Opus One 2005
(+)実家のワインセラー・新規購入編です。
オーパスワン
(Opus One)
●生産地:アメリカカリフォルニア州ナパバレー
●ブドウ:カベルネソービニオン82%、カベルネフラン8%
メルロー5%
マルベリック4%、プティベルドー1% (年によって比率は異なる)
1.オーパスワン物語
オーパスワンは、カリフォルニアとボルドーのワイン界を代表する二人、ロバート・モンダビワイナリーの創業者ロバート・モンダビ(Robert Mondavi)とシャトームートンロートシルトのオーナー、バロン・フィリップ・ロスチャイルド(Baron Philippine de Rothschild)とのジョイントベンチャー(1979年)で生まれたボルドースタイルのワインです。ラベルには二人の横顔とサインが連なって書かれています。オーパスワン(Opus One)とは、音楽用語で「作品番号1番」の意味で、『一本のワインは交響曲、一杯のグラスワインはメロディのようなものだ』、という考えのバロン・フィリップが命名したものです。二人の頭像が重なりったオーパスワンのラベルをよく見ると、その下にはモンダヴィ、バロン・フィリップのサインが書かれているのがわかります。
この夢のプロジェクトの最初の予算は1,000万ドルから1,300万ドルでしたが、事前の土壌検査で、ワイナリー建設予定地が実は地熱温泉の真上にあり、土壌の温度を約22℃迄押し上げていると言うことがわかりました。 夢をどうしても実現させたかったモンダヴィは800万ドルもかけて土地を密封し、セラーを緩衝材で取り囲んでわざわざ冷やすという方法を取りました。またブドウを自然の重みで圧搾してブドウ果汁(=ワイン原料)とするため、ワイナリーの上方で受けられたブドウがポンプを使用しないで、重力だけで地下のタンクまで流れて行くシステムを作りました。外から見るとこの宇宙船のようなモダンなワイナリーは、ピラミッドのように盛り上がった土手で囲まれたようにも見えます。1991年に最終的にワイナリーが完成した時の初期投資金額は、2,550万ドル(=約27億円)にも達していたそうです。
気の遠くなるような建設費用コストとは別に、オーパスワンはスタートからつまづきました。それは1990年にぶどう畑を襲ったフィロキセラ害虫(注1)問題です。近辺のワイナリーと同様オーパスワンもこの病気のため、殆どのブドウの台木をフィロキセラに強い台木に植え替えられなければならず、完全に植え替えるのに5~7年の年月と3百万ドルの費用を費やしました。しかしモンダヴィは意気軒昂です。「フィロキセラ問題は、我々は運が悪かっただけだよ。本当はワイナリーのコストオーバーの方がずっと辛かった。みんなすごいプレッシャーを感じていたよ。我々は何でもやった。我々の求めるワインを作る為に。そう、金は使った。みんなクレージーだと言ったよ。いずれわかるよ。あと数百年経てば。」 (注2)因みにパートナーのバロンフィリップは、1988年に亡くなりましたが、一人娘のバロネス・フィリップ・ロスチャイルドが後を継ぎ、ムートン社の技術担当者を派遣し、モンダヴィ社の技術者と協力して、オーパスワンの品質向上に情熱を注いでいます。
1979年物と1980年物のオーパスワンが初めて市場に売りに出された時、その価格は$50でした。当時の高級カリフォルニアワインの価格が一本$15から$20であったにもかかわらず、です。この目の玉が飛び出るような値段に、あるワイン批評家は“Opus won!”(オーパスが勝った!:英語の発音はラベルと同じ”オーパスワン”になる)と評しましたが、モンダヴィ社の製造責任者ティム・モンダヴィは、「品質は優れている(Excellent)どころか完璧(Perfect)なのだから」と、当然のように言い放ったと伝えられています。(注3)
宇宙船の様な建物 ぶどう畑 醸造所
(注1)フィロキセラ(Phylloxera)=北アメリカ東部原産のぶどうの寄生虫。1860年代にヨーロッパに拡がりヨーロッパのぶどう畑を壊滅状態にした。1990年代にカリフォルニアでも猛威をふるった。
(注2)Wine Spectator (1995/11/115日号)Jean T. Barrett
(注3)Wine News (オーパスワン20周年特集号) Steve Pitcher
(ワインダインより)
★あたかも円熟したボルドーの超一流ヴィンテージのような
表情豊かで官能的な若き星★
オーパス・ワン 2005年
■オーパス・ワン・ワイナリー■
ロバート・モンダヴィと、ボルドーの故バロン・フィリップ・ド・ロートシルトの合弁事業として「カリフォルニア最高の赤ワイン」を目指し1979年設立されました。
バロン・フィリップは、ボルドー・メドック地区格付け第1級CH.ムートン・ロートシルトのオーナーで1988年の他界後は、娘のバロネス・フィリピーヌ・ド・ロートシルトが引き継いでいます。
ワイナリーの建設には巨費が投じられオークヴィルに広がる56haの畑にはカベルネ・ソーヴィニョンを主としてカベルネ・フランとメルロが密植で栽培され、1979年初ヴィンテージが誕生しました。
ワイン醸造に携わる偉大な両家の哲学とスタイルが融合し二つの文化の極みに達し、他のナパヴァレーのワイナリーとは一線を画すものです。
他のワイナリーで10分間で終える作業を、ここオーパス・ワンでは10時間を費やし、ブドウ栽培から瓶詰めまで最新の注意を払って育まれたワインです。オーパス・ワンの名は、ラテン系の言語でフランス語と英語のどちらでも簡単で覚えやすいことを条件に名づけられました。
名づけの親の故・バロン・フィリップ・ロートシルトは、生前、「私にとって1本のワインは交響曲であり、1杯のグラスワインはメロディーのようなもの。」と語っていたとか・・・。
そして、音楽用語で《作品番号1》を意味する《オーパス・ワン(Op.1)》と命名されたといいます。(・・・詳細&一覧)
※カリフォルニア・ナパヴァレー2005ヴィンテージ情報:
カリフォルニアの2005年は、シーズンの早いスタートと遅い収獲が特徴で、ブドウに長いハング・タイムが課せられたおかげで、適度なアルコールと卓越した風味の凝縮感のあるワインが誕生。
※WA:95+点 / WS:90点 (詳細はこのペ-ジ下方に)
Opus One 2005 / California Red Dry / オーパス ワン 2005
生産地 カリフォルニア州ノース・コースト地方ナパ・ヴァレー地区
AVA オークヴィル
年間生産量 2005ヴィンテージ:22,500ケース(※平均:23,000ケース)
畑面積 42ha
ブドウ品種 2005ヴィンテージ:
カベルネ・ソーヴィニョン88% メルロ5% カベルネ・フラン3%
マルベック1% プティ・ヴェルド3%
(※以上、全てオークヴィルのヴィンヤードから)
収 穫 すべて手摘み
醗 酵 選別台で選果され、小型の除梗機を通し、選別と完全除梗の作業は、発酵タンクのすぐ真上にある中二階で行うことで、果実が自然に重力だけで発酵タンクへ落とす。
醸造工程にはポンプを使ったモストの移動はなく、色素と風味を最大限に抽出するため、アルコール発酵とマセラシオンは、温度調節可能なステンレスタンク28日間(1988ヴィンテージ)実施し、フリーランのワインは樽へ移され、残りの固形物小型のバスケットプレスでおよそ2時間をかけ、ゆっくり緩やかに圧搾し、ステンレス・タンクで醗酵。
熟 成 フレンチ・オークの新樽100%で、18ヶ月間(※1988ヴィンテージ)熟成させ、瓶詰後さらに18ヶ月間の熟成。
諸処理 熟成中に6回の澱引き作業を行い、第1回目の澱引きを終えた段階で、ワインメーカーのティモシー・モンダヴィとパトリック・レオンがテイスティングし、ブレンドの構成を決定し、それから第3回目と4回目の間で新鮮な卵白でゆっくりと清澄処理され、収穫から3年後に出荷。
タイプ 赤のフルボディ
特 徴 ラザフォード・ベンチの安定した気候が長期熟成を可能にし、そのポテンシャルを秘め、ボルドースタイルを追求したウルトラプレミアムなワインで、スマートでありながらもエレガントで複雑な香りと深みのあるコクがあるスタイル。
料理 フランスのボルドー・スタイルのワインには、仔羊のローストやサーモンの赤ワインソースなどのフランス料理とよく合う。
2005
ヴィンテージ
情報
アドヴォケイト・ヴィンテージガイド:90点
WSヴィンテージガイド:88~92点(ナパ)
カリフォルニアの2005年は、シーズンの早いスタートと遅い収獲となりましたが記録的な大収穫が得られ、また、ブドウに長いハング・タイムが課せられたおかげで、適度なアルコールと卓越した風味の凝縮感のある優雅でバランスの良いのあるワインが誕生。
パーカー氏評価(2008.12):95+点
インクのように黒い濃い紫色をして、スミレやクレーム・ド・カシス、炭や春の花々のような桁外れな芳香をひけらかし、豪華絢爛に純粋で、富裕な重量とコク、甘いタンニンと見事な凝縮を兼ね備え、酸度は低く、円熟したタニックな余韻へと続き、それはカリフォルニア産でありながらも、まるで、円熟したボルドーの超一流のヴィンテージようです。ブラボー!
現在(2008年12月)でも楽しめ、この先20~25年以上も楽しむことができます。
予想飲み頃は、2008年から2033年あたり。
スペクテーター誌評価(2008.10):90点
熟れたカランとレッドチェリー、アニス、なめし革、セイジやスパイスの風味と結びついた土っぽい杉、タールとタバコの趣を呈し、力強いタニックな構造の余韻へと続く、目の詰まった若きスターです。
予想飲み頃は2010年から2016年あたり。
ワイナリー’Sコメント:
2005年の春の雨は5月の1ヶ月を通じて頻繁に降り注ぎ、低気温とゆっくりとした成熟の進行具合、そして、11月2日迄の長期にわたった収穫をもたらしました。
また、オーパス・ワンは初期の段階で若さに溢れていながらも非常に表現力豊かな傾向があり、それは2005年のヴィンテージも例外ではありません。
官能的なガーネット、ブルーベリー、バラの花びら、白いトリュフ、甘草とナツメグの香りなどがとても印象的なスタイルで、シルクを思わせるアタックと柔軟でありながらしっかりとした質感と果実味、酸とのバランスも見事で、また、カシス、ブラックオリーブ、木イチゴとダークチョコレートを思わせる長く官能的な余韻を呈し、後世に語り継ぐに十分申し分のない仕上がりの素晴らしいワイン。
(アーベンワインショップより)
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京橋ワインで購入。19500円。ちょっと早まったかな。もう少し安い値段で買えたね。