『蜻蛉洲大和の国のサンライズタイム』ー外国人参政権反対、移民政策反対、背乗り工作反対!盗聴・盗撮は日本では犯罪です!ー

キラキラネームは日本の漢字文化を破壊するための、カルトの工作活動です!公務員の国籍条項と外国人土地法の復活求む!

漢字の話(キラキラネームの秘密、結び)

2017年11月28日 23時30分36秒 | 日記
一、漢字は増やしてはならない

問題の所在は、「呉中華(仮名)」という人物が来日したとして、この人物の中国語名を日本人全員が覚えなければならないのか、それとも、この人物が自分の日本語音を覚えるべきなのかという点にもあります。

大陸にせよ、台湾にせよ、私達が中華圏に行く場合、特に留学や仕事で中長期に滞在する場合には、必ず、自分の名の中国語音(=中国語)を調べるはずです。それは、仕事が上手く行くためでもあり、現地の人々との友好関係を結ぶためでもあり、また、自分の名を中国語で発音するときに、一種の異国情緒を感じるからでもあります。

同じ事は、中国人にも言えます。中長期に滞在する人々は、必ず日本語を勉強します。個人的な差はありますが、最初に自分の名の日本語音(=日本語)を学ぶはずです。それに、日本人には、義務教育で常用漢字を学習する義務はありますが、中国語や朝鮮語を覚えなければならない、という決まりはありません。


・日本、台湾、大陸での学習すべき文字数

ところで、現在、日本人が学習すべき漢字はどれほどあるのでしょう?

常用漢字が2136文字あります。それに人名用漢字が863字で、計2999文字です。では、この文字数は、日本人が覚えるべき数として、ふさわしいと言えるのでしょうか?

昭和21年に制定された「当用漢字」は1850字、昭和26年に制定された「人名用漢字」は92字でしたので、常用漢字は286文字、「人名用漢字」に至っては771文字も増えた事になります。実は、これは異常な事です。

そもそも、土岐善麿(ときぜんまろ)の『國語と國字問題』によれば、文字数に関する代表的な意見としては、明治六年に福沢諭吉が『文字之敎』という著書で、「ムツカシキ漢字サヘ用ヒザレバ漢字の數ハ二千カ三千ニテ澤山ナルベシ」と述べた事に始まり、明治十八年に、矢野文雄が「日本文體文字新論」の中で、一語に平均二字を要するものとして、動詞・形容詞・副詞・前置詞・間投詞・接続詞等に一千六百余字、名詞に一千四百字と仮定して、常用の字数を三千以下で充分であろうと述べたと言う、この二つを根拠に、文字数の上限はだいたい三千文字なのですが、これまで、実際に三千文字が規定された事はありません。

常用漢字が始めて定められたのは、大正十二年六月の事です。1962文字・略字154文字が臨時国語調査会から発表されました。これは新聞社・出版業者も実行に移す事を了承していたものの、関東大震災が起きて、活字も工場もメチャメチャになり中止になりました。

昭和六年五月には1962文字を1858文字に修正して発表されましたが、顧みられなかったようです。

その後、漢字は無制限に使用され、社会生活上少なからず不便が出て来ました。そこで、昭和十七年に「標準漢字表」が二度、刊行されました。

一度目は六月十七日で、国語審議会が文部大臣に答申した物は、常用漢字(使用頻度が高い1134文字)、準常用漢字(常用漢字に比べて使用頻度低い1320文字)、特別漢字(皇室典範・帝国憲法・歴代天皇の追号の文字74文字)の三種の計2528文字と、簡易字体(本体78文字)、簡易字体(許容64文字)が発表されました。

その後十二月には、この漢字表を修正した標準漢字表が文部省から発表されました。それは、三種類の区別を廃し2669文字とした物で、これは義務教育で修得させる標準漢字として制定されました。

要するに、戦時中の昭和十七年に定められた2669文字が最多で、昭和二十一年が1850文字。昭和五十六年十月一日に定められた漢字は、常用漢字1945文字、人名用漢字166文字で、合計2111文字です。

常用漢字の総数が、二千文字前後で推移しているのには理由があります。

終戦直後、国語審議会の委員が最初にまとめた「当用漢字案」は1295文字でした。これを、昭和二十一年五月八日の総会にかけたところ「実行にあたってはなほ検討の余地あり。」という事になりました。昭和二十年七月時点で、国民学校第一学年から六学年までの国語教科書に出てくる漢字の総数は1647文字であったこともあり、また、当時、新たに憲法が制定されましたが、1295文字の範囲ではおさまらず、当用漢字が読めるだけでは憲法が読めない、という問題も生じました。そこで、諸事情を勘案して、1295文字に564文字を加え、更に9字を削除して1850文字を決定しました。

「当用」の意味については「日常生活上さしあたって必要なもの」(文部大臣談)、「当座の用のもの」(当局談)と説明されています。俗に、当用漢字は、将来的に漢字を全廃することを目的として、当面の間使用する事を目的に選ばれた、という説がありますが、幕末から明治にかけて、或いは、終戦後に、漢字を廃止してローマ字表記にしようと言う意見があった事は事実ですが、当時の文部大臣が、漢字廃止論者であったかどうかは疑問です。

ところで、我が国と同様に漢字を使う台湾・香港や中国にも、常用漢字と同様に、通常使用する文字が決められています。

中国大陸では、1988年に出版された《現代漢語常用字表》には、常用字2500文字と次常用字1000文字の計3500文字が収められていました。その後、中華人民共和国教育部と国家語言文字工作委員会との連合組織によって、《通用規範漢字表》が、2013年6月5日に正式に発布されました。この表は三つの部分に分かれており、一級字表(常用字表)には3500文字、二級字表には3000文字、三級字表には1605文字の合計8105文字が収められています。一級・二級の字表は、主に出版印刷・辞書編纂と情報処理等の一般の需要に応ずる物です。三級字表は、姓氏人名・地名・科学技術用語と学校の教材でしばしば使われる文言文から構成されています。

台湾では、中華民国教育部が、国字の標準化政策を推進する目的で、1973年から国字の整理を始めました。その後、常用字と字体の標準4808文字を定め、1979年には《常用国字標準字体表(簡称:甲表)》を出版し、続く1982年12月には《次常用国字標準字体表(簡称:乙表)》で次常用字と字体の標準6341文字を、1983年10月には《罕用国字標準字体表(簡称:丙表)》で罕用字(まれに使用する文字)と字体の標準18388文字を定めています。

香港では1984年7月から、当時の香港教育署語文教育学院中文系の李学銘教授等によって、資料の収集と分析が始まり、1985年9月に《常用字字形表》を完成させ、1986年9月に出版しました。この《字形表》は、1990年・1997年・2000年及び2007年に修訂され、4762文字を収めています。

国立台湾師範大学の『教育心理学報』に掲載された『一到九年級學生國字識字量發展』によれば、小学校一学年から中学校三年までの平均識字量(読む事の出来る文字数)はそれぞれ以下のようになります。

一年:700文字、二年:1200文字、三年:2100文字、四年:2600文字、五年:3100文字、六年:3300文字、国民中学一年・二年:3500文字、中学三年:3700文字、

因みに、国民中学一年から三年までの教育目標は、3000~4500字に設定されています。1994年の黄富順の研究によれば、台湾で一般的な成人が日常に使用する基本的語彙の文字数は2328文字。その中で、1680字程度読む事ができ、並びに、日常生活に必要な簡単な文字を書く事ができれば文盲ではない、と言われています。すると、小学校三年生の水準で、基本的な日常生活に必要な識字量に達する事になります。大学生になると、5150文字前後、読む事ができるようです。

さて、大陸では3500文字、台湾は4808文字、香港は4762文字が標準的に使われる文字として掲げられています。それに対して、日本の2136文字は、随分少ないように思えますが、そうではありません。この2136文字には、2352の音と2036の訓、計4388の音訓があり、その他、熟字訓(熟語に訓を当てたもので、漢字を分解しても一字一字に訓の要素は現れない)や当て字等が存在しているのです。

例えば、「上」という文字は、漢音ショウ・呉音ジョウの他に
・うえ(うわ)・かみ・あげる・あがる・のぼる・のぼす・ほとり・たてまつる等の訓があります。

「下」という文字にも、漢音カ・呉音ゲの他に
・した・しも・もと・さげる・さがる・くだる・くだす・くださる・おろす・おりる等の訓があります。

例えば、「生」という文字には、
・生(い)きる・生(う)まれる・生(お)い立ちの他にも、・芝生(しばふ)・生兵法(なまびょうほう)・芽生え(めばえ)・弥生(やよい)・生方(うぶかた)・生憎(あいにく/あやにく)・相生(あいおい)・生粋(きっすい)・往生(おうじょう)・生業(なりわい)・鈴生(な)り・生田(いくた)・壬生(みぶ)・桐生(きりゅう)・埴生(はにゅう)・早生(わせ)・晩生(おくて)・福生(ふっさ)・平生(へいぜい)等々の読み方があります。

日本での常用漢字が、2000文字前後で推移している理由は、一つには、通常の生活に必要な文字数を確保する必要から。もう一つは、中国語に比べて、音訓がはるかに複雑で、無闇に増やす事ができないからです。

常用漢字の学習目標は、2136文字のうち1006文字を小学校で学び、中学校卒業までに使いこなせるように、高校卒業までに2136文字を全て読む事ができ、1006文字以外の主な漢字も書く事ができるようにする事です。子供達がそれ程の負担無く修得し、社会で円滑に使用されるという事を考えると、現在の2136文字というのは、多いと言わざるを得ません。

人名用漢字の863文字というのは更に異常です。

・多すぎる人名用漢字

そもそも、昭和二十六年五月に発表された「人名用漢字別表」には92字、昭和五十一年七月に発表された「人名用漢字追加表」には28字で、合計120文字。昭和五十六年に法務省から出された「戸籍法施行規則」第六○条の別表第二「人名用漢字別表」には166字が掲げられていました。その後、平成二年に118字、平成九年に1字追加された後、平成十六年二月に1字(曽)、六月に1字(獅)、七月に3字(瀧,駕,毘)追加され、この段階で人名用漢字の総数は290文字です。

これだけでも充分であると思えますが、平成十六年二月に1字、六月に1字、七月に3字、九月に488文字を追加し、更に195字の常用漢字の旧字体(廳(庁)・顯(顕)等)、及び10字の人名用漢字の旧字体(彌(弥)・祿(禄)等)を追加したので、この時点での人名用漢字の総数は983文字です。

その後、平成二十一年に2字追加し、平成二十二年に129字を常用漢字表に、更に(勺・錘・銑・脹・匁)の5字を常用漢字表から人名用漢字表に移動させ、平成二十七年に「巫」、本年二十九年九月に「渾」を追加して計863文字になりました。これは多すぎます。

・問題の所在

「標準漢字表」「当用漢字表」「常用漢字表」のような、国家の定める目安、或いは、標準と言う物が、時代の要請に応じて変化をするのは当然の事です。しかしながら、車の両輪のように、一方で学校で修得し、一方で社会で正確に使われなければ、車に乗せた言葉や文化を順調に運んで行く事はできませんし、この場合、車輪の枢軸となる物が、「常用漢字表」であり「人名漢字表」であると思います。

現在、コンピューターを始めとする情報機器には、日本語の処理のために日本工業規格(JIS)で定めた漢字表が搭載されています。このJIS漢字には、第1水準2965字、第2水準3390字、第3水準1259字、第4水準2436字の計10050字が収められています。これらの機器を使うことで、多くの漢字を容易に使えるようになりました。

しかしながら、漢字が正確に使われているか否かという事になれば、一方ではキラキラネームの様な読めない名前が生まれ、一方では外国人の在留カードの表記がデタラメになり、明らかに漢字は正確に使われなくなっています。

この問題に対する責任の一端は、「人名漢字表」にあると思っています。

平成十六年に増加した488文字の中には、人名として明らかにおかしな文字が含まれています。例えば、「口偏」の文字だけを挙げてみても、

呑、慣用音ドン、のむ、まるのみにする、とりこむ、滅ぼす、軽んじる
吻、慣用音フン、漢音ブン、きちさき、くちびる、ことばつき
哨、音ショウ、口をすぼめる、口をすぼめて口笛を吹く、すぼまる、みはり、ものみ、かまびすしい、やかましい
哩、音リ、マイル(英国の距離の単位)
喧、漢音ケン、かまびすしい、やかましい、あきらか、痛む
「喧嘩」は、やかましく言い騒ぐ、いさかい、殴り合い
嘩、漢音カ、呉音ケ、かまびすしい、やかましい、やかましくさわぎたてる
「嘩」は「譁」の俗字。
喰、国字なので音がありません。くう、くらう、物を食べる
喋、漢音チョウ、漢音トウ、しゃべる、ふむ、ついばむ
「喋血(ちょうけつ)」血をふむ。戦争で血が一面に流れ、それをふんで足が血でべとべとになる事
嘗、漢音ショウ、呉音ジョウ、なめる、こころみる、ためしに、かつて、秋の祭り(新しくとれた穀物を噛みに供えるまつり)
噌、漢音ソウ、かまびすしい、やかましい
噂、音ソン、かたる、うわさ、うわさをする

我が家で飼っている鶏にさえ、憚られるような物ばかりです。これらの文字を、本気で我が国の子供達に付けさせようと言うのでしょうか。

また「女偏」の文字でも、

妖、音ヨウ、なまめく、あでやか、うつくしい、こびわらう、しなをつくる、あやしい、奇怪、ばけもの、もののけ、わざわい
姪、漢音テツ、漢音チツ、めい、おい、つきそい、そばめ
姥、漢音ボ、呉音モ、うば、めのと、ばば、老婆、しゅうとめ、妻
娩、漢音ベン、生む、出産する、しなをつくる、うつくしい

これらも同様に、人名に用いられる文字とは思われません。

この他、「娃」という文字に至っては、中国語と中国人の人名に使われる文字です。

娃、慣用音ア、漢音アイ、美しい、みめよい、美人
・娃娃 wawa 小さな子供
・娃娃生 wawasheng 子役
・娃娃親 wawaqin 子供のうちに親同士が決めた縁談
・小娃娃 xiaowawa 動物の子供
・鶏娃 jiwa ひよこ
・狗娃 gouwa 犬の子…。

どうして、この様な漢字が、取り上げられているのだろうと思います。

また、平成二十二年に常用漢字表と人名用漢字表の、両表の文字を交換していますが、これは、人名用漢字表の文字が熟考されずに選ばれているので、移動が可能であったのだと思われます。更に、いきなり旧字体を205文字も復活させていますが、何故、旧字体を復活させたのか、何故、205文字だったのかの説明はあるのでしょうか?

長くなりましたので、一旦切ります。次回結論です。

漢字の話(キラキラネームの秘密、結び四)

2017年11月21日 22時04分51秒 | 日記
・犯罪を幇助する在留カード

「シージンピン」「シーチンピン」、「パク・クンヘ」「パククネ」と言うのは、表記の問題です。表記が統一されていないので、報道各社、或いは、雑誌等々でまちまちなのです。では、そもそも外国人の法制度上の表記は、どうなっているのでしょう?表記の乱れは、社会にどの様な影響を及ぼすでしょう?

私は検察庁や警察署で仕事をするときに、中国人の名前について、取調官からこんな事を聞かれることがあります。
取調官「先生、これは何と読むのでしょう。」
私「はい、ごちゅうか(呉中華、仮名)だと思います。」
取調官「いや、そうじゃなくて中国語の発音です。」
この様な時には、その場で何度か「wu zhong hua」と発音して、
私「どう聞こえますか?」、と聞く事にしています。
取調官「ウージョンファ?ウーチョンファーかな?」
私「発音記号は、こう書きます。」
と言って「wu zhong hua」とメモ用紙に書いて渡すと、多くの場合、
取調官「ああ、そこまでしなくていいです。ウージョンファーにしておきましょう。」

通訳として呼ばれているので、漢字の使用方法について説明をする事はありません。しかし、例えば、「呉中華(wu zhong hua)」の発音を片仮名に直そうとすると、「ウジョンファ」「ウーチョンファ」「ウーチョンファ」等々、発音をする人物によっても、それを聞く人物によっても違ってきます。

それに、日本人が「ウジョンファ」と発音したところで、日本人にも中国人にも漢字は思い浮かびません。しかし、常用漢字の音であれば、電話で「呉服の呉」「中華そばの中華」と言えば、日本全国誰が聞いても「呉中華」を思い浮かべます。つまり、常用漢字の方が、名前をしっかりと把握できるのです。

この様な事が、日本中の警察や検察庁・裁判所で日常的に行われているのですが、伝統的な日本の漢字文化からは逸脱した、不確実で使えない、デタラメな漢字の用法であると思っています。


外国人が正規に上陸し、我が国に90日以上滞在する場合には、「在留カード」という物が交付されます。これは、法務大臣が、中長期間(決められた在留期間)に適法に在留する者である事を証明した「証明書」です。また、入国管理局で行う各種申請手続,市区町村で行う住居地届出手続等にも必要な、「許可証」としての性格も有している物です。旅券(パスポート)同様、携帯の義務があります。入国管理局のホームページがら抜粋して説明を加えると、次の様になります。


在留カードの表面


在留カードの裏面


在留カードには、16歳以上は顔写真が表示され、氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地、在留資格、在留期間、就労の可否などが記載されています。記載事項に変更が生じた場合には、変更を届出なければならず、常に最新の情報が反映される仕組みになっています。

我が国に在留する外国人は、在留の合法性、資格外活動の可否、上陸・在留の許可に付された条件に違反していないかを証明するために、旅券又は在留カード、各種許可書を携帯し、権限のある官憲からの要求に応じて提示しなければなりません。この規定に違反した場合は、刑事罰の対象となります。

成田空港、羽田空港、中部空港及び関西空港では、旅券に上陸許可印を押した後、中長期在留者に在留カードが交付されます。それ以外の出入国港では、旅券に上陸許可印を押して入国を許可し、中長期在留者が市区町村の窓口に住居地の届出をした後に,在留カードが地方入国管理官署から郵送されて来ます。

旅券と在留カードは、日本に滞在する上で共に重要な物ですが、旅券は本国が発行するのに対して、在留カードは日本国が発行します。


ところで、最近、私は、十人ほどの中国人の在留カードを見る機会がありましたが、驚いた事に、名前の表記が全て間違っているというか、デタラメでした。それは、例えば、中国語音を付けているとか、その表記が違っているという次元の話しではありませんでした。

中華人民共和国の発行する旅券には、当然ですが、本人の名が漢字で書かれています。それを基本に在留カードを作っているはずですが、在留カードに、漢字の名前が書かれておらず、中国語の音のような物だけが書かれている人がいました。或いは、漢字に中国語音がついているのですが、三文字の漢字に対して、音が二文字ぶんしかない人。明らかに旅券とは違う漢字が書かれている人、漢字に付けられた音が日本語音と中国語音が交互に書かれている人等々、めちゃめちゃでした。

中国人にとっての在留カードは、日本人にとっての車の免許証に似ています。無論、在留カードを持っているだけでは車の運転はできませんが、警察官から提示を求められれば応じなければなりませんし、学校や仕事の手続き、スマホの契約、銀行や郵便局の口座を開く時にも使われます。すると、パスポートを見て在留カードを作り、その在留カードをもとに郵便局で通帳を作る場合、在留カードの表記が誤っていると、下手な伝言ゲームのように、通帳の名義とパスポートの名義が違ってしまう事になります。

あるとき、警察署内で中国人の所持品を調べている時に、銀行や郵便局のカード、ホームセンター・量販店等々のカードの名義が、全てパスポートと違っていて、取調中に問題になった事がありました。そこで持ち主に聞いて調べてみると、正規の在留カードをもとに、きちんと銀行・郵便局その他で作られた物でした。本人の話では、入国管理局の担当官が「中国の「榮」という文字は、日本では「営」と書くんだよ。」と教えてくれたので、以来その様に書いてきた、と言うのですが、「榮」は「栄」の異体字です。「栄」と「営」は、全く違う文字です。

漢字の表記がおかしい上に、よくわからないままに、適当に中国語音をくっつけるので、人名の音は、更にいいかげんです。

在留カードに片仮名で「リージン(仮名)」とルビの振ってある人がいました。どう見ても二文字ぶんの音ですが、カードには「李一径(仮名)」と書かれています。李一径の発音は「li yi jing(リーイージン)」です。発音を聞き落とす事は誰にでもありますが、勉強したことがある人ならば、漢字の表記があるのですから、容易に間違いに気づくはずです。恐らく、中国語に馴染みの薄い職員が、発音を聞いて在留カードを作成したのでしょう。入国管理局の職員が、自身も分からないまま作成した在留カードを、他の誰が分かるというのでしょう?常用漢字の音を使えば、李一径(りいっけい)とルビを振り、「一」を落とすような事はなかったはずです。

また、調書を取る警察官から、「パスポートは漢字で書かれていて、在留カードには漢字が無いのですが、これはどっちが正しいのでしょう?」と聞かれた事もあります。これには少し驚きました。一つの事件について、警察や検察庁・裁判所で山のように作られる調書には、全て被疑者の署名・指紋押捺が必要になります。そこで、「パスポートの漢字は調書に残す必要があります。この人は、署名の時にも漢字を書くはずです。」と答え、ついでに日本語音とピンインの説明もしました。

せっかくの在留カードも、人名表記がデタラメでは何の役にも立たないばかりか、却って社会を危険にさらしてしまいます。漢字が正しく使われていないばかりに、法務省が中国人の犯罪を助長させているのです。これは、皮肉なことと言わざるを得ません。


・誤った表記の根底にある誤った思想

誤った表記の根底にあるのは、誤った思想です。そもそも、日本で使われる物は、日本人の使いやすさを第一に考える事が重要な筈です。提示を要求する警察官・銀行や郵便局員、ホームセンター・量販店の職員が見て分かりやすい事が肝要です。その為の、日本国政府が発行する在留カードです。

入国管理局の職員を始め、警察官、一般の人々は、中国語もピンインも簡体字も繁体字にも馴染みはありませんし、殊更、学ぶ必要もありません。学ぶ必要があるのは、常用漢字です。

外国人の名前についても、日本国内では、常用漢字の字体と音訓に従うべきです。常用漢字に無い文字については、繁体字に従います。何故なら、簡体字と繁体字では、繁体字が正字であるのに対して、簡体字は従来、俗字・略字と言われたものだからです。上海辞書出版社の『辞海』では、大陸の簡体字は全て異体字であると称しています。常用漢字を基本にして、足りない所を漢和辞典で補えば、正確な情報を日本全国で共有する事ができます。

もう少し具体的に、例えば「毛沢東」を使って、日本・大陸・台湾の表記の違いを説明すると、次の様になります。

日本 毛沢東
台湾 毛澤東
大陸 毛泽东

「毛」は同じですが、「沢」は日本・台湾・大陸とも違っています。台湾で使われている「澤」が正字で、当用漢字ができるまでは、我が国でもこの文字が使われていました。常用漢字の「沢」は、もとは「澤」の俗字です。簡体字の「泽」も「澤」の異体字ですから、「沢」「澤」「泽」は、字体がちがうだけの同一の文字です。「東」と「东」の関係は、更に分かりやすいと思います。「东」はもともと「東」という文字の草書体でした。「東」をくずして書いた物が「东」です。ですので、どちらも同じ「東」です。

要するに、日本の常用漢字と大陸の簡体字は、台湾の繁体字から見れば略字・異体字の類です。しかしながら、日本は常用漢字を、大陸は簡体字を正式な文字として使っています。その使用方法は尊重されるべきです。

・正確な在留カードを目指して

問題の所在が分かれば、改善する事は容易です。常用漢字に中国語音を付けることは間違っていますし、簡体字や繁体字を使う必要はありません。また、同じ日本国内の事ですから、法務省でも文部省の決めた常用漢字を使うべきであると思います。

これは一つの提案ですが、日本の常用漢字・台湾の繁体字・大陸の簡体字の対照表を作り、一律、常用漢字(「漢和辞典」)の音を(希な姓の場合に限って繁体字を)付すようにすればよいのではないかと思います。

例えば、現在の中共最高指導部は以下の七人です。表記も中共の発表通り示しましたが、読み方も分かりませんし、このままでは日本人には使えません。

・习近平・李克强・栗战书・汪洋・王沪宁・赵乐际・韩正

そこで、簡体字を常用漢字になおして、常用漢字の音を付します。常用漢字に無い文字は、漢和辞典を引き、旧字体しかない場合は旧字体をのせて音を付します。すると次の様になります。

・習近平(しゅうきんぺい)・李克強(りこっきょう)・栗戦書(りつせんしょ)・汪洋(おうよう)・王滬寧(おうこねい)・趙楽際(ちょうらくさい)・韓正(かんせい)

これは何も特別な事ではなく、現在、新聞や雑誌でも、この様に使われています。こうしてみると、「汪」や「滬」は含まれていませんが、案外多くの文字が常用漢字で間に合うことが分かります。常用漢字であれば、ルビを振る必要性も少なくなり、日本全体で情報を共有する事が容易になります。

対照表については、作成することはそれ程難しくはありませんし、一度作ってソフトを配れば、入国管理局での作業時間の短縮にもなると思います。何より、在留カードが正確な物となります。めぐりめぐって中国人犯罪の抑止にも繫がると思うのです。


・漢字は増やしてはならない

最後に、漢字の文字数の話しです。あと一回。

万引き娘

2017年11月21日 02時00分17秒 | 日記
「うちの娘が、万引きをしまして。」と馬鹿が言う。


恩師の自宅(高島平にある別宅)で開かれる読書会には、

恩師と二松学舎大の元学長、

慶応や早稲田大学からも学生や、助手が集まってくる。


読書会というのは、漢文の原文を訓読する会で、例えば、

「子曰」なら、「しいわく」と発表するという具合だ。


読書会で読んでいたのは、

『四庫全書総目提要』(しこぜんしょそうもくていよう)と言う目録書で、

経・史・子・集(四庫)に収録された漢籍の、説明目録書。


恩師は、私の大学の先生であるし、

場所も大学に近い。

しかし、うちの大学から参加しているのは、

私と、私の後輩数人で、

大多数は、早稲田や慶応。


後輩は、何人連れてきても、

二、三回参加すると、もう来なくなるのに、

早稲田や慶応は、毎回参加だ。


最後の砦は私だ、

と言い聞かせて、

慶応や早稲田に埋没しないように、

毎回、発表をする。

恩師の開く読書会だ。

当然、会を仕切るのも私。


そうして、死ぬほど難しいテキストと格闘していると、

馬鹿が、「うちの娘が万引きをしまして」と言う。

「万引き」は身近な事らしく、

平気で大発表する。

親子で奇行がある、と思う。


読書会に毎回参加していて、

私は、馬鹿の発表を聞いたことがない。

かと言って、黙っているわけでもない。


とにかく、家族の話をぺらぺらぺらぺらぺらぺら…。


テキストは難しい、

後輩は、そのうち来なくなる、

馬鹿は、万引き娘の発表をする。


とても口には出せないが、

「黙れ!」と思う。

きっと、顔に出ていたに違いない。

The Cars - You Might Think (OFFICIAL MUSIC VIDEO)


実際、万引き互助カルトのいるところは万引きが多い。

この集団の悪質なところは、

自分達の万引きの罪を

日本人になすりつけるところ。


例えば、万引きの被害が出ている書店・スーパー等に行って、

万引き防止の監視カメラを売り込み、

カメラの認証システムの中に、

万引き犯とは別の人間の写真を入力しておく。

これ自体、人権問題に抵触するのでどうかと思うが、

ここからが万引きカルトの本領発揮。


その人物が来店すると、

当然、店内の注意は、その人物に注がれる。

カメラは、その人物を追う。

でも、幾ら追った所で万引きは起こらない。

実は、その隙にカルトが万引きをしまくっている。


或いは、巧みに経営者に取り入り、

仲間を潜入させる。

こうなるともう盗まれ放題。

しかも、怪しまれないように、班員をでっち挙げるので、

万引き被害は増えるのに、

客はどんどん減少して行く。


基本的に日本人は敵なので、

仲間には好きなだけ万引きをさせて日本人の店を潰し、

潰した店の後に、

仲間の経営する系列の店を出すのが真の目的。

日本乗っ取りを目論む、

万引き互助カルト。

トランプ習近平会談(その三)

2017年11月13日 20時20分37秒 | 日記
それにしても、何故、習近平主席はトランプ大統領を歓待したのでしょう?それは、以下の様な理由があるのかも知れません。

・2025年の世界一を目指して

現在、中国が米国から得る利益は、一年でおよそ3470億米ドル。米中は、互いに密接な関係にあると言えます。しかし、対中貿易赤字に苦しむ米国からすれば、何とか是正したいと思っているに違いありません。

今年4月にフロリダで行われた米中首脳会談でも、貿易黒字を是正する話に対して、習近平氏はトランプ氏に対して改善の約束をした物の、半年経っても何も変わらない為に、トランプ大統領は、非常に不満に思っていると言われています。

トランプ大統領が、今回、訪中に当たって多くの関係者を連れてきたのは、貿易についての話しを詰める為です。当然、習近平氏も準備を整えて会見に臨んだはずです。

8日の午後、国務院総理 汪洋の出席のもと、人民大会堂で、米国の関係部門と90億ドルの契約を交わし、翌9日には、2535億ドルの契約をまとめまたと言われています。

但し、この90億ドル・2535億ドルが、どの様な計算によるものか疑問に思っています。何故なら、この中には、2015年9月24日に、習近平氏がボーイング社を訪れた時の、ボーイング機300機の購入価格、計約380億ドル(約4兆5663億円)や、2017年6月20日に、米自動車大手フォード・モーター(F.N)の幹部が、次世代コンパクトカー「フォーカス」を2019年から中国で生産し、北米に輸出する計画を発表した事等が含まれているからです。

どの様な計算で、何年間で2600億の数字が出て来たのかは分かりません。中国のこの様な、どんぶり勘定の相当盛っているような数字は鵜呑みにすることができません。


しかしながら、習近平氏は90億ドル・2535億ドル、総額約2600億ドルも出していったい何を買ったのでしょう?或いは、何を買おうとしているのでしょう。その目的は何なのでしょう?


今回の契約の中には、当然、米国の牛肉・大豆・トウモロコシ、小麦等々の農産物も含まれていますが、中華圏の報道に依れば、習近平氏は「時間」「技術」「トランプ大統領の歓心」を買ったのだ、と報じています。


時間とは何か、中国は2025年まで米国と衝突をする気は無いようです。買った時間とは、2025年までの8年間の時間です。その他に、エネルギー・市場・技術を買い求めました。


・エネルギーは、アラスカの天然ガスと輸送管。

・「クアルコム(企業)」と共に半導体の「ウェハ」を購入

・ボーイングから300機の飛行機、
ボーイングの場合は、工場の中国誘致が条件に含まれているようです。中国でボーイングを製造することで、その機密事項を手に入れ、その技術を習得し、ゆくゆくは世界市場に打って出る事を目標にしていると思われます。

・中国の自動車の企業がフォード・モーターと契約し、新たな自動車会社を設立するようです。恐らく電気自動車を作るのではないか、と言われています。中国は電気自動車を欲しており、互いの技術は役に立つはず。

・ゴールドマンサックスとも協議しています。

・天然ガス。
アラスカ州知事を連れてきており、今回、アラスカから天然ガスと石油の輸送管を中国に引くという計画に従って、石油と天然ガスの輸送管をどこに通すかについて細かく検討したようです。計画は、アラスカから1200Kmの石油と天然ガスの輸送管を引き、中国大陸の北部から東北へ、そこから大陸全土へ送るという物。

現在、中国が最も必要としているのはクリーンエネルギーです。天然ガスが必要ですが、大陸は天然ガスの産出量がごく僅か。オーストラリアからの輸入に頼っていますが、船での輸送はコストがかかりすぎます。

中国は毎年2700万トンの天然ガスを消費しており、もし、米国から輸送管を引く事が出来れば、液化の必要もありません。コストも低く抑えられます。しかも、シェールガスは販売先を探しておりトランプ大統領の要求にもそう物です。アラスカの民衆も販売先ができますし、輸送管の設置で雇用も生み出せます。


要するに、2600億ドルを使って、トランプの歓心を買い、多くの米国の中枢にある企業と契約を結び、中国に企業を誘致し、技術を学ぶ機会を得ようとしているのです。これは、中国の未来を考えての事です。


・不思議な中国のGDP

ところで、何故、2025年が重要なのかと言えば次の理由に因ります。

台湾の報道によれば、現在、米国のGDPは18.6兆ドル。中国のGDPは12.1兆ドル。2025年には、米国は20.2兆ドル、中国は20.4兆ドルで、米中のGDPは逆転すると言われています。乾隆帝以来、再び中国が世界一の座に返り咲くと言う物です。

少し古い資料ですが、2014年の頃には次の様な事が言われていました。

「2014年12月8日、OECD(経済協力開発機構)、IMF(国際通貨基金)など各種国際機関の中期予測によると、世界全体のGDP(国内総生産)に占める中国の割合は2014年の13%から24年には20%に拡大、「米国を抜き世界一の経済大国になる」という。米調査会社HISもこのほど、中国のGDPが2024年に、米国を追い越すとの見通しをまとめた…。」(「Record China」『中国のGDP、2024年に米国を追い抜く=20年に日本の3倍規模に、超円安も拍車―OECD、IMF予測』配信日時:2014年12月9日(火) 5時32分)

また、今年9月にも、

「国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事が7月下旬にIMF本部をワシントンから北京に移す可能性に言及、波紋を投げかけたが、この発言を基に、濱本良一国際教養大教授が「中国は名目GDPでも2029年に米国抜き、名実ともに世界一の経済大国になる」との論考を月刊誌『東亜』9月号(霞山会)に寄稿した。

このIMFトップによる衝撃的な発言は、米ワシントンのシンクタンク「グローバル発展センター」で行われた対談で飛び出したもの。「中国や他の新興国市場の成長が今後も続くのなら、それはIMF加盟各国の議決権にも反映されることになる。われわれが十年後にこうした会話をする際には、ワシントンでなく北京がIMF本部になっているかもしれない。IMFの規則では、本部は経済規模が最大のメンバー国に設置する仕組みになっている」と明言した。

濱本教授は論考の中で「ラガルド専務理事の頭の中には10年後の2027年前後に中国の名目GDP(国内総生産)が、米国を追い抜き、世界1位になっている可能性がある。IMFの最高責任者が迫り来る近未来の変化を明確に語り始めたことを意味しよう」と指摘した。

中国のGDPは2014年に、実態に近い購買力平価(PPP)で米国を追い抜き、世界一位になった。続く15、16年も中国は首位の座を維持している…。」(「Record China」『中国、名目GDPでも2029年に米国抜く=名実ともに世界一の経済大国に―濱本国際教養大教授が試算』配信日時:2017年9月15日(金) 5時20分)

 
また、アメリカ合衆国中央情報局 (CIA) の年次刊行物「The World Factbook」の「GDP (purchasing power parity)」には、2016年の購買力平価(PPP)についてランク付けをしています。上位10位までを掲載すると次の様になります。


RANK COUNTRY GDP (PURCHASING POWER PARITY) DATE OF INFORMATION

1 CHINA $21,290,000,000,000 2016 EST.

2 EUROPEAN UNION $19,970,000,000,000 2016 EST.

3 UNITED STATES $18,570,000,000,000 2016 EST.

4 INDIA $8,662,000,000,000 2016 EST.

5 JAPAN $5,238,000,000,000 2016 EST.

6 GERMANY $3,980,000,000,000 2016 EST.

7 RUSSIA $3,751,000,000,000 2016 EST.

8 BRAZIL $3,141,000,000,000 2016 EST.

9 INDONESIA $3,032,000,000,000 2016 EST.

10 UNITED KINGDOM $2,786,000,000,000 2016 EST.

中国は1位、日本は5位で、日本は中国の四分の一です。

因みに、「The World Factbook」の「GDP - per capita」の項目では、GDPを人口で割った、一人当たりのGDPについて、


RANK COUNTRY GDP - PER CAPITA (PPP) DATE OF INFORMATION

1 LIECHTENSTEIN $139,100 2009 EST.

2 QATAR $127,700 2016 EST.

3 MONACO $115,700 2015 EST.
         :
20 UNITED STATES $57,400 2016 EST.
         :
42 JAPAN $41,300     2016 EST.
         :
106 CHINA $15,400     2016 EST.

上位三位までは、1位リヒテンシュタイン(09年)・2位カタール(2016年)・3位モナコ(2015年)で、その他、20位米国、42位日本、106位中国の順となっています。中国は日本の三分の一です。


「Record China」「The World Factbook」共に、中国の経済は順調であるとしています。ならば、何故、15年にボーイング社と契約した300機の話しが、今頃、再び出て来たのでしょう?計算方法も分からない、何年計画かも分からない2600億ドルという巨大な金額を、何故、大騒ぎで公表しなければならないのでしょう?それ程裕福であるのに、何故、自国内の言論統制を厳しくしているのでしょう。何故、腐敗汚職を厳しく取り締まる必要があるのでしょう?

中国経済は、順調そうに見えても、不明な点が多いと言わざるを得ません。特に、2600億のように大風呂敷を広げ、日本国内の媒体がこぞって礼賛しているときには、却って危ういと思っています。


・「中国製造2025(2025年インダストリー4.0)」

話しが逸れてしまいましたが、「中国製造2025」の話しでした。
中国製造2025とは、2015年に発表された製造業の強化計画で、ドイツのインダストリー4.0を基に、中国の製造業の水準を大幅に向上させる事を目標としています。

計画は3段階に分かれており、第1段階は2025年までに日米のような製造強国に仲間入りする。第2段階は2035年までに世界の製造強国の中級のレベルに達する。第3段階は新中国建国100周年である2049年までに、トップクラスの製造先進国になる、と言う物です。

2013年、ドイツが情報通信技術と製造業の融合というインダストリー4.0を公表して以来、世界各国も、工業強化政策を打ち出しています。中国製造2025は中国版インダストリー4.0です。

中国製造2025は、「製造のスマート化」を重視しており、最先端の情報通信技術と製造技術を利用して、自主的に社会の生産需要に適応し、製造システムの一体化を目指しています。

現在、新たな製造手段と情報通信技術の発展と共に、ウェアラブルデバイス、スマートロジスティクス、スマートホーム、スマート医療、スマートサービスなどの分野で、スマート化が広がっている。さらに、人工知能、ビッグデータ、IoT及びクラウドコンピューティングなどが含まれた、多くの方向へ拡張しています。そして最終的には、別々に管理されていた生産プロセスは、今後全てが繋がるエコシステムに発展し、生産多様性と効率化の実現を目指しています。(「IoTNEWS」『中国版インダストリー4.0 「中国製造2025」とは [海外動向]』2016.11.16 06:00)

要するに、今回、中国政府が2600億ドル(?)を出して米国から購入した物の一部は、この「中国製造2025」の計画にそっている、と言えます。


・危うい金融市場

GDPが世界一になろうとも、、OECD(経済協力開発機構)・IMF(国際通貨基金)など各種国際機関が太鼓判を押そうとも、中国経済は危ういのではないか、と思っています。

理由の一つが、「アリババ」です。

2014年10月、支付宝(アリペイ)の親会社である浙江阿里巴巴(アリババ)電子商務有限公司が、「螞蟻(ばぎ)金融服務集団」を正式に成立させました。「螞蟻」は中国語で「蟻(あり)」「集団」はグループの意です。これは、インターネットの金融商品を取り扱うグループで、スマートホンで「アリペイ」のアプリを開くと、次の様なサービスプレートがついてきます。使用するか否かは、スマホのユーザー次第です。

「螞蟻金融服務集団」

・支付宝(アリペイ)、お財布ケータイのような支払い機能で、支払いをアリババが担保します。

・余額宝、米国のMMFに相当するオンライン・マネー・マーケット・ファンド。銀行よりも高額の利回りの資産運用商品。

・招財宝、投資家は定期預金の利息を保持したまま、いつでも引き出しが可能となる。個人投資家はローン期間が終了する前に引き出しのリクエストをすることができ、このシステムは旧債権者名の元に自動で新たなローン契約を結び、それを新たな投資家と紐付けし、余額宝アカウント内で旧債権者が即座に資金を受け取る仕組み。

プラットフォームに接続した余額宝ユーザは、期待金利、ローン期間、金融商品のタイプを予め設定できる。30日以内にリスト化された条件に見合う金融商品が出たときに、このシステムは自動で注文処理をしてくれる。招財宝のユーザは最低100元(16.25米ドル)から1,000元の資金を投資できる。

・螞蟻聚宝(Ant Fortune)モバイルマネーの公式サイト

・網商銀行(浙江網商銀行)民営銀行の一つ。インターネットを利用して、中小企業に対する融資問題や、農村金融等の問題を解決し、実体経済の発展を促進する。Inclusive financial system。

・螞蟻花唄、仮想クレジットカード。タオパオ・Tモールで買い物をし、商品到着後、翌月払いのオンライン・ショッピング・サービス。

・芝麻信用、支付宝のサービスの一つ。多くのデータから、個人の信用度を数字で算出するサービス。

・螞蟻金融雲、企業の為のITシステムを構築するクラウドコンピューティングサービス。

等々です。

これらの金融商品が、アリペイを使用する人々のスマホには必ず入っています。2015年6月の株バブルが引き金となった株価の大暴落もそうですが、中国の市場が暴走すると共産党幹部でもどうする事もできません。金融市場が不安定になっていて、それで2600億ドルと言いだしたのでなければよいがと、少し思っています。


次回は、「漢字の話、最終話」に戻ります。

トランプ習近平会談(その二)

2017年11月11日 23時58分58秒 | 日記
今回のトランプ・習近平会談は、私には、どちらかと言えばぎくしゃくした関係を示す物であったと思えます。

トランプ大統領は、今回、就任後始めて中国を訪問しました。しかし、ニクソンのように中国に直接行ったわけではありません。トランプ大統領は、先ず東京に行き、次に韓国、 中国へ、その後ベトナム・フィリピンへ。中国訪問は、五ヵ国の一つでしかありません。しかも、日本・韓国・フィリピン・ベトナムは、全て中国に対して問題を抱えています。「二つの大国関係」という訪問のしかたではありません。

一説に、習近平氏は、トランプ大統領に十九大の前に中国に来て欲しかった。しかし、トランプ氏の方は、APECのついでに北京に寄ったのだ、とも言われています。

どちらかと言えば、トランプ大統領は中国に対して冷淡な態度を取っているように見えます。それに対して、習近平氏は、米大統領を厚遇した事には違いありませんが、巷間言われているように、破格のもてなしと言う程の事なのかについては、少し異論があります。


例えば、トランプ大統領を迎える為に、宿泊場所である「セントレジス 北京(瑞吉飯店)」の前の道路を全面封鎖し、トランプの滞在期間中、この道路は大統領とその関係車輌が通行する以外、通行は禁止されました。

金曜日には、メラニア夫人が参観するので、北京動物園のパンダ館を閉館。

トランプ大統領が故宮を訪れた時にも、故宮は一日閉館。

その他、万里の長城(慕田峪、ぼでんよく)に行ったときにも対外開放を臨時停止しました。

以上の事から、米中首脳の会見の場所に「紫禁城」が選ばれた理由の一つには、警備の問題があったのではないかと思います。


さて、中共はトランプ大統領の来華直前、北朝鮮への圧力に力を入れ始めました。

北朝鮮が6度目の核実験を強行した事もあり、それに対する国連安全保障理事会の制裁決議に基づき、中国商務省は9月28日、中国国内の北朝鮮企業に対して閉鎖をするよう通達し、また、海外で北朝鮮と共に設立した企業に対しても、2018年1月9日を期限として閉鎖を命じました。

10月初旬には、金銭的な流れを止め、石油を禁輸にし、北朝鮮への旅行ツアーも全面的に禁止しました。


11月8日、トランプ大統領夫妻が来華し、紫禁城での会食となりましたが、破格の待遇と言えるのかどうかは疑問です。

私は、トランプ大統領を皇帝のように接待したのではなく、寧ろ、十九大を終え、独裁に拍車のかかった習近平主席が、皇帝が国賓をもてなすように振る舞ったのではないかと思っています。紫禁城を選んだ第二の理由は、皇帝として振る舞うためです。


8日、大統領専用機が北京に到着すると、トランプ大統領はそのまま紫禁城に通され、宝蘊楼の前で、習近平夫妻に迎えられました。彼等は、先ず宝蘊楼(ほううんろう)を参観して、そこで茶話会を開き、晩には建福宮内で夕食をとり、三希堂で茶話会を開いたと伝えられました。

この三つの建物については、以下の注をご覧下さい。

・宝蘊楼


宝蘊楼


宝蘊楼

宝蘊楼は、1913年、瀋陽故宮(遼寧省瀋陽に残る清朝の宮殿、清朝の初代皇帝ヌルハチと二代皇帝ホンタイジにって建立された)、及び、河北承徳の避暑山荘に所蔵されていた文物を収蔵する目的で建造された、国民党時代の洋風建築。1914年に着工、1915年に竣工。故宮に現存する唯一の洋風建築。嘗ては23万件の文物が収蔵されていた。現在は対外開放されているらしく、2017年4月23日、「故宮食品」がアリババ傘下のTモールに出品する事を記念して、“老字号·新消费(老舗で、新たな消費を!)”というテーマで、イベントが開かれています。11月8日午後、習近平国家主席と彭麗媛夫人は、故宮博物院でトランプ米大統領とメラニア夫人を迎えました。両国首脳とその夫人は、宝蘊楼で茶話会を開きました。


宝蘊楼


宝蘊楼


・建福宮


建福宮


建福宮


建福宮


建福宮



建福宮

建福宮は、清の乾隆帝の花園で、乾隆年間(在位1736年~1795年)に建築されました。乾隆帝は建福宮を非常に気に入っており、ここで吟じられた詩賦には、《建福宮賦》《建福宮紅梨花詩》等の作品があります。また、気に入った文物をここに収蔵していました。

嘉慶七年(1802年)に修復されましたが、1923年6月26日晩、火災に見舞われ、400間の部屋と貴重な文物が一夜にして焼失しました。当時、末代皇帝溥儀(ふぎ)は既に退位していましたが、変わらず宮廷内に住んでいました。溥儀は、太監(宦官)が盗みを働き、証拠隠滅のために火を放ったのではないかと疑い、多くの太監を放逐しました。

建福宮は、その後70年間、荒れたままでしたが、1999年に中共政府が復元を決定し、2001年4月3日に上棟式が行われ、2006年5月に竣工しました。建福宮は、百人以上を収容できる、2006年に再建された新しい建物です。キッシンジャーやジョージ・ブッシュが訪れ、企業の宴会・展覧会・交流等の活動も、ここで行われています。



建福宮


建福宮



建福宮


建福宮



建福宮


建福宮


・三希堂


三希堂



三希堂



三希堂



乾隆帝が書いた“三希堂”の扁額


三希堂は、乾隆帝の書斎です。乾隆帝の書いた“三希堂”の扁額は今でも壁に掛けられています。三希堂は乾隆期に建設され、嘉慶・道光・咸豊・同治・光緒・宣統の各朝から現在に至るまで、変わることなくもとの姿を保っている部屋だと言われています。

“三希”という名については二つの説があって、一つは“士は賢を希(こいねが)い、賢は聖を希(こいねが)い、聖は天を希(こいねが)う”。倦まず弛まず精進せよ、刻苦勉励せよ、という所から来ているという説。

もう一つは、三つの世にも希なる“珍宝”を所蔵していたので、そこから名を取ったとする説です。乾隆十一年(1746年)、乾隆帝は晉朝の大家 王羲之の《快雪時晴帖》、王献之の《中秋帖》、王珣の《伯遠帖》の三帖を手に入れました。その後三帖は散逸し、《中秋帖》《伯遠帖》は北京が買い戻しましたが、《快雪時晴帖》は、現在、台湾の故宮博物院に収蔵されています。


王羲之の《快雪時晴帖》、王献之の《中秋帖》、王珣の《伯遠帖》の三帖


王珣の《伯遠帖》


三希堂


三希堂

三つの建物のうち、お茶を飲んだ宝蘊楼と、夕食をとった建福宮は、紫禁城の中でも新しい建築に分類されます。

宝蘊楼は、国民党政権の時にできた建物で、今年4月にも企業のイベントが開かれています。また、建福楼もキッシンジャーやブッシュが訪れ、企業が宴会や展覧会、各種イベントを行っています。どちらも対外開放されイベントにも使われていますので、この二つの建物での接待を以て、破格の接待というのは、少し言い過ぎのような気がします。

三つの建物のうち一番貴重なのは三希堂です。私は、故宮には何度か行きましたが、三希堂は外からしか覗いた事がありません。これは少し羨ましいと思いました。


さて、習近平氏は、明らかにトランプ大統領との摩擦を避け、穏やかな関係を構築したいと考えているようです。しかし、南シナ海の開発も進んでいますし、尖閣に対する野心も棄てたわけではありません。また、権力を掌握すればするほど、習近平氏の周囲は警戒を強めています。

その為、今回の紫禁城での接待は、警備上の都合に加えて、皇帝(乾隆帝)のように、紫禁城で外国の賓客をもてなす事で、国家主席としての威厳を示し、中華民族の復興という習氏の持論を宣伝する目的もあったのではないかと思っています。

あと一回、この話題で。

トランプ習近平会談(その一)

2017年11月10日 02時13分56秒 | 日記
日本では、トランプ大統領が中国で規格外の接待を受けたとか、米中で2500億ドル(一説に2530億)の商談がまとまった、という話しで持ちきりですが、少し視線を変えれば、こんな事が起きています。

ロイターの記事です。

『海自の護衛艦も参加へ、米空母3隻が西太平洋で演習=関係者』

11/7(火) 15:03 配信 ロイター

[東京 7日 ロイター] - 日本政府は、トランプ米大統領のアジア歴訪に合わせて米空母3隻が近く西太平洋で行う演習に、海上自衛隊の護衛艦を参加させる方針を固めた。日米両首脳は6日の会談で北朝鮮に最大限の圧力をかける方針で一致しており、経済、軍事両面から核・ミサイル開発計画の放棄を迫る。

複数の日本政府関係者が7日、ロイターに明らかにした。

海自は演習に護衛艦「いなづま」を派遣する方向で調整している。いなづまは日本海で米国、インド両海軍との共同訓練を終えたばかり。そのまま海域にとどまる見通しだ。この共同訓練には米原子力空母ロナルド・レーガンも参加していた。

米政府関係者によると、演習にはレーガン、セオドア・ルーズベルト、ニミッツの原子力空母3隻のほか、複数の米艦艇が参加する。日米どちらの政府関係者も、演習の具体的な海域と日程は明らかにしなかった。

小野寺五典防衛相は7日午前の会見で、自衛隊が米空母3隻との演習に参加する可能性を問われ、「さまざまな機会をとらえて訓練を実施することが日本の安全保障につながると思っている」と述べていた。

アジア歴訪中のトランプ大統領は、7日に日本を発って韓国に到着した。8日に中国を訪れる。韓国はトランプ氏の訪問に先立ち、北朝鮮に独自制裁を課すことを決定。日本も7日、新たに北朝鮮の35団体・個人を資産凍結の対象とすることを決めた。」


これだけを読むと、日米が対北制裁に邁進しているようですが、中国も着々と準備を進めています。

中国の東北地方に、「G1112集安ー双遼高速道路」が開通しました。この高速道路は、吉林省集安から、中朝国境の鴨緑江を結ぶ、六車線道路です。

人口23万の集安市に不似合いな立派な道路は、吉林の兵士・物資・戦車等々を、直ぐさま鴨緑江河畔に輸送するために作られたと言われています。

もし、北朝鮮有事となったら、

第一に
大量の医療と工兵部隊を鴨緑江河畔に送り、難民に対処する。あらゆる人を運び、国境守備に当たる。

第二に
特殊部隊を派遣し、すぐさま、北朝鮮の全ての核施設を、制御下に置く。

第三に
大量の戦車と地上部隊を送り、全力で38度線に向かわせ、米韓軍が非軍事区域を越えることのないようにする。

以上の目的で建設されたのではないかと言われています。

次回は、トランプ大統領に対する規格外の接待について。

漢字の話(キラキラネームの秘密、結び三)

2017年11月07日 16時48分13秒 | 日記
・「シージンピン」・「パク・クンヘ」に法的根拠は無い

既に述べましたが、『漢和辞典』の呉音や漢音は、中国の『玉篇)』『広韻』『集韻』『康煕字典』等の字典に基づいて、一つ一つ丁寧に決められています。また、「常用漢字」については、字種・音訓・字体について、文化審議会国語分科会(旧国語審議会)によって管理されています。

要するに、『漢和辞典』で研究された物が、「常用漢字」に反映され、一般の社会生活で用いる漢字を規定しているのです。

そもそも、漢字の音訓は個人が勝手に決めて良いなどと言うのは、デタラメの論です。では、企業なら良いのでしょうか?

例えば、中国国家主席 習近平氏・前韓国大統領の朴槿惠氏の読みは、新聞で次の様に報じられています。

読売新聞「シージンピン」、
朝日新聞「シーチンピン」、

中央日報日本語版「パク・クンヘ」
朝鮮日報日本語版「パク・クンヘ」
東亜日報日本語版「パク・クンヘ」
Newsweek日本版 「パク・クンヘ」
BBC NEWSjapan「パク・クネ」
日本経済新聞「パク・クネ」
産経新聞「パク・クネ」
朝日新聞デジタル「パククネ」
毎日新聞「パク・クネ」
読売新聞「パククネ」

これらの読みが各社で違っているのは、各社で決めているからです。では、漢字の読みは、企業が勝手に決めても良いのでしょうか?そんな事は無いはずです。

「常用漢字表」の前書きには、次の様に書かれています。

1 この表は,法令,公用文書,新聞,雑誌,放送など,一般の社会生活において,現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安を示すものである。
2 この表は,科学,技術,芸術その他の各種専門分野や個々人の表記にまで及ぼそうとするものではない。ただし,専門分野の語であっても,一般の社会生活と密接に関連する語の表記については,この表を参考とすることが望ましい。
3 この表は,都道府県名に用いる漢字及びそれに準じる漢字を除き,固有名詞を対象とするものではない。
4 この表は,過去の著作や文書における漢字使用を否定するものではない。
5 この表の運用に当たっては,個々の事情に応じて適切な考慮を加える余地のあるものである。

ここには企業が決めてよいとは、書かれていません。

昭和21年11月16日に「当用漢字表」1,850字が公布され、その字体の標準として、昭和24年4月28日に「当用漢字字体表」が公布されました。これによって、それまで略字・俗字であったものが標準の字体となり、ここから、現在使われている新字体が普及します。次に挙げるのはほんの一部です。()の中が旧字体です。

国(國)・宝(寶)・帰(歸)・学(學)・対(對)・礼(禮)・沢(澤)等々です。

これらの文字は、当時の国語審議会が審議して、お上の命令として公布した物です。字種も制限されましたので、当然、反対意見が出ました。

それは、例えば、分野によって用語が違い、人によって語彙が違います。日本の漢字文化は、少なくとも千年以上の歴史があり、その伝統によって培われた言葉や文字を理解するためには、漢字の知識が必要です。過去と現在の文化を深く理解し将来に伝えるためにも、漢字を制限する事は不合理なので干渉するべきではない、という様な物です。

「当用漢字字体表」は、もともとは俗字・略字であった物を含んでいますし、文字の「標準」として公布されたので、旧字体を完全に否定する物ではありませんでした。しかし、「法令・公用文書・新聞・雑誌および一般社会で,使用する漢字の範囲を示したもの」の規定の通り、日本の社会全体が、この法令に従いました。

「当用漢字字体表」に従って、旧字体から新字体への移行に日本全国が従ったのに、何故、中国・韓国の人名については、「常用漢字」に中国語・韓国語の音が付けられているのでしょう?これはおかしな事と言わざるを得ません。

中国・台湾では、「朴槿惠」「金正恩」等々の個人名、或いは、朝鮮半島の地名についても、中国語音で読まれていますし、半島から中国に対して文句は出ていません。漢字は、漢字文化圏ではその国の音で読まれます。それが漢字の正しい使われ方ですし、外国が他国の国語表記に対して文句を付けるなど、あってはならない事だからです。

「習近平」・「朴槿惠」の読みも、「漢和辞典」或いは「常用漢字表」の音に従って、「しゅうきんぺい」「ぼくきんけい」と読むべきです。「シージンピン」・「パク・クンヘ」と言う読みには、法的根拠はありません。各社が「常用漢字表」を無視して勝手に音を作りだしているところは、「キラキラネーム」と酷似しています。また、歴史の教科書に、「袁世凱(ユワンシーカイ)」・「蒋介石(チャンチェシー)」とデタラメのルビを振るのも、同根の病です。

次回は、キラキラネームの秘密、結び四、に続きます。