陽だまりの中のなか

前田勉・秋田や詩のことなど思いつくまま、感じたまま・・・。

鈴木いく子BEST詩集『道の途中で』

2022-02-03 | 詩関係・その他

      

 秋田県現代詩人協会会員の鈴木いく子さんが、自選BEST詩集『道の途中で』(自家版)を刊行した。
 鈴木さんは製本作家でもあり、これまで自作詩をまとめながら複数の詩集を手作り出版してきた。
 この度の詩集は1991年から2021年までの既刊詩集などから自選した詩41編とエッセイが収められて
いる。タイトル通り、自選のBEST版。

 30年前、地方紙の詩の投稿欄を見つけ、思うことを書いてみようと思ったことが詩の書き始めだという。
エッセイを読んでいると、詩とのかかわり方、きっかけというのは”運命的”な出会いであったのかも知れないな、
そのように思ったりもした。

 鈴木さんが初めて書いた詩だという「ゴミ箱かあちゃん」

  母ちゃんは持っている
  大きな大きなゴミ箱を
  たまる一家の悩みごと
  暮らしの汚れ物
  何でも拾って集めている

  自分勝手なことを言って
  出かける家族を見送り
  母ちゃんひとり家に残る
  置き去りにしたワガママ
  やり場のないグチフマン
  不機嫌なヒトリゴト
  それらと一緒に
  
  感情のゴミは
  燃えないものばかり多い
  たまりっぱなしの生ごみめ

  イライラする母ちゃん
  あたりちらす母ちゃん
  ナンセンスなん母ちゃん

  そんな汚いもの
  投げ返してやればいい

  なのに
  大切そうに離さず
   何もかも腹に収めて
  家中を駆け回っている
  ゴミ箱母ちゃん

  いつかそんなゴミ箱を
  持てるのかしら  私にも
  とってもステキなものが
  入っていることだって
  あるのかも・・・  

 

発行日  2021年12月16日
著 者  鈴木いく子
発 行  アトリエほっとはあと
定 価  電子書籍Ver(500円又は0円)
     ペーパーバックVer(1,100円) 注文はAmazonから。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 船木俱子詩集『真夏の牡丹雪』 | トップ | 雪灯籠? »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

詩関係・その他」カテゴリの最新記事