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マイナンバー制を完成させた中国:新時代の始まり

2017年11月17日 | Weblog

民主主義を唯一の価値として、中国評論をするのは大いなる責任回避となる。中国は、1990年代、腰をかがめてマイクロソフトの汎用のコンピューター・システムを導入した。愛国主義を曲げて、先進に従った。その結果、中国共産党の業務のデジタル情報化が大きく進展した。今度、選ばれた中共中央の政治局常務委員は、すべて情報革命による情報管理のアドミニストレーターのトップに位置する。デジタル情報管理のトップが習近平である。なぜなら、軍事のデータは中央軍事委員会主席の超越権限であるからだ。さらに、李克強が管理する国務院は、全中国の人民の「公民証」の発行において、16億人とも想定される全人口の個人データのデジタル管理に成功した。それで、国民の養老年金制度、健康保険制度、失業保険制度をわずか5年でかなり精度の高いシステムにまで構築することができた。

国家が個人から保険料を徴収し、保険基金を管理し、重要な産業ごとの「単位」という企業・事業所単位の社会福祉制度の不整合を見事に克服した。このマイナンバー制度の成功と活用は、幼児期からの教育成果の管理にも役立てられ、弱い子には医療保障を、強い子には才能開花を促進できる可能性を引き出すことが出来る。つまり、孔子の理想とした「大同社会」の第一段階である「小康」を達成するために、「賢」と「能」を推挙する「推薦制の民主」を引き出すことに成功した。

日本では、国民年金の保険金の納付義務が憲法に定めた義務として存在しないので、年金制度に対する国民的信頼がなく、個人情報の公的提供を拒否する護憲勢力のため、完全な社会保障が妨げられている。もうすぐ、中国は日本から手の届かない社会保障の水準に達する。それが、中国経済の軍事化を内側からのブレーキ装置となる。中国政府は、個人の自由主義を抑制し、民生主義をマイナンバー制度で達成し、新時代の中国の第一関門を突破した。

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