東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

高地戦

2012年11月02日 | インポート
Photo 韓国映画「高地戦」は、同じ民族が殺し合った朝鮮戦争を兵士の立場で描き切った秀作だ。「俺たちは敵と戦っているのではない、戦争と戦っている」や、高地の塹壕で二人だけ生き残り、かつて捕虜になった時「なぜ戦っているか知らないから負ける」と言った共和国の隊長に、なぜ戦っているか聞く韓国兵。『もうずいぶん前で忘れた』『クソ野郎』という会話など戦争の実相が台詞にも生きている。戦争は最悪であり、戦争を遂行する政治家や軍の指導者は、常に人民を見殺しにする事を如実に表現している。偏狭なナショナリズムによりかかる風潮があるなかで、実際に戦争に駆り出される若者に見てほしい映画だ。戦争の真実を今語れるのは韓国映画かもしれない。それだけ過酷な現実を韓国の若者は生きている。硫黄島の戦闘を描いたクリントイーストウッドの『父親たちの星条旗』『硫黄島からの手紙』も戦争の実相を明らかにする名作だったが、今の日本にこのような戦争映画が少ないことが残念だ。古い話になるが私にとっては『人間の条件』(五味川純平原作、小林 正樹監督)が記憶に残るぐらいである。
    (冬に備えるシマリス、十勝・清水町)