史跡訪問の日々

幕末維新に関わった有名無名の人生を追って、全国各地の史跡を訪ね歩いています。

鞍馬口 Ⅲ

2020年01月04日 | 京都府

謹賀新年

 

(薩長同盟所縁之地)

 

                       

薩長同盟所縁之地

 

 地下鉄鞍馬口駅下車してすぐの場所に、平成二十九年(2017)、薩長同盟所縁之地と記した石碑が建てられた。別の側面には、「近衛家別邸 御花畑御屋敷跡」「小松帯刀寓居趾」とある。この石碑の建立と合わせて、一条戻り橋付近にあった石碑は撤去されたそうである。

 この場所はかつて近衛家の別邸御花畑御屋敷があり、幕末には島津家が借り受け、家老小松帯刀の寓居として使用されていた。南北約五十五メートル、東西約百四十メートルという広大な屋敷だったと伝えられている。

 慶応二年(1866)一月、長州から上洛した桂小五郎らはこの地に宿泊し、坂本龍馬立ち合いのもと、小松帯刀、西郷隆盛らと会見して、いわゆる薩長同盟が締結された。

 最近、町田明広先生は薩長同盟という軍事同盟的な呼称ではなく「小松・木戸覚書」に名称を変更することを提唱されている。テレビドラマなどでは薩摩藩の代表は西郷隆盛と決まっているが、実際には家老職にあって、実権を握っている久光の意向を受けた小松帯刀がこの場にいたことが重要な意味を持っている。そういう意味でも「小松・木戸覚書」と称するのは説得力がある。

 

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