っており、ここで吟じられた詩賦には、《建福宮賦》《建福宮紅梨花詩》等の作品があります。また、気に入った文物をここに収蔵していました。

嘉慶七年(1802年)に修復されましたが、1923年6月26日晩、火災に見舞われ、400間の部屋と貴重な文物が一夜にして焼失しました。当時、末代皇帝溥儀(ふぎ)は既に退位していましたが、変わらず宮廷内に住んでいました。溥儀は、太監(宦官)が盗みを働き、証拠隠滅のために火を放ったのではないかと疑い、多くの太監を放逐しました。

建福宮は、その後70年間、荒れたままでしたが、1999年に中共政府が復元を決定し、2001年4月3日に上棟式が行われ、2006年5月に竣工しました。建福宮は、百人以上を収容できる、2006年に再建された新しい建物です。キッシンジャーやジョージ・ブッシュが訪れ、企業の宴会・展覧会・交流等の活動も、ここで行われています。



建福宮


建福宮



建福宮


建福宮



建福宮


建福宮


・三希堂


三希堂



三希堂



三希堂



乾隆帝が書いた“三希堂”の扁額


三希堂は、乾隆帝の書斎です。乾隆帝の書いた“三希堂”の扁額は今でも壁に掛けられています。三希堂は乾隆期に建設され、嘉慶・道光・咸豊・同治・光緒・宣統の各朝から現在に至るまで、変わることなくもとの姿を保っている部屋だと言われています。

“三希”という名については二つの説があって、一つは“士は賢を希(こいねが)い、賢は聖を希(こいねが)い、聖は天を希(こいねが)う”。倦まず弛まず精進せよ、刻苦勉励せよ、という所から来ているという説。

もう一つは、三つの世にも希なる“珍宝”を所蔵していたので、そこから名を取ったとする説です。乾隆十一年(1746年)、乾隆帝は晉朝の大家 王羲之の《快雪時晴帖》、王献之の《中秋帖》、王珣の《伯遠帖》の三帖を手に入れました。その後三帖は散逸し、《中秋帖》《伯遠帖》は北京が買い戻しましたが、《快雪時晴帖》は、現在、台湾の故宮博物院に収蔵されています。


王羲之の《快雪時晴帖》、王献之の《中秋帖》、王珣の《伯遠帖》の三帖


王珣の《伯遠帖》


三希堂


三希堂

三つの建物のうち、お茶を飲んだ宝蘊楼と、夕食をとった建福宮は、紫禁城の中でも新しい建築に分類されます。

宝蘊楼は、国民党政権の時にできた建物で、今年4月にも企業のイベントが開かれています。また、建福楼もキッシンジャーやブッシュが訪れ、企業が宴会や展覧会、各種イベントを行っています。どちらも対外開放されイベントにも使われていますので、この二つの建物での接待を以て、破格の接待というのは、少し言い過ぎのような気がします。

三つの建物のうち一番貴重なのは三希堂です。私は、故宮には何度か行きましたが、三希堂は外からしか覗いた事がありません。これは少し羨ましいと思いました。


さて、習近平氏は、明らかにトランプ大統領との摩擦を避け、穏やかな関係を構築したいと考えているようです。しかし、南シナ海の開発も進んでいますし、尖閣に対する野心も棄てたわけではありません。また、権力を掌握すればするほど、習近平氏の周囲は警戒を強めています。

その為、今回の紫禁城での接待は、警備上の都合に加えて、皇帝(乾隆帝)のように、紫禁城で外国の賓客をもてなす事で、国家主席としての威厳を示し、中華民族の復興という習氏の持論を宣伝する目的もあったのではないかと思っています。

あと一回、この話題で。

トランプ習近平会談(その一)

2017年11月10日 02時13分56秒 | 日記
日本では、トランプ大統領が中国で規格外の接待を受けたとか、米中で2500億ドル(一説に2530億)の商談がまとまった、という話しで持ちきりですが、少し視線を変えれば、こんな事が起きています。

ロイターの記事です。

『海自の護衛艦も参加へ、米空母3隻が西太平洋で演習=関係者』

11/7(火) 15:03 配信 ロイター

[東京 7日 ロイター] - 日本政府は、トランプ米大統領のアジア歴訪に合わせて米空母3隻が近く西太平洋で行う演習に、海上自衛隊の護衛艦を参加させる方針を固めた。日米両首脳は6日の会談で北朝鮮に最大限の圧力をかける方針で一致しており、経済、軍事両面から核・ミサイル開発計画の放棄を迫る。

複数の日本政府関係者が7日、ロイターに明らかにした。

海自は演習に護衛艦「いなづま」を派遣する方向で調整している。いなづまは日本海で米国、インド両海軍との共同訓練を終えたばかり。そのまま海域にとどまる見通しだ。この共同訓練には米原子力空母ロナルド・レーガンも参加していた。

米政府関係者によると、演習にはレーガン、セオドア・ルーズベルト、ニミッツの原子力空母3隻のほか、複数の米艦艇が参加する。日米どちらの政府関係者も、演習の具体的な海域と日程は明らかにしなかった。

小野寺五典防衛相は7日午前の会見で、自衛隊が米空母3隻との演習に参加する可能性を問われ、「さまざまな機会をとらえて訓練を実施することが日本の安全保障につながると思っている」と述べていた。

アジア歴訪中のトランプ大統領は、7日に日本を発って韓国に到着した。8日に中国を訪れる。韓国はトランプ氏の訪問に先立ち、北朝鮮に独自制裁を課すことを決定。日本も7日、新たに北朝鮮の35団体・個人を資産凍結の対象とすることを決めた。」


これだけを読むと、日米が対北制裁に邁進しているようですが、中国も着々と準備を進めています。

中国の東北地方に、「G1112集安ー双遼高速道路」が開通しました。この高速道路は、吉林省集安から、中朝国境の鴨緑江を結ぶ、六車線道路です。

人口23万の集安市に不似合いな立派な道路は、吉林の兵士・物資・戦車等々を、直ぐさま鴨緑江河畔に輸送するために作られたと言われています。

もし、北朝鮮有事となったら、

第一に
大量の医療と工兵部隊を鴨緑江河畔に送り、難民に対処する。あらゆる人を運び、国境守備に当たる。

第二に
特殊部隊を派遣し、すぐさま、北朝鮮の全ての核施設を、制御下に置く。

第三に
大量の戦車と地上部隊を送り、全力で38度線に向かわせ、米韓軍が非軍事区域を越えることのないようにする。

以上の目的で建設されたのではないかと言われています。

次回は、トランプ大統領に対する規格外の接待について。

漢字の話(キラキラネームの秘密、結び三)

2017年11月07日 16時48分13秒 | 日記
・「シージンピン」・「パク・クンヘ」に法的根拠は無い

既に述べましたが、『漢和辞典』の呉音や漢音は、中国の『玉篇)』『広韻』『集韻』『康煕字典』等の字典に基づいて、一つ一つ丁寧に決められています。また、「常用漢字」については、字種・音訓・字体について、文化審議会国語分科会(旧国語審議会)によって管理されています。

要するに、『漢和辞典』で研究された物が、「常用漢字」に反映され、一般の社会生活で用いる漢字を規定しているのです。

そもそも、漢字の音訓は個人が勝手に決めて良いなどと言うのは、デタラメの論です。では、企業なら良いのでしょうか?

例えば、中国国家主席 習近平氏・前韓国大統領の朴槿惠氏の読みは、新聞で次の様に報じられています。

読売新聞「シージンピン」、
朝日新聞「シーチンピン」、

中央日報日本語版「パク・クンヘ」
朝鮮日報日本語版「パク・クンヘ」
東亜日報日本語版「パク・クンヘ」
Newsweek日本版 「パク・クンヘ」
BBC NEWSjapan「パク・クネ」
日本経済新聞「パク・クネ」
産経新聞「パク・クネ」
朝日新聞デジタル「パククネ」
毎日新聞「パク・クネ」
読売新聞「パククネ」

これらの読みが各社で違っているのは、各社で決めているからです。では、漢字の読みは、企業が勝手に決めても良いのでしょうか?そんな事は無いはずです。

「常用漢字表」の前書きには、次の様に書かれています。

1 この表は,法令,公用文書,新聞,雑誌,放送など,一般の社会生活において,現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安を示すものである。
2 この表は,科学,技術,芸術その他の各種専門分野や個々人の表記にまで及ぼそうとするものではない。ただし,専門分野の語であっても,一般の社会生活と密接に関連する語の表記については,この表を参考とすることが望ましい。
3 この表は,都道府県名に用いる漢字及びそれに準じる漢字を除き,固有名詞を対象とするものではない。
4 この表は,過去の著作や文書における漢字使用を否定するものではない。
5 この表の運用に当たっては,個々の事情に応じて適切な考慮を加える余地のあるものである。

ここには企業が決めてよいとは、書かれていません。

昭和21年11月16日に「当用漢字表」1,850字が公布され、その字体の標準として、昭和24年4月28日に「当用漢字字体表」が公布されました。これによって、それまで略字・俗字であったものが標準の字体となり、ここから、現在使われている新字体が普及します。次に挙げるのはほんの一部です。()の中が旧字体です。

国(國)・宝(寶)・帰(歸)・学(學)・対(對)・礼(禮)・沢(澤)等々です。

これらの文字は、当時の国語審議会が審議して、お上の命令として公布した物です。字種も制限されましたので、当然、反対意見が出ました。

それは、例えば、分野によって用語が違い、人によって語彙が違います。日本の漢字文化は、少なくとも千年以上の歴史があり、その伝統によって培われた言葉や文字を理解するためには、漢字の知識が必要です。過去と現在の文化を深く理解し将来に伝えるためにも、漢字を制限する事は不合理なので干渉するべきではない、という様な物です。

「当用漢字字体表」は、もともとは俗字・略字であった物を含んでいますし、文字の「標準」として公布されたので、旧字体を完全に否定する物ではありませんでした。しかし、「法令・公用文書・新聞・雑誌および一般社会で,使用する漢字の範囲を示したもの」の規定の通り、日本の社会全体が、この法令に従いました。

「当用漢字字体表」に従って、旧字体から新字体への移行に日本全国が従ったのに、何故、中国・韓国の人名については、「常用漢字」に中国語・韓国語の音が付けられているのでしょう?これはおかしな事と言わざるを得ません。

中国・台湾では、「朴槿惠」「金正恩」等々の個人名、或いは、朝鮮半島の地名についても、中国語音で読まれていますし、半島から中国に対して文句は出ていません。漢字は、漢字文化圏ではその国の音で読まれます。それが漢字の正しい使われ方ですし、外国が他国の国語表記に対して文句を付けるなど、あってはならない事だからです。

「習近平」・「朴槿惠」の読みも、「漢和辞典」或いは「常用漢字表」の音に従って、「しゅうきんぺい」「ぼくきんけい」と読むべきです。「シージンピン」・「パク・クンヘ」と言う読みには、法的根拠はありません。各社が「常用漢字表」を無視して勝手に音を作りだしているところは、「キラキラネーム」と酷似しています。また、歴史の教科書に、「袁世凱(ユワンシーカイ)」・「蒋介石(チャンチェシー)」とデタラメのルビを振るのも、同根の病です。

次回は、キラキラネームの秘密、結び四、に続きます。

漢字の話(キラキラネームの秘密、結び二)

2017年10月30日 16時18分28秒 | 日記
・「名前の読み方と長さは自由」という悪しき誤解

私は、奈良時代以降、日本人が積み重ねてきた漢字の伝統は、日本人にとって有用であり、重要であると考えています。『論語』『孟子』『史記』等の中国の古典を、訓読という方法を使って読む事は、日本語を深く理解する上でも、また日本語に含まれる「故事成語」を学習する上でも大切な事であるとも思っています。ですから、旧字体を勉強することには賛成です。日本国の総意が、現在使われている漢字を全て旧字体に戻そうというのであれば、賛成するのに吝かではありません。

その一方で、漢字が一部の好事家や学者の物ではなく、また、一部の企業が決定するのでもなく、社会全体の共有物であるからには、日本国民が使いやすいように、文字数・字体・音訓等々、国家によって管理されるのは当然であるとも思います。

既に触れましたが、日常的に使う漢字に対する改革は戦後に始まったのではなく、幕末から明治にかけて、前島密が「漢字御廃止之儀」を唱え、福沢諭吉が「文字之教」を著して漢字節減論を唱えてから、論じられるようになりました。

これに対して、政府の取り組みとしては、明治35年(1902年)、文部省に国語調査委員会を設け、大正12年(1923年)に常用漢字表が、大正14年(1925年)に仮名遣改訂案が発表されます。昭和6年(1931年)この二つの修正案を国定教科書に採用しようとして大反対が巻き起こります。昭和9年(1934年)には、始めて国語審議会が文部大臣の諮問機関として設けられ、昭和17年(1942年)に、この審議会から標準漢字表が発表されましたが、再び厳しい批判にさらされ、戦時下の事でもあり、一般には浸透しませんでした。

要するに、漢字に対する改革は戦前から行われていましたが、批判に曝され反対に遭い、なかなか浸透しませんでした。国語審議会から発表される漢字の改革案が、法的な拘束力を強めるのは、戦後になってからです。


ここで、昭和21年以降の、政府による漢字に対する取り組みを見てみると、次のようになります。以下は、文化庁のホームページからの抜粋です。特殊な用語には、注を付けました。

1 、昭和21年11月16日 内閣告示・訓令

(1)「法令・公用文書・新聞・雑誌および一般社会で,使用する漢字の範囲を示したもの」として1,850字を掲げる。
(2)「固有名詞につい ては,法規上その他に関係するところが大きいので,別に考えることとした。」として人名・地名を対象外とした。

2 、昭和23年2月16日 内閣告示・訓令

(1)「当用漢字表の各字について,字音と字訓との整理を行い,今後使用する音訓を示したもの」として作成。
(2)「当用漢字表の中で,義務教育の期間に,読み書きともにできるように指導することが必要であると認めた」881字(いわゆる教育漢字)を掲げる。

注:
当用漢字は、一般社会と「法令・公用文書・新聞・雑誌」に対して決められた物であり、「各字について,字音と字訓との整理を」行っているので、「字体」のみならず、「音訓」もまた決められている事がわかります。ですので、「法令・公用文書・新聞・雑誌」は、当用漢字に対して勝手な音訓を付ける事はできません。同様に、「常用漢字」に対しても勝手な音訓を付ける事はできません。

3、昭和24年4月28日 内閣告示・訓令

(1)「当用漢字表の漢字について,字体の標準を示したもの」として作成。
(2)「字体の選定については,異体の統合,略体の採用,点画の整理などをはかるとともに,筆写の習慣,学習の難易をも考慮した。なお,印刷字体と筆写字体とをできるだけ一致させることをたてまえ」とした。

注:
字体や字形は、どちらも字の形体という意味です。「字体」は、篆書・隷書・草書・楷書・行書・簡体字・新字体・正字・俗字を意味します。また、漢字を構成している骨組みの、横画・縦画・右払い・左払い・折れ・打ち込み・点などの文字の書きぶりも字体と言います。「字形」は、文字の形、字の太い・細い・大きい・小さいや、点画の方向・長短・曲直・つけはなし・はねとめなどの意です。活字の明朝体・清朝体・教科書体・ゴシック体・アンチック体は、字形の太い・細いなので活字字形とでもいうべき物ですが、普通は活字字体や活字書体と言っています。甲骨文・金文それぞれの各種の形態も「字形」に含まれます。

同音同義で字体が異なる文字を、異体字と言います。普通一般に使われている文字に対して、それ以外の字体を言います。別体字・或体(わくたい)字とも言います。例えば、妬(妒)・雁(鴈)・喜(憙)・坑(阬)・啖(啗)等々の()の中の文字が異体字です。略体も異体字の一つで、画数を簡略化した楷書の字体です。常用漢字の新字体には、嘗て略字とされていた字体が多く採用されており、採用された物は正式な字体となりましたが、採用されなかったものは、非公式の俗字となりました。例えば、戦前には「國」「學」「權」が標準の文字として使われ、「国」「学」「権」などは略字とされていましたが、当用漢字を制定するときに、正式に認められました。しかし、齢(令)・歳(才)・卒(卆)の()の中の文字は略字・俗字になります。簡体字は、従来、俗字・略字と言われたもので、※上海辞書出版社の『辞海』では、全て異体字としています。

4 、昭和26年5月25日 内閣告示・訓令

国語審議会内に設置された「固有名詞部会」で検討され,国語審議会会長から,文部大臣及び法務総裁に建議されたもの。 92字の漢字を掲げる。

5、昭和51年7月30日 内閣告示・訓令

法務省内の「人名用漢字問題懇談会」で,28字の人名用漢字追加を決めたが,従来の経緯を踏まえて,国語審議会の了承を得てから正式決定されたもの。

6 、昭和56年10月1日 内閣告示・訓令

(1)「法令,公用文書,新聞,雑誌,放送など,一般の社会生活において,現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安」として当用漢字表に95字追加し,1,945字の漢字を掲げる。従来の字種表,音訓表,字体表を統合した漢字表。
(2)「固有名詞を対象とするものではない」として,地名・人名は対象外とした。
(3) 国語審議会答申「常用漢字表」前文の「人名用の漢字」(昭和56・3・23)固有名詞に用いる漢字のうち,子の名に用いる漢字については,当用漢字表に関連するところもあり,広く国語の問題にかかわるものとして従来国語審議会も関与してきたが,この問題は,戸籍法等の民事行政との結び付きが強いものであるから,今後は,人名用漢字別表の処置などを含めてその扱いを法務省にゆだねることとする。その際,常用漢字表の趣旨が十分参考にされることが望ましい。

7、平成12年12月8日 国語審議会答申

(1)「法令,公用文書,新聞,雑誌,放送等,一般の社会生活において表外漢字を使用する場合の字体選択のよりどころを,印刷文字(情報機器の画面上で使用される文字や字幕で使用される文字などのうち,印刷文字に準じて考えることのできる文字を含む。)を対象として示すもの」として作成。
(2)「常用漢字とともに使われることが比較的多いと考えられる表外漢字(1022字)を特定し,その範囲に限って,印刷標準字体を示した」字体表。
(3)この字体表で示された「印刷標準字体」に合わせてJIS規格(JIS X 0213)の字形を変更(平成16年2月20日改正)。

注:
常用漢字表に記載されている「常用漢字」以外の漢字を表外漢字と言い、その中で人名に使用できる漢字を「人名用漢字」と言います。「表外漢字字体表」で示された、印刷文字において標準とすべき字体(1,022文字)を、印刷字体と言います。これは『康煕字典(こうきじてん)』の文字を参考にしています。

8 、その後の人名用漢字の追加

(1)昭和56年に54字追加,平成2年に118字追加,平成9年に1字追加。
(2)平成16年2月に1字(曽)追加,6月に1字(獅)追加,7月に3字(瀧,駕,毘)
追加……この段階で,人名用漢字の総数は,290字。
(3)平成16年9月27日 488字追加+205字追加(※)
※ 205字のうち,195字は常用漢字の旧字体(廳(庁),顯(顕)等),10字は人名用漢字の旧字体(彌(弥),祿(禄)等)である。したがって,現在の人名用漢字の総数は,290字+488字+205字の計983字となる。

以上が、昭和21年以降の、漢字に対する文部省の取り組みです。


次に、昭和56年の改訂には「子の名に用いる漢字については、その扱いを法務省にゆだねる」とあるので、法務省の関係の法令を見てみたいと思います。

先ず、「戸籍法第五十条」には、子の名に用いることのできる文字について、次の様に書かれています。

・戸籍法(昭和22年12月22日法律第224号 最終改正:平成28年5月27日法律第51号)

第五十条 子の名には,常用平易な文字を用いなければならない。

② 常用平易な文字の範囲は,法務省令でこれを定める。


次に、常用平易な文字の範囲について「戸籍法施行規則 第六十条」の内容を確認すると、次の様に書かれています。

・戸籍法施行規則(昭和22年12月29日司法省令第94号 最終改正:平成28年3月22日 法務省令第9号)

第六十条 戸籍法施行規則第五十条第二項の常用平易な文字は,次に掲げるものと
する。

一 、常用漢字表に掲げる漢字
二 、別表第二に掲げる漢字(人名用漢字)
三 、片仮名又は平仮名(変体仮名を除く。)

この二つの規則が基本です。


人名に用いることのできる文字は、「常用漢字」「人名用漢字」と片仮名・平仮名です。漢字の字種(字の種類、例えば、「常用漢字表」の字種は2136字)は、「常用漢字」「人名用漢字(863字)」と合わせて、2999文字です。その音訓・字体については、平成22年11月30日にも整理されていますので、「常用漢字」と指定があるからには、当然、その音訓に従うべきです。

また、「常用漢字」の規定する対象は「法令,公用文書,新聞,雑誌,放送など」と書かれていますので、自分の子供に如何なる名を付けようと親の自由ですが、少なくとも、世に多く行われている「名付け」に関する本・雑誌・辞書等々は、この法令に従うべきです。

すると、多くの名付け本に「名前の読み方と長さは自由」、「どのように読んでも法律上は問題はありません」、「落語でおなじみの寿限無寿限無……という名前もOK」というのは誤りである事になります。子の名には,常用平易な文字を用いなければならないからです。「キラキラネーム」は、戸籍法に定める常用平易な文字の使われ方ではありません。

因みに、片仮名・平仮名については「ヰ」「ヱ」「ヲ」「ゐ」「ゑ」「を」も使用可能ですし、長音記号「ー」については、直前の音を延引する場合に限り、また、同音の繰り返しに用いる「ゝ」及び「ゞ」並びに同音の繰り返しに用いる「々」は、直前の文字の繰り返しに用いる場合に限り、用いることができるようです。

子に付ける名前の、読み方と長さは自由ではありません。「常用漢字」「人名用漢字」「戸籍法」に従って、常用平易で使いやすい良い名前を選ぶべきです。

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次回は、「キラキラネームの秘密、結び三」に続きます。「人名用漢字」は「常用漢字」のように音訓に関して、整理されているかどうか非常に気になっています。法務省に電話すべきでしょうかねぇ。

中共新執行部発足 20171025(一)

2017年10月26日 23時57分21秒 | 日記
10月25日、中共は新体制を発足させました。それに関して、以下は「大紀元」の22日の報道です。

『二社最新の7常委の名簿が一致 胡春華 陳敏爾は入局せず(兩個最新7常委名單一致 胡春華陳敏爾出局)』


更新: 2017-10-23 3:30 AM

【大紀元2017年10月22日訊】

中共「十九期」の代表は現在、中央委員会の人選を討論しており、10月25日の十九期一中全会の席上、新たな一期の政治局常務委員が発表になる。

新たに公表された二つの政治局常務委員に関するメディアの名簿は、役職は異なるものの、7名の常務委員は一致しており、その名簿には、以前、恐らく政治局常務委員入りを果たすと目されていた60年代生まれの二名、胡春華と陳敏爾は、含まれていなかった。

《南華早報》10月22日の報道には、中共十九期の政治局常務委員には、習近平・李克強・汪洋・栗戰書・王滬寧・趙樂際・韓正の7名を挙げている。この中で習近平は総書記に任ぜられ、李克強はやはり中共総理、栗戦書は恐らく中共人民代表大会委員長に選出され、汪洋は中共常務副総理、趙楽際は中紀委を掌握し、韓正は中共政協主席に、王滬寧(おうこねい)は中央書記処常務書記に任ぜられる、としている。

この7名の常委は、香港《明報》が最近発表した名簿と一致しており、その中で習近平・李克強の職務は同じだが、しかし、他の5名の職務は違っている。

この中では、汪洋は十七期に入局し、王滬寧も十七期に書記処に入っているので、彼等二人はそれぞれ序列第3・第4の中共全人代委員長と政協主席に選出されるとしているが、他の3人は全員「十八期」に入局している。現在の常務委員の役職に照らしてみると、第5から第7までの常委は、それぞれ中共中央書記処常務書記・中紀委書記と常務副総理だが、しかし、これらの職務の序列は必ずしも決まってはいない。

上述の名簿の中には、世間からは恐らく常務委入りを果たすと目されていた60年代生まれの広東省委書記 胡春華・重慶市委書記 陳敏爾の名前は、含まれていなかった。

胡春華は団派(共産主義青年団)の代表的人物とされ、彼と最近失脚した60年代生まれの重慶市委書記 孫政才は、二人とも十九期で政治局常務委入りを果たし、二十期で習近平・李克強の職務を引き継ぐと有望視されていた。孫政才が身柄を拘束されると、世間は、習近平は隔代で指定される「後継者制度」を排除した、胡春華は政治局常委の直前でつまづいた、恐らく常務委にはなれないだろうと考えた。

陳敏爾は習近平が浙江省にいたときの古い部下で、習近平が総書記になると、陳敏爾は俄に出世し、前後して貴州省長、省委書記に任ぜられた。孫政才が今年7月に失脚すると、陳敏爾は彼に代わって、四大直轄市の一つである重慶市委書記に就任した。

重慶市委書記は普通、政治局委員になるので、世間は陳敏爾が政治局に入ると思っており、一部の外国メディアは彼が跳び越えて政治局常務委になると公表さえした。」(「大紀元」『二社最新の7常委の名簿が一致 胡春華陳敏爾は入局せず(兩個最新7常委名單一致 胡春華陳敏爾出局)』2017-10-23 3:30 AM)

「キラキラネーム」が気になりつつも、あと一回か二回、この話題が続きます。

習近平の右腕(「標準配備」の三人)

2017年10月25日 02時30分11秒 | 日記
明日、10月25日に開かれる第十九期一中全会で、新しい七人の指導者(政治局常務委員)が明らかになります。習近平国家主席と李克強首相はかわりませんが、他の五人はどうなるのか、報道各社の予想は、ほぼ一致しているようです。

先ずは「自由時報」の記事からです。

『中国共産党第十九次大会本日閉幕 習思想が党章に書き込まれ 7人の政治局常委の予想がほぼ一致(中共19大今閉幕 習思想入黨章、7政治局常委猜測名單趨一致)』


2017年10月24日‧星期二‧丁酉年九月初五日

「中共第19次大会が本日閉幕の予定だ、先に中央委員及び紀律委員が選出されるが、新指導部の権力の中心は政治局常務委員だ。明日の19次1中全会で始めてお披露目となるが、報道各社が推測する指導者の名簿は、ほぼ一致しており、習近平は「後継者」を置かず、王岐山は指導部入りせず、ダークホースは交替になった。

中共第19次大会が本日閉幕するが、昨日、中央の公布した中央委員及び紀律委員の候補者の名簿は通過し、本日、その名簿に従って投票が行われるが、基本的に中央の操作のもとに行われる完全な「推奨名簿」で、代表者達は投票するだけだ。しかも、権力大芝居の政治局常務委員の名簿は、明日の19大1中全会で漸く最終的な決定となる。

《中央通訊社》は、報道各社が推測した19次中共政治局常委の新名簿を整理したが、次の様になった、

習近平(総書記・国家主席・軍委主席)、李克強(国務院総理)、栗戦書(全国人民代表大会常委會委員長)・韓正(全国政治協商会議主席)・趙楽際(中紀委書記)・王滬寧(中央書記処書記)・汪洋(国務院常務副総理)

以前には複数のメデイアの名簿に掲載されていた、第六代の後継者と目された重慶市委書記 陳敏爾を含め、広東省委書記 胡春華も政治局常務委員会には入らない。現在の中紀委書記 王岐山も政治局常務委員を退任し、恐らく、趙楽際がその後任となるが、王岐山は在任中あまりにも多くの人々の恨みをかって、平穏無事に退任する事は難しいと考えられる。そこで、彼を保護するために、別に任命する可能性があるが、いったい王岐山がどの様な処遇になるのかは、まだ確定していない。」(「自由時報」『中国共産党第十九次大会本日閉幕 習思想が党章に書き込まれ 7人の政治局常委の予想がほぼ一致(中共19大今閉幕 習思想入黨章、7政治局常委猜測名單趨一致)』2017年10月24日‧星期二‧丁酉年九月初五日)


ところで、習近平には、三人の腹心の部下がいます。何処に行くにも連れて行きますし、一緒に政策を練るので、「標準配備」と言う渾名がついている三人です。

・丁薛祥(ていせつしょう)

総書記弁公室主任で要するに習近平の私設秘書です。内務総監。07年、習近平が上海市委書記の時、市委書記弁公室秘書長として、習の下で大小の事を処理したのが丁。今まで表には出てこなかった物の、19大で法政委書記・中央組織部部長に昇進するのではないかと言われています。噂通り、この職務に抜擢されると、無名から一気に指導者に躍り出ることになり、未だ嘗て無い出世をする事になります。習近平の事なら何でも知っている人物は、果たして、周永康と同様の地位につくでしょうか?


・栗戦書(りつせんしょ)

中共中央弁公室主任。党のあらゆる単位を管理している人物です。習近平の官僚としての道は、石家荘正定県の県委書記から始まります。正定県の隣が無極県で二つの寒村は互いに協力する関係にありました。当時、習近平と協力関係にあった無極県の県委書記が、栗戦書でした。その為、二人の関係は、現在でも非常に良いと言われています。栗戦書はその後出世し、貴州省の省委書記と黒竜江省の省長を務めています。そこで19大では、王岐山に代わって、中央紀律委員会書記になるのではないかと言われています。

但し、孫政才が重慶市トップを解任された時に、栗戦書の娘婿(シンガポール人)に汚職の嫌疑がかかり(豪華な事務所をかまえていたり、香港上海大飯店第二の株主だったり、高額の馬を所有していたり、娘夫婦が豪邸に住んでいたり等々)今回、昇格できるか否かに注目が集まっています。

この中紀委書記と、丁薛祥がなると囁かれている法政委書記(武警・公安を統括)は、党主席にとって最も重要な書記です。


・王滬寧(おうこねい)
彼は習近平の軍師、諸葛孔明とも言うべき人物です。復旦大学法律学院院長、頭脳明晰。嘗て江沢民に引き抜かれ、胡錦濤が国家主席になると、胡錦濤の政権内に残り、習近平政権が成立すると、矢張り、政権内に残った。江沢民・胡錦濤・習近平の三代に使えた皆がほしがる優秀な人物。一説に、習近平思想を打ち出したのも彼で、理想の政治家は蒋経国。

明日は、兎も角、この三人に注目です。

日本中国学会の不祥事(横領?)

2017年10月24日 18時24分15秒 | 日記
拝啓

突然お手紙を差し上げます。私は日本中国学会の会員で○○○○(私の名前)と申します。
実は、学会の運営に関して疑問に思っている事がございまして、筆を執りました。

本題に入る前に、資料を同封致しましたのでご確認ください。全て五枚です。(このブログ上には掲載していません)

・学会から送られて来た、会費納入情況についての2015年度・2016年度・2017年度分の記録「会費請求と登録データの確認について」三枚。

・「日本中国学会事務局」から送られて来た手紙 一枚
差出人の名前がありませんが、「・・・」という人物から送られて来た物です。

・2017年4月13日、栃木県小山市「小山城南郵便局」から日本中国学会に、三万五千円を送金した時の「振替払込請求書兼受領書」一枚。

それでは、本題に入ります。

私は、それほど学会員として活動をしているわけではありません。会費も数年分をまとめて支払って、後はそれきりの幽霊会員です。しかし、それでも学会報や通信文などは楽しみにしています。

問題が起きたのは、2015年12月の事です。年末になっても学会から何も送られて来ないので、学会本部のある湯島聖堂に電話をしました。すると、斯文会の事務員が、親切に、「日本中国学会」の事務員の携帯番号を教えてくれましたので、「・・・」という事務員の携帯に電話を掛けました。相手に「学会報が送られてこない」旨伝えると、・・・氏によれば、会費未納で、対価を支払っていない物には会報を送る必要が無い、と言う事をでした。私は、確か、三年未納にすると会報が送られてこなくなるはず、三年は経過していないはずなので、「会報」を送って欲しいと伝えて、電話を切りました。すると、年が明けて2016年1月18日に、・・・氏から手紙が送られてきました。それが、資料の四枚目です。

この手紙には、「○○先生の会費納入状況を確認いたしましたところ、○○先生におかれましては、現時点で二年分(2014・2015年度)、計14,000円の未納がございます。」と書かれています。「規則に従って」とありますが、以前は三年間でした。それに、2015年12月の段階で、2014年・2015年の二年分の「学会報」が送られて来ていません。要するに、2013年7月4日に21,000円を支払った翌年から何も届いていないのです。しかも、何か疚しいことでもあるのでしょうか、差出人の名前がありません。

どの様な「規則」に従うと、翌年から何も送られて来なくなるのかは謎ですし、猫の目のように変わる「内規」もどうかと思いましたが、「こちらの払込票で未納分の会費をお支払いください」と「振り込み用紙」が送られて来ましたので、2016年2月13日に、14,000円をお送りしました。すると、2015年度の「学会報」が送られて来ましたが、2014年度の「学会報」は、現在に至るまで送られて来ていません。私の会費の「対価」はどうなっているのだろう、と思っています。

しかしながら、この人物が、下品なほどに尊大で、低脳なほどに無礼であったとしても、私の支払方法も良くなかったのかもしれません。そこで、今年2017年4月13日、地元の郵便局より会費をお送りしました。それに対して届いたのが三枚目の資料です。薄く○を付けておきましたが、

2016年度分 0円 2017/04/13
2017年度分 0円 2017/04/13
請求金額 総計 -7000円

と書かれており、事務局の記載では、総計21,000円の送金として処理されていました。しかし、これは間違っています。

資料の五枚目をご覧下さい。
栃木県小山市の郵便局から、平成二十九年四月十三日に送金したのは、35,000円です。

さすがに阿堵物とは言いませんが、たかが14,000円の差額です。本来ならば、騒ぐほどの事は無いのかも知れません。しかし、送金しないと「会報」が届かず、送金すると金額が合わないでは話になりません。それに、会員1000人として、一人14,000円ならば、合計1,400万円です。これは、横領事件が起きてもおかしくない大きなお金です。

更に、資料の四枚目には、
「事務局所在地に斯文会館の電話番号を掲載していないことからもご理解いただけるかと存じますが、本来、斯文会館・学会事務局ともに、お電話でのお問い合わせは受け付けておりません。つきましては何卒ご賢察いただきたく、今後は斯文会館、及び事務員個人携帯へのお電話はご遠慮いただき、郵便・FAX・Eメール等でのご連絡をお願いいたします。」

「ご理解」などするはずがありません。「日本中国学会」は、いつからペーパーカンパニー化したのでしょう?これでは、反社会勢力の資金源の会社と一緒ではありませんか。

それに、「会費請求と登録データの確認について」の趣味の悪い右上の「○」は、何の印なのでしょう?会員を馬鹿にしているのでしょうか?四角で囲ってある請求金額ですが、何か訃報を連想させて下品で縁起が悪い。「請求金額が8000円以上の方で8月31日までにお支払いがない場合は、本年度の「日本中国学会報」が送付されませんのでご注意ください。」と書かれていますが、会費7000円に対して8000円というのは、一年でも支払いが滞れば、通信を停止すると言う意味です。これは、中国学会の運営に困難を来しているのか、或いは、運営者側の誰かが金銭的に困窮している事を示しています。

要するに、差額14,000円というのは、事務局に対する不信を抱かせるのに充分な金額なのです。事務局への不信は、同時に、理事長選の結果から、費用の使われ方、横領の有無に至るまで、学会運営の全てに関する不信でもあります。

さて、長くなりましたが、この手紙を認めた目的は次の通りです。

会費をお送りしたにも関わらず、平成二十九年四月三○日付けの「日本中国学会便り」が届いて以降、何も送られて来ません。著しく会員としての権利が侵害されているわけですが、どうなっているのでしょう?

また、35,000円お送りしたはずなのに、事務局の記載では21,000円になっています。どうなっているのでしょう?

「日本中国学会便り」及び「日本中国学会報」始めとする印刷物、或いは通信に関して、印刷費・通信費等々は正確に支払われているでしょうか?日本中国学会内で、横領などの不祥事があってはなりません。日本中国学会側の領収書と、印刷会社側等の請求金額が一致しているか、調べて頂きたく存じます。

また、「学会便り」「学会報」「通信文」には封筒も含めて、送り主の名前は書くべきです。

更に、過去にそうであったように、日本中国学会の本部は、斯文会内に戻すべきです。数千人(?)の会員を抱える状況で、電話はするな、などと言うのは世迷い言です。きちんと本部を置き、事務員を置くのが当たり前です。学会の体面にも関わる問題であると思います。電話を取るのが嫌だというのであれば、辞めればいいのです。

最後に、35,000円が21,000円というのは、一つの不祥事です。責任者は事務局から去るべきです。また、他にも何か不祥事が見つかった場合には、理事長以下、各種委員会の委員長に至るまで、責任を取って辞職すべきであると思います。

上記の事、なおざりにせずに、問題の解決に向けて善処して頂きたく、お願い申し上げます。
 敬具
 七月十二日

希望の党内のちょっとした噂

2017年10月22日 02時33分13秒 | 日記
第48回衆院選では、自民党が単独で284議席を得て圧勝しました。さて、今後、政界ではどの様な事が起きるのでしょう。

以下の画像は、カミカゼさんがツイッターで拡散し、「anonymous post アノニマスポスト」にも『元警視庁 坂東忠信氏「NHKがネット工作員ネタを探してましたが、これなんかどう?」⇒希望の党非公認マスコット「希望ちゃん」が立憲民主党と共産党シンパの在日工作員だった!と話題に~ネットの反応「うわーwww」』という記事で取り上げられた内容です。興味のある人は、「anonymous post」も併せてご覧下さい。


先ずは、次の画像をご覧下さい。
















これによると、選挙後に、立憲民主党を軸にして、希望の党・無所属の議員が結集することになります。兎に角、勢いのあるところで、議席を稼ぐ。

でも、こう言うのって「比例」で当選した人はどうなるのでしょう?
投票した人に対して、酷い裏切り行為のような気がしませんか?

それに、「安倍政権打倒」の理由として、日本の右傾化を挙げていますが、これは現状認識が甘い、と言うか、間違っていると言わざるを得ません。

安倍総理がいるから、日本が右傾化している訳ではありませんし、そもそも、右傾化もしていません。

9条でもどうにもならない金将軍、世界中に増え続けている慰安婦像、各国の国旗・国歌に対する態度、各国の軍隊等々…、新聞テレビ以外に、ネットを通じて個人的に幾らでも情報収集のできる時代に、情報操作という手段が古臭くなっている時代に、却って報道が情報操作を強めるので、日本人の報道に対する信頼が次第に低くなっているのです。右傾化と言うよりも覚醒です。

ネットの普及により、真実を知った人々が多くなり、その人々が政権を支えているのです。

それに、安倍総理がいて右傾化ならば、辻元さん・菅直人さん・山尾さんの当選は、何なのでしょう?まだまだ日本の社会が、どうかしている事を示している好例であると思います。

話しは少し逸れてしまいましたが、上記の情報が出回っているので、百合子ちゃん、お気を付けあそばせ。

次回は、「漢字の話」に戻ります。

北京の直面する経済的課題

2017年10月20日 01時51分31秒 | 日記
「rfi華語 世界之声」の10月2日の記事です。

『十九大前夜に北京が直面する経済的問題(十九大前夕北京所面臨的經濟挑戰)』

播放日期 02-10-2017 更改時間 02-10-2017 發表時間 13:03



「中国共産党第十九次全国代表大会(10月18日~)の招集前夜、フランスの中国問題ウェブサイトが月曜に、「数字の背後にある北京が中国経済に対して真に憂慮すべき問題」と題する一篇を発表した。フランソワ・ダンルー(françois Danru)と署名された、この六ページに及ぶ長編の評論は、中国経済に関する統計の数字を通して、中国経済が直面している最も北京政府を憂慮させる一連の問題について指摘している。

評論は次の様に指摘している、中国経済に関する評論を見渡せば、人々がしばしばに目にするのは、幾つかの相矛盾する偏った浅い評論であり、中国に関する経済指標、並びに、人民元の貨幣の大胆な予測は、まるで人民元が北京政府の支配を離れ、自由に揺れ動く事ができるかのようだと感じさせる、と。

作者は、八月以来の各方面が公布した、中国の経済成長に関する数字、及び、工業投資等に関する各方面の統計の数字を羅列し、あらゆる数字の中で、最も注目に値するのは次の三つの点である、と指摘している。

先ず輸入額の減少である。これは北京の市場投機に抗する政策が達成された事を物語っている。次に、重工業の生産高が10.3%増加している。これは、中国の今年の重工業の年間生産額が、昨年と比較して、恐らく5%増加しており、北京が国際社会に向けて打ち出した減産の承諾に、完全に背いている事を意味している。

では、北京は如何にして過剰な重工業製品を消費するのだろう?国際通貨基金等の国際金融機構は、中国の一帯一路の開発計画、並びに、※雄安新区の開発で、問題に答えが出せると期待しているが、しかし、北京政府は決してこれで枕を高くして眠れるとは思っていない。

何故なら、一方では、とっくに負債累々の中国国有企業が、国外で大規模な投資を行い、これが北京の国際舞台でのイメージを、甚だしく悪化させている。その一方で、およそあらゆる大型の国有企業は、中共高級政治局常務委員と直接的、或いは、間接的な投資関係を結んでおり、しかも、企業の資産と金融市場は、複雑に絡み合った関係にある。国有企業は、銀行からの貸し付けで再び株式市場に投資し、北京政府は金融市場の安定を維持するという前提のもと債務危機の緩和を試みたが、最終的に、銀行と企業の莫大な債務は、総額三兆億人民元に至っている。


※雄安新区、4月1日に発表された、新たに建設される特区。天津と河北省を北京の「両翼」と位置づけ、北京への一極集中の緩和と、北京・天津・河北省への産業転移のための重要なプラットフォームとして開発される。河北省唐山市の曹妃甸(そうひでん)共同発展示範区・新空港臨空経済区・張承生態功能区・浜海新区等の四つの戦略特区からなる地域に、中央在京の行政事業単位・企業の本社・金融機構・高等学校・研究機関が建設される。「雄安新区」は、「一帯一路」構想と並び、習近平の政策として、2021年の共産党設立100周年、2022年の北京冬季五輪に向けて開発が進められる予定。


上記の憂慮以外に、米国トランプ政府が貿易戦を始める構えである事も、北京の直面する問題である。ワシントンは、北京が中国に投資をする外国企業に対して、必ず工業の機密を共有する規定を要求するのは、知的財産法に背いていると告発している。この他、米国の事業税を下げる政策で、中国が回答を出さざるを得ないよう促しており、中国の総理李克強は、今年三月に既に人民代表大会の席上、中小企業の事業税の減税、並びに、付加価値税の減税に関する改革法案を発表した。

この文章は、中国政府は随時、その経済をマクロコントロール下に置いており、しかも、そのコントロールの目的は、決して市場経済の原則に従う事ではなく、中国社会の安定を維持する為である、と強調している。北京政府はここ数年来、確かに市場化に努力している、例えば、国有企業に対する管理を強化し、企業競争を強化し、企業の財務的透明性を高める等々だ、しかし、一旦、市場化の推進が共産党及び中共エリート層の経済利益に抵触するや、一旦、社会の安定に影響するや、北京は直ぐさま市場化を停止させるだろう。

作者は例を挙げて次の様に述べている。八月に公布された統計によれば、中国の家賃は過去一年で32.6%上昇しており、北京は、この現象が新たな社会的混乱を引き起こすのではないかと心配している、と。不動産バブルを抑制するために、北京は不動産領域の監視を強化している。つまり、不動産業は、中国国内の市場総額の7%を占めており、また、地方政府の主な収入源であり、地方予算の35%が不動産の売買に由来している。したがって、北京が市場に対する介入を緩和するだろうと期待するのは、現実的ではない。

8月18日から北京政府が公布した新たな規定は、政府の市場に対する監視が、緩和の兆しからはほど遠い事を示している。北京は外資の武器・ゲーム及び性産業への投資を禁止しており、外資の不動産・映画娯楽及びスポーツ等の産業に対する投資を制限し、唯一、対外的に完全に開発されたのは、一帯一路に関係があり、並びに、技術を導入できる投資プロジェクトだけだ。しかし、文章は、経済のグローバル化が進んだ今日、上述の監視は、実際に操作するには困難が伴う、と指摘している。

例えば、経済の発展と社会の安定の双方に配慮を加えるために、北京は往々にして、知的財産権等の領域で、世界貿易機関の関係の原則に背いては、制裁を受けている。同様に、家賃を抑制するために取った措置は、セメント・鉄鋼等の過剰生産を招き、その上、国家発展改革委員会が打ち出した住宅ローンの制限・個人の購入住宅数の制限等の措置は、時に逆の効果をもたらし、家賃の高騰をもたらし、中国の投資家の目を海外に向けさせる。これこそ、中国政府が最も避けたい所だ。

中国経済は上記の多くの問題に直面しているが、文章の最後に、中国のエネルギー産業に焦点を当てている。先月末、中国の二大エネルギー企業、国有電力大手の中国国電集団と国有石炭大手の神華集団が合併して、世界最大のエネルギーグループが誕生した。しかし、この世界最大のエネルギーグループは、石炭の発電量が77%を占めている。石炭の発電が中国全土の総発電量に占める割合は65%である。これは、中国政府が打ち出した、火力発電量を低下させ、エネルギー転換を完成させるという道が、まだ非常に遠い事を物語っている。」(「rfi華語 世界之声」『十九大前夜に北京が直面する経済的課題(十九大前夕北京所面臨的經濟挑戰)』播放日期 02-10-2017)

矢張り、新聞は面白いですね。次回は「キラキラネームの秘密」に続きます。気が向いたら、共産党大会関連かも。

漢字の話(キラキラネームの秘密、結び一)

2017年10月15日 01時15分38秒 | 日記
・問題の所在

「キラキラネーム」と言う流行が、日本の社会に突きつけるのは、日本の主権は何処にあるのか、日本人にあるのか、と言う問題です。これは、寛容であるか否かという次元の話しではありません。

現在、国語表記に対する破壊が、営利企業や占い師によって行われています。それは、漢字を含めた国語表記を戦前に戻すと言う方向ではなく、新旧字体・漢字の意味用法をデタラメにして、日本の漢字文化をまとめて破壊しよう、と言う方向に動いているように思われます。

「表現の自由」は守られるべきですし、名付けという「親の権利」を侵害するつもりはありません。しかし、自由や権利を行使することで、国民共有の財産とも言うべき文化を破壊するのは、行き過ぎた自由であると言わざるを得ません。企業や団体が勝手に推進しているとすれば、それは、日本の社会に対する裏切り行為です。


最近、ある番組で「大翔」と言う名を取り上げていました。番組によれば、この漢字は最近の名付けの世界で最も流行している名前であり、その読み方には「はると」「やまと」を始めとして十数通りの読み方がある、とアナウンサーが得意げに説明していました。しかし、「大翔」と書いて読み方が十数通りと言うのは、振り仮名がなければ誰も読めないと言う事です。それでは名前の用を為しません。使えない名前を、人様の子供に付けるように、テレビが誘導してどうするのだろうと思います。

漢字には、音と読みがあります。音と読みは関係があります。「はると」と聞いても、漢字が思い浮かびません。また、「やまと」と聞いても、「大和」を思い浮かべるだけです。名前の読み方は、法律で定められてはいません。しかし、「大翔」を、はると・やまと・ひろと…と言うのは、違法ではありませんが、ダメな名前です。


では、何故、ダメなのでしょう?

ここで、戦後に行われた国語表記の改革について少し振り返ってみたいと思います。国語表記に関する内閣訓令が出されるのは、昭和二十一年十一月の事です。

『当用漢字表の実施に関する件』(昭和二十一年、内閣訓令第七号)には、次の様に書かれています。

「従来、わが国において用いられる漢字は、その数がはなはだ多く、その用いかたも複雑であるために、教育上また社会生活上、多くの不便があつた。これを制限することは、国民の生活能率をあげ、文化水準を高める上に、資するところが少くない。

それ故に、政府は、今回国語審議会の決定した当用漢字表を採択して、本日内閣告示第三十二号をもつて、これを告示した。今後各省庁においては、この表によつて漢字を使用するとともに、広く各方面にこの使用を勧めて、当用漢字表制定の趣旨の徹底するように努めることを希望する。」

参考資料 「官報」号外、昭和21年11月16日(土曜日)

また、『人名用漢字別表』(昭和二十六年、内閣訓令第一号)にも、次の様に書かれています。

「人名に用いる文字は、国民の生活能率をあげるためにも、また、個人の幸福のためにも、できるだけ常用平易な文字を用いることが必要である。しかしながら、人名に用いる漢字については、社会慣習や特殊事情もあるので、政府は、今回国語審議会の「人名漢字に関する建議」を採択し、当用漢字表(昭和二十一年内閣告示第三十二号)に掲げる漢字のほかに、人名に用いてさしつかえないと認められる漢字を、「人名用漢字別表」として、本日内閣告示第一号で告示した。

今後、この趣旨が国民一般に徹底するよう努めることを希望する。」

参考資料 「官報」第7310号、昭和26年5月25日(金曜日)

上記の二つの法令が、国語表記の出発点です。改革の根底にあるのは、漢字の乱用を避けて平易な表記法にする事で、生活の能率を上げ文化水準を高める、と言う物でした。

漢字表記の改革の根底にあるのは、社会生活上の不便の解消にあります。文字という物は、社会全体で共有している物です。当然、その家族にしか分からないインチキ読みを発明して良いはずはありません。愚かな流行に乗って、子供に奇妙な名を付ければ、進学・就職で環境が変わる度に名前を聞かれるばかりでなく、例えば、小包の配達・医療機関での検診・役所や銀行の手続きの度に、漢字とその読み方を確認され、要するに、子供に一生つきまとう不便を押し付ける事になります。その状態が子供にとって幸福であるとは思われません。

また、「大翔」の読みとしての(はると)(やまと)…が誰にも読めない以上、平易な表記法とは言えません。その様な漢字の乱用を敢えて勧める企業や集団が存在するとすれば、それは、既に、違法行為に均しい反社会的な行為であり団体である、と言えます。何故なら、「漢字の乱用を避けて、平易な表記法にする」と言うのは、昭和二十年代から現在に至るまでの、漢字表記に関する一貫した目標であるからです。


漢字の話(キラキラネームの秘密、結び二)に続きます。