富山マネジメント・アカデミー

富山新聞文化センターで開講、教科書、参考書、講師陣の紹介、講座内容の紹介をいたします。

日系のグルーバル企業だけが見える地球儀

2019年11月10日 | Weblog

我々は、2つのうちから1つを選ぶ思考に慣らされている。だから、親米も、親中も、戦術としては間違いないが、そのうち片方だけを選ぶのは、現実の必要から離れることになる。まして、アメリカを「信じる」とか、中国を「信じる」という一方的に惚れこむ態度も無意味である。現在、日本の社会を支える20歳から65歳の日本人は、親米にも、親中にも、一方向にのめり込まない。さらに、もっとのめり込んで、「信じる」という感情もない。では、日本第一主義に立って、米中よりも優位にある日本中心主義にも立脚していていない。トヨタの新車の販売台数では、アメリカ、中国、日本国内の順である。すでに、国内市場の前途には限界がある。活路をアメリカ市場、中国市場に見出すことになる。その場合、日本が米中に関係なく、独自の政治・経済・外交の戦略で問題に対処できたらという願望はあるが、実は、そこは慎まれている。というか、問題別に、これはアメリカと協調し、中国には距離をおく、また、その逆もある。孤立主義は、太平洋の両端にいる超大国である米中に挟まれているかぎり不可能である。問題別、課題別に、それぞれの先端における人間関係の濃淡が違うので、ある分野では「親米」、ある分野では「親中」という迷彩服のような姿をとらざるをえない。アメリカー中国―日本が対話する場合、共通語は「英語」とせざるをえない。つまり、英語のできる中国人、英語のできる日本人、中国語が理解できるアメリカ人、日本語が理解できるアメリカ人、それぞれが現実主義をわきまえるなら、さほど大きな対決の構図にはならない。このような人材を内部に抱えるのが、日本の一流企業である。世界はどうなっていくの?それは、TOYOTA、日立、YKKさんのような日系のグローバル企業だけが、見えている。それが、日本の知られざる真実の積み重ねの強みである。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 香港科技大学の学生、転落死... | トップ | 悩ましい次期の富山知事の選... »
最新の画像もっと見る