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「速水御舟の全貌 ー日本画の破壊と創造ー」展@山種美術館

2016-10-21 22:23:11 | 美術館・博物館


山種美術館の速水御舟展はずっと前から楽しみにしてたので、展覧会初日に行ってきた。
速水御舟を好きになったのはここ数年のことだけど、何度も足を運んでいるので、これが何度目かの再会、という作品がいくつもある。にもかかわらず、どの作品もそれぞれ新鮮な感動をもたらすことが不思議。
(何度聴いても「こんな旋律だったっけ!?」と毎回心を掴まれるベートーベンの曲のようだ)


最初の展示は「鍋島の皿に柘榴」
ザクロのみずみずしいツヤに釘付け。
(この数日後、住宅地を歩いていたらちょうどこれと同じ実がたくさんなっている木を見つけた。まさにこの季節の絵だったのね)


「木蓮(春園麗華)」
墨一色なのに驚くほど鮮烈な印象を受けた絵。


たぶん今回初めて見る「名樹散椿」。胸に迫りくる絵だった。
うまく言えないけど、「絵を見ること」を超えた感覚を覚えた。


この迫力に押されたのか、隣の「翠苔緑芝」はこの日はあまり印象に残っていない。


「桃花」は娘の初節句に描いた絵。この絵も好きで、A4サイズに印刷されたものを買って額に入れてるけど、久しぶりに実際の絵を見ると(当たり前だけど)色の濃さや質感が全然ちがう。あたまのなかの絵(=印刷された絵)の記憶を補正するために、ほんものをじっくり見てきた。


「灰燼」は関東大震災の後に描いた絵で、解説によるとキュビズムの影響がみられるとのこと。こんな絵も描くんだ。


「炎舞」は、この絵のために設計したという小さな展示室で再会。初めてみた時の感覚は今もはっきりと覚えている。好きというよりは畏怖に近い感情で眺めてしまう絵。火の粉が舞う部分はとくに見入ってしまう。


展覧会は12月4日まで。途中で展示替えもあるので、あと1~2回は足を運ぶつもり。




広田松繁を ゆるやかに(1)

2016-10-21 21:21:12 | 美術館・博物館
3か月くらい前、東京国立博物館の展示室を(特別展のついでに)サササと早足で歩いていたとき、ひょうたん形の徳利の前で歩みが止まった。


濃い青、流れるような形、しばし見とれたあと、「広田松繁氏寄贈」という表示に、あ、と思った。

この人の名前は安宅コレクションの定窯のうつわを持っていた古美術商として記憶していたに過ぎなかった、のに、自分の興味をひいたうつわの所有者だったことで俄かに関心が高まった。

その後、安宅コレクションの図録からゆかりのあるものを見つけたり、著書を借りてきて読んだり、創設した骨董屋「壺中居」の場所を調べたりと、ゆるやかに「松繁熱」が高まってきたところ。

集めた画像をいったん整理するために記事にしてみました。


◆東京国立博物館

◇徳利と同じ展示室にあった茶道具など








呉須赤絵


李朝のうつわ


◇東洋館の展示品


粉彩丸文椀(ふんさい まるもん わん)
19世紀前半、清時代に作られたもの。


◆安宅コレクション(図録より)
「広田松繁氏旧蔵」、「広田松繁氏扱い」などと書かれているものを抜粋


定窯のうつわ。11世紀、北宋時代につくられたもの。
広田氏が「三種の神器」と称して秘蔵していたうつわのひとつ。
安宅英一氏がこれを手に入れるまでのエピソードがもう凄まじくて、でもそんなドロドロの執念を軽く超越したところにある清雅で美しい姿とのギャップが堪らない。(エピソードなしでも十分に魅力的だけど、だからこそ見た人を虜にして執念情念を呼び起こすのだろうな)
名品揃いの安宅コレクションの中でも特に好きなうつわ。レプリカでいいから欲しいと心底思う。



釣窯のうつわ。15世紀、明時代のもの。
三種の神器のふたつめ。
実物は写真よりも赤みがかっていたと思う。これも好きなうつわ。



明時代、万暦年間に景徳鎮窯でつくられたもの。
三種の神器のみっつめ。
(これはあまり記憶に残ってない。。)



8世紀中葉、唐時代の婦女俑



8世紀前半、唐時代の騎馬鷹匠俑



13世紀、高麗時代のもの



12世紀、北宋~金時代、定窯
「広田不狐斎氏扱いと考えられる」もの











こうして旧蔵品を並べてみると、たたずまいの美しいものが多いなと思う。