富山マネジメント・アカデミー

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医薬品生産、富山が第一位になれないわけ

2017年08月04日 | Weblog

朝日印刷の濱尚社長が、富山大学の経営学科で行った寄付講義で、静岡の小野薬品のガン治療の高額薬品のヒットのため、富山県は待望の全国第一位の座を逃した,と指摘された。全て金額ベースで、統計処理をするためである。

ところで、薬品・化粧品のパッケージを製造する朝日印刷は、脱富山を図っている。京都にもう一つの製造拠点を展開し、企業を楕円構造にして、全国の製薬業の産業集積に対応しようとしている。朝日印刷は、本社は、富山市一番町一号に置きながら、薬品・化粧品のパッケージ製造の市場占有率をさらに高めるために、全国企業へ発展しようとしている。

いずれにしても、富山県という行政枠は、鳥かごのように永久に必要なわけでもない。このような全国展開が期待できるビジネス・モデルに対し、他府県から富山大学の進学してきた学生が就職する先として選択する。

北陸のある権威筋の経済連合会が、北陸3県の大学長を集め、北陸域内の企業への就活促進を呼びかけたが、実は、学生に選択権があり、プロ野球のドラフト制でもあるまいに、学生に嫌われる「おじさんたち」権威筋の振る舞いでは、逆に、客が逃げる。特に、金沢の大学では、全国の中核企業に入社したい学生の希望をかなえることで、金沢の大学は大いに魅力がある。事情は、福井大学も同じである。

北陸3県の企業の株式の時価総額を分子として、分母に全国の企業の株式時価発行総額をおいて占有率を計算すると、北陸域内への就職を大学にお勧めする根拠は薄い。人口では、北陸3県では、全国比4%に及ばない。これを基準にして、株式発行の時価総額の占有率を知りたいものだ。それは、電力使用量でも同じ。域内での発電量の余剰をいかに他府県に売るのかを考えた方が気が利いている。

朝日印刷さんの経営戦略は、薬品・化粧品のパッケージ製造の市場占有率をさらに高めるために、富山の本拠を置きながら、全国展開する。この全国展開があってこその、富山の本拠が生きてくる。北陸のある権威筋の経済連合会は、域内では偉いが、中央官庁、中央政界には、なんの足掛かりもない。楽屋裏では、そういう声もでている。

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