北朝鮮は、建国当時はスターリン全盛時代だった。その後、世界は大きく変わった。特に、ソ連の崩壊により世界史の構造変化が確定した。世界は、完全にIMF国際通貨基金のデータベースにより通商貿易が展開されるようになった。北朝鮮は、地球的規模の闇経済にとりくんだ。核ミサイルという死の商人たちにとり唯一の安定した国家となった。この変化の中で、中国が基本的にアメリカと協調関係を構築し、北朝鮮を突き放したことで、孤立化がさらに進行した。ただ、中国はアメリカとは同化できない伝統思想がある。この伝統思想からして、朝鮮半島は中国の影響下にあるべきだとする立ち位置がある。北朝鮮が、中国の影に隠れ、対米譲歩を枠組みを縮小させた。こうして、北朝鮮内部の「知米派」の発言力が低下し、「知中派」が中国の北朝鮮にたいする経済制裁を実質的な物流において部分解除した。ところが、北朝鮮がIMFのレベルでの金融制裁に関しては、中国は独自に解除できない。そこに人民元のジレンマがある。北朝鮮が独り悶えるのは、主体思想はグローバルな世界経済のベクトルと逆に動く闇経済に活路を見出しているからである。こうして、北朝鮮劇場は太陽が燦燦と降り注ぐ世界では、みすぼらしい芝居小屋にすぎない。闇の世界にのみ、騙し、秘匿、自尊、・・・「悪」人の心理のなかで、強気を貫く辛苦を隠しているだけである。彼らが分かっていないのは、間抜けでも善人の幸福感を共有する喜びである。いくらでも悪知恵に負けたフリをしたげるよ、僕たちは。