そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

6月14日(木)お祝いをいただく

2012年06月14日 | 公開

 卒論演習は、教育実習に行っていたメンバーが帰ってきたものの、発表予定者から風邪でダウンとの連絡がきたので、集まったメンバーを引き連れて「Cafe GOTO」へ行く。予約注文がたくさん入ったとのことで、店内やたらケーキの種類が多かった。ゴトーさんと駄洒落の応酬をする。

 博士課程研究指導の前、Iさんが新興古書展で購入した写本をもってきて、目録の書名と中身が違っていたと言う。それで、Uちゃんに譲ることになったそうだ。これは井上宗雄先生旧蔵本であり、『書架解体』を確認すると、たしかに載っている。和歌一字抄の写本に間違いない。それならばUちゃんが専門だ。6万ン千円だったので、10万円くらいで転売すれば?と耳打ちしたけれど、Iさん人がいいから、そういう剛胆なことはできませんと、買い値でそのまま譲っていた。しかるべき礼をせよとUちゃんには圧力をかけておいた。

 さて、K君の学会下発表2回目を聞く。厳しい意見が続出。まだ時間があるから、十二分に検討されたし。K教授やY教授のところへ出稽古に行くのもよろしかろう。続く修士の演習は、先週風邪でお休みのIさんに報告してもらったが、意識的に意地悪な質問を連発した。だいたい、古典文法の基本を踏まえるとどうなるの? 勅撰集に載っているのだからその注釈も見ないとダメだろ!…などなど。この歌については、実は私も短い文章を書いているんだな。というわけで、下調べ十分だから鍛え甲斐があったぞなもし。一部を来週やり直してもらうことにする。博士課程の院生の論文の添削は、やっと仕上げて二人に戻した。

 研究会は教育実習のため休止である。Uちゃんに飯でも食わないかと誘ったが、先約があると断られる。こうなれば一人で飲むしか無いと、「鷹ばん」へ行く。その前にメールボックスを覗いたら、K教授からの校長就任のお祝いの品が入っていた。ありがたく頂戴し、教員組合書記局に立ち寄って9月21日付で組合を脱退する手続きをお願いしてから、「鷹ばん」の暖簾をくぐる。

 カウンター席に座るやいなや、女将さんに「李白」ですねと言われる。郷土の銘酒だからな。鮎の塩焼きと冷製茶碗蒸しをお願いした。焼き茄子も美味しかった。画像はその茶碗蒸し、蓴菜が浮かんでいと涼し。

 「龍神」「繁枡」と3杯いただく。バイトのお兄さんはA学部の1年生なのだそうだ。ガスボンベを蹴っ飛ばして女将に叱られていた。君ねえ、今どきこんなに叱ってもらえるのは幸せなんだよと声を掛けた。知り合いのA学部教授殿が、女子学生を3人連れて入っておいでになる。やあやあとご挨拶して、いいですなあ、私なんぞは、彼女が欲しいと来てみれば、ここはバカ田の街はずれ、男のもてる鷹ばんで、ベッサメムーチョにアイラブユー、ほいきた長さん待ってたと、ぐっと彼女を抱きしめりゃ、とたんにボロボロ籾の殻、枕を抱いていたのです…ですわいと申し上げる。何のこっちゃ? 今日は終日、噺家モードだった。痴楽か? 文学部の教授は面白いねえ。チェックしていただき、帰宅の途につく。

 家でお祝いの包みを開くと、りっぱな南部式小型拳銃が入っていた。ベビーナンブというやつですな。

 将校は拳銃自弁だからな。校長室に飾って、言うことを聞かない生徒を射殺することにいたそう。あな、おそろし。この拳銃、前々から欲しかったのだが、娘に、お父さん絶対に買っちゃダメよと釘をさされていたシロモノである。K教授、ありがとうございました(ロシア文学ご専門のK教授には以前、護身用にトカレフを差し上げたことがあったな)。


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