水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

エンプティからの闘い

2014年10月15日 | 学年だよりなど

  学年だより「エンプティからの闘い」

 だいぶガソリンが減ってるけどまだ大丈夫だろう、もう少しいける、そろそろ給油しないといけないが面倒だから明日にしよう … 、しまったエンプティランプ(給油警告灯)が点きっぱなしだ、でも急いで行かなければならない所がある、途中で給油しようか、やばい、こんな時に限ってガソリンスタンドが見つからない … 、というような経験が、車を運転する多くの人にある。
 ランプが点いた時点で、準備不足とは言えるのだ。
 ただ、物事というのは、そうそう予定どおりにすすんでいくものではない。
 エンプティランプが点くか点かないかぐらいの時点でほどよく給油しようと皆考えている。
 しかし気づくととぎりぎりになっているものだ。
 みんなの中には、高校に入学した時に、よし大学入試ではがんばろう、一矢報いてやろうという気概で高校生活をスタートさせた人もいることだろう。
 しかし、今はどうか。
 こんなはずじゃなかった、もう少し早めにがんばるつもりだった、自分で自分にあてがはずれたと感じている人も正直いると思う。
 人間というのは、通常、そう簡単には変わらない。
 高校入試で頑張りきれなかった人が、3年経ったというだけでガラっと人間性を変えるということあまりない。
 ただし、本質の部分はそんなに変わってはいなくても、気持ちの持ちようや、ちょっとした工夫で、いい方向へ向かっていくことはできる。
 仮に、ガラっと人間性を変えて、ものすごい努力を積んできたとしよう。
 それでも物事が思うように進んでいかないことは多々ある。
 大人になればもっとわかる。仕事では、予定通りにすすんでいく方がむしろまれだ。
 ずっとベストの状態で取り組めることなど、まずない。
 ランプが点いてしまった時はしょうがないのだ。
 予算が足りないとか、期間が短いとか、条件が悪いとか、文句を言ってても始まらない。
 想定していたことは裏切られるし、思わぬトラブルに見舞われる。
 からだをこわすこともあるし、人間関係に悩むこともある。
 予定というのは変わるのが前提で、気づくとどこかでエンプティランプは点いている。
 それでも走らないといけないし、走ってみるとけっこう行ける。
 もっと早く準備すればよかったとか、自分には能力が足りないとか、時間がないとか、先生の教え方が悪いとか言っててもしょうがないのだ。
 ランプが点いた状態で、ひやひやしながらクリアしていくところがまた楽しい。
 すべてが準備万端で、予定調和の人生よりも楽しいかもしれない。
 万が一ほんとにエンストしてしまったところで、命までとられることはない。
 エンプティからがほんとの闘いだ。カラータイマーが鳴ってる今がワクワクタイムだ。

コメント
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