そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

2月9日(木)女房悦べ、セガレはお役に立つたぞよ

2012年02月09日 | 公開

 午前中は某作業のため拘束される。キャンパスはもう入試でロックアウトだ。お昼過ぎに研究室へ戻り、捺印を1件。それから事務所へ行って、昨日web上で確定した成績について、訂正2件。いやはや、人間がやることだからね。

 13:00を少し過ぎたので、昼食は「東白庵かりべ」へ行ってみることにする。ちとわかりにくいお店である。椅子だけ妙に洋風で、ンという印象を受けたが、器はどれもこれも南蛮手の技もの、森岡成好の作とのこと。蕎麦味噌を頼めば、焼石の上に載せて供された。お蕎麦も美味しくたぐる。店内がもう少し落ち着けば、言うこと無しだと思いますな。

 15:30から帝大の史編で雑誌発送作業に召集がかかっている。早めに本郷に着いたので、柏林社をのぞくと、女将がおいでだった。古筆切を出していただく。手鑑崩しが少しあった。せっかくなので、額に入れて掛けてある雅俊と、雅縁の巻子の断簡をもらったら、若干割引きにしてくださった。雅俊はエッチな歌である。寝室に飾っておくかな。女房悦べ、セガレがお役に、立った立った。(セクハラ、DVぢゃ!)

 史編へも早く着いたが、時間通りぞろぞろ研究会のメンバーが参集し、あっという間に作業は終わってしまった。雑誌の13号の発送である。12号の編集は私が担当したから、恩返しのお手伝い。宛名書きを担当、ざあさんなどの宛名を書いた。

 今夕は国立劇場へ文楽を観に行くことになっているが。作業早く終わり過ぎである。18:00開場の18:30開演だ。「東大前」から「永田町」まで、十数分しかかからない。まあそれでもと早めに行き、本屋で立ち読みして時間を潰した。マーク・カーランキーの『牡蠣と紐育』を衝動買いする。この原著はニューヨークの本屋で買って読み、いま研究室に投げてある。

  

 国立劇場へも早く着いたが、2階の無料待合所へ入れてもらえたので、寒さがしのげた。第三部はまず、「菅原伝授手習鑑」の「寺入りの段」と「寺子屋の段」。なぜだか観客席には外国人観光客がいっぱい。「寺子屋」なんぞを観たら、日本はなんと無茶苦茶な国だと思われないかな。千代が小太郎と別れるシーンは、結末を知っているだけに哀切だった。「奔走子(ほんそご)」という言葉が出てくる。「蒸し物、煮しめ、わが子に世話を焼き豆腐、粒椎茸の入れたるは、奔走子とこそ見えにけれ」。これは出雲弁の「ほんそご」ではないか!…と隣席の同居人に尋ねれば、あなたの語彙は江戸時代なのよと言われた。いやはや、「ほんそご」が浄瑠璃に出てきましたか。

 休憩時間に脇の売店でアイス最中を買って食っていたら、あら先生!と図書館のN課長に声を掛けられた。先生も文楽観るんですね…ですと。同居人の友人もおいでだったので、紹介されて、春風亭ジョンウンでございますと名乗ったら、あら落語家の方ですの?だと。このね~ちゃんも、少し変な御方ではないかな。まあ、正直落語家みたいな商売だが。

 最後は「日本振袖始」。遣島使のメーリングリストで、八岐大蛇が出るから観るようにと慫慂あった演目である。しかし、「やまたのおろち」が「よまたのおろち」だったのは、いささかもの足りない。「みまたのおろち」ならキングギドラだから、それよりはマシと言うべきか。私にはちょっと、よさが分からなかった。


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4 コメント

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寄武(?)恋ですか  (0社長)
2012-02-11 08:22:47
室町の短冊ですか、仮名が高野切風ですね。

この頃の飛鳥井家は、この頃は蹴鞠も上手なのですよね。
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雅俊 (亭主)
2012-02-11 09:24:04
短冊じゃないですよ~。
懐紙の断簡じゃないでしょうか。
定数歌かもしれません。
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Unknown (0社長)
2012-02-12 12:04:30
三行書きなので、珍しいと思ったのですが、なるほど判りました。 
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歌題は ( 亭主)
2012-02-13 04:10:42
寄花恋です。
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