海杉ブログ 木材を中心に書き残したいことを投稿します

日々、気づいた事、エクステリアウッドのテクニックを書き綴ります。やりたい時、書きたい時だけ、疲れるので笑笑

日向市を世界の木材都市にするために

2016年04月26日 05時03分27秒 | まちづくり・ボランティア
ある本の中に自分で紙に書いた目標をたまたま、見つけて驚くと言う内容の文章をそのまま、思い出した。




木の芽会の総会の案内をいただいた。「ふっ」と15年前の木の芽会の冊子(私が会長だった年)に目をやると・・・・。




びっくりした。







15年前!会長のスローガンは「日向・入郷を世界の木材都市に」だった。まあ!!よくもぬけぬけと(笑)




驚いたのは、会長の所信「日向木の芽会の生き残りを賭けた一年」という文章の内容なのだ。私が書いたのだが・・・・。




要約すると




まず、ビジョンを持つこと。

そのビジョンを多くの人に知ってもらう努力をすること。

そのビジョンが「日向・入郷を世界の木材都市に」だ。




本当にぬけぬけと。




日向市を世界の木材都市にするために




1.木材の循環型システムの構築

全ての耳川の木材を地域一体となって生産できるシステム

2、木材製品の基準作り

「日向ウッドスタンダード」日向・入郷の人たちが独自に持っている木材に関する想いを・・・。

3、木材都市とは

木材を通じての自然環境の拠点、生産拠点、加工拠点、物流拠点、情報発信拠点、技術開発拠点、消費地拠点と全ての拠点を兼ね備えたまち






そんな夢を内田洋行と良品計画は、叶えてくれた。



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屋外木材講座10 根継ぎ

2016年04月24日 08時19分56秒 | 屋外木材講座

屋外木材講座10 根継ぎ



木材は腐ります。昔の人は、腐る木材を腐った部分だけ、切り取って取り替えていました。ある意味高度な技術です。
仕事柄、木材の補修工事の相談を受けます。
写真の家は、建物の一番隅の束で、束自体根元から腐っていました。
束が腐ると建物が傾きます。傾くと当然建具の動きが悪くなります。この建物の建具は、変形して取り付いていました。

人間も同じで、ある箇所の骨が、悪かったとします。当然、その骨をかばうように外の骨が動き出すので、今まで悪くなかったところが、悪くなるのです。



束が腐り建物が傾いて、建具が、動かなくなったと言うことで家主は建具屋さんを呼びます。

建具屋さんは建具の具合だけしか、直せないないので、変形した建具で調整を始めます。私が、この建物の調査をしたときには、建具が、菱形をしていました。



私が、まずはじめに、行ったのは、建物の整骨でした。「矯正」ですね。建物を矯正すると腐った部分は、なくなっているわけですから、当然浮いてきます。浮いた分だけ、腐ってなくなった部分だけ、新しい部材を入れてあげればよいのです。

そこで「根継ぎ」をしていきます。「矯正」の次は、「手術」です。

腐った束を切り取り、新しい束の材を入れます。腐ったところは、建物の隅で風雨に晒されていました。木材としての環境も悪いところです。より耐久性を求めて酸化亜鉛含浸処理(モックル処理)を施した「弥良来杉」で根継ぎをしました。

この建物では、「矯正」「手術」として、屋根瓦の吹き替えまで行いました。


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屋外木材講座9   屋外で木材を使うための実例

2016年04月21日 05時17分20秒 | 屋外木材講座
屋外木材講座9 

屋外で木材を使うための実例


屋外で木材を使うために様々な取り組みをしている実例です。




とある場所のウッドガードレールですね。




木材の需要拡大につながると大いに期待されて、鳴り物入りで、販売されましたが、見るも無残な姿を晒しています。




【写真1】のように新しく更新するのであれば問題は、新規に取り替える予算の問題だけです。


【写真1】


しかし、【写真3】のようにガードレールを手前に新規に設置されては、何のためのものなのか?になってしまいます。

【写真3】




何が、間違いだったのでしょうか?




問題は、いくつもあります。




このような事例が出てしまうと業界を上げての木材の需要拡大活動に支障がでてしまいます。そのことをわかっている業界の方は、「屋外に木材を使うな!」という方もいます。




決して、私は、この製品事例を非難・中傷するものではありません。しかし、屋外で木材を使うのなら、やるべきルール作りが必要なのです。




日本の木材は、JASと言う規格に基づいて生産されます。(全てではないのですが…)日本の基準ですから、その基準を満たしたものは、大丈夫というお墨付きを得たと思うのです。しかし、どうも、そうではないようです。


【写真2】


話は、変わりますが、サボテンは、人間の言葉が、わかるそうです。

毎朝、サボテンさんに優しい言葉をかけながら、水を差すと言葉をかけなかったサボテンとでは、成長が違うと言うのです。




【写真4】のウッドガードレールは、竣工から、14年経過しています。まぁ、仕方のない状況と考えて、橋の欄干部【写真1】は、取り替えたのでしょう。
【写真4】




もう一つ。




法隆寺の宮大工の棟梁の西岡氏の話です。

法隆寺が、何故、1400年も建っていられたか?世界最古の木造建築群として残っているのか?

西岡氏は、法隆寺の宮大工の存在をあげています。宮大工は、町屋の大工工事を請け負わないそうです。法隆寺の近くで自給自足の生活で、毎日、法隆寺に出向くのです。




「サボテン」と「法隆寺」では、かなり、飛躍していますが、木材が、生き物と思えば、理解してくれるのではないでしょうか?




大切な事は、屋外に木材を使用することは、どれだけ愛情をかけるかで、随分と違ってくると考えるのは、私だけの考えでしょうか?


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屋外木材講座8  シロアリ

2016年04月14日 07時43分22秒 | 屋外木材講座
屋外木材講座8  

シロアリ 見分け方

屋外木材講座を書こうと決めてもう8回目となる。早いもので・・・。今回は、シロアについて、「シロアリ」と言っても日本には、数種類生息する。最近「アメリカカンザイシロアリ」という種類のシロアリが見つかったというニュースを見たが、この「アメリカカンザイシロアリ」の話は、後日、書こうと思う。

今回は、日本に多い、イエシロアリとヤマトシロアリについて。

シロアリは、湿気た材を好んで食べる。

通常、住宅に使われる材は、乾燥していることを前提ですので被害は、少ないのですが、湿気た場所や水分が材に着くとシロアリが発生します。

屋外で使用する木材にとって、シロアリは大敵なのです。

はじめにシロアリの見分け方

4月から7月にかけて羽蟻が、動き出します。

この時に、シロアリが見つけやすいのですが、蟻も同じように羽をつけて飛びます。羽蟻ですね。

シロアリだ!と判断する方法は、「胴回り」です。

ヤマトシロアリもイエシロアリも胴回りが、くびれていません。

所謂、「寸胴」です。

羽蟻は、蜂のようにくびれています。

もう一点!!

羽の長さが、シロアリが、同じです。

羽蟻は、前と後ろの羽の長さが、違います。前の羽が長く、後ろは、短く小さいです。

この時期(4月から7月)、シロアリは、動き出しますので、要注意なのですが、シロアリか羽蟻なのかは、見つけたときに判断してください。

窓の外にたくさんいた!!というときは、じっくりみてくださいね。







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屋外木材講座7 ウッドデッキの張り方

2016年04月12日 23時58分36秒 | 屋外木材講座
屋外木材講座7




ウッドデッキの張り方




ウッドデッキを張るときに「木裏」に張るか、「木表」に張るか?

どちらにします?




この論争、結構、人によって違うんです。




私の答えが正しいとは、言えないのですが、私は「木裏」派です。




ではなぜでしょう?




多くの大工さんは、特に日本の大工さんは、「木表」だと思います。




ウッドデッキという概念は、外国仕様なのです。




日本は縁側、縁台、番子でしょうか?木を屋外に晒すと言うことは木を腐らせることを知っていたと思います。




ですから、日本の大工さんは、屋外に木を張るにしても、美しさを第一に考えると思います。屋内の張り方と同じように・・・。




木表に張るときれいです。




木表に張ると節も少なくてすみます。




しかし、木表に張ると反り返りが、板の中心にして「谷」になってしまいます。




雨などの水が、板の上にたまりやすくなるのです。




木裏に張ると反り返りが、板の中央で「山」になるので板に水がたまりにくくなるのです。




木裏が、優れているかというとそうでもないのです。年輪に近いため、材の年輪が切れます。そこは、逆木が起こり、切れやすくなります。杉やヒノキに多いのですが・・・。材をみて、張り分けることができると「この大工さん知っているな!」となるのです。




逆木が起こるくらいなら、木表もありです。




今日、マルウッドさんでリブ加工して、木裏面にスリッドを入れたデッキ材を見せてもらいました。スリッドが、みごとに収縮を緩和して、木表のリブ加工面が、反って「山」になっていました。




これも考え方だと思います。




どうしても、木表を主に張りたいと考えるなら、デッキ面に勾配をつけることも一案です。この場合も、材の長手方向ではなく、短い方向に勾配をつけることをお勧めします。




勾配が、材の長手方向にしかとれない場合は、迷わず「木裏」張りで指示します。




イラストや写真があると分かりやすいのですが、この考えは、「弥良来杉」になるとあまり関係なくなってしますのでまた、別の機会にとっておきます。


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屋外木材講座6  掘立小屋

2016年04月09日 16時27分37秒 | 屋外木材講座
同じ「屋外で木材を使う」と言うことでも、いくつか違いがあります。

露天であるか?否か?

木材を設置する場所が、屋外でも露天と屋根の下では、天と地の差があります。

木造建築では、世界最古と言われている奈良の法隆寺は、瓦の屋根があったから、腐らずに現在でも残っているとも言われています。もちろんそれでけではないのですが・・・。

屋根の下でも、土の中に入れるのであれば、露天とは、違う意味で、条件が悪くなります。

掘立小屋
掘っ立て小屋

粗末な家と言う意味で「掘っ立て小屋」と言われますが、文字通り、穴を掘ってその穴に柱を立てて作る家の事です。

簡易な建築ですが、とても合理的な建物でもあります。

しかし、木材の柱にするとどうしても、土際が、腐り始めます。そこで、束石や礎石などに柱を載せることで、腐らない工夫をするのです。

木造住宅の進化は、木材が腐らないようにするための工夫でもあります。


屋外で使用する木材は、地際には、束石や礎石の上に載せて、土に直接触れさせないと言うことも大切です。

アメリカでは、建築の法律で「建物の柱などを木材を土に直接接触させてはならない」と言うことを聞いたころがあります。

写真の倉庫の柱は、弥良来杉です。



弥良来杉を使って簡易な倉庫などで建てたのですが、まさに「掘っ立て小屋」ですね。


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教育 アクティブラーニング

2016年04月06日 15時10分32秒 | 日々のこと
大きく構えて話すことでもない。

でも、少し考えさせられる。

いま、大学、高校、中学、小学と4人の子供たちが、それぞれの学び舎で、教育を受けている。

教育って何だろう?

学期ごとに通知表や成績表をみる。点数や順位、偏差値など親としてみるが、そう気にするタイプではない。

自分は、そんなに頭が良いほうではないからだ。しれている。

子どもの成績でおかしいなと思うことがあった。

もう昔の話だ。数学の授業の話

子どもに聞くと教科書ではなく、問題集を中心に授業を進めるそうだ。問題集は副読本のような体裁で、問題の前に解説があり、その解説に基づいて先生が授業をするようだ。

そして、問題集の設問を生徒にテストさせ、先生が、答えの分かる人を手を上げさせるそうだ。

うちのこは、わかんなくても、手をあげる。

先生にとって手を上げさせることで分からない生徒を学生をみつける意味があるのだろうけど・・・。

分からない子も手を上げる。

全員が手を上げて先生が指名してその子に答えを言わせる。もしくは、全員で答えを言うそうだ。

先生は、それができると次に問題に進む。

何を言いたいのか?_

当然、分からないところが、そのままになり、問題ができない。

当然だろう。

その学校の数学の成績が、極端に落ちた。誰もが、その先生の名前を口にする。

問題集をみる。とても、丁寧な問題集で優れていると思った。

教育って先生の方針や考え方で、子どもは大きく変わる。できる子、できない子も変わる。それは、仕方がないこと。親としては、諦めるしかなかった。

問題させて、どこが分からないのかを調べた。いくつか、つまづく問題がある。

つまづいた問題から、教科書に戻って理解をしてもらい、再度、同じ問題を解く。

問題が解けたら、問題集の問題を解いてみる。できないときは、教科書に戻って解説をする。

その繰り返しをする。

次の学期は、普通の成績に戻った。

うちのこには、塾とか、家庭教師などいないし、それぞれが、それぞれの能力でやればよいと思う。

このことがあって、数年経っているが、あのときよりも学校の教育の教える力ってレベルが、落ちてきているように思う。

最近、高校の先生(教諭)に講演を頼まれて、簡単な話をさせていただいた。

事前の打ち合わせのときに「最近の教育界でキーワードはなんですか?」とたずねた。

「アクティブラーニングです。知っていますか?」先生。

知っていますよ。私

「え!」

セミナーを受けています。

教育の言葉だけと思っているで、「文科省が、提唱しているんですよ」

「何なんだか?分からないんです。」

言葉だけが先歩きしているそんな感じの会話でした。

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「家の中にお茶室」も可!国産材でつくる組み立て式の本格和室「くみたて2015」

2016年04月06日 12時34分52秒 | 建築関連
未来住まい方会議

とても、丁寧にそして、私たちのコンセプトをきちんと理解して書いていただいています。

どうでしょう。 

ぜひ、フェイスブック見てください。
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屋外木材講座5 土中

2016年04月04日 20時41分52秒 | 屋外木材講座

屋外木材講座5
地際・土中

地際の話をしました。「地際の木材は、通気性を良くしましょう」と…。

「木は、やがて土に還る」

私の話は、この一点にあります。この講座では、モックル処理や他の防腐処理について話す前に昔からある屋外での木材のあり方などを話していきたいと考えています。

地際の話は、通気性を良くするでしたが、これは、水分を木材に触れさせない仕組みを考えて欲しいという事です。
地際ですから、水分が多く、どうしても直ぐに乾かないようにかえって、銅板を木材に巻いていると湿気を帯びることになります。

木は、有機物です。
当たり前の話ですが、有機物は、腐ります。腐る木材を如何に長く腐らせないようにしておくか。

家の中では、木材は、腐りません。なぜか?

有機物である木材は、水分と養分、そして、酸素があれば、腐朽菌が繁殖します。

木材に水分が触れていれば腐りやすくなるのです。

屋外での木材のあり方ですから、地際の次は、土中の話をしましょう。

「土中では、木材の年輪に蓋をします」

掘っ立て柱や鳥居の柱もそうですが、木口を板で塞ぐと耐久性が上がります。

なぜか?

木材の細胞を顕微鏡で見ると冬目と春目があり、春目の方には、ストローを束ねたように見えます。ここから、養分や水分を吸い上げています。木を切断した面は、水分の通り道なのです。

地中の木材は、木口(年輪)から水分が、毛細管現象で入ります。厄介なことにシロアリは、土の中に生息しています。ここ(春目)から、シロアリは、入ってくるのです。

水分、シロアリの侵入を塞ぐことで耐久性を高めていくことになります。

なるべく、水分が、地中の木口に行かないように板を木口に蓋をするのです。板は、勿論、板目です。貼って土中に埋めるとシロアリの予防にもなります。
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屋外木材講座4 地際

2016年04月03日 21時11分24秒 | 屋外木材講座
屋外木材講座4

地際

木材が、屋外で環境的に弱いところは地際・水際なんです。

今回は、土際の処理について話しますね。

木材を使ってデザインや設計したいと尋ねてくる設計やコンサルタントの方が、いつも、お話しになるのが、

「銅板を巻けば・・・」

私の回答は「無駄です」

なぜ?銅板を巻くのか???

草刈機の刃が、柱を切るのを防ぐということが一番もっともらしいですが、銅板の錆である「緑青」が、毒性がある事から、腐食に強くなるという事だと思います。

「それなら!」と銅板で覆う鳥居を見かけますが、中の木材が腐っていてもわからなくて、状態がかなり悪くなっていることがありました。

屋外に設置する木材は、出来るだけ、通気の良いようにしてください。一部だけ銅板などで覆うことは、その部分が、悪くなっていてもわからなくなってしまいます。

屋外に設置する木材は、出来るだけ、通気をして、水分を木材に触れないようにしてください。

最後の方の写真に横した木材が、如何に弱いか、通気を悪くするとこうなってしまいますという事例を掲載します。
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