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戸田邦雄「外交官の耳、作曲家の眼」

2017-01-06 07:50:58 | 読む


昨年12月から年明けにかけて読んだ本。
読んだ、というよりは拾い読みに近い状態で、難しい文章(でも表現は平易)には歯が立たなかったけれど、こちらの理解力に応じて新しい視点・示唆を与えてくれる文章もいくつかあった。

たとえば楽住接近について書いた文章。現在の自分の状況や心情に照らして感じるところがあった。
あとは邦楽器と洋楽器の違いについての文章。先日上野の博物館で笛の音色をきいたときに思い出してなるほどと感心した。


どの文章がわからないのか、わかる文章の場合は何をどう理解してどう感じるのか、自分の知識や感性を測る意味でも、1年後とか3年後とか、今後も折にふれて読んでいきたいと思った本です。






吉田秀和「僕のオペラ」

2016-11-18 00:00:04 | 読む

CDなどでオペラの予習をしていたときに、参考になればと思い借りてきた本。




「高揚する情念」という表現がストンと腑に落ちた。
実演の「匂い」があるという描写にも納得。


コンサートやオペラの鑑賞記を超えて、様々な示唆を与えてくれる本でした。






広田不狐斉「骨董裏おもて」

2016-11-01 07:50:15 | 読む



古美術を巡る興味深いエピソードがたくさん散りばめられていて、夢中で読んだ本。
無縁だと思っていた骨董の世界が少し手が届きそうで怖い。


◆メモ
◇鑑識を深めるためには、真物のよいものを現実に見ること。
◇実際に買ってみるのが一番。千円の物を買うときに千円の鑑識が生まれ、一万円のときは一万円だけの鑑識と度胸がつく。家の普請と同じ。自分で家を普請してみれば、それだけの価と苦心を感得できる。
◇瑕はないが「面白くないもの」は買わない。
◇宋代官窯の官哥汝定均五窯
◇小林古径の壺の絵「なでてみたくなる」
◇小林古径の床の間直せば発言






中村紘子「チャイコフスキー・コンクール」ほか3冊

2016-09-07 22:21:05 | 読む


「悪魔の血の一滴」という言葉は中村紘子さんが芸術を語るときに使った言葉で、人の心を惑わす何かが芸術にはある、という文脈で使われている。この言葉を初めて聞いたときはピンとこなかったけど、「妖気」や「狂気」では言い表しきれない何かがそこにはあって、何と絶妙な表現だろうかと今にして思う。

この8月は中村紘子さんの本を図書館で借りてきて、ほぼ同時に読み進めた。
どの本もそれぞれ面白かったけど、中でも「チャイコフスキー・コンクール ピアニストが聴く現代」は突出していた。数年前に読んだ時には感じとれなかった、行間に見え隠れする陰影がひりひりと沁みたのは喪失感ゆえか。

ユーモラスで品があって、あの時代の空気を垣間見せてくれ、私をわくわくさせた名文の数々。この人の文章こそ「血の一滴」を宿したものだったと思う。早すぎる逝去が本当に哀しくて寂しい。




「データで読み解く中国の未来」「中国4.0」

2016-07-29 23:45:24 | 読む


4月~7月に読んだ本。
「データ…」の方は、客観的な統計からこれほどのことを読みとって考察できるのかと驚いた。中国では色々な統計を都市部と農村部に分けてとるというのも衝撃だった。(例えば電化製品の普及率。しかも都市と農村で明らかに違う。まるで別の国みたい)
「4.0」の方は、明快な語り口にどんどん頁が進んだ。
どちらも目から鱗が落ちる記述がたくさんあった。そして今回は同じ時期に2冊並行して読んだので、それぞれの本の中身を複層的に理解できたように思う。