富山マネジメント・アカデミー

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富山市議会は、議員報酬を上げるプロセスを間違った。

2016年08月23日 | Weblog

TMA講師代表:個人研究 元、大学教員として、教え子たちに地方議会の議員になることを推奨してこなかった。職業としての政治家、これは正解である。政治もアマチュアよりも、プロフェッショナルの方がよい。しかし、選挙という洗礼があるために、生涯雇用を前提とする退職金制度がない。それと、伝統的には、他に生業があって、地方議会の議員を地方名士として務めるのが麗しき地方社会の伝統であった。

しかし、地方自治体は、非営利のマネジメント組織である。目的変数は、税収効果におかれる。それを最大化するには、人口を常に増加に導かなくてはならない。だから、企業の誘致、高等教育機関への受験生総数の向上、流出人口よりも流入人口を増やすなどのマネジメント効果である。これに成功している地方自治体では、行政職員の生涯賃金は、何億という水準になる。地方議会の議員は、マネジメント組織のなかでの企画立案、企画審査、決算の審査など、事前企画と事後の事業審査が求められる。したがって、シンガポール、香港、台北などは、弁護士や会計士というプロでないと市会議員に立候補すらできないという不文律がある。だから、議員を専業とする議論はなりたたない。しかし、それも問題が生じる。本業に議員として得た情報を利用することが防止できないので、少ない議員報酬でも果実が大きいことになる。

富山市は、基本的に勤労市民を基礎とする社会である。退職金制度のない市議会議員には、勤務時間の拘束も議会開会中に限られるという狭い解釈と、防災の24時間対応への即応という地方政党に求められる道義的な拘束を広く解釈すると、基本は広義に理解するべきだろう。それを「庶民感覚」というエビデンスのない議論をしてはならない。参考のためにいうと、関西の私立大学の5年という任期付きつきの大学教員は、退職手当込みで年間800万から1000万円である。年間720万ならば、准教授ランクである。任期付きの場合は、つまり、地方議会の議員の場合は、退職手当込みの議論が必要である。大学教員の場合、年間30週、週3から4日に勤務、講義と会議の拘束時間だけだから、地方議会の議員の報酬には参考になる。富山県の場合は、県立大学の教授を原則5年任期制と解釈すると妥当な線が見えてくるはずである。

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