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知識人材の流れが自然に造る国家の形

2018年05月06日 | Weblog

これは、有名な話である。アメリカが第2次世界大戦後、さらなる経済成長を遂げたのは、退役した兵士を大量に大学に進学させたことである。これで、アメリカ社会の知識労働のレベルが量的、質的に拡大したことである。反対に、スターリン主義の誤謬と官僚統制を嫌って、東欧の知識人がアメリカ、イギリスへ移民し、遺伝子まるごと東欧から流出、さらにユダヤ人の流出により、知財を資本とする世界史の流れから脱落した。これで、アメリカの勃興と、ソ連の崩壊が起きた。それに代わり、中国が知財資本の先進国に躍りでた。これは、留学生によりアメリカの先端知識がもたらされ、日本の行政技術が輸入され、中国的な社会主義にうまく翻訳されたからである。

このような知識人材の流れをみると、日本国内では、総合商社を核とする先端人材の競争優位の結果、国家公務員、外交官、司法職、地方公務員などの「受験勉強を要する任用試験職」が相対劣位におかれた。生涯賃金が低すぎるからである。財務省の次官でも、退職金が5千万円台というのは、総合商社の2年から4年程度の年収総額である。だから、総合商社に入社し、実績ある人材の母体である慶応、早稲田、上智、一橋、東工大、東京外大が難関となり、東京大学と京都大学は、難関のわりに卒業時の比較優位がないために、親からみると進学リスクが生じている。北陸では、日本の知識人材の流れの変化に対応した進路指導と受験対策が遅れているために、地域社会として進学リスクをもたらしている。結果として、Uターンの就職を賛美しているが、正直、帰ってきて欲しい人材ではない。日本のトップ400社とその系列から外れたローカル人材である。プロサッカーでいうと、第一部リーグのJ1カテゴリーの新卒ではない。第三部のJ3の最下位に沈んでいる。小中の学力テストで上位の秋田県には、秋田県立大学がある。ここは、日本のトップ400社に入社できる。ところが、北陸では、金沢大学ですら日本のトップ400社には容易に受からない。司法試験のランクでも、厳しい。

 

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