陽だまりの中のなか

前田勉・秋田や詩のことなど思いつくまま、感じたまま・・・。

紫陽花寺 男鹿市北浦の雲昌寺

2016-06-26 | 地域・社会

   

 男鹿市北浦、雲昌寺の紫陽花がすごいらしい。ということで訪ねてみた。
 十数年も前に鎌倉の紫陽花寺へ行ったことがあったが、何となんと鎌倉にまで行かなくとも、この雲昌寺の紫陽花は優るとも劣らない見事なものであった。
 約1,200株の紫陽花はすべて”青”。副住職が15年間かけて造り上げてきたという敷き詰められふんわりとした空間。物憂い心象を表わす色(私の感受した世界でのことだが・・・)の素晴らしさ。紫陽花と言えば、青から桃色系や白系へと移ろう変化からか、花言葉では「うつり気」とか言われているが、斜面から境内一面に至る青さの広がりに浸ると、「実直」とか「清純」がふさわしいと思った。

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詩の小径 開催

2016-06-18 | 詩関係・その他

 

 秋田県現代詩人協会主催の「詩の小径」が本日(6月18日)行われた。
 今年は、秋田港道の駅そばにある劇作家金子洋文と詩人竹内瑛二郎、県立大学そばの佐々木久春氏の詩碑を巡った。
 セリオンタワーでは、山形一至前会長の「港の窓」と題する詩の情景を100mからの展望で実感し、ご本人から作品の背景などをお聞きした。また、金子洋文碑前では吉田慶子副会長が金子洋文とその時代について、竹内瑛二郎詩碑の前では、詩誌「海図」発行人の木内むめ子さんが「海図」創刊者である竹内瑛二郎についてそれぞれ紹介があった。

 詩碑めぐりの後は、緑あふれる「秋田グリーンサムの杜」で詩の朗読など参加者との交流を深めた。会員以外で初めて参加したという方たちのスピーチでは、”すばらしい時間であった”、”また参加したい”といった感想があり、イベント担当の一人としてニンマリ・・・・(^^♪・・・。

   

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初夏を感じる夕刻

2016-06-11 | 季節

       

 6月に入って気温もそれなりに上がり、今日は初夏そのものであった。
 夕刻、家の前の小さな”土の空間”に咲き出している植物たちに目をやり、カメラを持ち出してあれこれアレコレ映してみたりしていたら、褐色の小さな虫が特攻してくるではないか。あぁもうそんな季節か、と思い返す。刺された時の猛烈な痒みが想起されて思わず後ずさりする。
 小さな屋敷の隅っこに今が旬のスグリの実がなっていた。ビー玉のような模様が見えて、今が食し時だ。赤く熟してから食す人もいるらしいが、青臭く?酸っぱい実は今がイイニキマッテイル。棘のある枝の間に手を入れて、クルリンとした青い実を摘まみとると、もう、そこでホッぺタの内側からジュワ~ッと酸味が湧き出して、遠い少年の頃に戻ってしまう。
 幸せな初夏がやってきた。

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保坂英世詩集・保坂若子画集

2016-06-02 | 詩関係・その他

       

 詩を書く夫と絵を描く妻、二人で一冊を編んでいる珍しい作品集だ。
 Ⅱでは、秋田県羽後町生まれの若子氏が描く西馬音内盆踊りの、妖艶な踊り手の姿と記憶が重なる絵。抒情溢れる世界に創り上げている英世氏の言葉による描写。それぞれが重なっているようでもあり、それぞれがそれぞれに位置している独立した世界でもある。

 
 5部構成39編。次の作品はⅢに収められているもの。     

        「茜屋珈琲店」
  硝子を十の字に仕切ったドアから/何とはなしに 歩く人を見ている/時はゆっく
  りと過ぎているのに/この昼下がり/急ぎ足で通る 人 人/その姿が少し歪んで
  見えるのはなぜだろう(略)//
  時代は饒舌な足音を残し 消えてゆく/時代は寡黙のまま どこへ走り去ったか/
  青い空に雲ひとつ/斜めによぎる鳥/漂流する難破船/時代はどこへ走り去ったか
  //人には/ときに暗さが必要だ/それは何億年も前から細胞に組み込まれたも
  の/見たまえ/マスターの黒い服は/落ち着いた色調の店内に溶けこんでいるだ
  ろう/暗闇のなかから目を光らせて時代を読み解く/(以下略)

 
 秋田駅前にある珈琲店。英世氏が書いている「茜屋珈琲店」は現在地へ移転する前の情景なのかは分からないが、こんなに身近な情景を舞台にすることが出来るというのはうらやましい。詩を書く一人として、この「茜屋珈琲店」に身を置いて社会を時代を自分を私は書ける(描ける)のだろうか。ふと、そう思った。この作品に潜んでいる奥行きのある思惟を出す作業は、私には無理かもしれない。

 ”言葉を使うことができる人”がまた一人その形を現した。喜ばしい。

 

 発行日  2016年5月9日
 発行所  書肆えん
 定 価  2,500円+税

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