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「佐藤俊介の現在(いま)vol.3 20世紀初頭、花開く三重奏」@さいたま芸術劇場

2017-02-28 23:59:44 | 音楽


2015年から3年連続で開催してきたシリーズの最終回。昨年初めて行って感動したので今年も聴きに行った。
今回はバイオリン、ピアノ、クラリネットの三重奏。室内楽ならではの親密さと演奏のスリリングさが同居する、贅沢な空間を愉しんだ。

演奏されたのはいわゆる現代曲ばかりだったけど、予習の段階から「おもしろい!」と思ったし、実際に演奏を聴いたら更に楽しめた。曲の合間に奏者自身による解説があったのもありがたかった。(楽器の仕組から曲の聴きどころまで、とてもわかりやすく説明してくれた)




【曲目】

ミヨー:ピアノ、ヴァイオリンとクラリネットのための組曲 作品157b
ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ ト長調
ベルク:クラリネットとピアノのための4つの小品 作品5
ハチャトゥリャン:ヴァイオリン、クラリネットとピアノのための三重奏曲 ト短調
ストラヴィンスキー:組曲《兵士の物語》(三重奏版)

【アンコール】
ミヨー:《ヴァイオリン、クラリネットとピアノのための組曲》作品157bより 第4曲 〈序奏と終曲〉の終曲部





ウィーン国立歌劇場「フィガロの結婚」

2016-11-24 23:24:55 | 音楽


感想メモ
・ケルビーノのアリアが始まるとき、霧のようにフワリと立ちのぼる演奏
・第3幕、ウィーンの弦の音!
・ダルカンジェロの不思議な魅力。なにか惹きつけられる
・フェオーラもとても魅力的。ほかの公演でも観て聴いてみたい
・ムーティの譜面と眼鏡。指揮姿に釘付け
・チェンバロの存在感
・演出と舞台装置
・伯爵のアリア、伯爵夫人のアリア
・仕草が笑いを生む。観ていてクスリと笑ってしまう、楽しい場面も随所に。



事前にこの本を読んでいった。
作曲当時の時代背景からボネルの演出の意図まで興味深い考察がたくさん!





グルベローヴァがアリアを歌う@オペラシティ

2016-11-22 22:12:43 | 音楽
11月9日、オペラシティで開催された「エディタ・グルベローヴァ オペラ名曲を歌う ~2つの狂乱の場~」の備忘録。


曲目はすべてオペラの序曲やアリア。そしてアリアの伴奏はプラハ国立歌劇場管弦楽団。かなり期待して行った。

演奏前の音合わせに早くも驚き、思わず隣の人と顔を見合わせた。これ、3日前に聴いたのと同じオーケストラ?! ホールの音響がちがうとこんなにも美しく響くものなのか。艶やかで甘くまろやかな弦の音、終始楽しく聴いた。


オペラの序曲とアリアが交互に演奏されるプログラムなので、グルベローヴァは頻繁に登場し、それぞれのオペラの聴かせどころを次々と歌う。アリアに次ぐアリア、聴衆も熱狂。
こんなにたくさん歌っても、声が枯れるどころか、ますます調子を上げてくるのが不思議。光を帯びて輝く美声に陶然となる。

とくに後半の「清教徒」は特別の体験だった。美しい歌声に美しい伴奏、を超えた、何か神聖なものを聴いている心持ちになった。音楽を聴くときに経験する感動の中でもあの瞬間の感覚は初めてのもので、うまく言葉にすることはできないけど、一生忘れないと思う。


アンコールは2曲も!(聴衆も驚き混じりにどよめいた)
アンコール2曲目はヨハン・シュトラウスのオペレッタ「こうもり」から。ご本人、とても楽しそうに歌い演じてて客席からも何度か笑いが起こった。こんなレパートリーもあるんだ!


楽しくて、素晴らしくて、(一抹のさみしさと)無限の幸福感に包まれた公演でした。




追記。
どの曲の時だったか忘れたけど、演奏が終わって指揮者が指揮棒を下ろしても聴衆が身じろぎせず、その状態から力を抜いて手を完全に下ろしてから聴衆が拍手を始める、ということがあった。こういう人たちと素晴らしい時間をともにできたことをしみじみ幸運に思う。




まだことばにならない

2016-11-17 23:59:39 | 音楽









風もなくよく晴れた静かな昼下がり、青空の下をのんびり歩いていると、ムーティの「フィガロ」の場面や歌声や音楽が次々と思い出されてふたたび幸福感につつまれる。



余韻は今も色濃く体の中に残っていて、ちょうど小林秀雄が「モオツァルト」で描写したような状態。言葉にできないこの感覚をしばらく愉しみたいと思う反面、何かしら言葉に換えて残しておきたい気持ちもあり、悩ましいところ。





プラハ国立歌劇場「ノルマ」

2016-11-09 23:00:40 | 音楽



グルベローヴァが歌う「ノルマ」を初めて聴いたのは13年前の東京文化会館で、このときは演奏会形式だった。歌が素晴らしかったので満足したけど、今回、舞台装置や照明をともなったオペラとして観ると桁違いの満足感があった。歌手に寄りそうオーケストラ、壁と光を効果的に使った演出、どの要素も存分に楽しめた。


演出について。
群衆を演じる歌手ひとりひとりに動きがある(=演技がつけられている)。コンビチュニー演出のタンホイザー(2007年、ドレスデン国立歌劇場の来日公演)を思い出した。壁の動きや照明でさまざまな場面を表現していて、よく考えられた演出だと思う。銅鑼を3回鳴らすところとか、火刑台に向かう場面とか、どう演出するんだろうと楽しみながら観た。
菅尾友さんという日本人の演出家が手がけたらしい。名前、覚えておこう。

歌手について。
アダルジーザ役の気品ある伸びやかな美声、フラヴィオ役の明るくクリアな声が気に入った。
特にアダルジーザとノルマの二重唱は今まで聴いた組み合わせの中で一番好き。

演奏について。
歌手の息づかいに寄り添う演奏。さすがオペラハウスのオーケストラだなぁ!と感心。

そしてグルベローヴァ。
前と同じ美声。オペラが進むにつれて調子を上げてきた印象。特に後半、高音に鼓膜がビリビリ震えた。何度も。



アリアのたびに涙ぐんだり泣いたりしてた気がするけど、もしかしたら今回が本当に最後になるかもしれないグルベローヴァのオペラ、たっぷり堪能しました。