史跡訪問の日々

幕末維新に関わった有名無名の人生を追って、全国各地の史跡を訪ね歩いています。

八代 日奈久

2017年04月15日 | 熊本県
(日奈久州口)


衝背軍上陸の地

薩軍が熊本城攻城を開始して約一ヶ月後、政府は衝背軍を編成し八代の南方、日奈久洲口から上陸させた。これは、薩摩出身の高島鞆之助陸軍大佐の献策を陸軍卿山県有朋が容れたものであった。

日奈久は古くから温泉町として栄えたが、衝背軍の上陸したのはひっそりした洲口という集落である。海岸線を警戒する薩軍に備えたらしいが、難なく上陸に成功した。日奈久の南、約三㎞である。先発隊は黒木為楨中佐率いる二個大隊と警視隊五百名である。


日奈久洲口

 八代を訪ねたのも二十年振りである。日奈久洲口の衝背軍上陸地を示す碑は、すっかり錆びついてしまって文字が一切読み取れない。


(鳩山)


鳩山

 日奈久洲口に上陸した衝背軍は、鳩山に陣取る薩軍と戦闘となった。鳩山は北上する官軍を迎え撃つには絶好の位置にあり、海上からの砲撃をしのぐにも唯一の場所であった。しかし、官軍の圧倒的な兵力を前に薩軍はあえなく敗走した。

(日奈久温泉)
 日奈久温泉は発見されてから六百年以上の歴史を有する古い温泉である。日奈久温泉観光案内所から港の方に行くと官軍上陸之地を示す立派な石碑がある。
 三月十九日、日奈久南方の洲口に官軍数百の兵が上陸し、その援護のために日奈久に向かって艦砲射撃し、これに前後して数隻のボートにより日奈久港に上陸を敢行した。


官軍上陸之地

(八代屋旅館)
 八代屋旅館は、日奈久地区において最も古い旅館である。官軍が上陸した際の銃弾の痕が、八代屋旅館の二階の柱に残っている。


八代屋旅館


十年戦争の時、軍艦から発射された弾痕

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