大阪市中央区今橋4丁目、京阪淀屋橋駅から西南に徒歩5分にある会員制社交クラブ「大阪倶楽部」の会館。
会員相互と同伴者の交遊、会食、同好会活動に利用されていますが、会員でなくても会議、講演会、宴会、パーティー等で貸室利用することができます。
というわけで、こちらで開催されたさる宴会に初めて参加、「なんちゃってセレブ」体験をしてきました。

「大阪倶楽部」は1914(大正3)年に創建されましたが、初代の建物は1922(大正11)年に焼失し、この建物は1924(大正13)年に竣工されたものです。
鉄筋コンクリート造り(外壁は化粧煉瓦、テラコッタ)。登録有形文化財。
設計は安井武雄、高麗橋野村ビルディングもこの人の設計です。


西面3階の窓飾りが凝っています。

西側の道路際に並べて嵌め込まれている丸瓦の端のようなテラコッタは何のためのものなんでしょう。

南側正面。


玄関横に立つトーテムポールの上に不思議な鳥が止まっているようです。

玄関の戸を入ると、

すぐ正面に吐水口があります。

一階入った部屋すぐにバーがあるのはさすが会員制クラブらしく、しかも、そこは女性は入ることができないのです!
奥には撞球場、

バーの右手の部屋は囲碁・将棋室です。

らせん階段で二階にあがると、

図書室。

広い談話室。
壁に掛かっているのは、あの大山崎山荘の持ち主加賀正太郎から寄贈された「蘭花譜」。
加賀正太郎も大阪財界人だったので、このクラブの有力メンバーだったのです。

常食堂。
こちらの部屋の壁には小磯良平等の絵が掛けられていました。
こちらで宴会があったので、2階までは潜入できましたが、3階の個室や4階ホールは見ることができませんでした。

談話室入口上部の壁紙。

談話室天井横の装飾。
建物全体としては、旧ローマ風南欧スタイルを取り入れた重厚な感じに仕上げられていますが、細部には東洋・中近東の模様があちらこちらに散りばめられていて、独特の風合いを醸し出していました。
にわかセレブの化けの皮はとうに剥がれ、ウロウロキョロキョロ探訪してしっかり眼の保養をさせていただきました。
なお、建物の見学は毎月第1土曜日に申込み制で行われています。