淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

これこそ恍惚感。「note native」のファーストアルバム「Reflect」はとても美しい。

2008年02月22日 | Weblog
 このCDは渋谷のHMVで偶然見つけた。
 何気なく入ったCDショップで視聴盤が置いてあり、そのジャケットの美しさにしばらく見惚れ、ヘッドホンを付けて聴いてみて一発で惚れた。
 「note native」のファーストアルバム「Reflect」である。

 DJ、リミキサー、選曲家として、クラブ、ラウンジミュージックを中心に活動する田尻知之という人のソロ・プロジェクトだそうである。
 全く知らない。
 第一、クラブなるものに一度も行った事がない。行ってみたいとは思っているけれど、その機会がないのである。

 インターネットで調べたら、『これまで多数のMIX CDやコンピレーションの選曲、監修等を手がけ、90年代後半からDJとしてのキャリアをスタートさせ、渋谷The RoomやLa Fabrique、代官山airを拠点に、都内有名クラブのほとんどでレジデントやGuest出演、また多くの海外アーティスト来訪時の共演としても活躍』しているのだとか・・・。
 
 それから、これも完全に受け売りだけど、『そのスタイルは"new crossover"とも言われ、ハウス/ジャズ/ブレイクビーツ/テクノなど元レコードショップバイヤーならではの幅広いセレクションを自在にクロスさせ、直感と狙いが絶妙に共存された独自のスタイルを確立』しているのだとか・・・。

 確かに、ビートが一定の間隔で刻まれ、テクノっぽい打ち込みが連続的に刻まれてはいる。
 しかし、メロディが美しい。ビートが優しい。ヴォーカルがとろけている。
 CDのキャッチ・コピーを読んだら、「恍惚のメロディ、疾走するビート。 美メロハウス、極まる。」。その通りである。全く正しい。
 ノイジーで、重いビートが続いてゆくだけのダンサブルなテクノ・ハウスっぽいアルバムだと思っているなら、それは違う。

 ピアノとヴォーカルが適度に絡み、疾走感に溢れながらも、美しい旋律に乗ってスタイリッシュに展開する。そう、スタイリッシュ! しかも哀愁がある!

 曲のタイトルもまたいい。曲も勿論素晴らしいけれど。
 「Sweet Flight」、「Love」、「Powdery Snow」、それから「Daisy Love」。

 心が完全に萎えていて、ちょっとしたことでも胸が締め付けられそうになるから、こういう肯定的で優しい音の渦に触れると、キュンとなってしまう。
 それも、夕暮れ時の渋谷である。
 紅梅色に沈む夕陽がビルの硝子窓に反射している。夜を待ち侘びる人たちが、忙しなく街を行き交っている。

 涙が零れそうになった。
 余りのメロディの美しさと、それとは正反対な自分の凍えて縮こまった心と。
 最悪だもんなあ、今の俺・・・。

 「note native」のファーストアルバム「Reflect」は、夜明けが似合う。それから、切ない時間が過ぎてゆく、儚い夕暮れ時・・・。

 今年聴いたアルバムの中で、現在のところナンバーワンである。




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