『蜻蛉洲大和の国のサンライズタイム』ー外国人参政権反対、移民政策反対、背乗り工作反対!盗聴・盗撮は日本では犯罪です!ー

キラキラネームは日本の漢字文化を破壊するための、カルトの工作活動です!公務員の国籍条項と外国人土地法の復活求む!

漢字の話(仰天の振り仮名)

2016年06月28日 16時03分06秒 | 日記
ご覧になられた方も多いのではないかと思いますが、6月23日、テレビ東京で『仰天パニックシアター!!』という番組が放送されました。

ドバイでランボルギーニが燃えていたり、防弾ガラス越しに中華包丁を振り上げて金銭を要求する間抜けな銀行強盗や、野生のホッキョクグマの泳ぐ映像等々、面白い内容でした。出演者も好きな人物ばかりでしたが、中国人の人名表記がいけません。

番組終盤で河南省の特集をしており、何を思ったのか、漢字にいちいち中国語音のルビを振って字幕で流すのですが、全てがデタラメの類でした。

漢字は漢字文化圏では、その国の発音で読まれます。中国では、日本人の名前も中国語音で読まれますので、日本でも、漢字の名前は日本語音で読むべきです。それが正しい使われ方だからです。中国語は日本人にとって外国語です。学習したことが無ければ分かりません。ですから、漢字に中国語のルビを振っても、その正誤を殆どの日本人が判断できません。テレビがインチキ・デタラメを流しても、大多数の視聴者に分からないのは問題です。


以下は、番組に登場した漢字とその発音の表記です。


崔 愛芝 ツェイ アイヂー

楊 光合 ヤン・グンハー

干 知民 ユー・ヂーミン

李 永知 リー・ヨンジー

王 永楽 ワン ヨンラ(ワン・ヨンラ)

王 高遠 ワン ガオユェン


先ず気になるのが「・」の付いている人と、いない人がいる所です。私が中学校や高校で勉強した時には、「李白」や「杜甫」の読み仮名に「リ・ハク」「ト・ホ」などとはやりませんでしたので、基本的に「・」は必要ないと思っています。何の影響なのかは分かりませんが、気分で「・」を付けなかったり付けたりしているようにしか見えません。統一されていないのです。ここからも、相当いい加減なルビである事が分かります。

では、一人ずつ見ていきましょう。


・崔 愛芝 ツェイ アイヂー

観光タクシー斡旋業をしているという女性ですが、この名前の中国語の拼音(ピンイン、ローマ字の発音表記)は、

崔 愛芝 cui aizhi

崔cui は「ツゥイ」か「ツィ」の発音です。「ツェイ」は間違いです。


・楊 光合 ヤン・グンハー

楊 光合 yang guanghe

光guang は「グヮン」の発音で「グン」と言うのは全くの誤りです。

「崔」の音も「光」の音も違います。


・干 知民 ユー・ヂーミン

漢字には、似た文字があります。例えば「瓜」と「爪」、「牛」と「午」等が代表です。「瓜(うり)につめあり、爪(つめ)につめなし」とか、「牛に角あり、午(うま)に角なし」などと言って覚えたりします。

次の文字は非常によく似ていますが、好い覚え方は無いのかな、と思っています。

「干(かん)」と「于(う)」です。

三画目をはねるか否かの違いですが、実はこの文字は部首も違いますし、当然、意味も違います。「干(かん)」は「干(かん)」の部首です。この字は、武器を表した象形文字で、時代が下がると盾(たて)の意味になりました。それで「干戈(かんか、盾と矛)」と言う熟語は、武器の総称の意だったり、戦争の意だったりします。また、形声文字の音符としても使われるので「旱」「奸」「肝」等はすべて「かん」の音です。

「于(う)」は「二(に)」の部首になります。「二」は、文字の整理の上から部首に立てられたと言われています。「于」は漢文を学習すると感嘆詞や助辞として、「ここに」とか「これ」等の読み方で出てきます。また、人名にも使われていて、歴史上では漢の丞相の于定国(うていこく)が有名ですし、現代の中国でも「于(う)」という姓は珍しくはありません。

当然、中国語でも「干」と「于」の音は違います。

干 はgan (ガン)
于 はyu (ユー)

もう、お解りですね。「干 知民 ユー・ヂーミン」は漢字が違っているのです。恐らく「于 知民」と書きたかったのでしょう。中国人なら間違えるはずはありませんし、中国語や漢文を学んだ者なら違いは分かります。しかし、字幕を作る人物が、どちらも知らなければ区別するのは難しいでしょう。


・李 永知 リー・ヨンジー

李 永知 li yongzhi

リー・ヨンジーという発音は、中国語の拼音に近い音ではあります。しかし、その表記が問題です。

干 知民 ユー・ヂーミン
李 永知 リー・ヨンジー

知zhi という発音に対して、「ヂー」と「ジー」と二つの表記が使われています。同じ発音なのに、何故、仮名の表記が違うのか謎です。


・王 永楽 ワン ヨンラ(ワン・ヨンラ)

鉄股功14代目の継承者で、恐らくは高名な武道家なのでしょが、残念な事に番組では完全にイロモノとして扱われていました。まあ、それは制作側の自由なのですが、

一回目の字幕では「ワン ヨンラ」、二回目は「ワン・ヨンラ」で、しかも、番組のナレーションは「ワン ヲンラ」と発音していました。台本が違っていたのかもしれません。

問題はこれだけではありません、

王 永楽 wang yongleを「ワン ヨンラ」と字幕に出しているのですが、普通、発音する時には「楽(le)」は「ラー」「ラァ」とのばし気味に発音します。

だいたい、芝zhiを「ヂー」・合heを「ハー」・干・于を間違ったとは言えyuを「ユー」・知zhiを「ヂー」「ジー」・李liを「リー」とのばして表記してきたのに、何故、楽leが「ラ」なのか疑問です。


・王 高遠 ワン ガオユェン

王 高遠 wang gaoyuan

この人名は二度ほど字幕が流れましたが、にどとも姓名の間の「・」はありませんでした。それは正しいとは思うのですが、表記として統一されてはいません。


・まとめ

要するに、字幕として登場した名前全てに問題がありました。ここまで間違いの多い番組も珍しいと思います。


崔 愛芝 さいあいし

楊 光合 ようこうごう

于 知民 うちみん

李 永知 りえいち

王 永楽 おうえいらく

王 高遠 おうこうえん


と表記すれば、違っていても放送で流れる前に何処かの段階で誰かが気付くはずですし、視聴者は知らない漢字があってもテレビで学ぶことができます。ナレーターも脚本家も字幕を作る人物も、間違いは少なくなるはずです。


字幕の表記が統一できない。干と于の区別がつかない。中国語の発音に詳しいわけでもなさそう。

木曜日の夜に「鉄股功」の練習風景や、山羊の睾丸料理を取り上げるバラエティ番組です。視聴する側も楽しさ重視で、そこまで正確な事を求めているわけでもないのです。しかし、ならば、普通に日本語のルビを振れば好いのに、と思います。できもしないのに中国語音のルビを執拗に振ろうとするのは、どういう神経なのでしょう。日本のテレビ番組なのに不思議ですね。


次回は、「漢字の話(キラキラネームの秘密)」に戻ります。

中露海軍 尖閣接近(7日怪談)

2016年06月20日 19時45分45秒 | 日記
それにしても、中国側の「マラバール」に対する警戒感は非常に高いらしく、尖閣沖を通過したと同日、中印国境の争議のある地域に、中国軍は兵士を250人も送り込む騒ぎを起こしていました。

以下は、「産経新聞電子版」の記事です。

『中国軍がインド北東部に侵入 領有権主張、日米との連携強化に反発か』

2016.6.15 19:14更新

「インドと中国が領有権を争い、インドの実効支配下にある印北東部アルナチャルプラデシュ州に今月9日、中国人民解放軍が侵入していたことが分かった。印国防省当局者が15日、産経新聞に明らかにした。中国は、インドが日米両国と安全保障で連携を強めていることに反発し、軍事的圧力をかけた可能性がある。

中国兵約250人は、州西部の東カメン地区に侵入し、約3時間滞在した。中国兵は3月にも、中印とパキスタンが領有権を主張するカシミール地方でインドの実効支配地域に侵入し、インド軍とにらみ合いになっていた。アルナチャルプラデシュ州への侵入は、最近約3年間、ほとんど確認されていなかったという。

9日は、中国海軍が艦船を尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の接続水域で航行させた時期と重なる。インドは10日から日本近海で、日米とともに海上共同訓練「マラバール」に参加していた。訓練は米印が実施してきたが、昨年、日本の恒常的参加が決まっていた。

インドは、今月6~8日のモディ首相の訪米では、中国が軍事拠点化を進める南シナ海に言及せず、中国に配慮を示していた。」

このアルナチャルプラデシュ州は、尖閣と同様に中国が領有権を主張し、インドが実効支配している地域です。この事件については、台湾でも報道されていて、中国軍の滞在は僅か3時間で、付近には約8倍のインド側の兵士がいたものの、インフラが整備されておらず戦闘に至らなかった、と伝えています。台湾でも「マラバール」と関係づけて報じられていますので、中露の尖閣沖通過は「マラバール」に触発された物で、しかも中国主導で行われた可能性が高いと言えます。NATOに不安のあるロシアが、中国の要求を聞いてあげた、という形ではないでしょうか。


もう一つ、中国軍の行動を大胆にしていると思われる物に、海上での警備力を挙げる事が出来ます。


・警備力で中国が日本を上回る

以下は「Record China」の記事です。

『尖閣周辺での海上警備力で中国が日本を大きく上回る=「俺たちの海域は広いから当然のこと」「まだまだ少なすぎる」―中国ネット』

2016年6月12日(日) 21時10分

「2016年6月11日、中国メディアの参考消息網は、日本メディアの報道を引用し、日中の海上警備力が逆転し、その差がどんどん開いていると伝えた。

米国のシンクタンクである米戦略国際問題研究所によると、尖閣諸島まで行ける1000トン以上の大型船数が、13年までは日本が優位に立っていたが、15年には日本が62隻であるのに対して中国は111隻と大きく差が開いたという…。」

大型船が増えても、実戦で果たしてどれ程の威力を発揮するのか分からないのですが、海上での警備力が日本を抜いたという優越感が、中国軍の大胆な行動を後押ししているようです。中国側に勢いがあるのです。これは、あまり良い情況ではないと思います。

ここで気になるのが、日本にとって頼みの綱の米国と中国の関係です。どうなのでしょう?


・米中の齟齬(二)

さて、以下は前回に引き続いて、「走進台湾Taiwan Today」の9日の放送の続きです。「マラバール」に続く話題は、6月7日の米軍のRC135偵察機に関する中国側の見解です。

番組の9分30秒頃からのざっと訳になります。

《走进台湾》20160609 中国军舰首东海极速飙浪,日本急召中国大使抗议!


女性アンカー:米軍は、現在、6月7日に米軍のRC135偵察機が東シナ海の公海上空を飛行中、中国の殲10に飛行妨害をされた、という話しで物議を醸しています。米国によれば中国の戦闘機とRC135は、同じ高度を飛行しており非常に危険であったと言います。しかし、5月17日にも、米軍の偵察機が中国の領空を飛行しています。中国側は、法的に行動し米軍とは安全な距離を保っており、決して危険な行動は取っていない、と発表しています。いったい、米国の偵察機はなぜ中国に来るのだろう、中国の軍事行動や新しい装備を観察に来ているのではないか、と言う人もいます。RC135偵察機は、中国の弾道ミサイルの偵察に来たのでしょうか?


頼 岳謙:私は時間的な事もあると思います。米偵察機の行動は、挑発的な意味があると思います。米中の間には、多くの競争や対抗する事柄があり、好い方向に向かうためには対話が必要です。そのために、6月7日に米中戦略・経済対話が北京で開かれました。しかし、この時、米国の偵察機が中国の領空に入り偵察を行ったのです。故意に時間を選択し、故意に友好ではない行為に出たのです。これは無礼で・友好ではなく・挑発的な行為です。中国の戦闘機が、強く反応し抑止するのは当然です。

米軍のRC135偵察機は基本的に三種類あって、全て135運輸機を改装した物です。この機の継続飛行能力は比較的長く、搭乗員も多く、情報収集の設備も整っています。

一般にRC135は二種類あります。一つはRC135Sで、視る。これは偵察の区域内を走査(スキャニング)します。主に弾道ミサイルの軌跡を計算し、飛行の方向や落下点を観測します。もう一つはRC135Vで、これは聴く。中国は※量子衛星の技術が進んでいますが、普通は人工衛星を使って通話をしています。通話の電波は複製することができるので、RC135Vは、地表と空中の、あらゆる通話を聴く事ができます。可能な範囲はだいたい245Km前後。だから、防空識別圏の大陸近くを飛ぶだけで、我々の軍事的な通信を傍受できます。

※中国科学院 量子科学実験衛星(簡称:量子衛星)が、2016年7月に発射される予定です。世界初の試みで、成功すれば遠距離での秘密保持の通信が可能になる、と言われています。

この他、WC135偵察機は、嗅ぐです。上空で大気の微粒子を集めて分析し、核の元素の有無を調べます。例えば、朝鮮の核兵器の実験や、或いは、寧辺の核施設の再始動について、彼等は大気中の「クリプトン(85Krはウランやプルトニウムの核分裂反応により発生)」を調べました。核から噴出した蒸気中の微粒子を調べて判断し、朝鮮は既に核施設を再稼働させたと判断しました。つまり、135系列のRC135V・RC135SとWC135は「聴く・視る・嗅ぐ」の能力で、この偵察機は、中国周辺の軍事施設に対する抑止作用を発揮するのです。


女性アンカー:RC135Vは電子的盗聴を、RC135Sは弾道ミサイルの発射情報を、WC135は核兵器の偵察を担当していると説明して頂きましたが、中国の兵器が増加するのに従って、米国の偵察行為は激しさを増して行くのでしょうか?


王 高成:米国は第二次大戦以降、頻繁に接近偵察を行っています。比較的長距離での資料収集の能力があるので、多くの国家の領空に入る必要はありません。領空の外から一定の距離をおいて偵察を行います。米国は自国を弁護して、国際法には違反しておらず、領空にも入っていないと言いますが、望遠鏡や盗聴器を使って人の家を覗くのに等しく、本来、無礼であり、プライバシーを侵害する行為です。米国のこの様な接近偵察の行為は、しだいに反撃されています。例えば、ロシア軍機は、何度も接近して、反撃を繰り返しています。

現在、中国は国力の成長に従って殲10・11の性能の向上により、近距離で駆逐できるようになりました。そのため米国は驚き恐れているのです。今、司会が仰ったように、現在、米国の偵察が増加傾向にあるのは、中距離弾道ミサイルの性能が向上し、数量も絶え間なく増加しているからです。米国が第一と第二列島線に入ってくると、中国のこの種のミサイルの脅威にさらされる事になります。そのため、偵察の回数が増えているのです。

今回発生した東シナ海、中国の中部と東北地区の海空軍の偵察と、それ以前の南シナ海上空での偵察機に対する中国の殲11戦闘機の反撃は、米国の戦略的意図である、優れた技術で中国の軍事内容を偵察し、しかも回数が増加傾向にあるという事に対して、中国の武力の向上にともない、反撃措置の回数も同様に増加している、という事を示しているのです。米国は慎むべきです…。」(「走進台湾Taiwan Today」20160609)


ここだけ見ると「米軍のRC135偵察機」の飛行の邪魔をしたのは快挙で、正しい行動だと言わんばかりですが、15日には次の様な領海侵犯も起きています。「マラバール」に影響された物と思われますが、その一方で、米軍の偵察を日本領土の偵察の言い訳にしているようにも思えます。それとも、これも国力の成長に伴った、軍艦の性能向上の一つの結果なのでしょうか。


・中国の情報収集艦 日本の領海に侵入

以下は「ZAKZAK by夕刊フジ」の記事です。

『中国軍艦が日本の領海に侵入 鹿児島・口永良部島の西』

2016.06.15

「防衛省は15日、中国海軍の情報収集艦1隻が同日午前3時半ごろ、鹿児島県口永良部島の西で、日本の領海に侵入したと発表した。海上自衛隊のP3C哨戒機が確認した。午前5時ごろ、屋久島南の領海から出た。同省によると、中国軍艦の領海侵入は、2004年の沖縄県先島諸島周辺での原子力潜水艦による侵入以来で2例目。

外務省は在日中国大使館に対し、中国軍の活動全般について懸念を伝えた。世耕弘成官房副長官が同日の記者会見で明らかにした。

防衛省によると、中国海軍の情報収集艦は、沖縄周辺海域で実施中の海上自衛隊と米国、インド両海軍の共同訓練「マラバール」に伴い、日本領海を航行していたインド艦船2隻の後方を航行していた。」


こういう情況を放置すると常態化しますので、何とかした方が良いと思います。ビザの引き締めや、せめて国内の不動産等は、相手国と条件を同じにしても良いと思います。


・7日怪談、或いは、虚々実々の米中関係

南シナ海で欧米から白眼視され、「マラバール」で戦々恐々となり、しかも、米軍のRC135偵察機に対抗意識を燃やす中国ですが、米中関係がすっかり悪いと言うわけでもありません。経済面・軍事面での繋がりは、想像以上に深い物があります。


6月10日の「人民網日本語版」によれば、中国人民銀行と米連邦準備制度理事会(FRB)は、米国での人民元建て決済に関する協力覚書に調印しました。中国人民銀行は「人民元適格海外機関投資家」(RQFII)制度の試行地域を米国まで拡大し、2500億人民元の投資枠を付与することに同意しました。


先ずは「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事からです。

『米国に2500億元のRQFII投資枠を付与へ=人民銀副総裁』

発信時間: 2016-06-11 09:30:39

「中国人民銀行(中央銀行)の易綱・副総裁は7日、今年の中米戦略・経済対話について、「実り豊かな成果を上げることができた」と評価した。人民元グローバル化の進行にともない、北米で人民元業務が始まる見通し。中国側は米国に2500億元の人民元適格海外機関投資家(RQFII)投資枠を付与し、米国で人民元決済銀行を指定する方針を決定したという。

域外における人民元の利用拡大と国内資本市場の開放を推進するため、11年末からRQFII(RMB Qualified Foreign Institutional Investor=人民元適格海外機関投資家)の試行導入が開始。条件を満たした海外の機関投資家が承認された投資枠内で、海外で調達した人民元を使って中国国内の証券市場に投資することを認めた。

7日に開かれた記者ブリーフィングで、易副総裁は「中国に取って米国は重要な市場であり、米国の機関投資家に総額2500億元のRQFII投資枠を付与する予定。米国チームが中国側と協力し、北米での人民元業務を共同で推進することを高く評価したい。人民元のグローバル化は市場が主導するものであり、市場では人民元業務に対するニーズがある。貿易での人民元決済は双方の利便性を高め、取引コストの削減につながる。また、人民元による投資が可能となれば、企業は財務コストを低減できる」と述べた。

また、易副総裁は「中国の市場は開放している。各国金融機関の公正な競争を確保し、内国民待遇を供与する。将来的には適格の外国機関を銀行間市場の決済代理人や債券引受・売出幹事に指定することを検討しており、QFII(適格海外機関投資家)、RQFIIの審査・承認手続きも一層簡素化される。金融インフラの相互連結においても、中米双方の協力に積極的な進展があった」と指摘した。」(「中国網日本語版(チャイナネット)」『米国に2500億元のRQFII投資枠を付与へ=人民銀副総裁』2016年6月11日)

「RQFII」は、中国国内への外国からの投資を募る一つの方法で、「2500億元」というのは香港に次ぐ大きさです。中国の株は、昨年6月に暴落していますので、投資に対する優遇策が有り難いかどうかは分かりませんが、米中両国の関係が悪化しているようには感じられません。

一方、米中の軍事面はと言えば、世界最大規模の多国籍軍海軍合同演習「RIMPAC(リムパック)2016」(6月30日~8月4日)に、中国軍も前回に引き続き参加します。

「…オバマ政権によってRIMPACに招待された中国海軍艦隊は、まもなくアメリカ海軍駆逐艦と合流してハワイ沖に向かい、RIMPAC2016の一員として海上自衛隊をはじめとするアメリカの同盟国海軍や友好国海軍と肩を並べて各種合同演習を実施する。

次期アメリカ大統領はいざ知らず、多くのアメリカ海軍関係者たちが異を唱えた「中国海軍の参加」すら拒絶できないのがアメリカの対中姿勢の現状なのだ。」

興味のある方は「JB PRESS」『大迷惑な中国海軍、またもリムパックに堂々参加 前回はスパイ艦で情報収集、それでも招待する米国』(2016.6.9(木)北村 淳)を参照されたし。

要するに、口ではなんと言っていても、米中の繋がりは深い物があり、かといって油断をしていると「南シナ海」の様な事になる、と言う事のようです。

こんな時代だからこそ、麻生派を大応援しています。みんな、参院選 ガンバってね!

次回は、「マラバール」か、そうでなければ「漢字の話」に戻ります。

中露海軍 尖閣接近(日米印に対抗か?)

2016年06月15日 16時57分59秒 | 日記
さて、「Anaconda-16」の演習が始まった事で中露が接近したとして、何故、中露が尖閣沖を通過する事になったのでしょう。

・米中の齟齬

事の始まりは6月7日、第8回米中戦略・経済対話が北京で閉幕しました。ここでは、米中の外務・経済閣僚が二日間にわたって会議を開き、北朝鮮や南シナ海問題が議題として取り上げられました。米国のケリー国務長官とルー財務長官も出席したようです。

「米国のケリー国務長官は南シナ海問題について、中国が南シナ海の人工島などで進める軍事拠点化について「すべての当事者が一方的な行動を自制すべきだ」と懸念を表明し、中国-東南アジア諸国連合(ASEAN)間で協議中で、法的拘束力を持つ行動規範(COC)の早期策定を求めた。

これに対し、楊潔篪(ようけつち)国務委員はCOCについて「協議を加速させる」と前向きな姿勢を示したが、領有権については「南シナ海の島しょは古来、中国の領土だ」と強調。仲裁裁判の受け入れを拒否した。そのうえで「(問題解決方法は)当事国による対話だ」と述べ、米国の介入をけん制した…。」(「YAHOO!JAPANニュース」『<米中戦略対話>「南シナ海」物別れで閉幕』毎日新聞 6月7日(火)21時34分配信より)


南シナ海問題については、平和的な進展はなく物別れとなりましたが、6月7日の当日、米偵察機の通常飛行に対して、中国軍が異常接近する事件が起きていました。先月には15mまで接近するという挑発飛行が行われています。以下は「CNN」の記事です。


『米偵察機、中国軍機から「危険な飛行妨害」東シナ海上空』

2016.06.08 Wed posted at 09:33 JST

「東シナ海上空で7日、国際空域を飛んでいた米空軍の偵察機「RC135」が中国軍戦闘機から「危険な」飛行妨害を受けた。米国防当局者らがCNNに語った。

当局者の1人によると、中国軍機は米軍機から30メートルあまりの距離を保っていたものの、高速で接近した点や、米軍機と同じ高度を飛んでいた点が危険とみなされた。米軍機は通常の任務を遂行していたという…。

またカーター米国防長官と米軍幹部らは、先日シンガポールで開かれた「アジア安全保障会議」から帰国したばかり。カーター氏は同会議での記者会見で、米軍は国際法で認められた場所ならどこでも飛行、航行すると改めて表明していた。

一方、ハリス米太平洋軍司令官は同じ会見で、中国との軍事上の関係は改善しつつあるとの見方を示していた。

中国軍機による飛行妨害は先月も起きたばかりだ。米当局者らによると、南シナ海上空の国際空域で通常の任務に当たっていた米軍の偵察機に、中国軍機少なくとも2機が急接近し、飛行を妨害した。この時は米軍機の約15メートル以内まで近づいたとされる。(※中国軍の殲11戦闘機2機が17日に南シナ海の公海上空で、警戒監視活動をしていた米軍の電子偵察機EP3に約15メートルまで異常接近し、飛行を妨害したと明らかにした。「産経新聞電子版」)」


上記の異常接近の二日後に、尖閣沖を通過する事件が起こりました。尖閣に接近した艦船が、習近平の命を受けているのか、それとも、軍内部からの命令なのかによって、今回の接近の性格が違ってきます。中南海で問題が発生しているのか、軍と中南海に矛盾があるのか、それとも愛国を強調する事で優位に立とうとした誰かの仕業か、異なる原因によって今後の方向も違って来ます。とは言え、最近の中国は少し余裕が無くなってきているように思えます。米中の会議の当日に、習近平が異常接近を命ずるかどうかも疑問の残るところです。


さて、中国側のこの様な状況に加えて、今月10日から、もう一つの軍事演習が沖縄で行われています。マラバールです。もともと米印がインド洋で行っていた演習ですが、日本が参加して東シナ海で行われる事になりました。因みに、インド洋の英領ディエゴガルシア島には、インド洋最大の米軍基地があります。


・マラバール

以下は「時事ドットコム」のマラバールについての報道です。

『日米印、共同海上演習始まる=「同盟関係向上」と米第7艦隊-中国けん制も・佐世保』

2016/06/10-18:49

「海上自衛隊と米印両海軍による共同演習「マラバール」が10日始まり、米軍佐世保基地(長崎県佐世保市)に入港した海自や米海軍、インド海軍の艦船が報道陣に公開された。米第7艦隊副司令官のブライアン・ハーレイ海軍少将は同基地での合同記者会見で、「広範囲にわたり複雑で非常に高度な戦闘演習になる。訓練を通じて同盟関係と技量を向上させたい」と述べた。

訓練は沖縄東方海域やフィリピン海で17日まで実施され、海自大型護衛艦「ひゅうが」や米空母「ジョン・C・ステニス」、インド海軍のミサイルフリゲート艦などが参加。海上パトロールのほか潜水艦を探知、追跡する対潜水艦戦訓練も行われる。南シナ海や東シナ海に進出する中国海軍をけん制する狙いがある。

会見で、インド海軍東部艦隊司令官のスニール・ボカレ少将は「われわれの共通の課題に対処するために相互理解を深めていきたい」と述べた。中国軍艦が沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域へ入ったことについては「海上部隊は自由や規律を守って航行している。中国の艦船についても同じことを求める」と話した。」(「時事ドットコム」『日米印、共同海上演習始まる=「同盟関係向上」と米第7艦隊-中国けん制も・佐世保』2016/06/10-18:49)


・走進台湾(Taiwan Today)

以下に紹介する番組はマカオに本社を置く「澳亞衛視有限公司」(英語:Macau Asia Satellite Television Company.,Limited,MASTV Co.,Ltd)の作成した「走進台湾Taiwan Today」という番組で、9日に放送された物です。この番組は不偏不党の報道姿勢を謳っていますが、実は中共礼賛・反日・反米の報道内容です。中共の代弁というか本音の伺える番組であると思います。


20160609 《走?台湾》 中国??首?海�巽速?浪,日本急召中国大使抗?!



以下は、番組の要約です。番組冒頭1分25秒頃から

女性アンカー:ある人によれば、今回中露が手を組んだのは、主に日米印のマラバール演習に焦点を当てた物だと言います。どう考えますか。

頼 岳謙:今回の行動は、米・日・印度に対して抗議の意を示した物です。もし、米日印が連合してアジア式NATOができるというのなら、中露が無視できるはずがありません。アジア太平洋地域が大きく変わってしまいます。インドとロシアは密接な関係を築いています。6月10日から、マラバール軍事演習が、日本を招いて沖縄付近で始まります。米日印三国の軍事同盟を作るというのなら、アジアの多くの問題が変わってしまいます。そこで私が思うに、中露の軍艦がこの海域に出現したのは、アジア各国に対して、米日と共にこの海域で騒動を起こすこ事が必要かどうか考えてください、という合図を送ったのだと思います。

女性アンカー:もともとマラバールは米印が行っていましたが、敏感なことに、昨年から日本が参加しています。多くの人々は、その目的は南シナ海の局勢に対応するためと言っています。そこで、中露聯合についてはどうお考えですか。

王 高成:中日は競争関係にもありますが、協力関係にもあります。ロシアは米・NATOによって東欧でさんざんなめに遭わされており、米国の勢力の拡張について面白く思っていません。中日は戦略的互恵関係にあります。同時に、政権に返り咲いたプーチンは、ロシアの東南アジアでの活動を活発にしたいと考えています。過去に中日間では何度も尖閣についての議論が行われてきましたが、今回、始めて争議のある海域に入りました。入ったとは言え接続海域を通過しただけです。しかも、中国が送ったのは護衛艦級で駆逐艦ではない。つまり、今回の行動は、中国は自己の領土・主権は守る、という事を示した象徴的な行動であり、同時に、米日印連合の沖縄付近での演習に対する不満を示した物です。

ロシアが三隻の駆逐艦を同様の海域に派遣したのは、重要な戦略的意義があったと思います。安倍首相はロシアとの関係改善を考えていましたが、ロシアは中国を支援しに来たのみならず、争議の海域に三隻の駆逐艦を送り込んできました。日中の問題にロシアが参加して、中露で圧力を加える形になりました。

最も重要なのは米国です。アジアでの活動が活発すぎます。今、司会者が紹介したマラバールですが、これまでは、米印でインド洋で演習をしていました。日本が参加するのはたいした事ではありませんが、今回、東シナ海での演習は異常な現象です。インドにしても、妥当ではない・間違った戦略で・火遊びのような物です。中印関係に不利益をもたらす物です。そのため、中露は、米日に対して睨みを利かせ、米日が考えを改め、南シナ海にせよ、東シナ海にせよ、行動を改める事を希望して、この様な行動に出たのです。

これは、あと一回続きます。

Anacondaー2016

2016年06月11日 13時00分09秒 | 日記
尖閣諸島周辺の接続水域に9日未明、中国海軍の艦艇が初めて入り、同時間帯にロシア軍艦も同じ海域を航行するのが確認されました。以下は、この事柄の背景にあると思われる二つの報道です。先ずは、「明報加東版」の報道、

『冷戦後最大規模のNATOの軍事演習に ロシアは不満(冷戰後北約最大軍演 俄國不滿)』

[2016.06.08]

「北大西洋条約機構(NATO)の多国籍軍による軍事演習コードネーム「Anaconda-16」が、月曜(6日)からポーランドの首都ワルシャワで始まった。24か国3.1万人の軍人が参加し、米軍落下傘部隊とヘリの夜間訓練も行われる。期間は十日間。冷戦以来東欧地域での最大規模の軍事演習で、ロシアに対するデモンストレーションとみなされている。ロシアは、NATOはロシアを脅威とみなし、軍隊や武器を展開する口実を探すことが目的であり、軍事演習は、信頼と安全を強化する雰囲気づくりの助けにはならない、と述べている。

※多くの華字媒体は、ロシアには軍事演習の部隊が、そのまま攻撃して来るのではないかという懸念があり、周辺は、ロシアの神経を逆なでし情勢が更に緊張する事を案じている、と伝えている。

・3万人の演習 ロシアは機に乗じた増兵を叱責

「Anaconda」軍事演習は、2006年にポーランドで単独で行われたのが最初で、近年しだいにNATOのその他の加盟国にまで拡大、二年に一度行われるに至った。今回の演習には、ポーランド・米国等19のNATO加盟国、及び、NATOのパートナー国であるマケドニア・フィンランド・グルジア・スウェーデン・ウクライナの軍隊も共に参加した。人数は3.1万人に達し、そこには1.4万の米兵と1.2万のポーランド兵士が含まれており、同時に、3000台の軍用車両・105機の戦闘機及び12隻の戦艦も出動している。

今回は冷戦終結以来、東欧で最大規模の軍事演習で、参加部隊は、夜間のヘリコプター攻撃・クイックバイパス及び空中防御訓練等の演習が行われ、さらに大規模な傷痍兵の避難及び化学物質の汚染除去等の訓練を行う。火曜日、約2000名の落下傘兵が空中から北部の小都市トルン(コペルニクスの生まれ故郷)に舞い降り、クイックバイパスを使って河に300台の軍用車両が通過できる橋を架け、晩には35機のヘリが夜間攻撃訓練に出動した。

NATOは、演習の目的は、各国の作戦司令部と部隊の間で、軍事的・ネットワークセキュリティの脅威に直面した時の協力能力のテストにある、と述べた。NATOは来月8日から9日に、ワルシャワでサミットが開かれるが、ポーランドとバルト三国の部隊と軍備の、派遣の大幅増員を宣言するとみられている。

・専門家:規模は遠くロシアに及ばない

ワルシャワに本部を置く欧州政策分析センターの防衛アナリスト ザボロフスキー(Marcin Zaborowski)は、今回の軍事演習は米国とNATOの気休めだ、と考えている。「ロシア国内の軍事演習に比較すると、アナコンダ軍事演習の規模は小さくて比べものにならない」、と。

ロシアの外務大臣セルゲイ・ラブロフ(Sergey Lavrov)は、NATOの軍事施設がロシア国境の地域に進出するのに反対し、ロシアには今日直面する危険に対して、如何なる対策をも講じて、国家の安全を保障する権利がある、と表明した。

ラブロフは、NATOがロシアを脅威と見なすのは、「この機に乗じて更に多くの兵力と武器を展開し、米国が継続して世界を統治することを保障する」のが目的であり、しかも、ロシアはNATOの拡大及びNATOがロシアの国境地域で軍事インフラを展開する等の行為を、安全に対する主要な脅威の一つと見ている、と表明した。

今年5月、NATOは東欧地域で活発に活動しており、米国はルーマニアに配備したミサイル防衛システムをスタートさせ、並びに、随時NATOと欧州でのミサイル防衛システム設置を準備している。この他、NATOはまたモンテネグロの新規加盟を承認し、並びに前後して東欧・ポーランドの海域で軍事演習を行っている。」(「明報加東版」『冷戦後最大規模のNATOの軍事演習に ロシアは不満(冷戰後北約最大軍演 俄國不滿)』2016.06.08)


もう一つは、「産経新聞電子版」の記事です。

『「海軍艦艇を派遣しよう」中国に対抗、フランス国防相がEU各国へ呼びかけへ』

2016.6.5 16:50

「フランスのルドリアン国防相は5日、欧州連合(EU)各国に対し、南シナ海の公海に海軍艦艇を派遣し、定期的に航行するよう近く呼び掛ける考えを明らかにした。シンガポールで開かれたアジア安全保障会議で述べた。

ルドリアン氏は、EUは「航行の自由」によって経済的利益を得ているとし、南シナ海情勢を懸念していると主張。「EU各国の海軍は、アジアの海域で目に見える形のプレゼンスを確保するため協調できるのではないか」と話した。」

2014年のロシアのクリミア侵攻によってNATOとロシアの関係が悪化し、中国の南シナ海埋め立てによる周辺国家との関係悪化が、米中の関係を悪化させた事で、中露が接近し、今やNATO対中露の構図ができつつあるのだと思います。

上記の「明報」の記事には、今回の軍事演習はロシアの武力には及ばないと出てきますが、では、NATO対中国ではどうでしょう?中露が接近しているという情況があり、しかも、共に尖閣の接続水域に入ったというのに、中国が尖閣を奪いに来たとき、ロシアが加勢しないと誰が言えるのでしょう?

次回は「漢字の話」に戻ります。

中露海軍 尖閣接近

2016年06月09日 22時55分45秒 | 日記

中露の尖閣接近の背景にある物。

1.現在、比較的大きな軍事演習が行われている。

作戦名は、

一、BALTOPSー2016
バルト海で46艘の戦艦と潜水艦で、バルト三国を中心に行われている軍事演習。

二、Saber Sirike
バルト三国の陸地で行われている一万人規模の軍事演習で、6月22日まで行われる。

三、Anacondaー2016
24ヵ国、3万1千人が参加する、史上最大規模の軍事演習がポーランドで行われている。ドイツの戦車が国境を越えるのは始めて。

2.北大西洋条約機構(NATO)には、だいたい全世界の四割の兵力が集まる事になる。

3.上記の軍事演習は、全て基本的には対ロシアの物。

4.現在、米仏の関係が非常に好い。また、世界四割の武力がある。そこで、二日前、「フランスのルドリアン国防相は5日、欧州連合(EU)各国に対し、南シナ海の公海に海軍 艦艇を派遣し、定期的に航行するよう近く呼び掛ける考えを明らかにした。」この発言により、NATO対中露の構図が鮮明になった。


何故、中露は尖閣に接近したのか。

5.江戸の敵を長崎で討つつもりでは?日本が弱そうなので、欧米に対する牽制で尖閣に接近。中露合同で、尖閣を取りに来るという脅し、というか、なかば本気。

もし、中露連合で取りに来たら、どうします?

世界を変えた男(The Tank Man)

2016年06月04日 17時12分56秒 | 日記
1989年6月4日、北京の天安門広場で何が起きたのか。

当時、ソ連が崩壊し、民主化の波が中国にも訪れたと思われましたが、

天安門事件によって大きく頓挫し、現在に至っています。

以下は、「FRONTLINE」の制作した、

天安門事件に関する

二年前の番組です。

当時現場に居合わせた米国のジャーナリストの意見、

及び、学生運動の指導者達の映像がふんだんに使われています。

80分を越える長編なので、訳はそのうち。。。

中国語と英語でお楽しみ下さい。



今日、お昼の放送で、

どこかのテレビ局が「天安門事件」について、

「未だに何があったのかわからない」と報じていました。

しかし、1989年6月4日の前後には、

欧米のジャーナリストが「北京飯店」等のホテルに宿泊し、

上記の様な報道を続けていました。

と言う事は、米国やその他の諸外国では、

概ね何があったのか分かっていた事になります。

「未だに何があったのかわからない」のは、

日本だけかも知れません。

もし日本だけが聾桟敷なのであるならば、

それは、研究者や日本の媒体の怠慢

と言う事になるのではないかと思っています。

漢字の話(キラキラネームの秘密、六)

2016年06月03日 15時13分10秒 | 日記
※当ブログの「漢字の話」及びその他の記事については、許可無く転載を禁じます。何処かで全く同じ内容を発表している場合には、ご一報ください。私が、ねじ込みます。

・仮名の勝利

日本と中国の文字で決定的に違うのは、日本には平仮名と片仮名がある所です。仮名の「名」は、ここでは文字の意、「仮」はかりの意味です。真実の文字である「真名(まな)」に対して、仮(かり)の文字で「仮名」と言います。「真名」とは言うまでもなく漢字の事です。「仮名」は、古くは奈良時代の万葉仮名から始まり平安時代に発達したと言われています。

漢字は中華文明の結晶です。一方「仮名」は、西洋諸国の文字と同じ「表音文字」です。日本は、奈良・平安の時代に、既に、漢字と表音文字を持っていました。「仮名」を持ったことで、日本と中国の間に大きな差が生まれました。

小野妹子が遣隋使として海を渡ったのが607年。そこから千三百年ほど時代は下って、清朝末期の頃の事。

清の学問は決して低い物ではなく、皇帝の教養も高く、『康煕字典』『四庫全書総目提要』等、歴史に残る名著も刊行されました。清朝は考証学が盛んで、著名な学者も多く輩出しています。例えば、『史記志疑』を著した梁玉縄などは、個人的に相当に好きな学者ですし、段玉裁の『説文解字注』は、文字の研究をする者は、必ず持っていなければならない本です。しかし、5万字とはいかなくとも、四書五経に書かれた文字を自在に読み書きできるようになるためには、長期に渡って学ばなければなりません。そのため、生活に余裕のある一部の読書人を除いて、一般民衆は、漢字からは取り残された状態が続いていました。文盲率が異常に高かったのです。

例えば、1929年~1933年に、金陵大学農業経済系が華南で人口調査をしたところ、現地の文盲率は83%であったと発表しています。総人口が約4億人と言われた時代の話しです。全国で八割とすると、単純計算で3億2千万人が文盲だったことになります。西部地区の文盲率は更に高く、エドガー・スノーの『中国の赤い星(原題Red Star over China)』には、当時の西北地区では、少数の地主・官吏・商人を除いて殆ど文字を知らず、文盲率は95%前後であった、と出てきます。

一方、日本の江戸時代はどうだったかと言えば、町人文化が花開き、洒落本、滑稽本、人情本、読本、草双紙が大流行。式亭三馬や十返舎一九等の流行作家も大活躍で、事件が起きれば瓦版が売れに売れ、飛脚だって書状を抱えて日本中を走り回っていました。

各藩には藩校があり、町には寺子屋があり、江戸の就学率は70%~86%と世界一。武士は言うに及ばず、貧しい町人の子供までも寺子屋に通い「読み書き算盤」を身につけていました。武士は漢籍に親しみ、初学の子供は「いろは歌」48文字を覚えれば仮名が使えるようになります。それ以上の文字は各人の状況に応じて、素養に応じて、仕事の必要性に応じて身につければよいわけです。読み仮名さえ振ってあれば、画数の多い漢字も読む事ができます。漢字を学ぶ時にも、読み仮名は非常に役に立ったはずです。そうして、江戸庶民の学力が普遍的に高かったからこそ、明治維新は成功し、その後は破竹の勢いで富国強兵に精を出し、明治38年(1905年)、遂に日露戦争に勝利します。

ところが隣の清国では、イギリスがアヘンを売り込み、当然、清朝政府に阻止されて1840年に戦争になり、清朝は敗北して1842年に南京条約を結ばされたのを皮切りに、1856年にはイギリス船籍を名乗る中国船アロー号に、清の官憲が臨検を行った所、イギリスに対する侮辱であるとして英仏に攻撃され、1858年に天津条約を、1860年に北京条約を結ばされます。一方ロシアは黒竜江下流沿海州に侵入し、1871年にイリーを占領。日本が日清戦争(1894年~1895年)に勝利すると、清朝の弱体を見抜いて、列強の要求は激しさを増します。

当然の事ながら、清国国内では42年以降、外国人に対する反発が徐々に高まり、1899年、白蓮教の分派の義和団が、外国人の一掃を訴えて乱を起こします。清朝はこれを支持して列強に宣戦布告。たちまち惨敗。1840年にイギリス一国にさえ勝てないのですから、日本を含む列強八ヶ国に勝てるわけがありません。この様な状況でしたので、日本が日露戦争に勝利した事は、清の人々に衝撃をあたえました。同じ東亜の日本がロシアに勝利した事で、絶大な刺激を与えたと言われています。


清の心ある人々は、中国の文字はあまりに複雑で、振り仮名がなければ普及させることはできないと考えていました。清末には、西洋から来た宣教師が各地を訪れており、彼等は現地の言葉を覚えるために、漢字に現地の音をローマ字で書き取った物を使用していましたが、それよりも、日本の仮名のように、漢字から作り出された物がよいだろうと考える人々がいました。

ちょうど日清戦争の最中に進士に及第した官僚で、王照(1859年~1933年)という人がいました。彼は早くから教育に着目し、1898年、光緒帝が富国強兵を夢見て康有為・梁啓超等を登用し、大規模な改革を試みた時、彼は光緒帝に面会して日本に行幸する事を勧めます。皇帝は王照の意見に興味をもたれたようですが、戊戌の変法は、西太后を中心とする守旧派の反対と袁世凱のクーデターに遭い、わずか百日で失敗。皇帝は幽閉され、康有為は海外に逃亡、王照も日本に亡命せざるを得なくなりました。

しかし、王照は国を棄てたわけではありません。あくまでも一時的な避難であり、日本での経験を祖国で生かそうと考えていました。

彼は、義和団事変が起きると密かに帰国し、天津で「官話合声字母」の制作に熱中します。「官話」とは公用語の事で清代の標準語、北京官話とも言います。「字母」とは漢字の発音符合です。これは漢字を省略させた記号で、中国で始めて作られた振り仮名でした。彼は私塾を開いて「官話合声字母」の普及に努めます。しかし、宣統帝が即位すると、漢字は神聖にして侵すべからざるものとして「官話字母」の学習は禁止され、王照はまたも都を追われ江蘇省に逃れます。その後も王照は「官話合声字母」の普及に努めますが、この「字母」の価値を最初に認めたのは、皮肉な事に袁世凱でした。

袁世凱の幕僚の厳修という人物が、漢字に「官話合声字母」をつけた物を袁世凱の子に勧めたところ、幼い袁克文がすらすらと漢字を覚えてしまいました。それを見た袁世凱が驚き、王照に面会を求めました。しかし、王照は、袁世凱のクーデターを恨んで、会いに行く事はありませんでした。


その後、1911年10月10日に広東にいた孫文が挙兵し、1912年1月に孫文が南京で臨時大総統に就任。2月、宣統帝(溥儀)が退位して清朝が滅び、中華民国が成立します。3月、袁世凱が、北京で臨時大総統に就任。同年7月、新政府の下で「注音字母(ちゅういんじぼ)」を採用する案が通過し、その準備機関として1913年に「読音統一会」が開かれました。

王照は南方に逃れていましたが、新政府の招聘に応じて「読音統一会」の会員として北方に帰り、選挙によって副議長に就任。この「読音統一会」での研究をもとに、民国7年(1918年)、「注音字母」は中国語の表音符合として正式に公布される事が決定されました。


『大漢和辞典』を開くと、「親字」の下「反切」の隣に奇妙な記号が書かれています。これが「注音字母」です。これらの文字は、古代の篆文や『説文解字』に出てくる漢字の要素を基に作られています。例えば、「ㄅ」の字は“包”の古い字体です。『説文解字』に「勹(ほう)は裹(か)なり」とある所から取っています。勹も裹も「つつむ」の意です。「ㄆ」は“扑・撲”の原字が“攴”であるところから取っています。“攴”は略して“攵”とも書き、当然、両方とも「ぼく」の音です。「注音字母」は基本的に、篆書や部首、漢字の一部から取って作られています。

以下は「注音字母」を漢語ピンインと対比したものです。別に、覚える必要はありませんが、例としてあげておきます。

注音字母 漢語ピンイン  用例
ㄅ     b    巴(ㄅㄚ, bā)
ㄆ     p    杷(ㄆㄚˊ, pá)
ㄇ     m    马(ㄇㄚˇ, mǎ)
ㄈ     f    夫(ㄈㄨ, fu)
万     v
ㄉ     d    地(ㄉˋ, dì)
ㄊ     t    提(ㄊˊ,tí)
ㄋ     n    你(ㄋˇ, nǐ)
ㄌ     l    利(ㄌˋ, lì)
ㄍ     g    告(ㄍㄠˋ, gào)
ㄎ     k    考(ㄎㄠˇ, kǎo)
兀     ng
ㄏ     h    好(ㄏㄠˇ, hǎo)
ㄐ     j    叫(ㄐㄠˋ, jiào)
ㄑ     q    巧(ㄑㄠˇ, qiǎo)
广     
ㄒ     x    晓(ㄒㄠˇ, xiǎo)
ㄓ     zhi【zh】主(ㄓㄨˇ, zhǔ)
ㄔ     chi【ch】楚(ㄔㄨˇ, chǔ)
ㄕ     shi【sh】书(ㄕㄨ, shū)
ㄖ     ri【r】 如(ㄖㄨˊ, rú)
ㄗ     zi【z】 在(ㄗㄞˋ, zài)
ㄘ     ci【c】 才(ㄘㄞˊ, cái)
ㄙ     si【s】 苏(ㄙㄨ, sū)
ㄚ     a    大(ㄉㄚˋ, dà)
ㄛ     o    多(ㄉㄨㄛ, duō)
ㄜ     e    何(ㄏㄜˊ, hé)
ㄝ     ê    爹(ㄉㄝ, diē)
ㄞ     ai    晒(ㄕㄞˋ, shài)
ㄟ     ei    雷(ㄌㄟˊ, léi)
ㄠ     ao    少(ㄕㄠˇ, shǎo)
ㄡ     ou    收(ㄕㄡ, shōu)
ㄢ     an    山(ㄕㄢ, shān)
ㄣ     en    申(ㄕㄣ, shēn)
ㄤ     ang   上(ㄕㄤˋ, shàng)
ㄥ     eng   生(ㄕㄥ, shēng)
ㄦ     er    而(ㄦˊ,ér)
|或一   yi【i】 尼(ㄋㄧˊ, ní)
ㄨ     wu【u】 努(ㄋㄨˇ, nǔ)
ㄩ     yu【ü】 女(ㄋㄩˇ, nǚ)

連音との比較

注音字母 漢語ピンイン  用例
ㄚ   ya【ia】  加(ㄐㄚ, jiā)
ㄛ   yo【io】  哟(ㄛ, yō)
ㄝ   ye【ie】  阶(ㄐㄝ, jiē)
ㄞ   yai    
ㄠ   yao【iao】 嚣(ㄒㄠ,xiao)
ㄡ   you【iu】  休(ㄒㄡ, xiū)
ㄢ   yan【ian】 掀(ㄒㄢ, xiān)
ㄣ   yin【in】  巾(ㄐㄣ, jīn)
ㄤ   yang【iang】江(ㄐㄤ,jiāng)
ㄥ   ying【ing】 京(ㄐㄥ, jīng)
ㄨㄚ   wa【ua】  抓(ㄓㄨㄚ, zhuā)
ㄨㄛ   wo【uo】  挪(ㄋㄨㄛˊ, nuó)
ㄨㄞ   wai【uai】 怪(ㄍㄨㄞˋ, guài)
ㄨㄟ   wei【ui】  归(ㄍㄨㄟ, guī)
ㄨㄢ   wan【uan】 官(ㄍㄨㄢ, guān)
ㄨㄣ   wen【un】  滚(ㄍㄨㄣˇ, gǔn)
ㄨㄤ   wang【uang】壮(ㄓㄨㄤˋ, zhuàng)
ㄨㄥ   weng【ong】 中(ㄓㄨㄥ, zhōng)
ㄩㄝ   yue【üe】  靴(ㄒㄩㄝ, xuē)
ㄩㄢ   yuan【üan】 犬(ㄑㄩㄢˇ, quǎn)
ㄩㄣ   yun【ün】  群(ㄑㄩㄣˊ, qún)
ㄩㄥ   yong【iong】穹(ㄑㄩㄥˊ, qióng)

教育で救国を主張した王照は、苦心して「官話合声字母」を作り上げ、その考え方は「注音字母」として昇華し、現在では「漢語注音符合」と名前を変えて台湾で使われています。私はピンインで中国語を習いましたので、ピンインの方が使い勝手がよいのですが、漢字から作られた「注音字母」は、なかなか興味深いとも思っています。そうして、この文字の成立の影に、王照の日本での経験がある事は、動かしがたい事実なのです。


まだまだ続きます。

漢字の話(キラキラネームの秘密、五)

2016年06月01日 00時56分24秒 | 日記
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・増え続ける漢字

さて、どの時代に幾つの漢字が存在したのかという問題は、歴代の字典を調べれば容易に分かります。殷末に4500文字だった文字は次第に増加し、後漢の許慎(きょしん)の著した『説文解字(せつもんかいじ、100~121年の間に成立)』では9353字、三国時代の魏の張揖(ちょうゆう)が編じた『広雅』(隋の煬帝の諱が煬広なのでそれを避けて『博雅』とも言う)では18151字、南朝梁の顧野王(こやおう、519~581年没)の著した『玉篇』が22726字、北宋の陳彭年らの編で1008年に完成した『広韻』には26194字、清の康煕帝(こうきてい)の命により、六年を費やして康煕五十五年(1716年)に完成・印行した『康煕字典』には、42174字が収められています。そして、日本で作られた『大漢和辞典』の親字は5万字です。

殷墟から発掘された「甲骨文字」と、許慎の著した『説文解字』の間には、約1500年間の隔たりがあります。許慎は後漢の人なので、『説文解字』には、秦の始皇帝の統一した文字である「※小篆(しょうてん)」と彼の時代に残っていた秦以前の文字が使われていますが、「甲骨文字」と小篆には、「鶏」や「奚」など殆ど同じ文字が存在しており、また、占卜の内容から考えて、周・秦・漢の文字と「甲骨文字」の表す言語の間には、いちじるしい断絶はないと言われています。

※篆書(てんしょ)とは字体の事です。周の太史籒(ちゅう)の作った文字を大篆と言うのに対して、秦の李斯(りし)の作った文字を小篆と言います。現在でも、篆刻(てんこく)と言って、印章に刻まれる文字として使われています。

私は随分長い間、「亀甲獣骨」の「亀甲」というのは、亀の背中側の甲羅を使った物だろうと思っていました。そんな物によくも文字が書ける物だと。しかし、北京の「中国歴史博物館」に行ったときに、殷の第二十二代 武丁の時の亀甲と言われる物が展示されているのを見ましたが、大きな腹側の亀甲に、数行にわたって文字が書かれていました。出土したときからそうなのか、それとも誰かがその後に着色した物か、朱色の文字までありました。それを見たときには少なからず感動し、ヒエログリフや楔形文字は、既に亡んで伝わってはいないのに、現在まで、この文字の流れが伝わっているのだ、と。

殷の甲骨文字は、マラリヤの特効薬として売買されていました。清末、王懿栄(おういえい)が甲骨文字に気付くまで、いったいどれだけ長い期間、薬として売られていたのだろうと思います。

亀甲獣骨は、始め、農民が掘り出して薬屋に売った物でした。秦の始皇帝陵の兵馬俑も、農民が井戸を掘っていて発見しました。農家は、大地の正統な後継者です。甲骨文字で占卜をした王族や秦の何千年か後の後裔が、先祖の遺産を発掘した物だと勝手に思う事にしています。もっとも、北京原人で有名な周口店遺跡も、薬屋で扱っていた骨片が手がかりとなって発見されたようですが。


・ケーブルテレビの失敗

漢字は古い文字なのですが、もう一つ特筆すべき点があります。

殷の甲骨文字 4500文字
後漢『説文解字』9353文字
三国時代『広雅』18151文字
南朝梁『玉篇』22726文字
北宋『広韻』26194文字
清朝『康煕字典』42174文字
昭和『大漢和辞典』5万字

殷の時代に約4500文字だった物が、昭和に編纂された『大漢和辞典』では約十一倍の5万字に増えています。しかも、それで文字の変化が終わったわけではないのです。


私は以前、ケーブルテレビで翻訳の仕事をしていました。台湾や大陸の連続ドラマやバラエティー番組を、翻訳する仕事です。知っている人は知っている、知らない人は全く知らない『超級星期天(スーパーサンデー)』や『菅芒花的春天』等を担当していました。

『超級星期天(スーパーサンデー)』(バラエティー番組)は早口ですし、数名が一度に話します。何とか楽しさが伝わるように、笑いどころや、突っ込みが分かるようにと苦心惨憺、言葉をひねり出していました。実話をもとにしたドラマ『菅芒花的春天』は、梶原一輝と台湾の女優のラブストーリーで、加勢大周さんや阿部さんも出演している、けっこう人気のドラマという事しでした。バラエティーにせよドラマにせよ、もとの番組が面白いので、苦労はしても、基本的には楽しい仕事でした。

そんなある日、会社から電話があり、

「翻訳家が急に降りたので、代わりにお願いできませんか。」

と言います。私が、

「どんな内容ですか?」

と聞くと、

「香港のCM大賞なんですが、台本も来ていますので、お願いできませんか。」、と。

声は明らかに焦っています。

「期日は?」

「○○日までです。」

指定の期日は一週間ほど先でしたが、当時は原稿を「FedEx(フェデックス)」で香港に送って確認を取り、翻訳した原稿を画面に打ち込んでいたので、放送までは一週間ですが、実質、五日間しか無かったように思います。香港は広東語圏ですし、文字は旧字体です。恐らく、途中で投げ出した人でも出たのだろうと思いました。

私は広東語は習った事はありません。しかし、台本はあると言う事ですし、『大漢和辞典』と現代中国語の「中日辞典」さえあれば、何とかなるだろうと思いました。そこで、

「分かりました。テープと台本を送って下さい。」

と、気軽に引き受けました。

ところが、いざ翻訳を始めると『大漢和辞典』にも手元の『中日辞典』にも載っていない文字が出てきます。台本を見ても意味が通じない所がありますし、文法も北京語とは微妙に違う気がしてきます。送ってもらったテープで映像を確認しても、広東語なので細かなところがわかりません。もし、私が投げ出せば、番組に穴が開きます。今ならば、ネット上で調べる事も容易ですが、パソコンのOSがWindows95の時代の話しです。私は、この原稿を途中で断った人物の見識の高さを羨み、己の浅はかさを呪いながら、もう、半泣きで三日間外に出ず、最後の丸二日は徹夜をして何とか原稿を仕上げましたが、朝の光の中でバイク便を呼んだ時には、クビを覚悟していました。

その後、私の原稿は、香港で字幕になりケーブルテレビで流されましたが、会社からは、間違いを指摘され、

「これはペナルティ一回分ですが、こちらが急にお願いしたので、その一回は無しにしておきますね。」

などと慰められました。情けない事です。二度と広東語には手を出すまい、と誓った事は言うまでもありません。その後もテレビ会社からは仕事を頂く事ができましたが、残念な事に、90年代の終わり、経営不振に陥ってその会社は無くなってしまいました。

※漢字は、広東語圏でも増え続けていますし、日本でも日常的に使われているにも関わらず『大漢和辞典』に掲載されていない文字もあります。例えば、『大漢和辞典』は『康煕字典』からも文字を取っていますが、『康煕字典』には、元素記号を表す文字は入っていません。また、「癌」と言う文字は『大漢和辞典』にはありません。漢字は、時代の変化に対応しながら、現在も増え続けているのです。

まだまだ続きます。