陽だまりの中のなか

前田勉・秋田や詩のことなど思いつくまま、感じたまま・・・。

齋藤 貢 詩集『夕焼け売り』 第37回現代詩人賞受賞作

2019-03-27 | 詩関係

 第37回現代詩人賞(219年3月2日。主催日本現代詩人会)に決まった斎藤貢さんの詩集『夕焼け売り』。
 今月上旬に先輩詩人から寄贈されていたのだが、なかなか手に取ることが出来ずにいた。著者の齋藤さんは福島生まれの64歳。地元紙には福島県内の高校の校長を歴任、福島県文学賞詩部門委員を務めていると紹介されている。
 この詩集は東日本大震災と福島第一原発事故によって「無」になった時間、生活、何よりも亡くなった”ひと”への鎮魂と現実を凝視した作品集だ。客観視した位置から”ひとは”、と静かに言い、叫ぶわけでも喚くわけでもない。だからこそ詩句に込められた重さや感情の深さがよく伝わってくる。あぁ、これは”詩”だな。そう思った。剥ぎ取られてしまった後の空虚感。
 亡くなった”あなた”についての連作がある。死の床に横たわる”あなた”への想いが切ない。詩ってこれなんだな、そう思う表現に出会うことが出来た。何回も読み返してみるべき詩集の一つだ。

 

  発行日  2018年10月1日
  発行所  思潮社
  定 価  2,600円+税 

コメント

絵本『月夜には』を出版 船木俱子さん

2019-02-10 | 文学一般

 

 秋田県男鹿市出身の詩人船木俱子さんが、絵本「月夜には」を出版された。
 
1ページ目は表紙絵と同じ絵に「きょう こんなにおおきなおつきさま」と一行書かれている。次のページをめくるとタイトルというこだわり。
 物語は「
あのころ、町には八郎湖という / それはそれはおおきな - / 海のようにおおきな湖がありました。(略)」という情景から始まる。出版間もないことや販売中であることからこれ以上引用は差し控えるが、作者が幼少のころに感じた自然、動物、人間・・・現実を対比させながら心優しい視点を感じさせる世界だ。

 

 発行日:2019年1月5日/発行:俱子オフィス(千葉県浦安市美浜)http://tomokooffice.o.oo7.jp/
 定価:1200円A4変型判上製本

 

コメント (1)

春か?

2019-01-26 | 季節

 今日は九州や四国でも雪が降って交通障害があったとのニュースだったが、秋田は久々の快晴!!。
いつもの散歩経路を一巡してきたら、河川敷では雪遊びしている家族の姿が多くあった。(何十年も前の私もここにいた)

コメント (4)

冬景色・仙北平野の背骨<真昼岳>など

2019-01-14 | 

大仙市大曲から旧千畑町へ向かう真っ直ぐな県道。その先は奥羽山脈・背骨にある真昼岳や薬師岳、白岩岳などなど。この時期、何年も前から相方と二人でこれら雄姿を眺めるために訪れていた。昨日と今日は珍しく晴天。この青空の誘惑には勝てず向かってみたらなんとも言い難い昔のままの山脈が待っていてくれた。


「払田の柵」から望む<真昼岳>


右から<真昼岳><薬師岳><白岩岳>


<真昼岳>


<薬師岳>


<白岩岳>


遠くに望む真っ白く化粧する<秋田駒ヶ岳>

コメント (2)

福司満さんの方言詩

2019-01-09 | 詩関係

秋田さきがけ新聞 2019.1.9付 

 

 今朝の「秋田さきがけ新聞」の「北斗星」に、福司満(ふくし まん・昨年12月25日死去)さんの方言詩に関する記事があった。
 第三詩集『泣ぐなぁ 夕陽コぁ』に収められた「村サ雪降んな」を引用している。せっかくの機会なので次に全文を紹介する。尚、当ブログではルビ振りが無理なので、雰囲気を壊してしまうが括弧書きで代用する。

 

     村サ雪降んな

   奥(おぐ)の本家(おやげ)も
   手前(でわ)の分家(えっこ)も
   何処(ど)サが行(え)てしまテ
   のそのそど
   朝(あさま)から雪(ゆぎ)ばり降ってしゃ

   年寄(としょりこ)ぁ
   土間(にわ)ぁ
   もちゃもちゃど歩(あ)ぐども
   にこっともスねもんだ

   何十年も
   雪ばり見で
   雪山(やま)ばり見で
   そのたんび

   大ぎだ溜息して
   シャブロコ持たまま
   裏口(かぐち)の薦(こも)コぁ潜(もぐ)て行(え)がぁ

   粟福だの米福だの
   あの遠(と)ぎぃ話コも
   薪(たぎもん)コぁぱちぱちど撥(は)つければ
   年寄の瞳(まなぐ)コぁぴくっとスども
   誰(だ)も居(え)ねばなぁ

   息子等(わらしど)ね
   早ぐ戻て来えテ
   叫(さが)ぶもしねぇ
   泣ぐもしねぇ
   ままんで気力(えんか)抜けて
   晩(ばんげ)なれば
   水場(かどこ)の水コぁ
   ちょろちょろど
   落ぢでるばんだ  
  
   のそのそど
   今日も雪降って
   ただ雪ぁ見でるばんだ
   雪ぁ
   あどえらねぇ
   あどえらねぇテ

   春まで雪ぁ降て
   まだ家コ消(ね)ぐなて
   やんでね
   村コのごど
   誰(だ)も
   何も手助(ひ)ねして
   ぼうと立ってるばんだべ   

 

コメント (2)

『詩と思想』誌2018ベスト・コレクション 

2018-12-28 | 詩関係

 『詩と思想』1・2月合併号の<2018ベスト・コレクション>に、同人詩誌『密造者』102号に発表した拙作「あさ霧」が掲載された。本来のタイトルは『あさ霧(2)』で、(2)がつくのが正式なのだが、訳あって・・・まぁ、いいか。セレクトされただけでも有難い、と。
 また、72名の著名詩人へのアンケートでは、秋田関連で言えば船木俱子さん(浦安市住)、北川朱実さん(松阪市住)、福司 満さん、十田撓子さん他の各詩集や作品が評価されていた。

 殊に福司満さんの詩集『友ぁ何処サ行った』について、原子 修氏は次のように大きく評価している。

   現代の日本の原郷を再現しているといえる「方言詩」の価値と今後の可能性は、福司満の『友ぁ
   何処サ行った』(コールサック社)の秋田白神方言詩集(2017年刊)を想起させるものだった。
   「此処サ生ぎで(こごサえぎで)」「急遽ぉ山サ来い(ぐっぐど山サ来い)」などの<根源性>や
        「朝鮮牛(ちょうひんべご)」「熊」「猿」「蝮(くそへび)」などの<野生美>の表現は、これからの
   日本の歩みを決定づけるであろう<縄文精神>のこもった詩群だったのだ。

 が、なんという皮肉なことか。福司満さんは先日、12月25日に他界された。83歳。明日は地元で葬儀が営まれる。先輩詩人の皆さんと参列する。
 福司さんの方言詩の自作朗読を機会あるごとに動画撮影してきたつもりだが、場当たり的であった。1回DVDにまとめて30枚ほどお届けした。県芸術選奨受賞後、関係先へ配布するなどで使っていただいたようだ。計画的に記録していかなければね、と言っていた矢先だった。

コメント (1)

お知らせ

2018-12-25 | その他

 
  当ブログをマークしていただいている皆様へお知らせです。

 私のホームページ『窓枠大の空』は、明年3月末で一旦終了となります。これまで掲載UPしてきたプロバイダーの『Yahoo!JAPAN』から、3月をもって有料無料を問わずサービスを終了するとの連絡がありましたので、この機会に、一旦終了しようかと思い立った次第です。
 気が向いたら、どこかのプロバイダーからまたリニューアル版で公開してみたいと思っていますが、なにせ集中力がなくなってきているわが身、それはあくまでも努力目標として・・・。
 
 因みに3月末で消えてしまうHPのアドレスです。⇒ http://www.geocities.jp/maedaben/
 なお、当ブログ『陽だまりの中のなか』は従来通り継続致します。今後とも宜しくお願い致します。


 (+α)
  掲載した画像はクリスマスカード。それも立体的になるものやメロディーが流れるもの。実はここ4年程前から、病床の妻へ元同僚の方から季節ごとに送られてきたカードのうちのクリスマスバージョンです。ただただお礼を申し上げるしかありません。四季と行事のこうしたカードを寄せていただき、妻は大変喜び、励みとしておりました。
 今春4月、妻は前向きに見事な生き方を私たち家族に示して他界しました。
 もとよりブログは私的な部分の多いものですが、あえてここに元同僚の方に感謝を込めてUPさせて戴きました。

コメント

出版を祝う会開催(秋田県現代詩人協会)

2018-12-02 | 詩関係

 

                             吉田慶子さん    保坂英世さん    齋藤牧雄さん   小林康子さん

 

  12月1日、今年出版された会員を祝う会が秋田市内で開催された。
 今年は10月末までに下記の通り6人の方が出版され、ここ数年では一番多い年となった。祝う会には
このうち4名の方が出席。参集した会員から祝福を受けた。

                                 

      船木俱子さん             吉田慶子さん                       保坂英世さん 
   詩集『男鹿半島』              詩集『七七始終悔い』          詩集『夢幻灯』           詩集『菜時記』 

     

                  

     鈴木いく子さん        齋藤牧雄さん         小林康子さん
 詩集『コーヒーを飲む』  随筆と詩『天空のインカ』     詩集『梟の森』

                                        
                                        (祝う会画像提供 横山仁氏)

コメント (2)

発見! 高木恭造詩集『まるめろ』

2018-11-17 | 詩関係


 

 昨日、いつも行く古書店で高木恭造詩集「まるめろ」に出会った!
 高木恭造(1903年~1987年。青森市生まれ~弘前)と言えばやはり津軽弁による方言詩。私が20代前半の頃、詩の勉強会か何かの催しだったと記憶するが、赤いソノシート(と言ってもすでに死語となっているメディアなので、知っている人は私と同年代かその上の人あたりかな?薄いビニール?製のレコード(これも死語か))から流れてくる高木自身による津軽弁朗読詩は強く印象に残っている。

 もちろん買った。値段は申し訳ないくらいに安かった。その後の予定を変えてすぐ帰宅し、付録としてついているソノシートをプレイヤーにかけてみた。(レコードプレイヤーをまだ持っていること自体も”死語”かな?)残念ながら傷があり針が飛んで同じところで繰り返しになってしまうが、それだっていい味だと一人頷く。奥付には『方言詩集まるめろ 新装版』、昭和48年12月10日初版発行・昭和55年9月10日六刷発行、発行所は津軽書房、定価950円とある。
 『まるめろ』が上梓されたのは1931年(昭和6年)高木が28歳の時。手にしたこの詩集は”新装版”とあるから、その後何回か出されたものなのだろう。(ウィキペディアを見ると棟方志功装幀版とか作者朗読ソノシート付きといったように何回か発行されているようだ)

 何か大きないいことに出会えた気分で、久々に気持ちがいい。読むのはあとでゆっくりと。

 

コメント

「秋田の詩祭2018」終える

2018-10-29 | 詩関係

近江正人氏による講演

十田撓子氏と宮岡秀行氏のアフタートーク

 

 10月27日、秋田県現代詩人協会主催「秋田の詩祭2018」が、あきた文学資料館において開催され、市民や詩の愛好者など65人ほどが午前と午後の講演に聞き入った。

 午前の部は、始めに高校生と大学生、社会人計8名による自作詩の朗読が行われた。ここ数年高校生の参加が増えて活気がある。これは各校文芸部の先生のご理解によるものと、感謝申し上げたい。
 講演は、山形の詩人で劇作家の近江正人氏(日本現代詩人会会員、山形詩人会理事)。『土に叫ぶ 義農松田甚次郎 ~宮沢賢治を生きた人~』と題し、山形の先人松田甚次郎を紹介。
 山形県最上郡生まれの松田甚次郎(1909年~1943年)は、"東北農村のもっとも暗く貧しい昭和初期、戦争と飢餓の時代を郷土愛に燃え、土と農業を心から愛し故郷を明るく楽しいものにしようと、35年の短い生涯を燃焼させて農村の生活改善運動を行った稀有な実践家"であり、また、”当時全く無名だった宮沢賢治の存在を全国に知らしめた”人。(” ”内は近江氏のレジュメから引用)宮沢賢治を「わが恩師」と敬愛し実践する松田と賢治を対比させながらその違いについても言及された。映像を使い分かりやすく説明されたこともあり、初めて知った松田甚次郎の生き方が強くインプットされた。

 午後の部は『詩人の愛、原民喜の詩と』と題し、十田撓子氏(H氏賞受賞詩人、日本現代詩人会、秋田県現代詩人協会各会員)と宮岡秀行氏(映像作家)による詩の朗読と映像の上映、そして参加者と車座になってのアフタートークが行われた。
 上映された映画『夏の花』は、原民喜の短編小説『夏の花』をもとに宮岡氏が監督製作したもの。1945年8月6日、被ばくした広島の街を彷徨する原の行動を、現在の広島の街に追ったイメージ映像。川の水音、街の喧騒、子供たちの声などが広島の情景をただただ静かに映し込む中で響く。広島の街や公園や教会をパンしてゆくだけの映像がここで伝えようとしたのは何か、見る側は何を感じるのか。大きなテーゼでもある。映像の中で詩人野村喜和夫が原の『夏の花』の一節を朗読するタイミングもよかった。アフタートークでは、参加者に対してどのように観たか、感じたかを質問。音の印象を伝える参加者や原爆・戦争に対する考え方を語る人が多かった。が、しかし、原の目線や思考について触れた人は少なかった。(いなかった?)
 
 

コメント