富山マネジメント・アカデミー

富山新聞文化センターで開講、教科書、参考書、講師陣の紹介、講座内容の紹介をいたします。

日本の科学技術の伸びしろと北陸社会

2018年05月06日 | Weblog

最終需要ののある産業といえば、自動車産業の先進地である中京地区である。その核にある名古屋大学の科学技術の研究は、22世紀に繋がる先端性と実用可能性の両面から、突出してくる可能性がある。富山では、東北大学の評価が高いが、産業競争力を考えると、名古屋大学の理工系に対する伸びしろを大きく見ておかなくてはならない。実は、東北大学の理工系には、まだノーベル賞を受賞した研究はない。京都大学の理工系から派生した名古屋大学の理工系は、化学系では、実用性を視野にいれた先端性を失っていない。北陸新幹線の効果により、富山から名古屋は一番に遠くなった。しかし、バスの移動では、一番に近い大都市である。

伊丹健一郎(名大大学院理学研究科教授)の「伊丹分子ナノカーボンプロジェクト」は、合成化学の新技術として、分子を合成する多様な展開が期待できるナノ技術である。富山人にある東北大の金属工学の信仰はやめたほうがよい。いまや、高岡の合金科学が劣後化したのも、京大→名古屋大の化学系の完全優位に置いておかれたことを知らねばならない。僕が、ここを強調するには、富山の産業が直面する「新素材」開発の課題である。この伊丹さんの研究を生かし、まず、理論のうえで計算された新たな分子のモデルを形而上で仮想し、伊丹さんの技術を延伸するという計算化学とナノ合成の組み合わせにあるとおもう。あとは、識者に任せる。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 知識人材の流れが自然に造る... | トップ | 原子の超薄膜の層って存在す... »
最新の画像もっと見る