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福岡伸一「できそこないの男たち」

2009-12-13 11:25:31 | 読む
衝撃的なノンフィクションだった!


前半は性別決定のカギを求めて邁進した人の話が淡々と綴られている。
途中、アリマキの章で急転回し、そこから最後まで全速力で駆け抜けた。
本の終盤で著者は加速度について考察しているけど、
その文章そのものが加速度を感じさせる。


前半で印象的だったのは、デルフトで顕微鏡を自作した人の話。
レーウェンフック、という人だったかな。
本業は別にあって、顕微鏡づくりは純粋な趣味。
その自作の顕微鏡で身の回りのいろんなものを見ていたそうな。
フェルメールと同じ年に同じ街で生まれ、生活していた人が
倍率約200倍もの顕微鏡を自分で作っていた。しかも、趣味で!
(デルフトは他にも、国際法の父といわれるグロティウスを輩出している。
 街全体の文化レベルがものすごく高かったのだろうなぁ。)

あとデルフトの街の情景描写も見事だった。
去年の9月に訪れたデルフトを思い出しつつ文章を味わった。
(この街に限らず、福岡伸一の街の描写が大好き。
 行ったことのあるところはもちろん、ないところも
 情景がありありと目に浮かぶ。)


本の欠点を強いてあげるなら、人に勧めにくいタイトル
できる男が勧めるのは絵になるけど、
できない女が勧めるとどうにもこうにも痛々しい(泣)



できそこないの男たち
福岡伸一・著 / 光文社新書




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