Don't Let Me Down

日々の雑感、引用。
言葉とイメージと音から喚起されるもの。

“白痴”と“悪魔祓い”

2010-07-02 22:05:19 | 日記


仕事の帰りにわりとひさしぶりに紀伊国屋書店に行き、文庫新刊を見て2冊買った。

★ ル・クレジオ『悪魔祓い』(岩波文庫)
★ ドストエフスキー『白痴 1』(河出文庫)


『悪魔祓い』は、むかし新潮社から出た。
一種の美術書であり(スキラ社“創造の小径”シリーズの一冊の翻訳)、高かった。
買わないでいるうちに消えてしまった。
それが文庫で1200円+税で買えたのである。
めでたいが、岩波書店は、ル・クレジオがノーベル文学賞を取った“から”、岩波文庫に入れたのであろう、とうてい“見識がある”とはいえない。

『白痴』は望月哲男による新訳である。
ぼくはドストエフスキーの代表作をかつて無理して読んだのだが、そのなかではこの『白痴』がいちばん好きだった。
もう何十年も前に読んだ本を読み返すと、いかなる感想があるのだろうか?

今月何冊の文庫の新刊が出るのかしらない。

まちがいなく、この2冊は、それらのなかで、いちばんよい本であろう。

なにしろタイトルだけでも、<白痴>と<悪魔祓い>という、現状にきわめてフィットしたものなのである(笑)