水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

アメリカンユートピア

2021年05月30日 | 演奏会・映画など
~ 「アメリカンユートピア」は、デヴィッド・バーンによるアルバム「アメリカン・ユートピア」が原案の舞台を映画化。2019年秋よりブロードウェイで上演された舞台を再構築し、デヴィッド・バーンと11人のミュージシャンやダンサーたちが舞台に上がる。『ドゥ・ザ・ライト・シング』などのスパイク・リーが監督を務め、デヴィッドと共に製作も手掛け、ラジオDJや音楽評論家などの肩書を持つピーター・バラカンが字幕監修を担当している。~ 


 みなさんご存じですよね、元トーキング・ヘッズのデヴィッド・バーン。
 ちなみに自分は知りませんでした。
 前に予告編を観たときから、公開を心待ちにし、自粛で延期され、やっとはじまったのを観ることができた。
 そのまま中継したものではないが、オープニングからアンコールまでライブが堪能できる。
 今いろんなライブが配信されるようになった。音楽家、役者さん達の苦労には頭が下がる。ただ、やはりパソコンやスマホの画面ではなく、同じ空間で空気の振動を感じたい。
 客席の人々はたんなる傍観者ではなく、一緒にライブを作る存在でもある。
 そういえば、寄席も、配信できるから無観客にするよう都から要請され、結局閉館せざるを得なかった期間があった。寄席に一度でもいったことのある人なら、そんなのが成り立たないことぐらいわかるはずだ。
 ただし、映画館という特殊な空間は、プライベートな画面で感じられないものを感じさせてくれる。
 空気の振動はないけど、客席からは見えないものまで見せてくれるのが大きい。
 そもそも、ブロードウェイでやっているショウを見ようと思ったら、何十万円のお金も必要だ。
 それだけのお金を本当に使ってしまっても悔いは残らないだろうと「キンキーブーツ」を見たときは思ったけど、この「アメリカンユートピア」も同じ感覚だ。
 これを、たった1800円で見ていいのか。
 映画化してくれた関係者にお礼を言いたい。
 そして、部員のみんなにも勧めなければならない。
 市立柏の石田先生が、いろんなエンタメに触れる、観に行く、経験することは、すべて勉強だ、とおっしゃっていた。
 全部初めて聴く楽曲なのに、からだにしみこんでくる気がするのは、曲を聴いているのではなく、歌と踊りと演奏との境界がないパフォーマンスを観ているからだろう。
 これを観ておくのと、そうでないとでは、これからのポップスステージの作り方に大きな差ができると思った。
 観ている途中からいろんなアイディアが生まれてきた。
 原則日曜部活休み期間のおかげで、すばらしい自己研鑽になった。
 もしかしたら、このあまりにもお買い得な体験ゆえか、帰りに寄った東武デパ地下で、とんでもなくお買い得なお惣菜3パック1000円を手に入れることもできた。
 デヴィット・バーンさんの御利益はすごい。
 いや、御利益はお惣菜ではないな。70歳近いデヴィット・バーンさんが、歌い、踊り、ギターを弾く姿はあまりにかっこよく、部活の参考どころか、生き方を啓示してくださった感覚さえもった。
 年上でばりばりファンクな植田薫先生を想起してしまったのも、音楽は違うけど、同じ匂いを感じたからだろう。また薫陶を受ける場をつくれたらいいなと思う。
コメント (5)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 上達力 | トップ | 文武両道 »
最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (F)
2021-05-31 22:21:22
突然のコメントすみません、2012年の卒業生です。
記事内容にはまったく関係なく急に現れて失礼かとは思うのですが、水持先生を思い出すことがあり、ブログを書いておられることを知っていたのでつい来てしまいました。
YouTubeでたまたまオススメに上がってきた「ゆる言語学ラジオ」というチャンネルの『「象は鼻が長い」の謎-日本語学者が100年戦う一大ミステリー #10』という動画が非常におもしろく、このチャンネルの動画を見漁っていたのですが
『「る・らる」はなぜ受身も可能も表せるの?本質は? #14』という動画で、古文の助動詞「る・らる」があるひとつのイメージに結びついている、という説?が紹介されていて、「当時の日本語話者だって皆がまったく違う4つの意味を暗記して共有し、使い分けていたなんてわけはない」というのに、なるほどと頷いたりしました。
この動画を見ているときにパッと頭に浮かんだのが水持先生の古文の授業で、「労たし」がなぜ「かわいらしい」という意味なのか、パッショネイトに説明する先生が鮮明に思い出されて、とても懐かしい気持ちになったのです。
当時の破滅的な勉強意欲のために(先生には言いづらいのですが)古文の成績はふるいませんでしたが、暗記嫌いの自分にも楽しい古文の授業であったことをよく覚えています。
高校時代を突然に思い出し、いてもたってもいられずただただ気持ちをぶつけるだけになってしまい申し訳ありません。お時間のあるときにでも「ゆる言語学ラジオ」を覗いていただけたらとても嬉しいです。
今年も大変な夏になりそうですが、お体に気をつけて過ごしてください。
Unknown (水持)
2021-06-01 08:47:49
Fくん、思い出してくれて、ありがとうございます!
元気ですか?
「ゆる言語学」少し観てみたけど、おもしろいね。
いちおう国語の教員なので、少しは勉強した内容だけど、
今はこんな風にわかりやすく教えてもらえるんだな、これじゃ大学いらなくなるな(笑)と思いました。
つい先日、Fくんとたぶん同じ学年の吹部OBと会う機会がありました。
みんなけっこう「おっさん」になりつつありました。
Fくんもからだに気をつけて!
Unknown (Unknown)
2021-06-07 02:37:53
突然のコメント失礼します。卒業生です。
先日映画館で、「アメリカンユートピア」と「映画大好きポンポさん」のどちらを見ようか迷っている時に、後者を選んでしまったのですが、このブログ見て、公開が終わって後悔する前に「アメリカユートピア」見てみようと思いました。
Unknown (水持)
2021-06-07 13:16:44
コメントありがとうございます!ぜひ観てみてください。私は「映画大好きポンポさん」を新宿か新都心かで観ようと思いました(^_^)
Unknown (水持)
2021-06-13 20:01:34
ポンポさん、ちょーよかった!!

コメントを投稿

演奏会・映画など」カテゴリの最新記事