淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

各映画評論で大絶賛されているジュリアン・シュナーベル監督「潜水服は蝶の夢を見る」を観た。

2008年02月21日 | Weblog
 今日から仕事が再開。
 オフィスに行くのが、苦痛で苦痛で堪らない。憂鬱の極みだ。
 このまま何処かに失踪しようかな・・・。

 朝、外は雪。ツルツルの雪道を歩いていたら、横転して強(したた)か腰を打ってしまった。滑った際、咄嗟に左手を突いたため左手首も痛めた。
 ついてない。今年は最悪だ。いい事が何もない。
 しばらく激痛が続き、未だに腰が痛い。参った。ボクシングが・・・。

 でもまあ、映画「潜水服は蝶の夢を見る」の主人公に比べると、こんなアクシデントは蚊が止まった程度のアホみたいな痛みでしかない。
 ファッション雑誌ELLEの元編集長ジャン=ドミニク・ボビーは、42歳の働き盛りにも関わらず、突然の病に倒れ、身体の自由を奪われてしまったのだから・・・。
 そして彼は、唯一動く左目の瞬きだけを頼りに、一冊の本を仕上げてしまうのである!
 その自伝ベストセラー(日本語翻訳版も発売されています)を映画化し、監督したのが「夜になるまえに」を撮ったジュリアン・シュナーベルだ。

 彼はある日、息子とのドライブ中に突然脳梗塞で倒れ、「ロックト・イン・シンドローム(閉じ込め症候群)」となり、全身が麻痺して自由が全く利かず、まるで重い潜水服を着せられたまま海中を深く沈んでゆくような状態に襲われてしまう。

 意識は鮮明だ。でもそれを他人に伝えることが出来ない。
 彼は深い絶望に襲われ、自殺さえ考えるが、言語療法士や理学療法士らの協力を得て、左目の瞬(まばた)きのみでコミュニケーションをとる方法を会得し、自伝を書こうと決意、女性編集者の代筆で、これまでの帰らぬ日々や思い出を綴ってゆく・・・。

 賞賛の嵐である。
 映画評論家のピーコは、確か、この映画を観た人全ての中で一万人が「面白くない」と言ったら映画評論家を辞めるとまで豪語していたし、ここ数年間の中でナンバーワンだと叫ぶ評論家もたくさんいた。世界の映画賞も総なめ。

 映画は、彼が見る世界、彼が見る視点で観客側に提示する。
 そして、彼の事故に遭う前のアンニュイで甘美な私生活も同時にまた描いてゆく。同時進行に展開する幾つかの恋愛関係、華やかな業界、すべてが満たされた生活・・・。

 観終わって、約20万回の瞬きだけで一冊の自伝を書き上げる、ただそのことだけでも驚愕した。
 身体が潜水服を着ているような重さで、目も左目のみ。全く身動きが出来ず、言葉も一切発する事が出来ない。これは辛いと思う。

 でも、ごめんなさい。
 悪くはない、いい映画だとは思う。思うけれど、余りにも、観る前に、この映画に期待し過ぎてしまった。
 もう観る前から情報過多になってしまい、物凄い期待感に胸が膨らみ、自分で事前に映画を作ってしまっていたのである。

 やはり、先入観なしで観るべきだった。




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