図書館から顔を出せと連絡が来たし、学部の某主任殿にお願いの儀もあり、夕方からはお稽古ごとの会場手配も必要なので、お昼過ぎに自宅を出ようとしたら、ちょうど姑殿が帰ってみえた。サンドウィッチを下さったので、トマトジュースとともにのみこんで昼食とする。
図書館に出頭する。昨日T氏がみえて、寄贈の品々を届けてくださったよし。その際に、私宛への下されものも預けられているという仕儀で、受け取りに行ったのである。例によってお菓子を持参、そうしたら紅茶を淹れてくださった。いただいていると、博物館長殿が閲覧にお見えで、先日はご無礼いたしましたと、ご挨拶する。ダダイズムの資料を見に来られたよしで、新吉ですか?とお尋ねすれば、そうだとおっしゃる。早々に退散することにいたした。
下されものは赤いナイロン風呂敷に包まれているが、「かはひとすぢ たえずながる(ゝ) ふるさとの たそがればかり さびしきはなし 」の一首が染め抜かれている。内藤策の歌、珍しいもののようだ。研究室に持ち帰って中味を開けると、す、すごい! 何じゃこれ~という資料が、整理されてファイルに納められている。原稿や、書翰、葉書なんぞもある。こんな資料、ほんとうに貰っていいんだろうか?と茫然としていると、ドアを叩く音が…。
教え子のH君がにゅっと顔を出した。この御仁は、彼が16歳の高校生の時分、国語の教師をしていた私が教えたという関係なのだ。1階下の中国語関係の先生の研究室を訪ねたがご不在で、私のところに立ち寄ってみれば、在室していたという仕儀。まあ、お茶でもと、「Cafe GOTO」に誘う。41歳になったそうで、すると教えたのは25年前か。「羅生門」とか教えたらしい。するとコース主任のT教授が入っていらっしゃって、相席になった。いろいろ昔のことがお耳に入っても敵わんから、早々に退散することにする。いやはや、何と申したらよいやら。
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