陽だまりの中のなか

前田勉・秋田や詩のことなど思いつくまま、感じたまま・・・。

山形一至さん(元秋田県現代詩人協会会長)ご逝去

2017-08-22 | 詩関係・その他

 永年、秋田県の詩界を牽引してこられた山形一至(やまがた かずよし)さんが、昨夕、他界された。享年83才。
 山形さんは、2009年4月から2015年3月まで秋田県現代詩人協会の会長として私達を力強く牽引され、また、秋田魁新報社の「さきがけ詩壇」では選者として県内の詩の書き手を広く紙面に紹介してこられた。
 穏やかながら正鵠を射た発言。紳士。温厚。濃い眉とぴったり合う眼鏡。カラオケ好き。ロマンティスト・・・・。

 1935年生。「日本海詩人」「密造者」「湊詩人クラブ」各同人。日本現代詩人会、日本詩人クラブ各会員。詩集に「断崖の群」「裸の海」「種子幻影」、随想に「風化しない場所」などの著書。秋田市文化章。

 <葬儀> 
    日時 8月25日(金)11時
    場所 秋田市泉北2-21 「ベルコ シティーホール秋田」

  山形さん、これまでのご指導本当にありがとうございました。お世話になりました。
  合掌。

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矢代レイ第三詩集『川を釣る』

2017-08-17 | 詩関係・その他
  •        

 詩に対して意欲的な秋田の詩の書き手である矢代レイさんが第三詩集を刊行された。
 2013年9月に処女詩集『水の花束』を上梓され、その2年後2015年8月に第二詩集『水を生きる』を、そしてその位置からまた2年を経ての第三詩集である。
 個人誌『ピッタイン・ダウン』に発表された作品を中心に編まれた今詩集は、<矢代レイ>のこれまでとは少し異なった世界を感じることが出来る。

 

『黒』

目の前に
黒い絵がある
男たちが
ぎゅうぎゅう詰めの檻にいれられている
狭い空間には
恐怖

悲しみ
が降りつもっている

                 わたしのなかに囚人がいる
                 堅固な牢に閉じ込められて
                     ふだんは膝を抱え
                 じっと天井を見つめている

頬が痩け
おちくぼんだ眼窩には
無力な男たちの
拒否できない悲運が沈んでいる
背後には
漆黒の闇がうねり上がっている

(以下略)

 

 黒の画家と称された香月泰男の絵『シベリア・シリーズ」に接し、衝撃を受けて書いたと聞く。いいことだ。もっともっとアンテナを拡げて感性を醸し出してほしい。

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