東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

むごい教育

2015年03月23日 | 日記

 教育とは「むごい」ものでもある。
 かつて、教育によってお国のために死ぬことを最高の道徳(教育勅語)と教え込まれ、軍国少年・少女として育ち、命を失わさせられた。ヒロシマ、ナガサキで命を落とした子どもたちも・・・
 核兵器廃絶への願いを踏みにじるための施策として「原子力平和利用」が唱えられ、原発PRにも教育が駆り出された。

 東京電力福島第一原発がのある双葉町で、学校の宿題として原発PRの標語が27年前に出された。当時、双葉北小6年だった大沼勇治さんは、「原子力 明るい未来のエネルギー」という標語を提出し優秀賞に輝き、街のシンボルとなる看板になった。
 大沼さんは、原発事故で故郷を追われ、妊娠中の妻と全国各地を転々としなければならなかった。避難生活の中で「原発は明るい未来どころか故郷の町をズタズタにした」と苦しみ脱原発を訴えている。
 その看板を撤去する方針が出されて大沼さんは、「負の遺産として保存し、人間の愚かさを後世に伝えるべきだ」と撤去反対を町や町議会に申し入れた。
 「老朽化して危険」というのが町の撤去理由だが、大沼さんは「周囲に崩壊しそうな公共物がたくさんあるのに、看板だけ撤去するのは間違った過去と向き合わない行為。それだけの金額があれば補強できる。子どもたちにも真実を伝えていきたい」と保存を訴え、署名運動も始める。
 戦争も原子力も過去と向き合わない、そのお先棒を教育が担ぐのだけはごめんだ。