三共立山㈱は、マテリアル事業において、マグネシュームMgという軽量金属の実用化、市場化に大きな道を拓いた。Mgは、粉末にすると可燃性の高い熱源となる。しかし、すでにMgの合金により、燃焼する温度を1300度以下にする耐熱性のMgのプレート技術が確立されている。それで、アルミの加工技術を生かして、カム構造のプレートの実用化、市場化に成功している。電気を動力とする輸送機器の軽量化に寄与している。鉄道車両の客室の軽量化の需要がそれである。これは、EVにも活用できる。だが、難点は、鉄製品との価格競争において完全に勝利できない。理由は、Mgの鉱石からの原料生産の90%以上が中国に依存するからである。と同時に、EVの市場として最大のマーケットは中国である。ここに、炭素繊維系の軽量材も競合してくる。鉄道の車両の軽量化では、ヨーロッパが、現在は主戦場である。その主力が日立車両である。富山の場合、住友系との関係は過去には深いつながりがあったが、ボリューム・ゾーンでは旧財閥系よりも、トヨタ自動車への供給のすそ野に属している。しかし、ガソリン車が限界に来ているので、輸送機器はEVに移る。その場合、水素系は魅力はあるが、すでにある電力線が家庭にまで配線されているので、脱着の容易な電気バッテリーによる電気自動車が市場を制すると考えられる。車体の軽量化には、三共立山㈱は、すでに寄与する技術がある。
最新の画像[もっと見る]
- 飽和の限界が読み取れる大学進学率 3ヶ月前
- いまさら聞けない孔子の話 9ヶ月前
- ウクライナ、この戦争のゴール 12ヶ月前
- 政治部記者から転落、フリーの芸能雑レポに成り果てた姿 1年前
- 歴史の分岐点:どうなるのかウクライナ戦争 1年前
- 中国はウクライナともロシアとも、親密な条約外交がある 3年前
- 「礼記(らいき)」は、クソ面白くないのか? 3年前
- 香港の猪の災難:動物愛護協会に看取られる 3年前
- 孔子の大同思想 3年前
- 荀子における君子と小人 4年前