亡父の命日である。おうた文学会は関西例会が行なわれる日だが、亡くなった時も神戸での例会に参加し、新幹線ホームでこのまま松江へ帰ろうかと迷い、結局東へ向かって帰宅したら訃報が届いていたという仕儀とあいなった。
老母に電話すると、先に送った里芋や、手配した千枚漬は届いており、これからお膳を作ってお供えするとのことであった。
朝食は同居人が作ったが、ナメコのお付けは沸騰させるし、粕漬けの魚は焦がしちゃうし、火にかけたまま洗面所へ行ったりするからだ。だいたい調理に愛情というか、真剣味というものが足りない。何怒ってんのよ?とふくれているが、朝から気分が悪い。
本日は「もものくわい」と学内学会大会の掛け持ちで、9:00前に大学へ到着し案内掲示を貼りまくる。ガマン専任先生と交替で勉強会の講師を務め、来春の打ち合わせなどにも参加した。その間も中抜けして、午前中、おうたの研究発表だけ聴いて質問した。80年代に発表したら絶賛されただろうが、きょうびはもっと重点というか、どこにフォーカスするか、インパクトを置くか、考える必要があるなあとの感想を持つ。しかし、修士1年にしてこのレベルの、しっかりとした発表ができるというのは極めて立派で、筋のよい人だと感心した。そうそう、おうた文学大辞典書籍版が刊行されましたな。
午後は研究発表2本と森朝男先生のご講演を聴く。最後の発表は茶道に関する作品の読解が述べられたので、さきほどまでガマン専任先生とご一緒だったと申し上げながら質問。発表者は茶道を知らず、また、現代の知識から読解してみせたが、近世のコンテクストでしっかり吟味しなければマズかろうて。私の大学院の担当科目をずっと受講してくれた人なので、いきおい教え子として厳しい言い方になった。
総会は議長を務めた元助手W君の要領を得た進行で問題なく終わり、18:00から懇親会が行われた。昨日の発表者から、私にダメ出しされたけれど、2014はちゃんと「にせんじゅうよねん」と読んでます、19…は「いちきゅう…」と読むけど…と抗議?される。おいらのブログなんか読むなよなあ。(笑) まあ、これは主としてウチの研究室の院生諸君向けに書いているようなところがあるので、構わないけれど。助手をやっていた時に副手をしていたHさん(女性)も参加しておいでだった。司会者に、Hさんに喋らせなよと囁いたが、司会者氏が根回しに行くと断られたとか。根回しせずに急に指名すればいいのに。結局、懇親会では発表者以外、スピーチした女性は皆無とあいなったではないか。感心したのは、学部1年生が参加していて、森朝男先生と堂々とお話していることだった。いやはや、頼もしい。お酒飲んでないだろうね?と尋ねると、烏龍茶飲んでますとの返事で、結構、結構。大先輩からの苦言?も飛び出したり、まあ、全体としては実に盛会だったと思う。
帰路、人身事故の影響で電車が止まってしまった。迂回乗車して自宅最寄り駅へ辿りついたら、案の定本線も遅延しつつ動き出していた。だいたいこういう目に遭うと、こうですわな。果物が食べたくなって、スーパーで金柑を買う。一緒に買った千葉産の落花生を、同居人がめっぽうかいに美味いとどんどんお召し上がりになる。まあ、朝の喧嘩の仲直りは、自然、落花生がとりもってくれたという形になりましたわい。
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