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Chateau Leoville Barton 1999

2012-12-24 00:00:13 | フランス・ボルドー
Chateau Leoville Barton 1999
Chateau Leoville Barton 1999
レオヴィル=バルトンは、その兄弟にあたるランゴア=バルトンより優れていると一般的には思われている。 2つのシャトーはともにアントニ・バルトンが所有している。ほかの所有者たちと違って、バルトンはブレンドに、 しなやかで肉付きのよいメルロをごくわずかしか使わない(1980年代半ばの植え付けの結果、その割合は20%に 引き上げられたが)一方で、カベルネ・ソーヴィニョンの割合はサン=ジュリアンの村のみならず、メドック全般 においても高い。
レオヴィル=バルトンがランゴア=バルトンでつくられるのは、レオヴィルにはシャトーがない からである。レオヴィル=バルトンの主なブドウ畑はサン=ジュリアン=ベイシュヴェルの町並のすぐ裏手に位置し、 それは西方へと広がり、シャトー・タルボの大きなブドウ畑と交差する。

1970年代には一貫性がなかったが、1980年代および1990年代には連続してすばらしく成功したワインを生み出した。 1985年以来、アントニ・バルトンは、このワインの伝統的なスタイルを変化させるのではなく、より洗練されたもの にした。すべての最上級のサン=ジュリアンのワインのなかで、最も良質な価値を提供している。

シャトー・レオヴィル・バルトン [1999]750ml
このヴィンテージらしく通常より酸が弱いため、より外向的な個性が見られる。 色は濃いルビー/紫。ボディは上等で、よりやわらかい、より親しみやすい、 主流派のスタイルをしており、重みやコクはあふれんばかりである。香りも風味も、 西洋杉や、カシス、ミネラル、腐葉土、土が主体となっている。 瓶詰め後は「引き締まるのではないかと思う。 予想される飲み頃は2004~2025年 パーカーポイント88~90
ウメムラより)



シャトー・レオヴィル・バルトン[1999](赤)
アペラシオン(産地) : フランス ボルドー サンジュリアン 公式格付け第2級
ワイン名(ラベル表示) : CHATEAU LEOVILLE BARTON SAINT JULIEN
ヴィンテージ : 750ml

公式格付け2級シャトーが驚きの価格で買えちゃいます!!
格付けシャトーの見直しが行われたら、レオヴィル・カスカーズ、デュクリュ・ボーカイユと共に1級への昇格が話題に出るシャトーです。
『 サンジュリアンのトップ3のひとつ 』に評価されています。
1820年代までラス=カーズ候の広大な領地の一部であったのだから、ポテンシャルの高さも納得のいくところでしょう。
1985年以後、急激に品質向上を成し遂げ、近年、ラスカーズより肉厚でフルーティと高く評価されています。

テイスティング2009年7月PP(WAポイント)91
公開媒体:Wine Journal #0709 (2009-07-31)
レビュアー:Neal Martin 飲み頃:now-2020

Tasted at the 1999 horizontal at Bordeaux Index.
The Leoville-Barton ’99 has a well-defined nose, more restrained and extrovert than the Langoa, with notes of blackberry, wild hedgerow/woodland, Chinese tea and a dash of white pepper. Very good definition. The palate is medium-bodied, sturdy tannins, a little pepper again on the entry with very good structure on the mid-palate.
Quite foursquare and “correct” with an edgy, off-dry, very “Saint Julien” finish. Very fine ? very...English!
Drink now-2020. Tasted June 2009.
かわばた酒店より)



Chateau Leoville Barton
シャトー・レオヴィル・バルトン

メドック格付け1級に最も近い2級格付け!クラスマン最高評価3ツ星★★★!ロバート・パーカー最高評価5ッ星★★★★★生産者で「サンジュリアンの最高級ワインの中でも最上のお値打ち品」と絶賛されています!
サンジュリアン村にある、有名な「レオヴィル3兄弟」の一つ、それがシャトー・レオヴィル・バルトンです。
かつて同じ畑だったレオヴィルが3分割されたのですが、当時の所有者がバルトン家。その名前にちなんでこのシャトー名が付けられました。

ジロンド川を見下ろせる、メドックでも最も美しい場所で作られるワインは、3級シャトー【ランゴア・バルトン】と同じ施設で全く同じ方法で作られているにも関わらず、その品質は遥かに上と評されています。
ワインの製造方法はいたって伝統的で、低温マセレーションなども一切行っていません。統的なスタイルを保ちながら、より洗練されたワインを造る”というのがバルトン風なのです。

ワインは、サンジュリアン村らしい味わいです。
村の位置と同様に、“力強いポイヤックと繊細なマルゴーの中間”といった感じで、強さと繊細さを併せ持っています。
カベルネ・ソーヴィニヨンの比率が高く、タンニンが強いため、若いうちは硬く閉じて内気な印象なのですが、10年、20年と熟成させたものは、グラスからやさしく上品な香りが次々と立ち上ってくるようになっています。

古典的なボルドーの良さを残しながら、より洗練された味わいに仕上がっているレオヴィル・バルトン。官能的な甘味としなやかで長く残る余韻は非常に複雑であり、「スーパーセカンド(1級並みの品質をもつ2級)」の中でも特にコスト・パフォーマンスが高く、「ドングリアーノワイン」オススメのワインです。

ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」
レオヴィル=バルトンは一般的にその兄弟にあたるランゴア・バルトンより優れていると認知されている。いずれもアントニ・バルトンが所有しているが、ほかの所有者たちと違って、バルトンはブレンドに、しなやかで肉付きのよいメルローをごくわずかしか使わない。(1980年代半ばの植付けの結果、その割合は20%に引き上げられたが)一方で、カベルネ・ソーヴィニョンの割合はサン=ジュリアンの村のみならず、メドック全般においても高い。

 レオヴィル・バルトンはランゴア・バルトンでつくられるが、それはレオヴィルにはシャトーがないからである。レオヴィル・バルトンの主なブドウ畑はサン=ジュリアン=ペイシュヴェルの町並みのすぐ裏手から西方へと広がって、シャトー・タルボの大きなブドウ畑と交差している。
 1970年代には一貫性がなかったが、1980年代、1990年代には連続してすばらしく成功したワインを生み出している。1985年以降、アントニ・バルトンは、このワインの伝統的なスタイルを変化させるのではなく、より洗練されたものにした。サン=ジュリアンの最高級ワインの中でも、最上のお値打ち品となっている。

一般的な評価
 1985年以降間違いなくよくなってきているが、その価格は(2000年もの以外)まだ品質の向上に追いついていない。これは朗報である。スーパー・セカンドの中では最もお値打ち品の1つであるものの、ここのワインはタニックで、自分を十分に表現するまでに相当な時間がかかる。サン=ジュリアンで右に出る者のないレオヴィル・ラス・カーズのレベルまで届くことはめったにないが、価格はずっと安い。

平均年間生産量:26万4000本 
セカンド:7万本 
畑 面積:48ha 
平均樹齢:30年 
植樹密度:9,000本 
平均収量:50hl/ha 
育成:発酵とマセレーションは温度調節された200hl入りの木製槽で15~21日間。
熟成は新樽は50%で20ヶ月。清澄も濾過も行う。
ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニョン72%、メルロ20%、カベルネ・フラン8%
所有者:バルトン家

パーカー・ポイント:88+P!シャトー・レオヴィル・バルトン [1999]
Chateau Leoville Barton [1999] 【円高還元】【赤 ワイン】

サン・ジュリアン村の2級格付けシャトー、【レオヴィル3兄弟】の次男坊?
樹齢の高いブドウから、最もサン・ジュリアンらしい、そしてお買い得なワインです。
レオヴィル・バルトンの歴史はメドックでも特に古く、1638年にモン・モワティエによって始められました。
カベルネ・ソーヴィニヨンの比率が大きいスタイルは非常にタニックで、本来の姿が現れるまでにかなり長い時間がかかると言われる古典的なワインです。
近年かなり評価を上げてきているシャトーですが、まだ良心的な価格で非常に人気です。
また、同じ醸造所で同じ品種構成、同じ醸造方法を用いて造られている(違いはテロワールのみ)兄弟ワインのランゴア・バルトンも傑作です!!
熟成するにつれてサン・ジュリアンの上物ワインの特徴である美しい果実味と豊かな風味が溢れてきます。    

●生産国 フランス
●地域 ボルドー地方、メドック地区サンジュリアン村・第2級
●ブドウ品種 カベルネ・ソーヴィニョン72%、メルロ20%、カベルネ・フラン8%
●タイプ 赤・フルボディ・辛口
●内容量 750ml
Dongriano Wineより)



シャトー・レオヴィル・バルトン
            Chateau Leoville Barton  

                             2 級 PP2級         
                             AOC サン・ジュリアン・ベイシュヴェル 

~所有者バルトン家名に由来。レオヴィルは地名。

セカンド    レゼルヴ・ド・レオヴィル・バルトン
             La Reserve de Leoville Barton
             年間生産量7万本

畑 面 積   48ha
年間生産量  26万4千本
隣 接 畑   レオヴィル・ラスカーズ、レオヴィル・ポワフェレ
オーナー    レ・ヴァン・ファン・アントニー・バルトン社
醸造責任者  ラウール氏
作付割合    カベソー80% メルロー15% カベフラ 5%
平均樹齢    35年  
植栽密度    9,000本/ha
収  量    50hl/ha
土 質 等   南向き斜面であり、表土は砂利、層は粘土と石灰質。
         Ch ランゴア・バルトンより砂利が多い。
タ ン ク    木製タンク(200hl)でマロラクティック発酵。
新樽比率    60%
収   穫   140人による手摘。1度目は畑。2度目は醸造所内。
発   酵    30℃から32℃ 15日から21日間
樽 熟 成   20ケ月  
澱 引 き    3ケ月に一度
コラージュ    卵 白
濾   過    す る。
セパージュ
 1994年 カベソー70% メルロー 7% カベフラ20% プティ・ヴェ3%
 2009年 カベソー77% メルロー&カベフラ23%
 2011年 カベソー73% メルロー17% カベフラ10%

特   徴   格別な甘味としなやかさ、長く残る余韻。繊細さとコク。
         カベソーの割合が多く、若いうちは固く閉じて内気。
香   り    甘草、西洋杉、黒トリュフ、カラント、ヴァニラ、タバコ、
         樽香、スパイス

飲み頃が続く期間/ 収穫後10年から30年、
         10年から20年の瓶熟成が必要

 1970年代に品質低下。
 1985年以降復活

評 価 ボルドー第4版より 重要なヴィンテージ

古いヴィンテージ
 アントニ・バルトンの時代になって,過去に比べてはるかに一貫したものとなったのは間違いないのだが、昔のものでもいくつか目を付けておきたい偉大なワインがある。例えば素晴らしい1975年がそうだ(もう十分に熟成しているが、メドックで最も成功したワインの1つだ。90点、最終試飲2000年12月)。1970年もピークを迎えていることが多いのだが、どうやらこれは瓶ごとにばらつきがあるようである。
 1960年代のものでは、夢のように素晴らしい1961年が傑出している(92点、最終試飲1997年9月)。その1961年よりさらに良好なのだが、今となっては新品同様のまま保管されていたマグナム以上の瓶から試飲しないといかに良好なものだったか分かりづらいのが1959年だ(95点、最終試飲1994年10月)。1953年も荘厳なワインである(95点、最終試飲1994年10月)。
もちろん1940年代後半にはいくつかとてつもないワインが造られている。1949年(95点、最終試飲1994年10月)、1948年(96点と言う最高点がついたものの1つだ。最終試飲1994年10月)、そしてもちろん、多分私がこれまでに試飲した最も偉大なレオヴィル・バルトンであろう1945年(98点、最終試飲1994年10月)もそうである。これらのワインは適切に保管されていたら今でも深遠なものだと思う。偉大なヴィンテージのレオヴィル・バルトンはどうやら25年から50年は持ちこたえる能力がある様なのである。

1982年 PP94
 未だにこのヴィンテージでは最も内向的なワインの一つであるレオヴィル・バルトンの1982年は、巨大なエキス分、強いタンニン、いささか大昔風のスタイルが身上で、1940年代後半のいくつかのボルドーを思い出させる。色は未だに濃く、くすんでいるようでさえある。光を通さない濃いルビー/ガーネット色をしている。ワインには甘草、西洋杉、黒トリュフ、甘いカラントの果実の香りがある。2002年には2度のんだが、ティスティング・ノートは最後に飲んだ1997年のものと殆ど同等だった。いかにゆっくりと成長しているかということである。口に含むと並外れたワインだが、未だにいくらかのややざらつく、強いタンニンがある。古典的なサン・ジュリアンで、肉やブラックカラントを思わせ、構造は偉大でびっくりするほど若々しい、精力的な感じもする。最終試飲2002年9月
 予想される飲み頃 現在から2035年  

1983年 PP84?
 1983年の多くのワインと同じく、成長したガーネット色をしていて、いくらか琥珀色も見られる。香りの点では完全に熟成しており、樹皮、甘いブラックチェリーやカラントの果実、マッシュルーム、土の趣が見られる。口に含むと、パラケル兆しが見えており、タンニンと酸が主体となる一方で、果実はどんどん乏しくなっている。フィニッシュは少々干からびていた。最終試飲2002年9月
 予想される飲み頃 2002年まで 

1985年 PP92
 ゴージャスなワインで、華麗な1953年の再来となってもおかしくない。暗いルビー/ガーネット色をしており、目の開いた、複雑な、葡萄の完熟感のあるノーズは甘いレッドカラントやブラックカラント、バニラ、フルーツケーキ、煙草、西洋杉、土を思わせる。ミディアムボディで、格別の甘さがあり、タンニンはやわらかい。しなやかな、とてもよい層を成すフィニッシュで、古典的、中量級のボルドーだ。最終試飲2002年1月
 予想される飲み頃 2010年まで 

1986年 PP91+
 未だに内向的な(欲求不満がたまるほどそうなのである)このワインは、非常に暗いルビー色をしているが、縁にはほのかなピンク色も見られる。香りには単に純粋な果実味が主導権を握っている状態から抜け出し始めている様だ。促してやると、甘い土、トリュフ、ブラックカラント、森の下生え、甘草を思わせるようになるのである。口に含むと、力強い、濃厚なワインで、タンニンは強く、印象的な凝縮感があり、畏怖の念を起させる。ある種古いスタイルの性格をしている。1986年最良のメドックはすごいワインなのだが、魅力がたっぷりと言うものにはならなかった。メドックの多くの兄弟と同じく、このワインも実際に楽しまれる以上に賞賛されているのだが、それでも私は万事丸く収まることを大いに期待している。最終試飲2002年5月
 予想される飲み頃 現在から2030年 

1988年 PP89+
 1988年の他のいくつかのワインと同じく、やや硬い、出し渋りするスタイルが道を譲って、古典的な構造を感じられるワインとなっている。非常に若々しい色をしており(1989年より若い)、深みのある、土っぽい、カシスの果実と混ざり合った樽の香り、燻煙、ミネラル、ほのかなローストしたハーブを思わせる。深みは秀逸で、ミディアムからフルボディ、タンニンはほどほど。非常に若々しい、精力的な感じがする。近づきやすいワインだが、どうやら著名で高価な1989年物よりも長生きする運命の様だ。このヴィンテージの掘り出し物らしい部分もある。最終試飲2001年9月
 予想される飲み頃 現在から2018年 

1989年 PP89
 弟分の1990年には負けている。暗いガーネット色をしており(縁にはいくらか琥珀色も忍び込み始めている)、香りの点ではどうやら十分な飲み頃になっている様なのだが、それも口蓋に触れるまでの話だ。大柄で、スパイシーな、西洋杉のような、スイートチェリーやブラックカラントの果実と並んでいくらか煙草の趣が感じられる、印象的な香りをしているのだが、味わってみるとより狭い体躯の、ミディアムボディのワインになってしまうし、アタックには秀逸な豊かさがあるのだが、その後のフィニッシュにいくらか、やや辛口の、砂っぽいタンニンが見られるようになってしまうのである。こういった出来のワインは大概手遅れにならないよう早めに飲む必要があるものだ。最終試飲2001年9月
 予想される飲み頃 現在から2016年 

1990年 PP94
 未だに内向的で、タニックで、畏怖の念を起させるほどの素質もあるが、幼児期をじわじわと抜け出そうとしている。光を通さないほど濃いガーネット/紫色をしており、甘草、湿った土、甘いブラックカラント、樽の香り、いくらか森の下生えの趣も感じられる。非常にフルボディのワインで、巨大な量のグリセリンや凝縮感を後押しする、いささか印象的なレベルのタンニンがある。この年のワインとしては割と内向的なものの一つだが、丁度幼児期から青年期へと移行し始めたところだ。格別のワインである。最終試飲2001年9月
 予想される飲み頃 現在から2030年 

1994年 PP89?
 印象的で、本格的で、古典的なボルドーだが、少なくとも10年は忘れたままにしておくつもりのコレクター向きのワインだ。十分な素質はあるので、30年ものになるだろう。濃い、くすんだ紫色、閉じた香り、おびただしい風味のコク、強いタンニンが感じられることから、30年前に生産されていた、昔の、妥協のない、筋骨たくましい、超大作のワインが思い出される。もっとも、昔に比べてタンニンは比較的甘くなっている。古典的だが、何としても忍耐が必要だ。最終試飲2001年9月
 予想される飲み頃 現在から2025年 

1995年 PP91
 印象的なワインだ。濃いルビー/紫をしており、オークっぽいノーズには古典的なバニラ、カシス、西洋杉、スパイスの香りもある。濃厚な、ミディアムからフルボディのワインで、1996年物よりタンニンは柔らかいし、より近づきやすくなっているが、口蓋に影響を与えるものはさほど詰め込まれていない。傑出した模範的なサン・ジュリアンである。最終試飲2001年9月
 予想される飲み頃 現在から2025年 

1996年 PP92+
 印象的な1996年は古典だ。内向的ではあるが、濃いルビー/紫色に加えて、あふれんばかりのブラックカラントの果実と絡み合ったスパイシーな、オークやトリュフの様な香りが感じられる。華々しい造りをしており、フルボディで、締りのある構造をしている。筋肉はたっぷりで、凝縮感や純粋さは傑出している。多分長命なワインと判明するだろし(このシャトーの近年最高のヴィンテージはいずれもこの特徴をもっている)、このヴィンテージの掘り出し物らしい部分もあるのだが、忍耐が必要である。最終試飲2001年9月
 予想される飲み頃 現在から2030年 

1997年 PP86
 エレガントな、スパイス箱や西洋杉の様な、オークっぽい、レッドカラントやブラックカラントの香りの風味がある。驚くほどのやわらかさ、ミディアムボディ、
酸は弱く、熟したタンニンを見せる。最終試飲2002年1月
 予想される飲み頃 2008年まで 

1998年 PP91
 光を通さないほど濃い紫色をした、筋肉質な、フルボディの、古典的な造りのサン・ジュリアンは、印象的な凝縮感や、黒系果実の噛みごたえがあり、エキス分の多い風味、鉄、土、スパイシーな木の香りを見せる。口当たりは力強く、30年の寿命もある。純粋で、妥協がなく、伝統的なスタイルをした、正統さや、品格、品質の為に賞賛されるべきワインである。最終試飲2002年3月
 予想される飲み頃 現在から2035年 

1999年 PP88+⇒PP88
 辛口のタンニンと、内向的な、生硬な、筋肉質な、垂れこめる様な性格がレオヴィル・バルトンを特徴づけている。しかしグリップや、ボディ、深みも詰め込まれている。4年から5年はセラーで寝かせて、タンニンが十分に溶け去り、果実味が前面に出てくるのを期待すること。多分20年は持ちこたえるだろうが、いつかバランスのとれたものになるのだろうか。最終試飲2002年3月
 予想される飲み頃 現在から2022年 

2000年 PP96+⇒PP95
 これまでレオヴィル・バルトンで造られたワインとしては間違いなく最も荘厳なものの一つだ。巨獣(ビヒモス)の様に巨大で、おびただしい力強さや構造が見られる。けたはずれの、縁いっぱいまで濃い紫色をした作品だ。何層もの凝縮感のある果実味や、黒鉛、樟脳、湿った土、ジャムにした様なカシスの趣を誇っている。口に含むと、巨大な怪物とさえいえるワインで、畏怖の念を抱くほどのエキス分やコクがあるが、大量のタンニンが、少なくとも10年(ひょっとするとそれ以上)は十分に楽しめる様にさせないだろう。現代における古典だ。正統派のヴァン・ド・ガルトであり、忍耐強い通向きのワインである。最終試飲2003年1月
 予想される飲み頃 2015年から2040年 

2001年 PP92+⇒PP92
 2000年の様なけた外れのレベルにはないが傑出している。若いレオヴィル・バルトンにしては都会的で、近づきやすく、縁いっぱいまで濃いプラム/紫色をしており、古典的なボルドーのアロマは湿った土、クレームドカシス、燻煙、バニラ、煙草を思わせる。ミディアムからフルボディのリッチなワインで、タンニンは強いが良くまとまっており、長い、40秒強のフィニッシュがある。輝かしい作品であり、メドックのスターの一つであると判明するだろう。但し、忍耐が必要である。
 予想される飲み頃 現在から2020年 

2002年 PP90~92⇒PP92
 色は深みのあるルビー/紫色だが、アロマは寡黙なのでグラスから立ち上がるよう促してやる必要がある。驚くほどの量の新樽が感じられるが、これは、このシャトーの樽の使い方を思えば異例な事だ。耐え難いほどタニックな、内向的なワインで、ボディはミディアムからフル。大柄で頑強なタンニンはあるが(おかげで味わうのは困難になっている)、あふれんばかりの深みや、ほれぼれするほどのエキス分が構造の下に埋もれていて、純粋で、コクのあるフィニッシュがある。これまた古典的なレオヴィル・バルトンだから、多分忍耐強い事情通以外は購入しない方が良いだろう。
 予想される飲み頃 現在から2025年 

2003年 PP93~95+PP95
 このヴィンテージのスーパー・スターの一つだ。力強いほど豊かな、筋肉質な
ワインで、縁いっぱいまで濃いプラム/紫色をしており、タンニンのレベルは高く、酸は弱い。インクの様な風味には深遠な深みや口蓋に浸透する力がある。色の濃さや力強さの点では2000年を思い出させるが、2000年より酸は弱いし、肉付きの良い、よりふくよかな口当たりをしている。また、アルコールも心持ち強いと思う。畏怖の念を起させるほど素質があり、このヴィンテージで最も長命なワインの一つとされるだろう。4年から8年はセラーで寝かせる必要がある筈だが、25年から30年は持つ筈である。これまた当主アント二・バルトンの手になる輝かしいワインだ。彼はこの15年ほど、ミダス王のように触れるものをみな黄金に変えているのである。
 予想される飲み頃 現在から2033年 

2004年 PP92<WA #165 Jun 2006>
 このシャトーにおいて非常に成功したヴィンテージである2004年のレオヴィル・バルトンは、濃厚で、光を通さないほどの紫色をしており、肉付きがよく、乾燥ハーブ、新しい鞍革、リコリス、新樽のトースト香、そしてブラックカラントが豊富に香る。ピュアで完熟しており、少々タンニンが乏しい印象があるが、このサイズとパワーのあるワインとしては、めったにプロデュースされない価値あるヴィンテージでもある。このワインを堪能するまでには忍耐が必要であろう。
 予想される飲み頃 2013年から2025年 

2005年 PP94~96〈WA #170 Apr 2007〉
 インクのような青/紫色の2005年は、森の下生え、西洋杉、スパイス箱、ブラックカラントのアロマが現れ、背景にはオークとスモークが香る。がっしりとした凝縮感があり、フルボディ。並外れたピュアさと現代的スタイルの精巧さがあるが、逆に苦しめられるほどのタンニンも存在している。このワインは、19世紀に近い味わいのようだが、同時に純粋で現代的スタイルの精密さも表現されている。熟成した飲み頃をむかえるまでには、まだ何年もの月日と忍耐力が必要である。
 予想される飲み頃 2020年から2060年+ 
 
2006年 PP91+〈WA #170 Apr 2007〉⇒PP91 
 クラシックな造りで、深い紫色のワイン。凄いポテンシャルの高さがある。素晴しい凝縮感で古典的なスタイル、30年以上は熟成できる可能性を秘めている。ほとんどの上質なレオヴィル・バルトンと同様、しばらくは寝かしておくべきだろう。この2006年は8年から10年は熟成させる必要がある。2005年に匹敵するワイン。
 予想される飲み頃 2016年から2035年 

2007年 PP89
2008年 PP92
2009年 PP93
2010年 PP91~93
2011年 PP90~92
  

 レオヴィル・バルトンは一般的にその兄弟にあたるランゴア・バルトンよりはるかに品質が優れていると認知されている。いずれもアント二・バルトンが所有しているが、ほかの所有者たちと違って、バルトンはブレンドに、しなやかで肉付きの良いメルローをごくわずかしか使わない(1980年代半ばの植樹で20%に引き上げられたが)。一方で、カベルネ・ソーヴィニョンの割合はサン・ジュリアンの村のみならず、メドック全般で見ても高い。
 レオヴィル・ヴァルトンはランゴア・バルトンで造られるが、それはレォヴィルにはシャトーが無いからである。レオヴィル・バルトンの主な畑はサン・ジュリアン・ベイシュヴェルの町並みのすぐ裏手から西方へと広がって、シャトー・タルボの大きな畑と交差している。
 1970年代には一貫性が無かったが、1980年代、1990年代には連続して素晴らしく成功したワインを生み出している。1985年以降、アントニ・バルトンは、このワインの伝統的なスタイルを変化させるのではなく、より洗練されたものにした。サン・ジュリアンの最高級ワインの中でも、最上のお値打ち品となっている。

 一般的な評価
 1985年以降間違いなく良くなってきているが、その価格は(2000年もの以外は)まだ品質の向上に追い付いていない。これは朗報である。スーパー・セカンドの中では最もお値打ち品の1つであるものの、ここのワインはタニックで、自分を十分に表現するまでに相当の時間がかかる。サン・ジュリアンで右に出るもののないレオ・ヴィル・ラスカーズのレベルまで届くことはめったにないが、価格はずっと安い。

歴 史
 小川を挟んだ隣村ポイヤックのシャトー・ラトゥールの南の小山上の小区画を、1638年に買い集めたのが干拓者ジャン・ド・モワティエ(後にボルドーの財政部長にもなる。)であり、一帯は「モン・モワティエ」と呼ばれていたようであり、砂利の多い砂丘をジャンはモワティエ山と名付けたとされています。
 葡萄畑の買収は順調に進み、最終的には、現在のシャトー・レオヴィル・ラス・カーズ、シャトー・レオヴィル・ポワフェレ、シャトー・レオヴィル・バルトンを含む広大な土地となったと言われています。因みにレオヴィルは地名です。
 ジャン・ドゥ・モワティエの死亡により娘ジャンヌ・ドゥ・モワティエへと相続されます。
 1722年、彼女は結婚しますが、所有権に関しては、
① レオヴィル領主ブレーズ・アレクサンドル・ドゥ・ガスク取得。
② あくまで、ジャンヌ・ドゥ・モワティエである。
  との2説があるようです。
①説によると、変遷は不明ですが、後期ラス・カーズ・ボーヴォワ侯爵
  他3名の所有へと続きます。
②説によると、彼女が1766年亡くなり、子供を設けていなかった
  ため、遺産は甥や姪達4人に相続されたと言いますが所有者
  名は不明ですが、前記と一致するのでは?
 いずれにせよ、1780年代は、ラス・カーズ(ラス・カーズ候)・ボーヴォワ侯爵と弟2人と、1人の妹の計4人で所有していたようです。

 シャトー・レオヴィル・バルトン
 フランス革命(1789年)になり、畑は国家が没収する事になり4分割されます。しかし4分の1相当の土地がラス・カーズ家所有として認められたようです。このラスカーズ家の畑を相続したのが、マルキ・ド・ラス・カーズです。
 彼は1826年に国への没収を免れた畑を、他国へ移民する際に、(国へと売却とする説もありますが、没収を免れたとする説が妥当かと。)、ヒュー・バルトンに売却し、これがシャトー・レオヴィル・バルトンとなります。

 シャトーレオヴィル・ポワフェレ
 4分割の1区画の畑を取得したのが、ジャンヌ・ダバディで、後に娘が遺贈により取得しますが、ジャン・マリー・ド・ポワフェレ男爵と結婚していた妹に売却します。この葡萄畑がシャトーレオヴィル・ポワフェレとなります。

 レオヴィル・ラス・カーズ
 4分割された2区画を取得したのが、マルキ・ド・ラス・カーズ(ラスカーズ候)の長男であり、ナポレオンの伝記を書き、またナポレオン政権下の元帥であったピエール・ジャン・ドゥ・ラスカーズ(ラス・カーズ候)となります。叔母が所有していた畑を相続したものです。 
 ピエール・ジャン・ドゥ・ラスカーズ(ラス・カーズ候)が取得した畑が現在のレオヴィル・ラス・カーズです。
 
 ヒュー・バルトンは、1821年には、シャトー・ポンテ・カネ、シャトー・ランゴア・バルトンを所有していたM・ポンテからシャトー・ランゴア・バルトンを取得していましたので、シャトー・レオヴィル・バルトンも所有する事となります。

 その後、次世代が相次いでシャトーを相続し、1902年ロンドン生まれのロナルドは1927年相続し、フランスでの事業を大きく発展させ、1つ目の戦争を乗り越えますが、2つ目戦争になると1940年に国外脱出を図ります。
 当時シャトーは、友人であったダニエル・ゲスティエとともにバルトン・アンド・ゲスティエ社(歴史は古く1722年、トーマス・バルトンがアイルランドからボルドーへ移住し、ワイン卸売商としてバルトン・アンド・ゲスティエ社を創立)を所有としていましたが、第二次世界大戦の影響は大きく、ダニエル・ゲスティエの全株式50%は、1954年にをシーグラムグループが握ります。他方、ロナルド・バルトンの甥であるアントニー・バルトンは1951年フランスに移住し、1967年までアントニーはバルトン・アンド・ゲスティエ社の輸出部長として従事します。
 彼アントニーは1967年、レ・ヴァン・ファン・アントニー・バルトン社を創立し、1983年ロナルド・バルトンが亡くなった後、シャトーを引き継ぎます。彼は娘のリリアンと一緒にバルトンの伝統を守り続けているようです。このように長期にわたり同一家系がシャトーを守り続けるのは大変珍しく、1855年格付け以降、売却されなかったのは他には、シャトー・ムートン・ロートシルトだけです。
            
 ランゴア・バルトンとレオヴィル・バルトン(同一所有者)

 1821年及び1826年に、バルトン家がCh ランゴア・バルトンをポンテから、Chレオヴィル・バルトンをラス・カーズ侯爵から取得して同一オーナーであるため、両者は兄弟シャトーと表現され、両者は醸造も同一、作付割合もほぼ同一であり、異なるのはテロワールのみです。
 どちらの畑も、表土に砂利があり下層に粘土、という構成ですが、レオヴィル・バルトン(2級)の畑の方がランゴア(3級)に比べてやや砂利が多いようです。
 レオヴィル・バルトンはより濃密でスケールが大きく、ランゴア・バルトンは軽く、タンニンの粗さが目立つそうです。
 レオヴィル・バルトンのエチケットに描かれたシャトーはランゴア・バルトンのものであり(パクリ)、ランゴア・バルトンのエチケットには、バルトン家の紋章と思われるものが描かれています。
ろくでなしチャンのブログより)




(+)かわばた酒店より購入。8800円。