『蜻蛉洲大和の国のサンライズタイム』ー外国人参政権反対、移民政策反対、背乗り工作反対!盗聴・盗撮は日本では犯罪です!ー

キラキラネームは日本の漢字文化を破壊するための、カルトの工作活動です!公務員の国籍条項と外国人土地法の復活求む!

別に社交辞令ではなくて…

2016年10月25日 02時21分56秒 | 日記
世の中には、

創価系なのに公明党の中で活動をしない、

保守ではないのに保守系の人々に近づき、

しかも、その人物が近づくと、

必ず組織は分裂するという、不思議な人がいます。


田母神さんと水島さんは、あんなに仲が良かったのに、

田母神さんの都知事選出場の時の60万票は、

チャンネル桜の全面的支援の賜なのに、

しかも、都知事選までは非常に仲が良かったのに、

14年の衆院選の前に二人の関係はおかしくなり、

今では犬猿の仲。選挙は惨敗。


14年の衆院選では、

次世代の田母神さんは、

公明党の太田議員と同じ東京12区から出馬、

同年2月の都知事選では60万票も獲得したのに、

11月の衆院選では惨敗。


惜しいですね。

どうして、田母神さんと水島さん、

仲が悪くなっちゃったんでしょう?


維新の会ができたとき、

橋下氏が、媒体に醜聞を報じられている間も、

橋下氏と石原氏は親子のように仲が良かったのに、

結局決別。


橋下氏は維新の党へ

石原氏は次世代の党へ、

その人物は、石原氏にくっついて次世代の党へ。


っで、14年の衆院選では、

維新の党は辛勝し、

次世代は、完敗。


どうしてでしょう?


まあ、普通に考えて、

創価の信者が、

選挙の時に公明党や太田議員を棄てて、

次世代や田母神氏を必死に応援するとは考え難いですよね。

寧ろ、その逆でしょう。


たちあがれ日本は小政党でしたが、

選挙の度に比例復活があったのに、

次世代は、あれほど候補を立てて、

比例復活もありませんでした。


私は、14年の衆院選の前に

田母神氏が創価だけを頼るように、

チャンネル桜と決別するように、

誰かが工作をしたのでなければよいが、

と思っています。


さて、一昨日、

福岡6区と東京10区のダブル補欠選挙を、

自民が制しました。

喜ばしい事ですが、

福岡の選挙について、

媒体は、どうも自民内部の対立を煽るような報道の仕方をしています。


少し前、甘利大臣の周辺で、おかしな事が起こりました。

政権に打撃を与えるなら、

次は麻生副総理か菅官房長官、

この二人が、互いに反目すれば、

反対派にとっては万々歳です。


私は、その人物が、

自民の内部で対立を煽りながら、

媒体を使って亀裂を深くするぐらいの事は、

やりかねないと思っています。


それから、私が申し上げたいのは、

恩師の原田先生は、馬場先輩のために、

授業の時間外に『陔餘叢考(がいよそうこう)』の読書会を始められました。

だから、馬場先輩は私よりも『陔餘叢考』に詳しいはずです。

当然、業績詐称をすぐに見破ったはずです。

東シナ海 噛みつく波濤(十)

2016年10月19日 14時35分00秒 | 日記
*東に向かう波濤

防衛白書には、東と南が同列に記載されていますので、南と同様に計画的に攻略に来るはずですし、同様に軍事化も進めると思います。そうして、矢張り、東シナ海は古来より中国の領土であると表明し、当事国と交渉して平和的に解決する等の目標を掲げ、掲げた目標に現実の世界が近づくよう努力するでしょう。

ハーグの仲裁裁判所が結果を発表してから約二十日後の八月初旬、尖閣沖に大量の中国漁船と公務船が押し寄せました。

「海保によると、(8月)8日午後1時35分から午後2時13分まで、中国公船15隻が接続水域を航行。一部は領海に入った。2012年9月に日本政府が尖閣諸島を国有化して以降、接続水域を同時に航行した中国公船の数は最大12隻。7日の13隻に続き過去最高を更新した。5日から活発化させており、周辺にはなお200~300隻の中国漁船も航行しているもようだ。

中国公船が領海や接続水域に入るのは尖閣国有化以降、常態化している。だが最近は同時に航行しても3隻程度で、15隻は異例だ。領海への侵入日数も月に3日ほどだったが、8月は8日時点で3日に達した。8日の領海侵入を受け、外務省の金杉憲治アジア大洋州局長は同日2度、中国の郭燕駐日公使に抗議した。」(「日本経済新聞」『中国公船、尖閣接続水域・領海に最多の15隻』2016/8/8 22:52)

「沖縄県・尖閣諸島周辺の日本領海に中国公船が侵入を繰り返していた問題で、領海の外側の接続水域にとどまっていた中国公船9隻が、11日朝までに退去した。海上保安庁が発表した。接続水域から中国公船がすべていなくなるのは8日ぶり。

海保によると、中国公船は3日に3隻が接続水域に入って以降、8日には最多の15隻が入り、領海への侵入も28回あった。周辺の海域には一時、中国漁船が約400隻集まっていたが、漁船の数は減ってきているという。」(「朝日新聞」『中国公船9隻、接続水域からすべて退去 8日ぶり』2016年8月11日14時22分)


*軍民統合と東シナ海の軍事化

8月1日に、中国海軍の3大艦隊が東シナ海で大規模な実弾演習を行い、翌日、常万全が浙江省で講演をし、習近平の講話を引用して「初心を忘れず、継続して前進する」「海上方面は、国家の安全保障と全体の発展に関わる重要な戦略空間であり、新たな情勢下で海上人民戦争の確実な勝利を、重大な実現課題として真剣に研究探索しなければならない。」と述べました。その翌日、8月3日に、尖閣に3隻の中国公船が現れました。

海軍の三大艦隊が東シナ海で大規模な連合演習を行った直後に、3隻の公船が現れ、公務船と漁船は次第に増えて、8日には中国公船と数百隻の漁船が現れました。その事から、これが、『中国の軍事戦略白書』にあった、「軍民統合の発展(军民融合深度发展)」という項目の実戦で、解放軍と海警・漁民が互いに連携した形であろうと推察できます。

すると、大挙して現れた船団は、中共の南シナ海問題に対する一種の反撃、と言う事ではなくて、長期的な戦略である可能性が高くなります。

中華圏の媒体は、東シナ海に中国の船団が現れた理由について、無関係にも関わらず日本が南シナ海問題で度々口を挟んだからだと述べています。しかし、例えば、南シナ海での島礁の埋め立ては、関係国が東シナ海問題に口を出しても出さなくとも埋め立てを行っています。中国が、米軍が撤退するや、南シナ海の岩礁の埋め立てを始めた事は誰もが知るところです。

要するに、中国が崛起するための戦略上、日本が邪魔だと言う事が問題なのです。南シナ海の仲裁案の発表のために世界が注目し、南シナ海問題を一定期間”冷却させる”必要が生じました。そこで東シナ海に着手したのだろうと思われます。南と東は同じ戦略下にあるからです。


*漁船団の意味する所

日本は、5日間に8回もの中国側に対する厳しい抗議を提出し、駐日本大使 程永華大使に出頭を命じました。

しかし、中国の媒体は、公務船が自国の領海で公務を執行し、自国の漁船が伝統的な漁場で操業する事に対して、如何なる国家も干渉する権利は無い、と述べています。日本政府が抗議をしたければ抗議すればいい。中国の漁船はそれでも来る。中国の公務船はこの海域で法律を執行する。もし、2010年のような、ウォーターキャノンを発射する、中国の漁船と衝突する、中国漁民が逮捕される事が起きたなら、中国の公務船も有益な措置を講じて、中国の漁民の権益を守ると信じている、と述べています。

尖閣沖に現れた船団の意味する所は、

一、中国の権利の保護
二、日本に対する主権の主張
三、尖閣に紛争がある事を日本に認めさせる

の三つです。

考えてみれば、2015年10月に、習近平主席とオバマ大統領がホワイトハウスで会見した時、オバマ大統領が直接習近平主席に、南シナ海の埋め立てをやめるよう話しをしましたが、習近平主席は、全く聞きませんでした。また、南シナ海の仲裁に対しても”四不”を貫く構えを見せています。

鳳凰電視台で流された番組の中で、日本が頻繁に行う抗議には、順応し習慣とし、中国の権利は守るべきである、と述べられています。


*東シナ海の軍事化

さて、日本側の抗議は漁船に対するだけではありません。駐華大使館を通じて、”東シナ海ガス田採掘プラットフォームにレーダー設備を設置した”として中国側に抗議を提出しました。同時に、日本の外務省は公式ホームペジ上で、この採掘プラットフォームでの作業の写真を公開し、これは中国のいわゆる東シナ海”中日中間線”付近の16のガス田採掘施設の一つ、と説明しました。

6月末、防衛省は、最も北側に位置する、日本側が”第12座”と称する施設上に設置された、レーダーのような機材と監視カメラ装置を発見しました。防衛省の初歩的分析結果では、当該装置は巡邏船上に設置され、船舶を探知するレーダーを意図した物で、主に狭い水域内で探査を行う事に用いられる、と述べています。

南と東は「防衛白書」の中で同列に扱われているので、中国が否定したとしても、南と同様に”東シナ海の軍事化”を目標にすると思います。

前海上自衛隊中将 伊藤俊幸氏は、”目下、当該レーダーはまだ何の影響も引き起こしてはいないが、今後中国はそれを利用して、東シナ海に対して定点観測を行う事ができる”と指摘。中国が、米国の空母が接近する付近の海域に対して、区域拒否戦略(Area Denial)を実施する一環として、もし当該レーダーと大陸から発射される対艦弾道ミサイルと互いに連携すると、ミサイルの命中精度は格段に上昇する、と考えています。

中国は2013年11月、東シナ海防空識別圏を定めたと宣言しました。2014年年末、ある報道は、中国側は、尖閣諸島の西北約300Kmの浙江省南麂(なんき)列島に最先端のレーダーを設置した、と報じました。

中国は東シナ海、南シナ海周辺の制海・制空権の獲得を目指しており、中国公船の”日本領海”への侵入は既に常態化しています。


*靖國参拝問題

さて、今回の南シナ海仲裁裁判所の判決が出てから、尖閣沖への大量の漁船団の出現に至るまで、特に中国外交部と国防部の、一見真逆の対応をしながら、実は目的は一つである事を考えると、私は、過去の日本の対中戦略は、美しすぎたと思わざるを得ません。

中国は、米国が何を言おうが、仲裁裁判所が何を言おうが、南シナ海は歴史的に中国の領土であると言ってのけます。外交部は、関係国と話し合って平和的に解決すると公言していますが、その一方で、国防部は空母艦隊を送って演習を始め、おおっぴらに圧力をかけ脅しをかけます。戦力も交渉の手段の一つです。

これは、中国の二面性と言うよりも、結局は外交・国防の二つで一つという戦略なのだと思います。


ところで、話しは変わりますが、中国側が抗議する首相の靖國神社の公式参拝ですが、抗議の理由は、日本による戦争の惨禍を蒙った近隣諸国民が、日本に対して不信を抱くので、という事でした。しかし、これはおかしな話しです。

外務省の公式ホームページによれば、

「対中ODAは、1979年に開始され、2013年度までに有償資金協力(円借款)を約3兆3,164億円、無償資金協力を1,572億円、技術協力を1,817億円、総額約3兆円以上のODAを実施」してきました。

総理の公式な靖國参拝が問題になるのは1985年以降の事です。それ以前に首相が靖國神社に参拝しても、中国側は文句も言わずにODAを手にしていました。85年に問題になるのは、中国共産党内の政争で、胡耀邦総書記の進退に影響が出そうだという問題が浮上したときです。

76年に毛沢東が亡くなり文化大革命が終結すると、下放されていた青年が都市部に戻ってきました。すると、都市には待業青年があふれ社会は混乱しました。共産党内にも、改革派と保守派の間で厳しい争いが起こり、その中で胡耀邦が目指したのは、ゴルバチョフの行った「ペレストロイカ」のような、言論の自由を始めとする政治改革でした。胡耀邦は確かに優秀で、国内に存在していた民主化の要求を汲み上げようと努力した政治家であったと言えます。

しかし、鄧小平と対立し胡耀邦は失脚。彼は民主化に失敗し失意のうちに亡くなります。中国では「清明節(冬至から105日目)」には墓参りをします。4月に亡くなった胡耀邦の追悼のために天安門広場に学生が集まり、続く5月4日の五四運動の70周年記念のデモを経て、事態は天安門事件へと発展していきます。胡耀邦は確かに政争のただ中にありました。しかし、中国共産党内が不安定になると、何故、日本の総理が靖國神社に参拝に行けなくなるのかが分かりません。

更に、今回の外交部と国防部の南シナ海に対する対応を見ていて思うのですが、85年当時、中共政権は存続の危機に直面し、中共指導部の中に保守派と改革派の対立が起きていました。そこで、保守派・改革派に関わらず、共産党の業績を輝かせ、共産党を存続させる必要を感じていた人々がいたのではないでしょうか。

戦犯という価値観は、それ自体、日本の敗戦を象徴する物です。日本社会党の田辺誠の提案と資金で、「南京虐殺記念館」が建設されるのも、丁度この頃です。ですから、ひょっとすると「靖國神社不参拝」も、田辺誠あたりからの提案だったのかも知れませんが、兎も角も、靖國神社への不参拝や「南京虐殺記念館」の建設は、日中関係を歪ませる物ではありましたが、中共政府が直面していた問題を回避するのに都合の良い物でした。そこで、日本側に「靖國神社」の公式不参拝を要求したのではないか、と思います。

しかし、日本側の靖國神社参拝如何に関わらず、胡耀邦は失脚し、天安門事件は起こりました。だいたい、中共政府が、尖閣沖に大量の船団を送り込んでくるのに、その中共政府を理論的に支える靖國不参拝を日本が続けるのは、おかしな事であると思います。


また、私は、2010年9月に弱腰を曝したので、中国船団に囲まれることになったのではないかとも思っています。中国漁船が海上保安庁に逮捕されたとしても何とかなるのではないか、という誤ったメッセージを中国側に与えてしまったのではないか、と。

ですから、尖閣で、中国公務船が出没しているのであれば、総理は靖國神社に参拝をされるべきであると思います。

中国は国際裁判所の決定さえ無視します。北朝鮮は、世界中を敵に回しても核開発を続けています。フィリピンは米軍が戻ってきて、戦闘が回避されました。そもそも、A級だろうがB級だろうが、英霊を国家元首が弔うのは当然です。それこそ外国に指図される事ではありません。

今頃この様な事を行っても遅いのですが、安倍総理には、靖國神社の秋の例大祭に行かれるべきであると思います。

あと一回続きます。

天皇皇后両陛下の行幸啓

2016年10月13日 02時41分09秒 | 日記
本日、10月12日、茨城県結城市が、ベルギー国メッヘレン市と国際親善姉妹都市盟約を締結(平成8年10月31日)していることから、天皇皇后両陛下が、国賓として御訪日中のベルギー国国王王妃両陛下をご案内されて、結城市市民情報センターに行幸啓されました。

お出迎えは、午前11時20分~午後0時20分頃、
お見送りは、午後1時40分~午後2時40分頃、

「情報センター」は駅前にある建物で、午前9時頃には、駅前のロータリーを囲むようにお出迎えの列ができはじめ、前列に並んだ人々は、シートや椅子・お弁当や水筒持参で待っていました。


だいたい10時頃の駅前の様子です。最前列はシートや椅子に座っています。高齢者や車いすの方も前の方に座っています。


情報センターの前も、お出迎えのでいっぱいです。


反対側です。茨城県警の警察官が、「道路への飛び出しや、高い所からのお出迎えやお見送りはお止め下さい」、と説明しています。


今日始めて知ったのですが、陛下のお車の到着30分前には「A」の張り紙の車が、20分前には「B」と張り紙のある車が、3分前には「3」の張り紙、1分前には「1」の張り紙のある車が走ってきました。


周囲がどよめき、皆一斉に、カメラを取り出し、旗を振り、手を振り出します。


日本で一番格好いいサイドカー登場。サイドカーの運転は難しいそうです。



前のリムジンに、天皇陛下とベルギー国王陛下が、後ろのリムジンに皇后陛下と王妃陛下が乗車しておられました。



木の側にいるのが、お出迎えの橋本茨城県知事です。会場は、拍手と笑顔に包まれています。


ベルギーの報道関係者もバスで乗り付けていて、これが美男美女揃い。市民は快く、インタビューに応じていました。



この後歓迎式典で結城中学校の吹奏楽部の演奏や、お神楽が披露されましたが、私のいるところからは見えませんでした、中学生の披露した曲は「サントワマミー」。ベルギーの歌手サルヴァトール・アダモの曲ですが、それってどうなんだろうと思いました。式典の後、天皇皇后両陛下・国王王妃両陛下は昼食のため、情報センターの中へ。市民の間では、どこの料理屋が御用意したのかの話題で持ちきりです。



御料車。トヨタ・センチュリーロイヤル(たぶん)。ナンバープレートがありません。もの凄く綺麗なリムジンでした。


陛下のお見送りをするために、皆、待っています。鞄の中から、おにぎりや水筒、買ってきたパンを取り出して食事を始める人もちらほら。私服の茨城県警警察官が、「お見送りの時に、車を追いかけたり、何かをお送りしたりしないでください。お出迎えの時のように、上品に、ご協力を大願します。」と注意をして回っています。



お帰りの時間です。楽しい時間は、あっという間に過ぎてしまいます。



皇后陛下とベルギー王妃陛下の服装の素晴らしいこと!










天皇皇后両陛下は、テレビで拝見したままのお姿でした。感激!


乗車される直前、私達はすぐに乗車される物と思って見ていましたが、ベルギー国王王妃両陛下が、車から離れて一番近い市民の所に近づいて来られたので、会場から「わー」っと歓声が上がりました。



天皇陛下が助手席の後ろに、ベルギー国王陛下が運転席の後ろに乗車されるので、ロータリーに立つ市民からは、窓際に天皇陛下のお姿を拝見することができます。と言うわけで、皆、軽く熱狂している状態で、旗を振り、写真を撮り、手を振りお見送りをしました。



「天皇制」という言葉がありますが、それは少し違うと思います。いい年をした大人が、シートや椅子・お弁当持参で参加し、旗を振り写真を撮影する。手を振る。そう言う物は制度ではないと思います。

この後、リムジンは窓を開けて、ゆっくりと私達の前を走り去って行ったのですが、その間、私は日の丸とベルギーの旗を振り、手を振り、大はしゃぎだったので写真はありません。とにかく、見に行くことができて最高でした。

Eugene Ysaye - Sonata no. 2 for Solo Violin (I: "Obsession")

ベルギー国王陛下に披露するなら、アダモではなくてウジェーヌ・イザイが良かった。

東シナ海 噛みつく波濤(九)

2016年10月12日 00時49分15秒 | 日記
・まとめ

*仲裁裁判所の判決に対する中国の態度

7月12日、オランダ・ハーグの国際仲裁裁判所が、南シナ海の大部分に主権が及ぶという中国の主張には法的根拠がないとの判決を下しました。

これにより、ここ数年、中国が資金を注ぎ込み埋め立てし、護岸や桟橋、灯台や飛行場を建設し、盛んに設備を整えていた地域は、満潮時には水没する低潮高地と、単なる岩礁(領土と認められる)とに識別される事になり、孰れも200海里(約370Km、EEZ)の漁業権と海底資源の採掘権は認められない事になりました。

低潮高地(ミスチーフ礁・スービ礁・ヒューズ礁)
岩礁(ジョンソン南礁・ガベン礁・ファイアリークロス礁・クアルテロン礁)

この判決によって、この地域にはフィリピンで5番目に大きなパラワン島がありますが、同島の排他的経済水域(EEZ)が認められることなります。その海域には上記の島礁も含まれますので、過去において、中国がフィリピンに対して行った漁業や鉱物採掘の妨害行為は否定され、未来において中国側の漁業・資源の採掘が制限を受ける事が予想されます。中国は、国際的に恥をかき、経済的な打撃を受けます。

それが解っているので、2013年1月にフィリピンが提訴して以来三年間、中国側は一貫して仲裁に対して“参加せず・受け入れず”の立場を堅持して来ました。更に、2016年5月には、外交部※国境と海洋事務司(边界与海洋事务司)副司長 肖建国(しょうけんこく)が、吉林大学で開かれた国際法学会の席上、「参加せず・受け入れず・承認せず・執行せず」の“四不”の立場を発表して以降、“四不”は中国政府の正式な立場となりました。

※陸地・海洋境界関係の外交政策を立案し、海洋に関する対外工作を指導し調整し、隣国との境界の画定・調査と共同検査等の管理を担当する。境界に関する外交関係の事務及び領土・地図・地名等の外交案件を処理し、海洋の境界・共同開発等の外交折衝に関する工作を担当する部署。

さて、7月12日、オランダ・ ハーグの常設仲裁裁判所から判決が出されると、習近平・李克強は、北京で外国の賓客に接見している時に次の様に強調しました。南シナ海の仲裁案の結果は受け入れる事ができず、南シナ海は古来より中国の領土であり、各国は歴史的事実を尊重するよう希望する、と。しかし、二人は均しく、当事国と交渉して論争を平和的に解決する、と述べました。

一、仲裁の結果は受け入れる事が出来ない。
二、南シナ海は古来より中国の領土である。
三、当事国と交渉して平和的に解決する。

この三つが、中共政府の基本的な姿勢であり目標です。ですから、南シナ海の情況をこの目標に近づけるために、関係国と「領土交渉」をし、同時に、ハーグの判決に対して激昂し民族感情を膨れ上がらせた人民をなだめる事が、次の中共政府の目標となります。


*“内戦の危機”回避

中共政府が最も警戒したのは、平時から不満を抱き仲裁の結果が出て民族感情を膨れ上がらせている人民でした。そこで、仲裁の結果が出ると、中国国内に対して、共産主義青年団の撮影した“南海仲裁,who cares”を始め、裁判を否定し、日・米・フィリピンを非難し、開戦を煽るような情報を流し、人民の感情に沿うよう努めました。

その一方、北京市の緊急対策委員会は緊急通知を発布し、各単位に“戦時状態”に入るよう要求しました。これは、外敵に対するのではなく人民に対する為の物です。また、北京のフィリピン駐華大使館の外には、多数の武警と公安の車が停車して突発的な事故を防ぎ、フィリピン大使館側は、在華フィリピン人に公衆の面前での政治談議は避けるよう促しました。

更に、日本にとっては非常に重要な事ですが、8月初旬から、尖閣諸島に中国公務船と大量の漁船団が押し寄せています。

2015年に発表された国防白書『中国の軍事戦略』によれば、

「米国は引き続きアジア太平洋“リバランス”戦略を推進し、その地域の軍事的存在と軍事同盟を強化している。日本は積極的に戦後体制からの脱却をはかり、大幅に安全保障政策を調整し、国家の発展の方向は地域の国家から高度に注目されている。

箇々の海上の隣国は、中国の領土主権と海洋権益に関わる問題において挑発的行動を取り、不法に“占拠”した中国側の島礁上において軍事的プレゼンスを強めている。幾つかの域外の国家も、南シナ海の物事に極力干渉し、箇々の国家は中国に対して海上上空での接近偵察を高頻度で続けており、海上方面での権利権益を守る闘争は長期的に存在する見込みだ…。」

中国が海洋権益を追求する上で、最も邪魔になるのが米国と、尖閣を領有している日本である事が述べられています。更に、日米と南シナ海が登場するところから、中国の海洋戦略が、南と東とを一揃えとして考えられている事が分かります。


考えてみれば、南シナ海では滑走路や施設の建設も進み、ホテルもできて民間人も出入りしています。判決が出て体面が損なわれたとはいえ、現状を維持できれば、中共にとっては悪い状況ではありません。

仲裁裁判所の判決についても、柳井俊二氏が国際海洋法裁判所の所長だった時代に、仲裁人(5人中4人)を任命した事を口実に、東シナ海の権益確保に乗り出せば、裁判の責任を日本に転嫁し、南シナ海での失敗を挽回する事にもつながります。

中国公務船が尖閣に現れるのは、“内戦の危機”を回避するという意味合いも含まれていると思われます。


*牽制

仲裁の判決が出ると外交部は、「フィリピン共和国の一方的な申請に応じて成立した南シナ海仲裁案の仲裁法廷が、2016年7月12日に出した裁決に関して、中華人民共和国外交部は厳粛に、当該裁決は無効で、拘束力が無く、中国は受け付けず承認しない…。

中国政府は、継続して《国際連合憲章》が認めた国際法と国際関係の基本的準則に従い、国家の主権と領土の完全性から、紛争を平和的に解決するという原則に及ぶまでを尊重し、直接、関係の当事国と、歴史的事実を尊重する基礎に立って、国際法に基づき、話し合いを通して南シナ海の関係の争議を解決し、南シナ海の平和と安定の保護を堅持する。」と宣言しました。

この声明の内容は、基本的に習近平・李克強が述べた内容と変わりはありません。

問題なのは、今年に入って南シナ海で頻繁に起きている米中海軍の対峙と、国防部長 常万全の発言です。

例えば、3月7日、南シナ海に到着した米第7艦隊所属のジョン・ステニスを中心とする空母艦隊が多数の中国軍艦に包囲され、7月5日には、人民解放軍が南シナ海のパラセル諸島周辺で過去最大規模の軍事演習を始め、それに呼応するように、7月6日、原子力空母ロナルド・レーガンを始めとする第7艦隊による警戒監視活動が、南シナ海で実施されました。

更に、8月2日に国防部長 常万全が浙江省で調査研究を行った際、

「海上方面から来る安全保障の脅威を充分に見極め、軍隊・警察・人民の密接な連携を強化し、更に手堅くしっかりと海上方面の動員準備をし、充分に海上での人民戦争の威力を発揮し、断固として国家の主権・安全と発展の利益を守り、断固として領土の完全性と海洋権益を守らねばならない…、海上方面は、国家の安全保障と全体の発展に関わる重要な戦略空間であり、新たな情勢下での海上人民戦争の勝利を、重大な実現課題として真剣に研究探索しなければならない。」、と述べました。

「紛争を平和的に解決する」外交部と、「充分に海上での人民戦争の威力を発揮する」国防部。この、二つの言葉の違いは何なのでしょう。

そもそも、外交部も国防部も国務院(日本の国会に相当)の中の部門の一つです。国務院総理は李克強、国防部長は統帥権を有する国家主席の命令を受けます。この二人が、習近平・李克強の意見を出るはずはありません。

しかも、何清漣氏の分析では、以下の理由により戦闘に至る事はまずありません。

一、国内の矛盾が非常に先鋭化している。
二、軍の改革が現在進行中で、旧指揮系統は既に機能しておらず、新指揮系統はまだ形成されていない。
三、中国海軍の軍事力は遠く米国に及ばず、また、実戦の能力もない。
四、軍の支出が多い上に、軍事の失敗は容易に政治の失敗を導く。
五、国民は域外での戦争にうんざりし、オバマが軍縮を発表しているので、米軍も戦争をする情況ではない。

それを裏付けるように、

7月14日に、「REUTERS」が二つの記事、

『U.S. launches quiet diplomacy to ease South China Sea tensions』
『China vows to protect South China Sea sovereignty, Manila upbeat』

Thu Jul 14, 2016

を発表しました。

ここには、フィリピンの国防長官デルフィン・ロレンザーナ(Delfin Lorenzana)の話しとして、判決の公表以前、彼は米国国防長官のアシュトン・カーターと電話で話しをした際、カーターは彼に、中国側が既に米国に向かって自制を保証した事を確認したので、米国も同様の保証をした、と。ロレンザーナは、カーターがフィリピンにも保証を要求したので、フィリピンも同意を示したと述べた、と報じられています。戦闘はしないという取り引きです。

この話を裏付けるように中国外交部は、7月6日に王毅外相が、米国務長官ケリーの求めに応じて電話会談をしたと発表しました。米国国務院は、ケリーと王毅が電話で会談した事は認めていますが、内容については明らかにしてはいません。しかし、中国外交部によれば、この電話会談でケリーは「中国側が仲裁案で自己の立場を表明する事を理解する。同時に各方面が皆自制を保証する事を期待する。米中双方は、南シナ海の平和と安定を維持する方面で共同の利益を有しており、米国側は、各方面が継続して外交ルートを通して関係の争議を平和的に解決する事を支持する。」、と述べたと発表しています。

では、米中共に戦闘の意思が無いにも関わらず、国防部の強気の発言は何なのでしょう。米フィリピン軍に島礁を奪還される事を危惧しての、強気の発言と軍艦の派遣という事も考えられますが、米中フィリピンが密かに戦闘を否定しているとなれば、現在の所、南シナ海で米中が対峙する目的は、私は、人民に対しては“内戦の危機”の回避。米国とフィリピンに対しては、領土交渉を有利にするための外交の手段、牽制と圧力であり、習近平も承知の上で行われている可能性が高いのではないかと思います。

あと一回続きます。