陽だまりの中のなか

前田勉・秋田や詩のことなど思いつくまま、感じたまま・・・。

「秋田の詩祭2020」規模を縮小し開催

2020-11-16 | 詩関係・その他

  

 「秋田の詩祭2020」が11月14日(土)午後、秋田市内で開催された。
 今年度はコロナ禍により総会を紙上開催としたほか、「詩の小径~文学散歩」を中止とした。
こうしたなか、
状況判断のうえ規模を縮小し「詩祭」を開催。併せて、例年総会終了後に行う
「県現代詩人賞」三賞の表彰式を行った。

 次いで「コロナ社会にどう生きる ー 詩人として」をテーマに募集していた詩20作品を、
それぞれ作者が朗読(欠席者の作品は「朗読 声の会」所属の会員が朗読)。コロナとの付き
合い方、家族との絆再確認、職場パワハラ、コロナの独白などなど。
 久々に会った皆さんのマスク笑顔が印象的なひと時であった。               


(画像提供:横山 仁  氏)
                                                       
                                                                               

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見上 司 詩集『野擦の歌』

2020-11-11 | 詩関係・その他

                                         

見上 司さん(秋田県三種町)の第4詩集『野擦の歌』が出版された。
 14行詩、いわゆるソネット形式での55編が収められている。作品は勿論、序文もあとがきも
少年の震える心のように繊細な感性で満ち満ちている詩集だ。
 「もともと題名がなく番号のみを付していた」という作品に題名を付し、三好達治や中原中也、
種田山頭火、萩原朔太郎、ランボオ、井上陽水などの詩行の一部をサブタイトルに添え(最初から
サブタイトルを付していたのかもしれないが・・)、実にうまくマッチングさせている。あとがき
で「寸断された思いや風景、悲しみを、ぼくは書き継いだ、何年も何十年も・・・。心にしまいこ
んだ、心のなかだけの物語。誰も知らない、本当のことはだれ
も知りえない物語だった」と書く
見上さんの世界を読みすすめていると、遠い昔、詩に憧れ多くの詩人たちの詩を夢中になって読んで
いた頃に戻ったような気がした。
 本詩集は、見上さんの本源的な位置、資性を示す詩集となったのではないだろうか。

 

   夏の行方
        ー海が私を待っている。
               ー三好達治ー 

   潟風に 野焼きのけむりがくすぶり流れていった。
   まばゆい空のしたに いまも眠る
   過去の村から陸橋をくぐり、自転車で駈けて
   駈けて駈けて 過去の丘に立っている。
        *
   (もういちど会う日はないか、ああもういちど)
   うすむらさきにけぶる とおい鉄路の果てに
   わたしは見ていた、かぎりない夏のすがたを
   そのゆくえを。
     *
    木々は、まぼろしの少女のように手をさしのべる。
   また木々は 少年のように苛立ち、
   とおくを見つめている、夕暮れに。
               *
   見知らぬ森のなかで
   いまもしずかに 信号機がうごいている、
   誰も知らない。そのことさえもだれも知らない。
   

 

著 者  見上 司(みかみ つかさ)秋田県三種町在住
発行所  砂子屋書房(東京都千代田区内神田)
発行日  2020年10月25日
定 価  2,000円+税

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秋ももうすぐ終わり

2020-11-05 | 季節

     

 昨日、秋田市の大平山(1170㍍)が初冠雪したとのニュース。気付かないまま秋が終わってしまうかもしれない・・・
と独り言をつぶやいた途端、昨年見たイチョウの色鮮やかな情景が無性に見たくなった。
予定を早々と切り上げて彼の地
へ向かってみると、ここ数日の雨と風で葉っぱはだいぶ落ちてい
たが、秋はまだあちらこちらに充分残っていた。
 誰もいない公園、風に押されて転がっていく落ち葉のカサコソとした音・・・しばらく聞き入った。

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