東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

国民をしばる改憲

2013年06月18日 | インポート

 6月6日木曜日、一橋大学名誉教授の山内敏弘さんをお迎えして、東京教組憲法学習会が開かれました。参議院選挙の争点に安倍内閣が「憲法改正」を打ち出していることもあり、7時の開会を待たずに会場は一杯になり、組合員の「憲法改正」に対する意識の高さを感じました。山内さんは安倍内閣が憲法改正でまず96条を取り上げているのは、世論が9条改正には反対論がまだ多いこと。96条の改正なら民主党の一部の議員も取り込め、みんなの党の支持も得られると踏んだからではないかと述べました。そして、改正が主権者である国民の意思を反映することになるという昨今の改憲論者の意見に対して、様々な諸外国の例から、必ずしも日本だけが3分の2の賛成というわけではないこと。天皇を元首化するなど国民主権を形骸化する改憲案を出しながら、国民の意思を尊重するような言い方をするとは国民を欺く28
議論であると明確にのべました。自民党憲法草案の問題点については日本国憲法の基本原理を形骸化する時代逆行的な改憲案であり、憲法が国家権力を縛ることにより国民の人権を保障するという立憲主義の基本をないがしろにするものだということで、いくつかの例をあげて説明しました。特に天皇の元首化や国旗国歌の尊重義務が、国民主権の章でなく天皇の章にあることは、まさにこの憲法の性格を明確にあらわしていると説明しました。そして、人権の大幅な制限と義務規定の導入は、「権利の章典」から「義務の章典」にしているとし、人権軽視の方向が著しいとしました。特に「公の秩序」のためにはというくだりが多く、社会秩序が人権に優先するという大きな問題があると指摘しました。1時間の講演では、本当に短すぎて、山内さんも全部は説明できず心残りのようでしたが、講演後も多くの質問があり、憲法の学習をしっかりふかめられた一日でした。とりあえずは、都議選、参議院選に何としても勝利し、「憲法改正」を踏みとどめましょう。
マツムシソウコバギボウシ