屋外木材講座5
地際・土中
地際の話をしました。「地際の木材は、通気性を良くしましょう」と…。
「木は、やがて土に還る」
私の話は、この一点にあります。この講座では、モックル処理や他の防腐処理について話す前に昔からある屋外での木材のあり方などを話していきたいと考えています。
地際の話は、通気性を良くするでしたが、これは、水分を木材に触れさせない仕組みを考えて欲しいという事です。
地際ですから、水分が多く、どうしても直ぐに乾かないようにかえって、銅板を木材に巻いていると湿気を帯びることになります。
木は、有機物です。
当たり前の話ですが、有機物は、腐ります。腐る木材を如何に長く腐らせないようにしておくか。
家の中では、木材は、腐りません。なぜか?
有機物である木材は、水分と養分、そして、酸素があれば、腐朽菌が繁殖します。
木材に水分が触れていれば腐りやすくなるのです。
屋外での木材のあり方ですから、地際の次は、土中の話をしましょう。
「土中では、木材の年輪に蓋をします」
掘っ立て柱や鳥居の柱もそうですが、木口を板で塞ぐと耐久性が上がります。
なぜか?
木材の細胞を顕微鏡で見ると冬目と春目があり、春目の方には、ストローを束ねたように見えます。ここから、養分や水分を吸い上げています。木を切断した面は、水分の通り道なのです。
地中の木材は、木口(年輪)から水分が、毛細管現象で入ります。厄介なことにシロアリは、土の中に生息しています。ここ(春目)から、シロアリは、入ってくるのです。
水分、シロアリの侵入を塞ぐことで耐久性を高めていくことになります。
なるべく、水分が、地中の木口に行かないように板を木口に蓋をするのです。板は、勿論、板目です。貼って土中に埋めるとシロアリの予防にもなります。